著者
酒井 哲也 野上 謙一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.2, pp.105-112, 2009-01-15

(株)ニューズウォッチは,ユーザの情報要求の変化をシステム側が促進し,ユーザが繰り返し検索を行う過程で有用な情報に 「出会う」 ことを可能にする探検型検索サイト「コトバ ノ ウチュウ」 を 2008 年 9 月に正式リリースした.このサイトでは,情報要求の変化促進の手段として,日本語版ウィキペディアの参照関係を視覚したインタフェース 「ギンガ」 を提供している.本研究では,「コトバ ノ ウチュウ」の 2008 年 10 月分のクエリログおよびクリックスルーデータを用い,ユーザが 「ギンガ」 上でどのようなクエリからどのようなクエリに遷移するかを分析した.その結果,ユーザは,人名から人名,組織名から組織名,地名から地名といったように現在のクエリと同一のタイプのクエリに遷移する明確な傾向があることがわかった.本知見は,探検型検索においてより有用なクエリ候補をユーザに提示するために役立てる予定である.In September 2008, NewsWatch, Inc. released an exploratory Web search site called KotobaNoUchu (Galaxies of Words), which encourages change in the user's information need and enables "serendipitous search" through repeated querying. To this end, KotobaNoUchu visualises the graph structures of Japanese Wikipedia, in a graphical interface called ginga (galaxy). In this study, we analyse the query log and clickthrough data of KotobaNoUchu from October 2008, to see how users move from a certain type of query to another on the ginga interface. Our results show that users clearly tend to make transitions within the same query type - from person names to person names, from place names to place names, and so on. We plan to utilise this finding for providing the user with more useful query candidates for exploratory search.
著者
美添一樹 松本 尚 平木 敬
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.72, pp.1-6, 1998-08-06
参考文献数
10
被引用文献数
1

命令レベルより大きい粒度のブロックにプログラムを分割し、各ブロックを投機実行することによりブロックレベル並列性を得るハードウェアについて、いくつかの論文で提案がなされている。我々は投機実行の手法を適用したJava仮想マシンを共有メモリマシン上で実装した。投機実行の対象はループに限定した。単純なループについて実験を行なった結果、インタプリタJava仮想マシンでも10000命令以上のループであれば高速化が可能であった。There have been several proposals about hardware speculative executions, in a larger granularity than instruction level parallelism, by partitioning the target program into blocks. We have applied speculative execution onto Java Virtual Machine. We implemented it on a shared memory machine. The target for speculative execution is limited to loops. We measured speedups for simple loops and found that it is possible to gain speedups for loops which contains more than 10000 instructions by an interpreter Java Virtual Machine.
著者
金子 晋丈 林素娟 森川 博之 青山 友紀
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.115, pp.147-152, 2003-11-18
参考文献数
8

コンピューティングデバイスやネットワークリソースが遍在する環境,積極的に通信のエンドポイントを切り替えていくサービスモビリティが望まれる.サービスモビリティを実現するためには,通信を安全に切りることが必須となる.筆者らは,サービス移動をセキュアに行うための機構として,端末固有情報に依存しない通信インタフェースを提供するセッションレイヤモビリティサポートを用い,これにKey-insulated公開鍵暗号方式を適用することによって端末に依存しない通信の移動を実現しようと考えた.Key-insulated公開鍵暗号方式は,秘密鍵を安全でないデバイス上で利用することを考え,ステージに分けて秘密鍵が管理されているため,端末に依存しない認証処理を可能とする.本方式では,1つのセッションに1つのKey-insulated公開鍵を割り当て,ユーザの移動にステージを対応付けることにより,Key-insulated公開鍵のセッションレイヤモビリティサポートへの適用を実現している.In the environment where the computing devices and access links are ubiquity it is desired to switch the resources according to our context (Service mobility). In order to realize service mobility, security consideration is indispensable. First, we use session layer mobility support which provides an interface independent of the lower layer details and enhance it to realize secure service migration using Key-insulated public-key cryptosystems. Key-insulated cryptosystems have developed for using the private key on insecure device. Therefore, they use the private key refreshed at discrete time periods and realize terminal independent public-key cryptosystems. We enable the secure service migration using the key-insulated private key corredpondent to every migration.
著者
宇佐美 芳明 安生健一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.746-755, 1992-05-15
参考文献数
9

