著者
尾崎 正峰 高津 勝 内海 和雄 上野 卓郎 坂 なつこ 岡本 純也
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

グローバル化が進む情勢下で、さまざまな変容を遂げてきている現代のスポーツについて、イギリス、ドイツ、オーストリア、アイルランド、オーストラリア、そして日本を研究対象として、各国・地域のスポーツの歴史・社会的な考察を行った。その結果、第一に、現代のグローバル化の進展が逆にナショナルな(あるいは、ローカルな)「伝統」を呼び起こしていること、第二に、コミュニティの紐帯の変容が言われる中、ローカルな場のスポーツを通して、新たなコミュニティ意識の形成の胎動が見られることが明らかとなった。
著者
鈴木 恵美
出版者
一橋大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2003

平成17年度の研究は、先に提出した研究計画に従って政権政党と経済界の関係解明に関する調査研究を行った。研究の経過としては、8,9月にエジプトにおいて資料収集と政府関係者へのインタビュー調査を行った。当該国では、諸制度が未整備であるため、通常、図書館の利用や資料収集等には予定外に時間がかかること、加えて夏季は文書館や調査機関の開館時間が短いため、現地の滞在期間中は調査と資料の収集が中心になった。それらを精査し、一般化する作業は帰国後にゆだねることになった。論文としての成果は、2005年9月に行われたエジプト史上初の大統領選挙の分析を行った。これまでの大統領の選出は議員による信任投票という形で行われていたが、同年5月に選挙法が改正され、9月に初めての直接投票による大統領選挙が行われた。論文ではこの選挙の意義を解説し、最終的に10名に絞られた立候補者の選挙公約から、現代エジプトの社会、政治、経済問題の所在を論じた。まず第一に、実際の選挙戦の候補者となる明日党のアイマン・ヌール候補と現職のムバーラク大統領を除いた8名の候補者の公約の共通点と独自な公約を明らかにした。この8名の公約を二分すると、アラブ民族主義、社会主義の再興を目指す者、市場経済化の促進を掲げる者に分けることができた。また、各候補が掲げる独自の公約には、首都移転、郡県制の見直しなど実現不可能と思われるものが多くみられた。一方、ヌール候補とムバーラク大統領の公約については、社会経済政策に関しては共通するものが大半であったが、政治政策については権威主義政権の長期維持を目指す現職と、全ての政治犯の即時釈放を最重要公約の一つに掲げるヌールの主張は正反対のものであった。論文の最終部では、近年の選挙結果を大きく左右するムスリム同胞団の重要性について言及し結語とした。
著者
倉田 良樹 西野 史子 宣 元錫 津崎 克彦
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

グローバル経済化による市場の不確実性に直面している現代の日本企業は、業務請負型間接雇用の導入によって雇用関係の市場化を実現しようとしている。業務請負型間接雇用は、いまや日本の労働市場において一定のセグメントとして定着している。業務請負型間接雇用で働く労働者に対しては、企業内労働組織において他のタイプの労働者と比べて特別に異なる人的管理の手法が適用されているわけではない。その生活環境は正社員に比べて顕著に劣位にあり、貧困の罠に陥るリスクに直面している。
著者
橘川 武郎 長谷川 信 平沢 照雄 松村 敏弘 橋野 知子 高岡 美佳 平本 厚 中村 尚史
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

