著者
安藤 真也 竹内 義則 松本 哲也 工藤 博章 大西 昇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.709, pp.1-8, 2002-03-07
被引用文献数
5

この論文では,聴覚障害者のために環境音の中から警告音を識別し使用者に伝えるシステムについて述べる.音源識別処理の概要は次のようである.まず入力音に対し短時間FFTを行うことにより周波数情報に変換し,それを固有空間へ投影することにより特徴抽出を行う.そして,特徴抽出された入力音のオンセットからオフセットまでのデータ,それが3秒以上の時はオンセットから3秒間のデータに対し,隠れマルコフモデルを用いることにより入力音の識別を行い,識別結果を画面出力することにより使用者に伝える.以上の識別処理を計算機に実装し,6種類の警告音(サイレン,非常ベル,警笛,踏切,クラクション,救急車)を識別対象音源として実験を行ったところ,一10dBの雑音環境においても94%の識別率を得ることができた.
著者
徳弘 一路 高澤 嘉光 山家 清彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.115, pp.25-30, 2008-06-20

種々のギター奏法に対して弦振動がブリッジに与える力を計測できる2次元ピックアップを開発し,2次元ピックアップを6個搭載しだMIDIギターを製作し,ギタリストの弾弦情報を計測できることを以前に報告した.今回,人工指を用いて再現性のある2次元ピックアップを搭載したギター弾弦装置を製作した.そして,計測したギター弦がブリッジを押す力を用いて,裏板を取外して力木の自由な脱着が可能に改造したアコースティックギターのブリッジを直接駆動するギター演奏システムを製作した.さらに,残響時間変更可能な視聴実験室を製作し,ギター演奏システムの出力音を計測し,音響分析した.
著者
山肩 洋子 木村 敏幸 勝本 道哲
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.166, pp.13-18, 2009-07-27
被引用文献数
1

我々はこれまで,球面上に26個の独立チャネルのスピーカを配した球形スピーカアレイを用いて,単体の楽器が中心から外に向かって放射する音を立体的に再現するシステムの研究を行ってきた.今回は,この立体音像に映像を付与する試みとして,スピーカアレイを多面体にし,その前後左右上の5面に,各方向から見た映像を投影するシステムを構築した.7名の被験者に体験してもらいインタビューした結果を分析したところ,ほぼ全被験者が楽器を実物大に投影した拡大映像のほうが音像と知覚的に一致すると答えたが,それにも関わらず半数は奏者全体が映っている広角映像の方が好ましいと回答するなど,投影する映像の画角や見方によって感じ方が変わることが分かった.
著者
西澤 達夫 井上 裕翔 大谷 真 橋本 昌巳 香山 瑞恵 伊東 一典
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.266, pp.55-60, 2012-10-20

タッチパネルは,画面に触って直接操作が可能なため,GUIとの組み合わせで多くの機能を実現できる直感的な使い易いインタフェースとして普及が加速している.一方で視覚障害者にとっては,表面が平らで,どこを触ったら良いのかが分からないため,使い難いインタフェースとして敬遠されてきた.しかし,スマートフォンを始めとして,視覚障害者のタッチパネル搭載機器に対する利用要求が,今後益々高まるものと予測される.本研究では,指でタッチパネルを触った位置を,HRTFを用いた聴覚ディスプレイでフィードバックすることで,視覚障害者によるタッチパネルの操作性改善の可能性を検討したので報告する.
著者
菅谷 雄一 粥川 大祐 降旗 建治 柳沢 武三郎 松崎 雄樹 近藤 暹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.397, pp.1-6, 2003-10-23
被引用文献数
5

