著者
斎藤 恵一 星 裕之 川澄 正史 斎藤 正男
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.93-98, 2006
参考文献数
10
被引用文献数
1

ジャンルの異なる3種類のテレビゲームをしているときの脳活動を,機能的MRIを用いて計測し比較した.被験者(10名)にプリズム眼鏡を装着させ仰臥して足元先のスクリーンに映し出された画面を見ながらゲームを行わせた.ゲーム中の脳活動を計測し,統計処理により有意な賦活反応を標準脳に描出した.前頭前野に着目すると,複雑なプランニングが必要なマージャンでは左右両側が,リアルタイム応答が必要なカーレースでは右側だけが賦活した.一方,プランニングがほとんど必要ない単純な条件反射に近いリズムアクションゲームでは前頭前野の賦活はみられなかった.必要なスキルの違いによってゲームごとに賦活部位に違いがあることが示された.
著者
渡邉 志 高上 僚一
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.41-48, 2006-10-20
被引用文献数
3

吹奏楽曲である「スポーツ・ショー行進曲」(小関裕而作曲)を複数の健康人(男2名,女3名)に対して同時に聴取させ,その間の心拍変動を連続測定することを試みた.心拍変動(HRV)については,耳たぶより採取した脈波情報からR-R間隔を抽出し,線形補間を行うことにより100ms毎の時系列データとした.そのようにして得られたデータについて,聴取前・聴取中・聴取後に分け,心拍変動係数(CV-RR)の平均値を求めたところ,増減しながら変化していき,[聴取前のCV-RR<聴取後のCV-RR]であることがわかった,更に,HRV時系列データを高速フーリエ変換により,0.04〜0.15Hz成分を低周波数領域(LF),0.15〜0.4Hz成分を高周波数領域(HF)のように抽出した結果,交感神経活動と関係する指標とされているLF成分とHF成分との比については,[聴取中<聴取前<聴取後]となることがわかった.また,LF成分についても同様な結果が得られた.
著者
佐藤 肇展 田中 佑季 永松 正博
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.41-48, 2011-06-30
参考文献数
3

カメラ動画像を用いて移動物体を追跡するには,様々な雑音や遮蔽に対して安定に対象の位置を推定することが必要となる.この追跡に対して,対象の動きの非線形性が高くても,実装が容易で高い追跡性能を示す粒子フィルタが近年良く用いられる.しかしながら,追跡対象が複数である場合,各粒子にすべての物体の情報を持たせると各粒子が持つ情報の次元が高くなり多数の粒子が必要になる.従って,大きい計算パワーを要することになる.本論文では,複数の移動物体が複雑で高速ではあるが複数の定型的な移動パターンを繰り返すような場合に対して,モーションサンプルと窓と呼ばれるものを用いることにより,少ない粒子数でより正確な追跡が可能となる手法を提案する.モーションサンプルとは,前述のような複数移動物体の典型的な移動パターンのことであり,粒子フィルタの予測フェーズにモーションサンプル群を用いることにより,より正確な予測を可能にする.このことにより,各粒子の持つ情報の次元が高くなっても少ない粒子数で追跡が可能になる.また,窓とはモーションサンプルを記述する際に各対象物体の位置をその窓の中での相対座標で記述するものである.このことによりカメラのパン・チルト・ズームが行われても,それに対応した窓の位置を推定することにより,モーションサンプルを用いた予測が可能となる.窓の位置の情報も各粒子に持たせることにより,その推定も粒子フィルタで行うことが可能である.提案手法の有効性を,ジャグリングされている5つの同色同形のボールの追跡により確認した.
著者
中山 亮介 納富 一宏 斎藤 恵一
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.29-34, 2011-06-30