コンピュータ・グラフィックスにより リアルな人間を表示可能にすることは ニーズのある重要な課題であるしかし従来の映像生成の手法では 他の人体各部に比較して 頭髪の表現レベルが不十分であるまた 容易に髪形を定義できるような 頭髭のモデリング方法も存在しないこれらの問題は頭髪の形状決定の際に 頭髪の物理的特性が考慮されていないことが原因と考えられるそこで 頭髪の曲げ変形に対する剛性を考慮した物理シミュレーションを導入して 新しいモデリング方法を提案する。曲げ剛性を利用すると 頭髪の変形長はこれに作用する曲げモーメントの大きさから求められ 頭髪の変形の基本的性質をシミュレートできるすなわち 頭髪の生え際付近では変形量が小さく 先端に向かうにつれて変形量が大きくなる性質であるそのため 本手法では頭髪の分け目やボリューム感が容易に表現でき 従来手法にないリアルな頭髪の表現が可能となったまた 頭髪をコンパクトな3次元のポリラインのデータで表現しており 多数のポリゴンで頭髪を近似する必要はないしたがって グラフィックス・ワークステーションのハードウェアを利用して 高速なレンタリングが可能であるさらに モデリング処理である頭髪の曲げ計算の時間についても 実用上問題のない範囲で処理できる
著者
森元 逞 田代 敏久 竹澤 寿幸 永田 昌明 谷戸 文廣 浦谷則好 鈴木 雅実 菊井 玄一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.37, no.9, pp.1726-1735, 1996-09-15
参考文献数
21
被引用文献数
5

日本語から英語へ翻訳可能な音声翻訳実験システム(ASURA)を開発した. ASURAでは 分野間の移植性を確保できるよう 一般的な日本語話し言葉の表現を網羅するとともに 音声認識と言語翻訳のコンポーネントのいずれも 名詞や動詞などの分野に依存する辞書項目を容易に入れ替え可能な構成としている. また 音声認識や言語翻訳にともなって発生する暖昧さ(複数の候補)に対処するため 正しい候補を効率良く選択できるようにコンポーネント間 サブコンポーネント間で機能分担を行い また候補の探索メカニズムを組み込んでいる. 本論文では このようなASURAのシステム構成について述べ また システムの性能評価を行い このシステム構成の有効性を示す.We have developed the experimental speech translation system ASURA, which translates from Japanese to English. In order to keep high portability to various domains, most of the common expressions in spoken Japanese are covered, and both the speech recognition and language translation components are constructed so that domain-dependent lexical items such as nouns and verbs are easy to replace. Furthermore, all of the components and sub-components in the system share functionalities so that they can effectively reduce ambiguities created in the course of speech recognition and language translation processing. The candidate search mechanisms are also incorporated for the same purpose. This paper describes the configuration and performance evaluation of the system, and demonstrates the effectiveness of the configuration.
著者
西村 治彦 新地 辰朗
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.787-796, 1995-04-15
参考文献数
25
被引用文献数
9

力学系アトラクタとの対応により、セルオートマトンの多様な挙動パターンがWolframによって4つのクラスに分類されて以来、クラス4は秩序的なクラス1,2と無秩序(カオス)的なクラス3の境界に位置する特異な存在として、様々な視点から注目されてきた。本論文では、このクラス4とクラス3の違いを定量化する新たな試みとして、1次元2状態セルオートマトンに時系列フラクタノレ解析の手法を適用する。セノレ配列全体を時系列ベクトルデータとすることにより、挙動の大域的性質が精確に捉えられる。その結果、3近傍と5近傍ルールの具体的評価を通して、クラス4はフラクタノレ次元が大きく異なる粗視化時間構造の重ね合せ状態であることが明らかとなった。従って、ここでの解析法は、セルオートマトンのクラス分類を定量化する指標として十分有効であると言える。
著者
澤田清 梶並知記 服部哲 速水治夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.77, pp.1-6, 2014-03-06

