著者
近藤 健 関根 圭介 武田 智徳 野口 直人 李 範爽
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.277-284, 2019-06-15 (Released:2019-06-15)
参考文献数
30

急性期脳卒中患者に上肢機能評価を用いて,麻痺した利き手で箸操作自立を予測する因子を調べた.初期評価は発症から6.4±1.4日に握力,ピンチ力,10秒テスト,Fugl-Meyer Assessment for Upper Extremity,簡易上肢機能検査(以下,STEF),Motor Activity Log を実施した.退院前(発症から17.3±4.6日)に箸操作の自立度を評価し,予測因子を求めた.予測因子にSTEFが抽出され,カットオフ値は50点であった.STEFが箸操作自立の予測因子に抽出されたことで,箸操作が自立するためには物品操作の速度が必要であることが示唆された.
著者
梅地 篤史 天野 暁 橋本 幸久 内山 侑紀 道免 和久
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.107-113, 2021-02-15 (Released:2021-02-15)
参考文献数
14

要旨:欧米では,脳性麻痺や脳卒中の小児症例に対してCI療法を実施し,その効果が報告されている.今回,脳梗塞後片麻痺を呈した8歳の女児に2度のmodified CI療法を実施した.小児症例にCI療法を実施するにあたり,長時間の訓練へ集中と麻痺手に対するモニタリングが困難であることが予想された.それに対して,訓練環境や時間,方法を工夫,修正した.1度目の介入後に上肢機能の改善を認めたが,日常生活での麻痺手の使用は不十分であったため,実生活での使用に着目し2度目のmodified CI療法を実施した.その結果,さらなる上肢機能の改善と,麻痺手の使用方法に変化を認め,介入1年後まで改善が維持された.
著者
廣瀬 卓哉 竹林 崇 児玉 三彦 高橋 真須美
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.609-616, 2019-10-15 (Released:2019-10-15)
参考文献数
19

急性期脳梗塞患者に,麻痺手の機能改善に合わせた様々な治療法を,段階的に移行および併用した上肢機能訓練を行った.発症初期より,麻痺手の随意性を積極的に引き出すことを目的に,電気刺激を併用した反復促通訓練,電気刺激併用下の促通反復療法,神経筋電気刺激療法を実施した.次に麻痺手の状況に合わせて,電気刺激や装具を併用した修正CI療法へと移行した.結果,麻痺手の機能改善と生活内使用頻度が向上した.加えて,介入終了から2ヵ月後の評価では,麻痺手機能がさらに改善した.本事例報告において,発症早期より行うエビデンスの示された複合的なアプローチは,急性期でも上肢機能を改善する可能性が示された.
著者
草野 佑介 上田 将也 宮坂 淳介 南角 学 松田 秀一
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.543-546, 2021-08-15 (Released:2021-08-15)
参考文献数
4

要旨:本症例はCOVID-19重症肺炎に罹患し,長期の気管内挿管,深い鎮静,長期臥床により重篤なICU-Acquired Weakness(ICU-AW)およびADL低下を認めた.我々はCOVID-19リハビリテーションチームを編成し,感染対策および集中的なリハビリテーションを実施したことで,対象者は病前の生活に復帰することができた.本稿の目的は,COVID-19重症肺炎患者1例に対する急性期の作業療法の経験を報告することである.学際的チームアプローチによる作業療法が,集中治療後症候群の重症化を予防し,対象者の日常生活への復帰に貢献したと考えられた.
著者
齋藤 みのり 佐野 伸之 小林 隆司
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.72-77, 2019

自閉症スペクトラム児の対人社会性を阻害する要因の一つに,ファンタジーへの没入現象が指摘されている.今回,ファンタジー没入行動により,様々な日常生活の遂行に支障をきたしていた広汎性発達障害男児に対し,ファンタジーを外在化する作業活動を通した支援を行った.本児は,架空のカードゲームを頭の中で展開する遊びに,様々な日常生活場面で没頭していた.作業療法では,頭の中に描いているファンタジーを外在化し,それを用いて一緒に遊べるよう模索した.また,徐々に交流の場が広がるよう促した.これらの支援により,本児の頭の中のファンタジーが整理され,現実とのつながりを築いていき,生活障害が軽快したと考えられる.
著者
後藤 一樹 野口 卓也
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.678-686, 2023-10-15 (Released:2023-10-15)
参考文献数
17