近年,インターネット利用者やサービス数の増加により,さまざまなサービスにおいて個人認証が用いられるようになった.IDとパスワードによって認証を行う方式が主流であるが,パスワードを他人に知られた場合に安全性を失ってしまう.個人情報をはじめとしたセキュリティ確保のため,より安全性の高い認証方法が求められている.そこで,本稿では,行動的特徴量を用いたバイオメトリクス認証のひとつであるジェスチャー認証手法を提案する.本手法は,加速度センサにより計測されたジェスチャーにおける個人の癖を自己組織化マップにより学習することで認証を行う方式である.また,実験では,複数マップによる多人数対応と認証精度の変化について検証を行った.その結果,90%以上の認証精度が得られたが,1マップあたりの登録ユーザ数が適切でない場合,精度の低下がみられた.しかし,マップサイズや人数を調整することで精度の改善が期待できる.今後は,さまざまなマップサイズや登録人数,経年変化についてさらに検証していく予定である.
著者
山川 烈 内野 英治 平川 克己 松山 敏剛 渡辺 寿美子 野上 ナヲエ
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
Biomedical fuzzy and human sciences : the official journal of the Biomedical Fuzzy Systems Association
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.71-79, 1995-07-07
被引用文献数
1

ハフ変換はノイズに埋もれた画像から直線を検出する有効な手法である.しかし, 従来のハフ変換ではノイズが多くなると直線を検出するのが困難になる.本論文では, ノイズの多い画像中の, いわゆるぼやけた直線や, 有界な線分(始点と終点)をも検出できる組合せファジィハフ変換を提案する.さらに, この手法を拡張しノイズに埋もれた円の検出も可能にした.本手法の有効性は細胞診に用いる顕微鏡画像への適用により確認された.
著者
松浦 弘幸 小井手 一晴 野田 信雄
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.167-172, 2006-10-20

前の論文では,都道府県の衛生統計データを用いて離婚率の社会的要因を重回帰分析した.その結果,この説明変数を含む重回帰式を得た.しかし,説明変数の特質を調べるために,主成分分析や因子分析を行った.この過程で年間平均気温と平均雪日のように,重回帰式の符号と異なる効果を持つ変数が存在している.共稼ぎと学歴がその代表的な変数である.これらの説明変数を用いてクラスター分析を行うと,都道府県は概ね4つのグループに分割される.しかし,東京都,沖縄,そして北海道は,時に,他のグループのどれにも属さない.こ3つの都道府県には,特殊な事情」が存在しているのかもしれない.
著者
持田 信治
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.31-36, 2003-08-31
被引用文献数
1

人が知識を獲得する過程は、まず、五感により得た断片的な情報を収集した場所や時間に従って1つの情報集合体として記憶した後、この情報集合体を取捨選択して、ある筋書きに従って整理することにより知識や経験を獲得していると考えられる。そこでこの情報集合体の中で有用なものを低位な知識と定義して、低位な知識を1つの目的に沿って整理した知識群を高度な知識と定義した。本研究では低位な知識をXML形式で登録するシステムの開発を行い、蓄積した低位な知識を統合して高度な知識を獲得する実験を行った。その結果、低位な知識から高度な知識を得るためには低位な知識を統一的に取り扱う知識操作技術が必要であることが明らかになった。従って今後の課題は有効な知識を集めるための収集方法と知識操作に関する研究である。
著者
白濵 成希 松本 圭司 森谷 健二 合志 和洋 渡邉 志
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会大会講演論文集 32 (ISSN:13451510)
巻号頁・発行日
pp.A2-1, 2019-11-23 (Released:2021-02-01)

We have been researching subjective evaluation experiments using Visual Analog Scale (VAS). VAS has the advantage of expressing subjectivity more intuitively. In this paper, we report an attempt of the subjective evaluation related to human lightness sense as fundamental research on what kind of color sense human has. We used VAS to obtain answers on where each gray image with different lightness corresponds to on the grayscale. Numeric values obtained by this evaluation experiment were analyzed to confirm the characteristics of the sensitivity of the individual. Moreover, at the same time, it was examined whether the VAS accurately reflected the subjective view of the person by the answer of what percentage of the grayscale was by the numeric value input. In order to conduct experiments smoothly, we developed an app that can perform VAS measurement and numeric value input simultaneously. We presented ten grayscale images to 13 subjects and obtained subjective measurements using this app. It was confirmed that when the lightness of the grayscale image is high, it can be recognized relatively accurately, but when the lightness is low, it tends to feel darker.
著者
岩田 和也 森 幸男
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会大会講演論文集 30 (ISSN:13451510)
巻号頁・発行日
pp.29-32, 2017-11-25 (Released:2021-02-01)