本稿では,動画コンテンツを用いて,アクション RPG を対象とした,コンボ (Combo) の習得の支援手法を提案する.コンボの習得には,実際にゲームをプレイして練習する必要があるが,練習する際に,自分のプレイ技量に適したコンボの解説記事や動画をWeb上で見つけ教材として参考にする場合がある.しかしながら,アクション RPG のゲームタイトルを題材にした,ゲーム進行の様子やスーパープレイを収録した動画は数多く存在しているものの,コンボの習得を支援する動画は,あまり存在しない.また,コンボ習得を支援する動画に,どのような内容を含むべきか,検討されていない.したがって,本稿では,アクション RPG のプレイの特徴や,要求されるプレイ技能の種類を考慮し,コンボの習得を支援するための手法を提案する.動画コンテンツとして提案手法を実装し,被験者実験を通して有効性を検証する.
著者
渡部 秀文 南雲 拓 一宮 和正 斎藤 隆文 宮村(中村) 浩子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.48, no.15, pp.176-188, 2007-10-15
参考文献数
7
被引用文献数
3

本論文では,階層的クラスタリング結果の安定性を解析するための新しい数理モデルを提案する.また安定性とクラスタ要素の広がり度合いを可視化してクラスタの最適な分割数を求める手法について提案する.階層的クラスタリングは,未知のデータ集合から意味のある分類を得る目的でしばしば用いられる.しかし,結果の安定性に関する研究は十分なされているとはいえず,安定性を手軽に求める手法も開拓されていない.本論文では,従来手法のような統計的処理を用いずに,仮想要素の追加によって幾何学的に安定性を測る手法を提案する.この手法では,要素を1個追加して階層的クラスタリングを行い,得られた結果の階層構造変化に着目する.追加要素の位置によって,本質的な階層構造変化が起こる場合と起こらない場合とがある.そのうち,構造変化が起こらない要素の割合を算出することで階層安定度を得る.一方,クラスタ分割を決定するための指標として,クラスタ要素の広がり度合いについて述べる.さらに,階層安定度と要素の広がり度合いを樹形図上に可視化する手法についても提案する.また,提案手法と従来手法にサンプルデータを適用し,提案手法の有効性および問題点について比較検証する.We propose a new mathematical model for analyzing the stability of hierarchical clustering results. In this paper, a method for deciding the most suitable number of clusters with visualization of stability and density of cluster elements is also proposed. Hierarchical clustering is often used in order to obtain meaningful classification from an unknown dataset. However, the stability of the clustering results is not studied enough, and the techniques for simply calculating the stability measure have never been developed. In this paper, the stability is measured geometrically by adding a temporary element, without using a statistical analysis. In this method, we focus on the change of hierarchical structures when an element is added. If there is more stable region of the added element without structure change, the structure is more stable. In this context, the hierarchical stability is obtained by calculating the ratio of the stable area. On the other hand, the density of clusters elements as an indicator for deciding the dividing of the cluster is presented. Moreover, the method to visualize stability and density of the elements of the clusters is proposed. We demonstrate the effectiveness and problems of the proposed method by applying it to the sample data.
著者
塩村 尊 能多 秀徳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.8, pp.2874-2877, 2007-08-15
参考文献数
6