前報[1]において,骨導超音波による断続音融合弁別閾を用いての疲労度測定(以下超音波疲労度測定器と呼ぶ)の可能性が示唆された.本報告では,引き続き「高濃度の酸素を吸入することによる疲労の回復状態」および「疲労状態時の仮眠による疲労の回復状態」に関する基礎的検討を行った.その結果から,各個人の感覚的な数値データは,実験の前後で統計的に有意な変化が観測され,回復の度合いを示す有効な数値が得られた.また,前報でこれまで疲労度の数値化のための有効な手段として用いられてきた自覚疲労度と客観的疲労度との相関性も示唆された.本報告ではWWWを利用して自覚疲労を表す単語の評価尺度を検索し,より信頼性の高いアンケートが制作された.これにより客観的疲労度と自覚疲労の相関性がさらに強くなる傾向がみられた.
著者
和田 芳佳 森勢 将雅 西村 竜一 入野 俊夫 河原 英紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.175, pp.81-86, 2011-08-02

歌唱音声や障害音声,強い感情音声など,基本周波数のみでは十分に表すことのできない複雑な構造をもつ音声を分析するために,XSX(eXcitation Structure extractor)と呼ばれる方法を提案してきた.本資料では,従来の基本周波数抽出法と比較することで,XSXの特長と有効な適用領域を明らかにする.まず,FM調波複合音を試験用の信号として,基本周波数の変調周波数に対する追従性能を調べ,XSXが比較対象であるYINとSWIPEを大きく凌ぐ性能を有することを明らかにした.次いで,障害音声データの分析を行い,比較対象の方法と大きく異なる結果が得られる音声に対して詳細な検討を行った.XSXによる詳細な分析結果は,それらの音声では,いわゆる基本周期に加えて,複数の周期が組み合わされた単位が繰返されるサブハーモニックが生じていることを明らかにした.これらの結果は,XSXが従来の方法では困難な複雑な音声の分析に有用な方法であることを示すものである.
著者
大賀 寿郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.651, pp.41-44, 2006-03-06
被引用文献数
1

学会の役割としては研究討論のほか、産業界のための技術標準化への貢献も重要である。ここでは実例をあげて電気音響変換器の技術標準化の過程を解説する。
著者
石川 智治 小林 幸夫 宮原 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.259, pp.75-82, 1999-08-26
被引用文献数
8

過去に,音質評価語の収集及びグループ化を行い, それらを多次元空間にマツピングし, 解析することにより, 高度感性情報に関連する評価語群(16語)を明らかにした. しかしながら, 多次元空間内の心理距離による評価語のクラスタ化で, 少数の重要な評価語がクラスタ化されない事, 多次元空間内における解析で求められる評価語の重要度と衆目評価法による重要度の順序が一致しない事などの問題があり, これ以上の解析はできなかった. そこで, 聴取者の音楽再生における音の聴き方の違いから, 評価語のグループ化を行い, 各グループ毎に評価語の解析を行うという新しい考え方に基づき, 多次元尺度構成法(MDS)やDematel法を行った結果, 上記問題点が解決された. そして, 得られた各グループと高度感性情報との位置付けを議論すると共にキー評価語の抽出を試みた.
著者
石川 俊行 砥川 進士 降旗 建治 柳沢 武三郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.381, pp.57-64, 2001-10-18
被引用文献数
3

本報告では人がアンプによる音質の違いをどのように判断するかについて, 聴覚系の情報のみ与えた一対比較法(Scheffeの方法)と, 聴覚系以外の情報も与えた階層分析法の両面から実験的に検討した.具体的には, トランジスタ式, FET式, 真空管式(OTL及びOPTで使用)の4種類のアンプを採用し, クラシック, ロック, ポップスにおける4種類の品質表現語(明快さ, 滑らかさ, やわらかさ, 深み)を用いて検討した.その結果, 前者ではわずかなアンプ間の音質の違いが現れているものの, 統計的有意差は認められなかった.さらに後者では, 音楽に「滑らかさ」と「やわらかさ」を好む人が真空管アンプ(OTL)を選ぶ傾向が示唆された.
著者
森本 洋太 青木 直史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.125, pp.29-33, 2012-07-12

本稿ではソニフィケーション・ツールとしてのSupercolliderの可能性について述べる.Supercolliderは多種のユニット・ジェネレータを備えた、リアルタイム音響合成のためのプログラミング環境である.本環境を用いたデータ可聴化プログラミングの方法をデモを通して考察する.
著者
宮原 誠 石川 智治 小林 幸夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.235, pp.9-15, 2001-07-20
被引用文献数
1

