著者
柏木 征三郎 工藤 翔二 渡辺 彰 吉村 功
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.74, no.12, pp.1044-1061, 2000-12-20 (Released:2011-02-07)
参考文献数
25
被引用文献数
27 29

リン酸オセルタミビル (Ro64-0796) は, A型およびB型インフルエンザウイルスの増殖に必須の酵素であるノイラミニダーゼ (NA) に対する強力で選択的な阻害剤オセルタミビル・カルボン酸 (Ro64-0802) のプロドラッグで, 経口投与後速やかにRo64-0802に変換される. 今回, 我々は, 16歳以上のインフルエンザウイルス感染症患者を対象に, リン酸オセルタミビル (Ro64-0796) 1日2回朝・夕食後5日間経口投与時の本剤の有効性および安全性を検討する目的で, プラセボを対照とした第III相二重盲検並行群間比較試験を実施した. 本試験に登録された患者数は316例で, プラセボ投与群162例, Ro64-0796投与群154例であった. このうち治験薬が投与され, かつインフルエンザウイルスの感染が確認された症例 (ITTI: Intent-to-treat infected population) は, プラセボ投与群130例, Ro64-0796投与群122例の計252例であった.その結果, Ro64-0796は, 有効性の主要評価項目であるインフルエンザ罹病期間を約1日 (23.3時間) 短縮させ (p=0.0216, 一般化ウイルコクソン検定), 投与3日目の鼻・咽頭ぬぐい液中のウイルス力価を有意に低下させた (p=0.0009, 共分散分析). さらに, 平熱までの回復時間 (36.9℃以下になるまでの期間) をプラセボに比べ約45%短縮させ, インフルエンザ症状の改善に要する時間の短縮ならびに症状の重症度軽減をもたらした. 一方, 安全性については, 有害事象として, 嘔気, 嘔吐, 腹痛などの胃腸障害が多くみられたが, 副作用の発現率は, プラセボ投与群40.9%, Ro64-0796投与群33.1%と, 両群で有意な差は認められず (p=0.155, x2検定), 臨床的に問題となる臨床検査値異常変動およびバイタルサインの異常も認められなかった.以上の成績から, Ro64-0796は, 臨床的に有効かつ安全な経口インフルエンザ治療薬であると考えられた.
著者
吉村 ミツ 吉村 功
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.97, no.40, pp.17-24, 1997-05-15
被引用文献数
3

日本人の名前は通常3個ないし5個の漢字,ひらがな,カタカナからなっている.署名をするとき日本人は,たいていの場合,構成文字間に空白をおいてその名前を書く.この空白を利用すると署名は各構成文字に分離できる.これに着目して署名照合システムを作り,その性能を実験で吟味したところ,署名を各構成文字に分離しないときに比べて約7%小さい誤照合率を得ることができた.本報告では,そのシステムで用いている文字切り出しアルゴリズムを紹介し,その性能評価実験結果を述べる.
著者
橋本 康弘 土井 真一 根本 信義 佐伯 昌彦 小山 治 橋場 典子 吉村 功太郎 桑原 敏典 磯山 恭子 中原 朋生 渡部 竜也 三浦 朋子 小澤 昌之
出版者
福井大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究の目的は、日本の中・高校生の持つ法的知識や意見に基づいた法教育プログラムの開発にある。本研究では、日本の高校生を対象とした質問紙調査を実施した。その調査結果では、法知識は正しく有していても、法意見は反対の考え方を示すなど、「法知識と法意見の乖離」が生じている項目が散見された。本研究では、「法知識と法意見の乖離」が生じている「黙秘権」と「自白強要の禁止」について、授業を開発し、それを実施した。
著者
吉村功著
出版者
桜山社
巻号頁・発行日
2017

1 0 0 0 数理統計学

著者
吉村功著
出版者
培風館
巻号頁・発行日
1969
著者
吉村 功
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
1964

博士論文
著者
吉村 ミツ 吉村 功
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-2, 情報・システム 2-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.7, pp.1764-1773, 1997-07-25
被引用文献数
12

本論文は旅行小切手上に書かれた日本人の署名を自動的に照合するシステムについて述べている. 日本人の名前は, 通常3個ないし5個の漢字, 平仮名, 片仮名からなっている. 署名をするとき日本人は, たいていの場合その名前を構成文字間に空白をおいで書く. この空白を利用すると署名は各構成文字に分離できる. 本論文の筆者らはこれに着眼した署名照合システムを作り, その性能を実験を通して吟味し, 次の結果を得ている. 1.上段に書かれた1個の純正署名のみを参照して下段に書かれた署名を照合する場合には, 誤照合率を40%以下にすることができない. 2.純正署名を5個参照できる場合には, 誤照合率を16%程度に小さくすることができる. 3.署名を各構成文字に分離して照合を行うと, 分離しない場合に比べて誤照合率を7%程度小さくすることができる. 4.誤照合率は個人によって大きく異なり, 純正署名を5個参照できる場合, いつも安定していて他人にまねされにくい署名では誤照合率が0%になるが, 不安定な書き方の署名では誤照合率が30%以上にもなる. 本論文は, 以上の実験結果から, 旅行小切手で署名照合を有効に行うには, 純正署名を複数個利用できるようにすることが望ましいと結論づけている.
著者
中里 真帆子 遠藤 壮平 冨田 寛 吉村 功
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.98, no.7, pp.1140-1153,1255, 1995-07-20 (Released:2010-10-22)
参考文献数
18
被引用文献数
2 2

正常人461名に対して3対の部位の電気味覚閾値を電気味覚計 (TR-06, リオン株式会社) のワイドレンジで1人の検者が測定した. 年齢区分間で多重比較を行ったところ, 加齢により鼓索神経領域と舌咽神経領域では60代より, 大錐体神経領域では70代より閾値が有意に上昇していた. 性差は10代後半で有意に女性の閾値が低下していた. どの部位でも女性の方が閾値が低い傾向があった. 左右差は, 大体6dB以内であった. 部位差は, 軟口蓋の閾値は常に舌尖や舌根より高かった. 舌尖と舌根の閾値はほとんど差がなかったが, 10代後半では, 舌尖の閾値の方が舌根より有意に低かった. 非喫煙者に比べて喫煙者では, 30代, 40代では軟口蓋の閾値が有意に低下していた.
著者
唐木 清志 山田 秀和 森田 真樹 川崎 誠司 桑原 敏典 橋本 康弘 吉村 功太郎 渡部 竜也 桐谷 正信 溝口 和宏 草原 和博 桐谷 正信 溝口 和宏 草原 和博 磯山 恭子 藤本 将人
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

アメリカ社会科で展開されるシティズンシップ教育の動向を, 理論レベルと実践レベルから多面的・多角的に考察し, その現代的意義及び日本社会科への示唆を明らかにした。具体的な研究成果としては, 2009年3月に刊行された最終報告書に載せられた13名の論文と, 2009年1月13日にミニシンポジウムを開催したことを挙げることができる。研究を通して析出された「多様性と統一性」や「争点」といった分析枠組み(本研究では「視点」という言葉を用いている)は, 今後日本の社会科においてシティズンシップ教育を推進するにあたっても, 重要なキーワードとなるであろう。