本稿の目的は,エージェント間で直接意見交換を行い,互いに説得,あるいは順応しつつ合意が形成されてゆくプロセスにおいて,意見交換が同時いっせいに行われる場合と逐次的に行われる場合のシミュレーション分析を行うことにある.これら2 つの調整過程は一般に異なる帰結を生み出し,平均として後者の方が早く合意に至ること,および後者の帰結がエージェントの交渉順に依存することを示す.特に,この効果は合意に要する交渉回数が少ないほど,顕著に現れることが強調される.また,合意の帰結は集団内の頑固者,あるいは発言力の大きい者の意見に偏向する傾向があることを確認する.The purpose of the paper is to present two models. In the first model, members exchange views simultaneously, while in the second one sequentially. Two models induce different results. A sequential model on average arrives at a goal faster and its final result depends on the sequence of turns taken in negotiations. If the turn of a member is taken later, the final result becomes more favorable to that member. The effects, however, are smaller if the number of negotiations is many. The result of negotiations tends to be in favor of a member with small adaptability or large persuasiveness.
著者
和田 俊和 野村 圭弘 松山 隆司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.879-891, 1995-04-15
参考文献数
11
被引用文献数
15

画像の領域分割問題は、明度、色、テクスチャの統計的性質、境界のエッジ強度の極大性など各領域の「属性」に関する性質と、それらが互いに素であり、画像全体を被覆するという領域間の「関係」に関する性質を同時に満足する領域集合を求める問題である。このように、部分の属性と部分間の関係の両者を取り扱わなければならない問題に対しては、各部分を自律的に動作するプロセス(エージェント)によって表現し、それらの相互作用によって解析を行う分散協調処理が適している。本研究では、領域の属性情報と領域間の空間的関係情報の両者を分散協調処理を用いて統合する領域分割法を提案する。本手法では、まず画像中の領域を表す各エージェントが他のエージェントの位置・形状を参照することにより、領域間の関係、すなわち領域の境界位置に関する仮説を生成する。各エージェントは、生成した仮説とボトムアップ解析によって得た領域固有の属性情報を、スネークのエネルギー関数を通じて統合し、エネルギー関数の最適化によって領域形状の変形を行う。さらに、エージェント間で互いに矛盾する仮説が生成された場合、各エージェントは仮説を修正することによって矛盾の解消を行う。以上のように「仮説の生成」、「矛盾する仮説の検証と修正」という機能を持つ分散協調システムによって整合性のある領域分割が行えることを実験によって示す。
著者
杉本 麻樹 小島 稔 中村 享大 冨田 正浩 新居 英明 稲見 昌彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.3490-3500, 2007-11-15
参考文献数
23
被引用文献数
1

本論文では,複合現実感技術を用いて小型ロボットとCG オブジェクトのインタラクションを実現する実世界指向のゲーム環境を提案する.複合現実環境の主体として駆動装置を持つロボットを用いることで,CG でロボットの周囲に映像の修飾を加えるのみではなく,ロボット自身の動作によって情報世界での衝突などで生じるバーチャルな力の表現を行うことが可能である.このような表現を行うことによって,実世界のロボットと複合現実環境のシームレスな融合を実現できる.This paper proposes a novel game environment with Mixed Reality technologies. The environment enables an interaction between Computer Graphics objects and real robots. The Computer Graphics objects enhance the robots with visual augmentation. Furthermore, the robots can show several virtual events such as a collision by their reactions in the real environment. A seamless fusion of the robot and the Mixed Reality environment can be achieved with the reactions of the robots.
著者
松浦 幹太
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.83, pp.53-60, 1998-09-17
参考文献数
18

インターネットのようにオープンなネットワークでは、いかにして不正行為を抑止するかが重要な課題である。一般的な対策は、暗号・認証技術の利用である。この場合、プロトコル実行ログがトラブル解決のための証拠となり、不正行為の抑止につながる。しかし、社会的要請次第では、より能動的な抑止策が求められる可能性がある。そのような場合の解として、共通鍵暗号に基づいたサーバ・クライアントプロトコルにおける抜き打ち検査方式を提案する。同方式では、会員権をオンラインで一時的に監査官に貸与することができる。応用例として、電子貸金庫サービスと、インターネットセキュリティプロトコルにおける鍵配送について述べる。In an open network, how to provide deterrents to malicious behaviors is an important issue. A common solution is given by cryptographic primitives; execution logs are stored and used when needs arise for trouble settlement. Depending on social situation, however, more active authorized procedures would be of great help. In preparation for such a situation, this paper introduces a framework of an inspection mechanism for server-and-client protocols based on a private-key cipher. The mechanism allows one-session rental of membership. Example protocols for Electronic Safe-Deposit Box and IPsec key exchange are described.
著者
森本 孝紀 徳丸 正孝 村中 徳明 今西 茂
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.20, pp.45-48, 2005-03-10
参考文献数
3
被引用文献数
1