The purpose of this paper is to investigate the quantitative changes of autonomic nerve activity using AC electromagnetic fields. In previous research, we attempted to measure autonomic nervous activity using a Heart Rate Variability (HRV). However, due to influence of the magnetism, a correct result could not be obtained. In this research, we measured the autonomic nerve activity not affected by magnetism using measuring equipment of skin potential activity. The experiment was repeated for one subject. As a result, it was found that the skin potential level tends to rise and skin potential reflex fluctuates when magnetic exposure and after the exposure. It is thought that the blood flow was accelerated by magnetism, and the sympathetic nerve activity became dominant. However, this experiment haven’t had examined enough data regarding the researched subjects. For this reason, there is a need of gathering more data for the classification of autonomic nerve activity.
著者
森 幸男 佐巻 優太 多田 大希 渡邉 志 白濱 成希 中谷 直史 冨田 雅史
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.67-72, 2017 (Released:2020-11-04)

本論文では, 1/f ゆらぎがもたらす自律神経活動への影響を明らかにするため, 超音波領域(40kHz)の正弦波をベースとして, 振幅に1/f ゆらぎを与えた場合と与えない場合の音源提示による自律神経活動の相違を検討する. その結果, 1/f ゆらぎを与えた場合と与えない場合で被験者のLF/HF 指標の値のばらつきに差があることを示す. これは, 1/f ゆらぎによって, 被験者の自律神経活動を制御できる可能性があることを意味する. 本研究により, 従来曖昧であった1/f ゆらぎ独自の効果を客観的事実によって証明できたと考えている.
著者
齋藤 大輔
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会大会講演論文集 32 (ISSN:13451510)
巻号頁・発行日
pp.B4-3, 2019-11-23 (Released:2021-02-01)

Smartphone was equipped with the function equal to a PC and has become an indispensable tool in the information society. In particular, many people are using it as entertainment tools such as video viewing, communication applications, and game applications while moving. There are many people using smartphone while walking on a platform or a street because they are enthusiastic about the application and cannot be interrupted. For this reason, many accidents have occurred due to the use smartphone while walking, and have been alerted not to use smartphone while walking. However, smartphone use while walking does not decrease at all. In this report, we examined the risk of using a smartphone while walking, based on changes in perception. In the experiment, we measured the effective visual field when standing without using a smartphone, standing with a smartphone, walking without using a smartphone, and walking with a smartphone. As the result, it was shown that the effective visual field was 45-56% narrower when using a smartphone than when not using a smartphone in both standing and walking. Thus, when using a smartphone, it is meant that it isn't possible to notice the changes in surrounding circumstances. Therefore, it was shown that using a smartphone while walking was dangerous.
著者
中野正博 松浦弘幸 玉川雅章 行正 徹 石川耕介 山中 真
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.87-99, 2017-12-28 (Released:2021-03-15)

転倒などで生じる複数の損傷が及ぼす深刻度を示すための総合評価指数を提案し,その指数を用いて転倒の保護防具の有効性を示す.転倒実験は,衝突試験用人体模型(人体ダミー)を用いて,日本自動車研究所(JARI)において行った.人体ダミーは,頭部,胸部,腰部に加速度センサが,首部には,力とモーメントの計測センサが設置されており,転倒時に計測された物理量のデータに基づいて分析を行う.これらの物理量のデータは連続量であり,これをもとに,連続量の身体各部の損傷の程度(AIS)を連続関数として定義し,それらを総合する評価指数としての生存確率Ps をより精密な指標として系統的に計算できるように拡張した.生存確率Ps を各種のヘルメットやジャケットなどの保護防具を着て転倒した場合で計算し,保護防具の有効性を示した.
著者
大坪 正和 吉田 香
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.31-39, 2016 (Released:2020-11-04)

本研究の目的は,視覚情報を用いてパーソナルコンピュータのユーザーを満足させることである.パーソナルコンピュータのアプリケーションでは,時間評価に関係する動作が多く存在する.多くの研究は,ユーザーを満足させるために処理速度に焦点を当てている.我々は,ユーザーを満足させるためのアプリケーションインターフェースに着目し,知覚心理学の知見を用いてインターフェースが時間評価に及ぼす影響を調査する.具体的には,グラフィカルインターフェースの一つであるプログレスバーに着目し,プログレスバーの形状が時間評価に及ぼす影響を調査するために主観評価実験を行った.主観評価実験では,異なる10 種類の形状のプログレスバーを実験参加者に提示し,プログレスバーの動作が完了するまでの時間を答えさせた.動作時間は10 秒,12 秒,14 秒の3 種類とした.実験結果より,中心角が90 度のリング型のプログレスバーが時間を一番短く感じさせることが分かった.また,ファイル解凍ソフトを模したアプリケーションを作成し,結果が再現されることを確かめた.今後,より長い時間やより短い時間の処理を待つ場合でも同様の結果が得られるか調査する必要がある.
著者
山田 健一朗 納富 一宏 斎藤 恵一
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.41-48, 2014-04-25 (Released:2017-09-02)
被引用文献数
1

