- 著者
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石突 吉持
- 出版者
- 一般社団法人 日本内科学会
- 雑誌
- 日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
- 巻号頁・発行日
- vol.79, no.7, pp.922-926, 1990-07-10 (Released:2008-06-12)
- 参考文献数
- 5
ヨード摂取量の多寡は甲状腺疾患の発症,病態に影響を及ぼす.日本人のヨード摂取量は年代,地方により異なり,近年1mg/日以下例が多い. 2mg/日以上のヨードを海藻類から毎日摂り,甲状腺異常を見る例が甲状腺疾患の5%内にある.ヨード誘発は機能低下症,ヨード甲状腺腫が多く,機能亢進症はまれであるが,共にヨード中止後軽快する一過性機能異常である.ヨードは慢性甲状腺炎の進展に関与すると同時に,バセドウ病の機能増悪をも来たし治癒率低下をもたらす.食事指導上,摂取ヨード量は10mg/日内の,間歇摂取が望ましく,ヨード含有薬使用にも注意を与えるべきである.