本実践の目的は,ポジティブ作業への関与状態を5段階評価できる関与度推定システム(以下,推定システム)を活用したポジティブ作業に根ざした実践(Positive Occupation-Based Practice;以下,POBP)の有用性を検討することであった.方法は,精神障害者2名のクライエントを対象に,推定システムを適用したPOBPを3ヵ月間実施した.介入は,推定システムの結果から推奨されるポジティブ作業を参考にPOBPを展開した.その結果,2事例はポジティブ感情の向上や精神状態の安定に肯定的な影響を示した.これより,本実践は推定システムをPOBPに適用できることを例証できたと考えられる.
著者
横山 広樹 竹林 崇 花田 恵介 鈴川 理沙
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.494-501, 2022-08-15 (Released:2022-08-15)
参考文献数
15

通所リハビリテーションを利用する脳卒中慢性期の重度上肢機能障害例に対し,ボツリヌス療法と,Constraint-induced movement therapy(以下,CI療法)に準じた課題指向型練習やTransfer packageを併用して介入した.1回20分の介入を週2回,約1年間継続したところ,麻痺手の運動機能や使用頻度,痙縮の程度がいずれも測定誤差を超えて改善した.加えて,ボツリヌス療法における施注量が減少し,定期であった施注間隔も長くなった.低頻度であっても適切な介入を実施することで,慢性期の重度上肢麻痺を改善できる可能性が示唆された.
著者
佐々木 洋子 佐々木 祥太郎 宮内 貴之
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.532-538, 2023-08-15 (Released:2023-08-15)
参考文献数
15

今回,上位頚髄後索に多発性硬化症を再発し,利き手である右上肢の表在および深部感覚が脱失した症例を経験した.症例の感覚障害は免疫吸着療法で改善したが,治療経過において静的2点識別覚や立体覚の障害を認め,手指の巧緻動作が拙劣となるUseless hand syndromeを呈していた.作業療法では,手の機能を細分化した能動的な感覚再学習と,実生活に汎化を促す介入を実施した.治療効果に合わせて,感覚障害に対するアプローチを行うことで,免疫吸着療法開始3週間で,スムーズに実用的な右上肢機能を再獲得することができたと考えられた.
著者
田代 徹 津本 要 澤田 辰徳
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.345-352, 2023-06-15 (Released:2023-06-15)
参考文献数
17

今回,自己の作業遂行能力を高く認識するパーキンソン病を呈したクライエント(以下,CL)に対してAssessment of Client’s Enablement(以下,ACE)を使用した結果,面接で挙げられた各作業におけるGAPスコアは高く,作業療法士とCL間の作業遂行能力の認識の差が明らかになった.作業遂行の認識のギャップを修正するために作業遂行場面を撮影し,フィードバックとともに協議することでACEのGAPスコアは減少した.このプロセスにより,作業療法士とCLは協業することができた.この実践から作業遂行の認識の差に着目し,作業遂行場面を共有することは,協業の一助となると考える.
著者
三宅 優紀 岩田 美幸
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.341-347, 2020-06-15 (Released:2020-06-15)
参考文献数
14

特別養護老人ホームに入所中で,生活全般において消極的な女性に対し,園芸活動を用い,作業機能障害の種類に焦点を当てた評価および介入を行った.観察を中心にした評価は,作業機能障害の4種類(作業不均衡,作業剥奪,作業疎外および作業周縁化)に対する必要な介入を明確にできた.その結果,症例は,笑顔が増え,外出するようになり,夜間の睡眠が十分とれるようになるなど,作業機能障害の改善に至り,健康な施設生活を送れるようになった.意味のある作業を同定しがたいクライエントに対して,作業機能障害の種類に焦点を当てた評価および介入は,有効であったと考える.
著者
宮内 貴之 佐々木 祥太郎 佐々木 洋子 最上谷 拓磨
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.263-269, 2023-06-15 (Released:2023-06-15)
参考文献数
27