課題番号17330077基盤研究(B)「規制の経済史的研究-産業発展をめぐる企業と政府-」(平成17〜19年度)の研究成果は、2008(平成20)年3月に刊行した研究成果報告書(xii+270頁、総論+全12章)に集約されている。この研究成果報告書の各章は、19世紀後半の生糸貿易(1章、中林真幸執筆、以下同様)、明治期の鉄道業(2章、中村尚史)、第1次世界大戦期の染料工業(3章、橋野知子)、1920〜30年代のラジオ受信機工業(4章、平本厚)、戦前から戦後にかけての港湾運送業(5章、大島久幸)、1950〜60年代のクリスマス電球工業(6章、平沢照雄)、1960年前後の損害保険業(7章、齋藤直)、1960〜70年代の自動車排ガス規制(8章、板垣暁)、戦後復興期〜1980年代の重電機工業(9章、長谷川信)、1950年代後半から今日にかけての原子力発電(10章、橘川武郎)、1980年代後半から今日にかけてのネットワーク型公益事業をめぐる規制改革(11章、松村敏弘)、経済規制に関する理論研究の動向(12章、佐々木弾)を、検討対象としている。本研究は、(1)検討対象期間を長期(明治期から今日まで)にわたって設定する、(2)第2次産業および第3次産業に展開する幅広い業種を取り上げる、(3)大企業と政府との関係だけでなく、中小企業と政府との関係も視野に入れる、(4)歴史分析にもとづく実証研究と経済学に基盤をおく理論研究を結合する、という四つの特徴をもっているが、この点は、上記の報告書にも色濃く反映されている。(1)(2)の点は、1章〜11章の構成から明らかである。(3)に関しては、4〜6章が、中小企業と政府との関係を掘り下げている。(4)に関しては、1、11、12章が理論研究の成果を積極的にとり入れている。
著者
神岡 太郎
出版者
一橋大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2001

2003年度における研究は以下の(1)(2)(3)(4)に要約できる。(1)画像データを利用した知識、情報共有の仕組みが分散して活動し、そこで得られる情報を他のユーザが情報や知識として利用できることは有意義である。本研究では、そのような情報として画像情報も利用できるようにし、ユーザの意思決定に利用できるサイトを開発している。現在、ビジネス場面ではないが、スポーツコミュニティの中で、その仕組みを実験している過程である。(2)類似画像検索の利用携帯端末を利用して画像情報へアクセスできることは、ビジネス・ユーザにとってもコンシューマ・ユーザにとっても有用である。利用可能な画像情報をキーに、新たな情報を検索する仕組みがあると便利である。このような仕組みは近年Eコマースにおいても注目されつつあり、そのような基礎研究として類似画像検索を応用した実験サイトを用いた実験を行った(論文「類似画像検索を用いた目的地決定支援システム」にて発表)(3)位置情報をコンテクストとして利用したサービス問題解決をする上で、ユーザがおかれたコンテクストに合った情報が入手できることが望ましい。ここではGPS機能を備えた携帯端末に対して、ユーザが音声で必要な情報を求めると、それに対してユーザの位置に応じた適切な情報が音声によって利用できる仕組みを開発した。その成果については現在、論文誌に投稿中である。(4)モバイルビジネスを担う方々とのインタビューモバルビジネス現場の第一線で活躍されている方々とのインタビューが行われた。次の方々が対象で、データは現在整理中である。榎啓一取締役(NTTドコモ)、島田大三課長代理(JR東海)、高橋誠部長(KDDI)、荒川亨社長(アクセス)、高瀬明執行役員(J-Phone)、小野茂教授(大妻女子大社会情報学部・元NEC)、小川善美社長(インデックス)、杉野文則社長(BeMap)。
著者
町村 敬志
出版者
一橋大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