近年,スマートフォンやタブレット端末が急速的に普及しており,今後もさらに増え続けると予測されている.スマートフォンやタブレット端末は,携帯電話では持ち運ぶことが困難であった高度な情報を手軽に持ち運ぶことが可能となっているため,セキュリティ対策は重要となっているが,覗き見攻撃等によってパスワードが解除されてしまう危険性がある.一度パスワードを解除することができれば,その後は誰でも自由に操作可能になるため,重要情報が盗まれてしまう危険性がある.そこで,本稿では,パスワード解除後の個人識別手法として,フリック操作やタッチジェスチャー時の行動的特徴量を用いた個人識別手法を提案する.本手法は,スマートフォン操作時の加速度や画面操作の癖を自己組織化マップにより学習することで認証を行う手法である.実験では,フリック操作とタッチジェスチャーを用いて認証精度の検証を行った.その結果,最高98.01%の認証精度が確認された.認証精度の向上には,操作の再現性が重要であること分かった.今後は,本手法の実装に向けて,実環境を想定した検証実験を行う予定である.
著者
行正 徹
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会大会講演論文集 31 (ISSN:13451510)
巻号頁・発行日
pp.99-101, 2018-11-03 (Released:2021-02-01)

The brain science has developed recently. We know many methods to imaging of not only the shape of the brain but also the function of that. In spite of progress in the research of this field, it has not been able to treat the consciousness successfully. In science, we usually have the assumption that the objects exist independently from our consciousness. However, the consciousness has itself as the object. This situation leads us to some difficulty. Therefore, it is very puzzling to research this field scientifically. In this report, we discuss the possibility of applying the quantum theory to the science of the consciousness compared with general relativity. But our consideration about this issue is only the beginning. We should develop the research of this field.
著者
牧 祥 本間 善之 土屋 英俊 田中 一成 青木 滋 武岡 元 三木 猛生 大島 博 山本 雅文 森本 泰夫 小川 康恭 向井 千秋
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.7-18, 2013-06-28 (Released:2017-09-04)
参考文献数
16

地上の1/6の重力環境(1/6G)の気相中における浮遊粒子状物質(SPM)の挙動を調べるため、パラボリックフライトによる擬似弱重力環境下で模擬月砂粒子(シュミラント)を実際にチャンバー内で拡散させた。エルトリエータのカットオフ値が1/6Gでは√<6>倍に増加することを利用し、気相中の浮遊粒子状物質(SPM)の重力影響を検証した。その結果、気相中の弱重力環境下を浮遊するSPMの沈降速度がストークスの式を使って表せることを明らかにするとともに、浮遊時間が重力の逆数に比例することを示した。SPMの粒径別濃度変化を数値計算した結果、重力が低く、天井が高い屋内ほど粒子が長時間残留することが示唆された。これは月面上でダストが屋内に侵入した場合、その除染作業に多くの時間がかかることを意味している。浮遊時間が粒径により異なるため、ばく露の危険性も粒径で異なっていると考えられる。ばく露の危険性がSPMの浮遊時間の長さにのみ依存すると考えるのであれば、粒径1.0μm以下の微細粒子や10μm以上の大形粒子には、重力差の影響を考慮した対策は必要ない。一方、粒径2.5〜10μmの粒子は、地上では浮遊時間が比較的短いが、月面上ではやや長時間浮遊する。この範囲の大きさのSPMに対しては、安全基準を厳格化などの新たな対策が必要であると考える。
著者
鈴木 孝幸 納富 一宏
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会大会講演論文集 32 (ISSN:13451510)
巻号頁・発行日
pp.C3-3, 2019-11-23 (Released:2021-02-01)