本研究はBox and Block Test(以下,BBT)が,急性期脳損傷患者に対して評価可能な食事動作に関連する評価指標となりうるかを明らかにすることを目的とした.対象は78名(食事動作自立群:54名,非自立群:24名)であった.その結果,2群間でBBTに有意な差があり,その効果量も大きいことが確認された.また,BBTは食事動作の自立度と高い相関関係を示し,Receiver Operating Characteristic曲線のArea Under the Curveでは良好な判別能を示した.そのため,BBTは急性期脳損傷患者の食事動作の自立度に関連する上肢パフォーマンスの評価指標となることが示唆された.
著者
吉田 尚樹 石橋 裕
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.370-376, 2021-06-15 (Released:2021-06-15)
参考文献数
14

青年期の二分脊椎症児に対し,生活行為獲得を目的に回復期リハビリテーション病棟にて,短期入院作業療法を24日間実施し後方視的に検証した.作業療法介入プロセスモデルを参考に,生活行為の状況と目標設定をカナダ作業遂行測定(COPM),遂行能力をThe Assessment of Motor and Process Skills(AMPS)にて検証した結果,COPMの遂行スコアは3.0点から6.8点,満足スコアは2.0点から8.2点,AMPSの運動技能は0.2 logitsから1.4 logits,プロセス技能は0.3 logitsから0.9 logitsへ向上し,臨床上意味のある最小変化量を上回る結果を得た.短期入院作業療法は,青年期の二分脊椎症児の生活行為における作業遂行能力と満足度の向上が得られることが示唆された.
著者
柴田 克之
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.7-12, 2022-02-15 (Released:2022-02-15)
参考文献数
7

本稿は,筆者が教育と臨床場面の経験から感じていることを踏まえて,以下の4つの事項についてまとめたものである.内容は,1)作業療法の独自性と専門性,2)作業療法の臨床力と技術力の向上,3)作業療法の学術発展,4)最後にこれまで培ってきた作業療法の強みと魅力を医療・福祉領域で発揮するための取り組みと可能性についてである.
著者
衣笠 真理恵 古山 千佳子
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.232-238, 2021-04-15 (Released:2021-04-15)
参考文献数
15

心不全,脳梗塞後遺症などを呈したA氏に,『音楽を楽しむ』作業の可能化を目指して介入した.可能化の背景にあった基盤やOTが用いた技能を,クライエント中心の可能化のカナダモデル(以下,CMCE)で考察した.A氏にとって『音楽を楽しむ』ことは,時間を超えた人とのつながりを感じ,生活の習慣を作り,痛みを忘れさせ,アイデンティティを保ち,生きている実感を与えていた.可能化の背景には,特に【クライエントの参加】,【可能性の見通し】が影響していた.それらを強化し促進するため,《適応》,《調整》,《コーチ》などの技能を用いたことで可能化に至った.CMCEを意識して関わることで,より作業療法の専門性を活かした介入につながる.
著者
藤井 洋有 近藤 健
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.26-33, 2023-02-15 (Released:2023-02-15)
参考文献数
28

本研究の目的は終末期がん患者の在宅復帰の予測因子を検討し,リハの臨床で役立つ視点を提示することである.リハを実施した終末期がん患者102名を対象とし,基本属性,臨床データ,FIM,PPIを診療録より収集した.また,ロジスティック回帰分析で在宅復帰の因子を求め,カットオフ値を算出した.結果,PPIと主介護者以外の同居家族が因子として抽出され,PPIのカットオフ値は4であった.終末期がん患者の在宅復帰支援において,生命予後を踏まえてADLを予測し,リハ目標を設定する必要性を裏づける結果であった.また,PPIのカットオフ値と家族構成は,退院支援の方針を迅速に検討する際,有益な情報になり得ると考えた.
著者
吉政 豪也 鹿田 将隆 篠原 和也 野藤 弘幸
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.95-101, 2020-02-15 (Released:2020-02-15)
参考文献数
8
被引用文献数
1