高度感性情報再現を目的としたスピーカの新設計理論を示す.高度感性情報とは人に感動を呼び起こすもの(深々さ, 凄み, 実在感など)である.コーン型のスピーカによる電気音響信号の再生(主として低温の再生)は, 制御理論の臨界制動(ζ┤0.7)の考え方を基本とする設計とは全く異なり, むしろ軽く, サスペンションの柔らかい振動板が, 複雑な電気信号に高度高く駆動されるように設計することが重要である.具体的には, 目標をQ_0<0.2, 高周波数帯域はボイスコイル近傍のみを振動板のピストン運動領域とする, などである.又, スピーカが空振りせずに空気をしっかりとらえて, 自由空間に精密な波面を放射させるようなメインアンプも含んだ新しいスピーカ駆動理論を示す.
著者
村井 厚介 降旗 建治 柳沢 武三郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.397, pp.31-36, 2003-10-23
被引用文献数
2

前報[1]では,耳栓型イヤホンによる再生時に,頭外定位感が得られる条件について検討した.その結果,耳栓の装着感が定位感に深く関係することが示唆された.本報では,耳栓型イヤホンの装着感が主に外耳道閉塞効果によるものと考え,空気漏洩孔を設けることで外耳道閉塞効果を低減したイヤホンを設計・製作した.次に,スピーカ再生音とイヤホン再生音を片耳ずつ同時に受聴する状態で音像定位実験を行い,外耳道閉塞効果と頭部伝達関数それぞれの頭外定位感に対する影響を検証した.その結果,頭外定位感に対し,外耳道閉塞効果を低減することの有効性が1kHz以下の帯域において見られ,個人の頭部伝達関数を補正することの有効性が特に正中面内前方において見られた.
著者
上村 益永 高橋 祐 猿渡 洋 鹿野 清宏 近藤 多伸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.143, pp.43-48, 2008-07-11

本稿では,スペクトル減算処理過程で生じるミュージカルノイズ量の計量尺度を提案する.スペクトル減算法はミュージカルノイズと呼ばれる人工的で耳障りな歪みを生じ,音質の劣化が著しいという問題を抱えている.そのため数多くのミュージカルノイズ対策手法が提案されているが,ミュージカルノイズの評価尺度が存在しないために,その効果を定量的に議論することができない.我々は,スペクトル減算処理によるミュージカルノイズ発生量が処理強度と原信号の確率密度関数の形状に関係深いことを発見した.この関係に着目し,高次統計量を利用することで確率密度関数の形状を考慮できるミュージカルノイズ発生量の計量尺度を提案する.最後に,主観評価実験により提案尺度とミュージカルノイズが高い相関を持つことを示す.
著者
中山 雅人 松井 唯 西浦 敬信
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.388, pp.25-30, 2013-01-17

近年,超音波を利用することで超指向性を実現できるパラメトリックスピーカが注目されている.パラメトリックスピーカは超音波を可聴音波で変調した振幅変調波を放射し,振幅変調波が空気の非線形性により目的とする可聴音波に自己復調する原理で駆動する.パラメトリックスピーカより復調する可聴音波は,キャリア波と側帯波との差音として考えることができる.そこで本研究では,振幅変調波をキャリア波と側帯波に分離して,異なる方位よりそれぞれ放射することで,特定の領域のみで可聴音波を復調させることで再生領域の制御を試みる.さらに本稿では,パラメトリックスピーカを複数に増やすことで,側帯波による高調波歪みの影響の軽減を試みる.最後に,実環境における評価実験を行い,提案手法の有効性を確認した.
著者
高桑 誠明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.286, pp.31-36, 2009-11-12
参考文献数
35

屋外で低周波音を計測する場合には風雑音の混入が問題となる。このため,2重,3重のウインドスクリーンを用いる風雑音対策も行われて効果があるが,特に低周波域ではなお問題が残されている。この問題に対し,マイクロフォン近傍の風速情報や,結果的に混入した風雑音自身の超低周波成分情報を用いて,妨害となる混入風雑音成分を推定する事に基づく風雑音対策法を提案している。これらの手法の有効性は確認しているが,より推定精度を向上させるためには,風雑音についての引き続く実験的研究が不可欠である。ここでは,従来の成果を再検討し,さらに精度向上に寄与すべく実験的に検討した結果を報告する。
著者
清原 健司 古家 賢一 金田 豊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.161, pp.39-43, 2000-06-23
被引用文献数
1