The decline in students' reading comprehension is a hot topic. Noriko Arai has proposed a unique indicator called RST (Reading Skill Test) for evaluating text reading comprehension and has evaluated it in six fields. In addition, in beginner programming exercises, there are many students who are expected to be unable to do programming tasks because they cannot read the problem sentence. However, although it can be judged that programming problems cannot be made, the reason why programming is not possible has not been deeply pursued. Therefore, we propose reading comprehension indicators with reference to the indicators of RST, and classify students into multiple types based on the indicators. It is expected that the learning effect will be enhanced by preparing multiple question sentences according to the classified student type and letting students tackle the programming tasks that match them. It is costly to make several kinds of question sentences for the same task, but the learning effect is assumed to increase.
著者
西尾 美登里 坂梨 左織 木村 裕美 久木原 博子 緒方 久美子 古賀 佳代子
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.23-28, 2018-05-19 (Released:2021-03-15)

福岡市の高齢者における地域の災害避難場所の認知について, 実態調査を行い, 独居高齢者への災害支援のありかたについて検討した. 地域包括ケアシステムと介護の啓発を目的とした集会の参加者258 名を分析対象とし, 基本属性, フォーマルな相談窓口の認知と活用の有無, 活用している相談窓口数, 地域の避難場所の認知, 楽しみの有無, 情緒的支援, 自尊感情尺度について調査した. 分析は同居群と独居群の2群の差のカテゴリ変数にはχ2 検定, 連続変数にはMann–Whitney U 検定行い群間差を検定した. その結果, 独居高齢者は同居者がいる高齢者より有意に高齢で, 公の相談窓口を知らず, 相談談窓口数が少なく, 避難場所を知らず, 楽しみを有さず, 情的支援を受けていなかった. 都市部における高齢者への災害支援を充実させるためには, 特に独居高齢者が情的な交流のある生活の中で, 楽しみながら社会活動ができる場づくりを行う必要がある. また, 災害支援の情報提供は,社会活動ができる場で行うことが有益であることが示唆された.
著者
齋藤 大輔 斎藤 恵一 納富 一宏 斎藤 正男
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.59-65, 2005-10-20 (Released:2017-09-04)
参考文献数
13
被引用文献数
2

インターネットの急速な普及により,Webアクセシビリティの実現が重要課題となった.特に,Webサイトでの情報提供は,文字情報が中心であることから,前景色と背景色の視認性が重要である.これまで,白色背景においてWebセーフカラーの視認性を検討したところ,Blue系色が年代に関係なく視認性が高いことがわかった.このBlueは未訪問の標準リンク色に使用されており,Webユーザビリティの観点からはリンクの色と下線の組合せは変えないように推奨している.そこで本論文では,この標準リンク色がどのような背景色で有効であるかを124色の背景色について一対比較法を用いて検討した.その結果,標準リンク色と背景色のコントラストが1.37以上になると視認性が高くなることがわかった.
著者
本馬 周淳
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.65-70, 2012
参考文献数
14
被引用文献数
1

目的:胆嚢摘出術において鏡視下手術群(L群)と開腹手術群(O群)の術前後の唾液アミラーゼ値から両手術のストレス度の違いを比較検討した。対象:2007年8月から2008年8月に、全身麻酔下(全麻)または全身麻酔+硬膜外麻酔(全麻+硬膜外)併用で胆嚢摘出術を施行した20例。L群:13例(男性7、女性6;平均年齢65歳)、O群:7例(男4、女3;平均年齢68歳)。方法:手術当日朝、手術翌日朝に唾液アミラーゼ値(KU/L)を測定した。測定機器にはCocolo Meter(ニプロ)を使用した。術後の症状、訴えは口答で聞き取りを行った。結果:手術前後ともにL群の唾液アミラーゼ値が低値であったが両群間に有意差はなかった。両群の唾液アミラーゼの平均値は、L群では術後に低下したが、O群では術後に上昇傾向を示した。L群の13例中仰臥位による腰痛や口渇を強く訴えた3例のみ術後アミラーゼ値が著明に上昇した。O群では全麻の3例が上昇、全麻+硬膜外麻酔の4例中2例は低下した。考察:鏡視下胆嚢摘出術は開腹術と比較してストレス度の低い手術であると思われた。唾液アミラーゼ値は術前不安および術後創痛の程度を反映していると考えられた。