著者
池尻 良平 山本 良太 中野 生子 山内 祐平
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.45, no.Suppl., pp.109-112, 2021-12-20 (Released:2022-02-02)
参考文献数
6

本研究では,ICT を利用した,ジグソー法のエキスパート活動における知見の同期的収集が,教師のモニタリングと介入にどのような影響を与えるかを,机間巡視のみの場合と比較して調査した.その結果,内容を含めた俯瞰的なモニタリング,各専門家グループのキーワードのシェア度合いに関する俯瞰的なモニタリングと各グループ内のシェアを促す介入,普段は優先順位の低い上位層のモニタリングを促す可能性が示された.
著者
佐藤 和紀 齋藤 玲 堀田 龍也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.40, no.Suppl., pp.49-52, 2017-01-15 (Released:2017-03-06)
参考文献数
7

佐藤ほか(2015)による,教師のメディア・リテラシーに対する意識の変容をねらったプログラムの効果検証は若手教師に限定されていた.本研究では,新たにベテラン教師(教師歴20年以上)を対象に効果検証を実施した.具体的には,プログラム前後の質問紙,および事後インタビューの観点から,その効果検証を行った.その結果,ベテラン教師においても,メディア・リテラシーに対する意識の変容が確認された.本論では,プログラムの適用範囲の拡大可能性およびベテラン教師に対する効果について議論する.
著者
稲垣 忠 内垣戸 貴之 黒上 晴夫
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.103-111, 2006-09-20 (Released:2016-08-03)
参考文献数
22
被引用文献数
3

遠隔地の学校間で電子メール,電子掲示板,テレビ会議システムなどを用いて交流する学校間交流学習は,インターネットを用いた授業実践として広く取り組まれている.筆者らは,学校間交流学習における,学習者の活動プロセスと教師の学習環境設計に着目した授業設計モデルの開発を試みた.モデル開発の方法として,1)先行研究および構成主義の学習観に基づくモデル構築,2)実践経験者への調査によるモデルの精緻化,を行った.その結果,学習の活動プロセスを明確にする「枠組みモデル」と,設計の順序を示す「手順モデル」から構成した授業設計モデルを,学習論と実践経験者の知見を反映したものとして開発することができた.
著者
三島知剛 一柳智紀 坂本篤史
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.535-545, 2021-03-20 (Released:2021-03-25)
参考文献数
11

本研究の目的は,教育実習において実習生の指導を担当する教員が,教育実習指導を通した自身の学びや教師としてのその後の力量形成につながるかどうかについての認識を検討することであった.その際,小学校及び中学校教員の認識の違いについても着目した.教育実習指導を経験したことがある小中学校の教師を対象とした質問紙調査(有効回答133名)の結果,(1)全体的に学びや力量形成に対する得点が高く,校種間では小学校教員の方が学びや力量形成を高く認識していること,(2)実習指導における指導形態と学びや力量形成の関連が多く見られ,特に実習生と協働して実習を進めるという指導形態が学びや力量形成と関連していたこと,(3)校種別では,実習指導における指導形態と学びの関連については中学校教員の方が多く,実習指導における指導形態と力量形成の関連については小学校教員の方が多いこと,等が示された.
著者
橋本 陽介
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.45, no.Suppl., pp.29-32, 2021-12-20 (Released:2022-02-02)
参考文献数
9

本研究では,1人1台の端末を使用した集団活動の際に,発達障害児童にみられる行動特性を,他者の発表を聞く時間における逸脱行動に焦点をあてて検討した.その結果,発達障害児童には,端末を見る・触るという逸脱行動が出現しやすく,それらを低減させる方策が必要となると考えられた.これを受け,端末で作業するスペースと発表に取り組むスペースを分けるといった,視覚的なわかりやすさが伴う,実施環境の配慮を行い,再度,他者の発表を聞く時間における逸脱行動に焦点をあてて検討した.その結果,実施環境への配慮は,1人1台の端末を使用した際に,発達障害児童に出現しやすい逸脱行動の低減に寄与する可能性が示唆された.
著者
八木澤 史子 堀田 龍也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.431-442, 2021-03-20 (Released:2021-03-25)
参考文献数
31