反射性の対向壁の間でパルス音等の短音を発生させた場合に、特別な音色の音が室内に残って知覚される現象は、フラッターエコー(鳴き竜)としてよく知られている。しかし、壁面の反射率が極めて高い直方体室内で短音を発生させた場合に、sweep音が知覚されることは、一般にはあまり知られていない。本稿では、この「3次元鳴き竜」とでもいうべきsweep音についての分析をし、その生成機構を解明したので報告する。解析は簡単のため、立方体室について行った。解析の結果、反射パルス音列の大部分が二乗時間軸上で等間隔になっており、これが時間軸上では時間に比例して周波数が上昇しているためにsweep音として知覚されていることを明らかにした。
著者
稲永 潔文 伊福部 達
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.402, pp.55-60, 2012-01-19

ヘッドホン・イヤホンの測定には,実使用状態に近くかつ測定結果の再現性の良い測定プラットフォームが求められ,その一つとしてIEC60318-7(60959)準拠のHATSにIEC60268-7準拠の耳介モデル(Pinna simulator)を組み合わせたものが推奨されている.しかし既存のHATSをベースとして,別規格の頭部と耳介モデルを機械的および音響的に満足させる測定プラットフォームの実現は容易ではなかった.そこでこれら規格を忠実に再現したHATS (SAMAR : Southern Acoustics Mannequin for Acoustic Research)を新たにPC上の3Dデータとして設計し,実際に作成してヘッドホン・イヤホンの測定用プラットフォームとしての検討と考察を行った.
著者
小澤 賢司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.333, pp.83-88, 2008-11-27
被引用文献数
11

音を聴取した際に知覚する臨場感は,録音再生の対象となる音によって,またその録音再生系の特性によって異なる.本報告では,それぞれをコンテンツ臨場感とシステム臨場感と称し,基本特性を実験的に検討した結果を紹介する.シェッフェの一対比較法による聴取実験の結果,音源が移動する音などについてコンテンツ臨場感が高いことが示された.また,システム臨場感については,良好な音像定位が得られることが高臨場感に必須であることが示された.さらに,コンテンツ臨場感とシステム臨場感を比較した結果から,両者は同等に重要であることが示された.その他に,視覚情報や再生音圧レベルが臨場感に及ぼす影響についても検討したので紹介する.
著者
小倉 正樹 川瀬 哲明 鈴木 陽一 曽根 敏夫 高坂 知節
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.259, pp.23-28, 1999-08-26
被引用文献数
1

左右差の無い聴力閾値正常者に対しランダム化最尤適応法を用いて単耳および両耳ピッチ比較実験を施行した。この結果から単耳・両耳の周波数弁別閾、両耳の等ピッチ周波数の差を求めた。個人差はあるが全例で4kHz以上の高周波域において周波数弁別閾は増大傾向を示した。等ピッチ周波数の左右差は4例中2例で高周波域での増大を示した。これらの結果は、高周波域では周波数情報として場所情報が卓越するという説に合致するものと考えられた。
著者
猿舘 朝 伊藤 憲三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.179, pp.13-18, 2008-07-28
参考文献数
34

本稿では,聴覚障害者のための生活音自動識別システムについて提案する.我々はこれまで,識別したい生活音の信号特徴量をあらかじめ事前に登録する方式とすることで,非常に高い識別率を実現した.信号の特徴には,平均スペクトル情報とパワー情報,識別には線形判別関数を用いた.また,実時間システム構築の際に必要な,フレーム処理に基づく信号検出及び識別アルゴリズム等について検討を行い,高速で識別処理するシステムとして実現した.さらに,本報告では周波数帯域特徴や時間パタンを考慮した光や振動といったメディア変換呈示および,システムの実装構成について述べる.