被災道路復旧計画問題とは,被害を受けた道路網の交通機能を,効率的に回復させるための復旧計画を求める問題である.従来までの被害モデルは簡単化されたものであり,リンク単位で被害を発生させていた.そこで本研究では,現実の被害状況をもとに被害を「通行止め」と「通行規制」の2種類の状態をモデル化する.また,GAのコーディングを改良することで,通行止めとなる被害箇所の多階復旧を可能としている.さらに,GAの適用方法に関する検討実験を行い,その有効性を示す.Damaged Road Restoration Scheduling Problem is a problem to request the restoration schedule that recover efficiently for a traffic function of the damaged road network. The damage model until the past was the simplified one, and damage was caused each link. In this research, damage is modeled based on an actual damage situation, two kinds of states, "closed to traffic" and "regulation of traffic", is modeled. Moreover, multistory restoration is enabled by improving the method of coding GA in "closed to traffic". In addition, the examination experiment concerning the method of applying GA is conducted, and the effectiveness is shown.
著者
藤本 雅清 鷹尾 誠一 有木 康雄 松本 宏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.68, pp.49-54, 2001-07-13
参考文献数
16

本研究では,社内で製作された商品の紹介映像を個々の商品区間へ分割(トピックセグメンテーション)し,商品名をインデックスとして付与するシステムの検討を行った.本研究におけるシステムでは,商品紹介映像の音声から音楽などの雑音を除去した後にキーワードスポッティングを行い,抽出された商品名を用いてトピックセグメンテーションを行っている.また,キーワードスポッティングにより商品名を抽出するためには,商品名辞書が必要となるが,本研究では,商品名辞書が事前に存在していない場合に,映像中のテロップ文字を利用して,オンラインで自動生成する手法についても検討を行った.実験の結果,商品名辞書が事前に存在している場合で約82%,商品名辞書を自動生成した場合で約60%の精度で区間分割を行うことができた.In this paper, we propose a method to segment goods catalog video into individual sections and index them. Our proposing method uses the keyword spotting which extract the keywords from noise reduced speech signal within the goods catalog video. In order to extract the keywords by using keyword spotting, the goods name dictionary is required. In this paper, we study a method to generate the goods name dictionary automatically, by using the video captions within the goods catalog video. As the experimental result, the proposed method could segment the individual goods sections with approximately 82% accuracy when the goods name dictionary is available, and with approximately 60% accuracy when goods name dictionary is generated automatically.
著者
後藤 功雄 加藤 直人 田中 英輝 江原暉将 浦谷則好
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.968-979, 2006-03-15
参考文献数
22

カタカナで表記された外国人名の英訳語を,関連語をキーワードとする言語横断情報検索と,発音類似性を利用した訳語推定により,World Wide Web(WWW)文書から獲得する手法を提案する.ニュース記事に出現する人名は新出語であることが多く,対訳辞書に登録されていない場合も多い.提案手法は,カタカナの外国人名が文書中に存在した場合,はじめにその周辺の単語を対訳辞書によって英訳し,これらをキーワードとして英語のWWW 文書検索を行う.次に,検索されたWWW 文書中から人名候補となる英単語列を翻字により変換し,発音が類似した英単語列を訳語とする.ニュース記事に出現した外国人名を対象として本手法による実験を行い,有効性を確認した.This paper proposes a method of acquiring English equivalents of foreign personal names written in katakana characters from the World Wide Web (WWW). In news articles, new foreign personal names appear frequently and are rarely registered in bilingual dictionaries. Our method can automatically obtain the English equivalents of personal names by using two phases: cross-language information retrieval using related words and acquisition of translation based on phonetic similarity. In the first phase, given a katakana foreign personal name appearing in a news article, the method extracts words related to the foreign personal name, translates these words into English using bilingual dictionaries, and retrieves WWW documents in English using the translated words as keywords. In the second phase, our method extracts candidates of English equivalents from the retrievedWWWdocuments, transliterates the candidates to phonetic expressions, compares them with the phonetic expression of the personal name written in katakana, and obtains the most similar one as the English equivalent. We confirmed the effectiveness of our method with a series of experiments using foreign personal names appearing in news articles.
著者
八登 崇之 瀬田 剛広
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告アルゴリズム(AL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.103, pp.9-16, 2002-11-08