本報告の目的は,認知症のクライアントに対し,意図的関係モデルと人間作業モデルを併用した介入の有用性を検討することである.介入当初,認知症の行動・心理症状が強く見られていたことから,良好な治療的関係の構築に困難が予測された.そこで意図的関係モデルにより,作業療法士はクライアントが好む関係性を考慮して関わり,その上で人間作業モデルを用いて,興味と価値を反映した生活習慣の構築を図った.その結果,良好な信頼関係が築けたことで,生活史を反映した作業への従事が促されて,行動・心理症状に改善が見られた.認知症のクライアントに対し,意図的関係モデルと人間作業モデルを用いた作業療法介入の有用性が示された.
著者
唐渡 弘起 徳田 和宏 竹林 崇 佐々木 庸
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.162-169, 2020-04-15 (Released:2020-04-15)
参考文献数
23

当院では脳卒中後の麻痺手に対し,課題指向型アプローチ(TOA)とTransfer packageおよび機能指向型アプローチ(IOA)とTransfer packageのプロトコルがある.今回,これらの差について報告する.対象はTOA+Transfer package群7名とIOA+Transfer package群6名でそれぞれの上肢機能(FMA)および麻痺手の使用行動(MAL/AOU,QOM)について比較検討した.結果,FMAは有意な変化を認めなかったが(p=0.18),MALはTOA群がIOA群に比べ有意な変化を認めた(MAL AOU:p=0.04,MAL QOM:p<0.01).よって,TOAは同じTransfer packageを実施したとしても,より効率的に練習で獲得した機能を生活に転移できる可能性が示された.
著者
齋藤 佑樹 丸山 祥 熊谷 竜太 髙橋 慧
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.393-401, 2022-08-15 (Released:2022-08-15)
参考文献数
18

本研究の目的は,作業科学の学びが,学生の作業療法に対する理解や私生活にどのような影響があるのかについて記述し,分析・考察を加えることである.作業科学を履修した1年生5名を対象にフォーカス・グループ・インタビューを実施し,SCAT(Steps for Coding and Theorization)を用いて分析を行った結果,作業科学の学習経験は,作業の知識の理解だけでなく,自身を作業的存在として省みる契機となっていた.この実感を伴う作業の知識の活用経験は,クライエント中心の重要性に対する気づきを与え,父権主義的に偏った考え方の修正につながるなど,作業療法を行ううえでの大切な気づきをもたらしていた.
著者
見須 裕香 加藤 雅子 種村 留美 岡村 仁 山本 大誠
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.380-384, 2022-06-15 (Released:2022-06-15)
参考文献数
14

作業療法では,対象者が行いたいことや必要としていることと実際に行っていることとの間に生じる作業ギャップを把握することが重要となる.本研究の目的は,作業ギャップを測定するOccupational Gaps Questionnaire日本語版(OGQ-J)を作成し,言語的妥当性を検討することである.方法は,標準化された手順に従いOGQ-Jを作成した.その結果,原版との内容的な整合性を保ちつつ,日本の文化において使用可能な30の活動項目で構成されるOGQ-Jの言語的妥当性が確認された.今後は,高齢者や心身機能の低下を伴う人々を対象に含め,信頼性および妥当性の検証を実施する必要がある.
著者
前田 正憲 前川 祐介 戸谷 祐美 片井 聡 務台 均
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.415-423, 2021-08-15 (Released:2021-08-15)
参考文献数
28

要旨:慢性期脳卒中患者に対する2週間の反復性経頭蓋磁気刺激と作業療法による変化を調査した.その結果,介入後1ヵ月の上肢麻痺と生活の中での麻痺側上肢の使用頻度に有意な変化がみられた.介入前から1ヵ月後の臨床的に意義のある最小の変化量に関連する因子は, Fugl-Meyer assessmentでは介入前の麻痺が中等度,左側麻痺,Motor Activity Log-Quality of Movementでは手指の筋緊張が低いことであった.今回の結果から,作業療法を行っていく上で上肢麻痺が中等度で非利き手麻痺の場合はより麻痺の改善に向けた介入方法の比重を増やすこと,また手指の筋緊張の程度に注意を向け,その軽減に向けた介入方法や退院後の指導を行うことが有効である可能性が示唆された.