本研究では,1人1台の情報端末を活用した小学校の授業で用いられる教師の教授知識の特徴を明らかにするため,授業で観察された教師の教授行動の背景にある意図について授業者にインタビューを行い,その内容を「授業についての教師の知識領域」(吉崎 1988a)の枠組みを参考に分類した.その結果,1人1台の情報端末を活用した授業においても,情報端末を用いる以前から示されていた枠組みが授業者の教授行動の背景として存在する教授知識あるいは考え方を分類するうえで適用可能であることが示唆された.また,授業者が用いた教授知識の中には,学習活動や学習機会,学年,教科の影響を考慮する必要がある特徴をもつ知識も示された.さらに,ICT に関する知識を吉崎が示した知識領域との関連の中に見出した.その結果,ICT に関する知識は4つに分類され,吉崎が示した知識領域の拡張と捉えられるものとそうでないものがあることが示唆された.
著者
泰山 裕 三宅 貴久子
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.37, no.Suppl., pp.17-20, 2013-12-20 (Released:2016-08-10)

本研究は,習得した思考スキルが課題解決過程に与える効果を明らかにするものである.関西大学初等部で取り組まれている思考スキルの習得,活用を目指した実践を対象に,課題解決を行う際に習得した思考スキルをどのように用いているのかについて児童へのインタビューから明らかにした.結果,習得した思考スキルの効果として「課題分析,計画」「課題に合わせた思考のコントロール」「思考過程のメタ認知」「自分の思考の特徴把握」の4つが確認され,習得した思考スキルが課題解決過程におけるメタ認知を補助していることが示唆された.
著者
佐藤 和紀 高橋 純 安里 基子 齋藤 玲 吉野 真理子 堀田 龍也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Suppl., pp.041-044, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
11

教員養成大学の学部1・2年生を対象に,情報モラル教育の基礎知識を学び,現職教員による模範授業映像を視聴した上で,情報モラル教育の授業設計を学習させるための講義を開発し実施した.講義の事前事後に情報モラル指導の自信を測定する質問紙調査を行った.その結果,全質問項目の得点の上昇が見られた(研究1).自由記述では,スモールステップで指導案を作成するワークシート(以下WS)の効果が期待された.そこで研究2は,足場かけの有無によるWSを2種類用意することにより,効果を調べたところ,1年生には足場かけ無しWS が,2年生に は足場かけありWS が効果的であった.
著者
林 一真 梅田 恭子
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.497-511, 2021-03-20 (Released:2021-03-25)
参考文献数
20

本研究の目的は,1人1台のタブレット端末を活用した情報活用能力を育成する授業設計の留意点の提案である.この目標を達成するため,情報活用の場面を教育活動に応じて7つの区分に分け,公立小学校第6学年を対象として,1人1台のタブレット端末を活用した社会科の授業実践に取り組んだ.1学期は児童が自ら情報を収集し,整理,分析する「考える授業」,2学期は分析の結果を生かす「表現・伝達」をゴールに見据えた「探求的な学習」に取り組んだ.4回のスキル調査や評価テスト,5回のワークシートの内容や文字数の調査で,授業実践による児童の情報活用能力の変容を測り,分析を行った.その結果,ICT スキルや学習に対する力や意識を含め,情報活用の6つの場面で有意な向上が見られ,本授業実践の学習支援や3つの授業形態が有効であることが明らかとなった.ここから「情報活用能力」を育成する授業設計における留意点を提案した.
著者
渡邉 文枝 向後 千春
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.36, no.Suppl., pp.109-112, 2012-12-20 (Released:2016-08-09)
参考文献数
7
被引用文献数
1

本研究では,タブレット端末における画像と文章を含めた教材を作成し,アニメーションの有無,文章の有無の観点から,学習に効果的な提示方法,および提示方法とわかりやすさとの関連について検討した.その結果,タブレット端末に提示する教材として,字句レベルの記憶学習には画像のみを提示する方法,特に学習内容の理解においては,アニメーションを付加した画像を提示する方法が,学習に効果的である可能性が示唆された.一方で,学習者は,アニメーションを付加した画像と文章を組み合わせた提示方法をわかりやすいと主観的に認知していることが示された.
著者
仲間 妙 佐藤 和紀 梶本 佳照 磯崎 ひろみ 高橋 純
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.42, no.Suppl., pp.125-128, 2018-12-20 (Released:2018-12-21)
参考文献数
6