本研究は、第1に、1990年代後半以降の国家政策全般を対象に、「評価国家」という視点からみた場合、そこにどのような政策形成の趨勢がみられるのか、第2に、拡張する評価現象をまえに市民活動団体や専門職集団の側がいかなる対応をとってきているのか、とりわけそれぞれの現場を生きる当事者が変化をどのようにとらえ、どのような言葉でそれを表現しようとしてきているのかを検討することを課題として進められた。具体的には、1995年以降の日本の中央省庁の主要な政策文書(781件)を対象に、広義の評価をめぐる過程がどのように拡張、展開してきたかを、とくに評価や監査、モデル化といった評価の個別手法に焦点を当てながら検討した。あわせて、市民社会と国家の共属領域に位置し、評価権力にさらされる機会の多い専門家層、市民団体リーダー層を対象に、経験としての評価、評価を通じての自己像の変容などについて、半構造化されたインタビュー調査を実施した。その結果、次の諸点が明らかになった。第1に、評価的なプロセスを軸とする統治の全体には求心的な構造が欠けている。第2に、評価の権力作用には限界がある。たとえば、評価的な社会過程を通じて、主体化や動員が促進されるとしても、実際には、その力は微弱あるいはまだらであり、あまりにも抜け穴が多い。第3に、しかし、それにもかかわらず、評価的プロセスを基盤とする統治のスタイルは、個別の政策領域を超え、確かに他へと浸透・拡張していく傾向をもつ。テクノロジーとしての評価のメカニズムには、各団体・個人を、その政治的・イデオロギー的志向性とは別に、その「能力」に基づいて序列づけていく手続きが内蔵されている。
著者
藤野 寛
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、初期『思想の科学』の活動の意義を明らかにすることを目的の一つとし、そのため、この雑誌の創刊同人にインタビューし、解釈上の疑問を直接ぶつけるという具体的課題を抱えて出発した。しかし、過去二年間に都留重人氏と鶴見和子氏が亡くなり、残るは、鶴見俊輔氏と武田清子氏になってしまった。私は、お二人にインタビューを申し込み、鶴見氏からは快諾をいただいた(残念ながら、武田氏には受けていただけなかった)。鶴見氏へのインタビューは、岩波書店の『思想』誌の賛同を得て共同企画として実現した。鶴見俊輔とアメリカ哲学を結ぶものといえば、プラグマティズムを連想するのが定番となっているが、戦後の出発の時点で氏の仕事を規定していたのは、むしろ論理実証主義的問題意識だったのではないか。具体的に、日本語の改良、ベイシック・イングリッシュをモデルとする基礎日本語というアイデアや、表意文字としての漢字を減らし日本語表記をローマ字化しようとする意図が見て取れるが、その志向は時とともに放棄されていったように見える。何故か、どのような経緯だったのか。鶴見氏のアメリカ合衆国に対する姿勢は、共感に支えられるものだったと考えられるが、その姿勢は、日本の戦後啓蒙の陣営にあって特異なもので、そのことが、鶴見氏の活動に困難をもたらすことがあったのではないか。その基本的「親米」の姿勢は、どのように一貫しまた変化したのか。インタビューは、以上のような問いをめぐって繰り広げられ、熱い回答を得ることができた。『思想』誌は2008年8月号を「鶴見俊輔」特集にあてることになり、私も「「言葉の力」をめぐる考察」を寄せることになっているが、この論考は、今回の研究の現時点での総括である。「現時点での」という但し書きが付くのは、「第二次世界大戦直後の言語表現/言語批判」という論考の副題が、同時に次の研究課題を示すものともなっているからである。
著者
馬場 幸栄
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

緯度観測所(岩手県奥州市水沢)の歴史を再構築するため、国立天文台や個人が所蔵する資料群を調査し、関係者への聴取調査を行った。ガラス乾板から復元した写真、簿冊『国有財産関係書類』から発見した図面、所員の証言から、眼視天頂儀室や歴代本館等の外観・構造および所員らの姿・担当業務を明らかにした。また、紙焼き写真、地域資料、所員の証言から、初代所長・木村栄が水沢宝生会を通して交流していた地域の名士を特定したほか、同観測所が大正時代から女性を積極的に雇用していたことも発見した。さらに、葉書、絵画、ビデオテープなど新たに発見した資料から、第2代・第3代所長や工作係長の人物像・業績も詳らかにした。
著者
三枝 令子
出版者
一橋大学
雑誌
一橋大学留学生センター紀要 (ISSN:1348768X)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.17-28, 2005-07-27
著者
西村 めぐみ
出版者
一橋大学
雑誌
一橋論叢 (ISSN:00182818)
巻号頁・発行日
vol.109, no.1, pp.98-120, 1993-01-01