教員志望学生を対象に,小学生向け漢字ドリル指導法を学ぶための講義パッケージを開発し実施した.講義内容は,漢字ドリルの基礎知識を学び,模範授業映像の視聴後,指導法を練習するものであった.講義の事前事後に漢字ドリル指導の自信や,講義から学んだこと,さらに学びたいことは何かを明らかにする質問紙調査を行った.その結果,漢字ドリル指導の自信向上が見られた(研究1).また,本講義が漢字ドリル指導のイメージを具体的に伝えることに効果的なことが示唆された.さらに,授業以外での指導法などについての講義も求められる可能性も示唆された.また,感想の共有や指導法の練習が,学びにつながった可能性が考えられた(研究2).
著者
田中 仁一郎 椿本 弥生
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.4, pp.132-139, 2021-12-03 (Released:2021-12-03)

本研究はオンライン授業受講形態と学習意欲の関連性を明らかにすることを目的とし,東京大学前期課程の学生に質問紙調査を行い,受講形態別の学習意欲を算出した.そして一元配置分散分析を行い,受講形態間に有意差が見られるかを検証した.また自律の概念にも注目し,深い考察を試みた.その結果,受講形態間に有意差は見られず,受講形態と学習意欲の関連性が低いこと,そしてオンライン授業による自律の阻害などがその原因であることが示唆された.
著者
佐藤 和紀 大山 努 南部 昌敏
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.36, no.Suppl., pp.149-152, 2012-12-20 (Released:2016-08-09)
参考文献数
8
被引用文献数
3

小学校高学年を対象に表現とコミュニケーションを基盤としたメディア・リテラシー学習プログラムを開発した.学習プログラムではWeblogを用いて保護者との交流学習も行った.その結果,評価尺度によれば,有意に学習プログラムが有効であった.また,学習プログラムを受講した中学校3年生に対して,学習の効果を確認するための追跡調査を行った.その結果,教員との関わりが深かったり信頼関係が築けていたりする生徒ほどメディア・リテラシー評価尺度得点が高く,インターネット上におけるコミュニケーションに不安を感じている生徒ほどメディア・リテラシー評価尺度得点が高いが,逆にインターネット上で自分の考えを明確に伝える自信がないことが示唆された.
著者
小俣 海斗 今井 慎一
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.305-314, 2021-03-10 (Released:2021-03-15)
参考文献数
17

本研究では,小学校プログラミング教育の授業としてIoT 教材を用いたPBL 型授業を行い,児童はIoT 教材を活用して問題解決を行えるのか,また,PBL における活動人数の違いによる児童の反応の特徴を明らかにすることを目的として調査を実施した.全11回の授業を行い,児童の最終成果物を4観点(4点満点)で評価した分析と,自由記述の感想に対するテキストマイニングによる分析を行った.成果物の分析から,提出者129名の平均得点は3.42であり,113名(88%)の児童が3観点以上を満たしていたため,5年生の児童はIoT 教材を活用して問題解決を行うことができることが明らかになった.また,感想の分析から,問題解決を個人で行う場合は,考える時間を十分に確保する必要があり,難しさを感じる児童への支援が必要なこと,グループで行う場合は,児童が自分の意見を言えるような環境を整えることが必要であることが示唆された.
著者
伏木田 稚子 北村 智 山内 祐平
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.157-168, 2011-12-20 (Released:2016-08-08)
参考文献数
42
被引用文献数
3

本研究の目的は,学部3,4年生が対象の専門教育としてのゼミナールにおける学習者要因(受講動機,学習意欲),学習環境の客観的側面(活動,教員による指導),学習環境の主観的側面(教員に対する評価,共同体意識),学習成果(汎用的技能の成長実感,充実度)の関係を実証的に検討することである.本研究では,国・私立大学13校を対象に質問紙調査を実施し,計387名のデータを用いて変数の構成を行った.本研究のデータは,個人レベルとゼミナールレベルを含む階層的データであるため,計304名のデータを2つのレベルに分けて相関係数を算出した.相関分析の結果,対人関係力および問題解決力の成長実感,充実度とゼミナールレベルで正の相関関係があるのは,受講動機,学習意欲,教員による指導,教員に対する評価,共同体意識などであることが示唆された.
著者
吉村 奏
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.45069, (Released:2021-10-06)
参考文献数
22

学校におけるメディア・リテラシー実践において,教材やカリキュラムなどの開発や実践研究を中心としてきた先行研究では,教師が自発的にメディア・リテラシー実践に取り組むための研究が課題となっていた.そこで,本研究では「教師がメディア・リテラシーをどのように意義づけると,継続的な実践につながるのか」ということを研究の問いとし,その問いにメディア・リテラシー実践の経験がある中学校教師4名のライフストーリー調査からアプローチした.分析の結果,メディア論的視座がメディア・リテラシー実践の継続性を左右し得るものであるということが明らかになった.また,メディア・リテラシーを「能力」ではなく,「ものの見方」であると捉える必要性が示唆された.
著者
中嶋 彩華 久坂 哲也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.1-9, 2020-07-10 (Released:2020-07-10)
参考文献数
16
被引用文献数
2

本研究の目的は,小学校教員の理科指導に対する不安,教師効力感,学習動機が教員歴によってどのように推移するのかを明らかにすることである.そのため,現在,学級担任をしている小学校教員を対象に,質問紙を用いた横断的調査を実施した.得られた488名のデータを分析した結果,理科指導に対する不安は全体的に教員歴が増すと低下する傾向があること,下位尺度に着目するとどの教員歴でも理科の専門的知識に対する不安の平均値が最も高いことが示された.また,教師効力感は教員歴4〜6年で一度下降する傾向にあるが,その後,教員歴とともに上昇する傾向が示唆された.さらに,教科指導学習動機の自律的動機である内発的動機は教師効力感に対して正の影響を与えるが,同じ自律的動機である熟達志向は教師効力感に対して負の影響を与えることが示された.
著者
山下 祐一郎 中島 平
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.34, no.Suppl., pp.5-8, 2010-12-20 (Released:2016-08-07)
参考文献数
5
被引用文献数
3

本研究では,プレゼンテーションスキルとプレゼンテーションの分かりやすさの関係を明らかにするため,レスポンスアナライザを用いた新しい情報システムを開発し,授業実践を行った.その結果,プレゼンテーションの分かりやすさには,発表者の「話し方」や「動作」よりも,「資料」の作り方や「内容」の充実が重要であることが明らかになった.また,発表者の「熱意」は分かりやすさには関係しないこと,及び,分かりやすい発表が聴衆へ新しい知識を与えるとは限らないことが示唆された.そして,レスポンスアナライザによるプレゼンテーションの評価は,アンケートによる評価とは異なり,利用者の直観的な評価を得られる可能性が示唆された.
著者
姫野 完治 益子 典文
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.139-152, 2015-12-25 (Released:2015-12-28)
参考文献数
28
被引用文献数
6

教師の経験学習の特質を実証的に解明し,モデル化することを目的として,本研究では2つの調査研究を行った.研究Ⅰでは,教育行政職経験のある校長を対象として面接調査を行い,「経験から学習する状態」という視点で教師の学習を捉えられること,コミュニティにおける立ち位置の自覚と微修正が鍵となること等を見出した.その上で,教師の経験学習モデルを構築した.研究Ⅱでは,研究Ⅰで構築したモデルをふまえて,若手,中堅,ベテランの3名の教師のライフヒストリーを事例分析した.教師が経験から学習する状態になっているかどうかは,コミュニティ内の教師の立ち位置によって変動すること,教師の学習の状態を開く上で,学校外のコミュニティや勤務校の異動,自らの実践を対象化することが鍵になること等を明らかにするとともに,教師の経験学習モデルの妥当性と課題を示した.
著者
佐藤 和紀 齋藤 玲 堀田 龍也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.43-53, 2018-07-10 (Released:2018-07-10)
参考文献数
20

本研究では,メディア・リテラシー教育実践の継続,メディア接触,教師経験が,小学校教師のメディア・リテラシーに与える影響を調べることを目的とした.教師向けのメディア・リテラシーを育成するためのトレーニングプログラム(佐藤ほか2015,2016)を受講した若手教師とベテラン教師を対象に追跡調査を実施した.その結果,研究の目的1:トレーニングプログラム後のメディア・リテラシー教育の授業実践が教師のメディア・リテラシーに影響を与えていた,研究の目的2:トレーニングプログラム後のメディア接触が教師のメディア・リテラシーに影響を与えていた,研究の目的3:教師経験がメディア・リテラシー教育の授業設計に影響を与えていた,という3点が明らかになった.