問題?に対する別解問題(ASP)というのは、?のインスタンスxとそれに対する1つの解sが与えられた時に、xのs以外の解を求める問題のことである。(新しい問題クラスとしてのASPの概念はUedaとNagaoによる。)本論文ではn個の解が与えられたときにもう1つの解を求める問題(n-ASP)について考察する。特に、対応する解への変換も多項式時間で行えるような多項式時間parsimonious還元に関する完全性であるASP完全性について考察する。応用として、本論文では3つの有名なパズル、スリザーリンクとカックロ(クロスサム)とナンバープレース(数独)についてそのASP換算製(NP完全性を含意する)を示す。The Another Solution Problem (ASP) of a problem II is the following problem: for a given instance x of II and a solution s to it, find a solution to x other than s. (The notion of ASP as a new class of problems was first introduced by Ueda and Nagao.) In this paper we consider n-ASP, the problem to find another solution when n solutions are given. In particular we consider ASP-completeness, the completeness with respect to the parsimonious reductions which allow polynomial-time transformation of solutions. As an application, we prove the ASP-completeness (which implies NP-completeness) of three popular puzzles: Slither Link, Cross Sum, and Number Place.
著者
野明 俊道 平岩 賢志 森 光正
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告高度交通システム(ITS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.83, pp.151-158, 2001-09-06
被引用文献数
1

近年のインタネットの急速な普及によりネットワークサービスはさらにグローバル化しつつあるが、こうした動きの中で車社会の進展のあり方の1つとして自動車が携帯端末に続く情報端末になろうとしている。 このような背景の中で自動車の安全運転をめざす走行支援サービス及びこれに付随する種々の情報提供サービス実現のために、走行環境での情報通信ネットワーク技術(スマートゲートウエイ)の確立が必要となり国家プロジェクトによる技術開発が進められている。本稿では、スマートゲートウエイにおける高信頼通信を実現するためのモバイルネットワーク・プラットフォームを提案する。さらに、モバイルネットワークのアクセス方式として専用狭域通信(DSRC: Dedicated Short Range Communication)を利用する路側システムにおいて、自律分散制御により複数無線通信ゾーンを論理的なサービス提供セルとして連続通信サービスを提供し、広域IP網とのインタワークによりIPサービスを車載端末に提供するためのゲートウエイ方式を提案する。The recent rapid proliferation of the Internet has been promoting global development of network services. One of the features of the development of our vehicular society is that on-board vehicle terminals are becoming a successor to the human-carried cellular phones. Technological development is being carried on as a national project in Japan to establish information and communication network technology which supports user mobility (called "Smart Gateway" for the future vehicle-road communication system) to implement a variety of information services aimed at safe vehicle driving. This paper proposes a mobile network platform to implement highly reliable communications. The authors propose a mobile access node system by ADS (Autonomous Decentralized System) control to provide multiple radio communication zones as logical service providing cells. This system allows "continuous communication services" (uninterrupted and seamless services using short-range communication among microcells) and provides on-board vehicle terminals with IP services by interworking the public/wide-area IP network using DSRC (Dedicated Short Range Communication) for mobile access. For the gateway system, IP gateway management is described. This function manages the IP address given to each on-board vehicle terminal to provide the wide-area IP services to on-board vehicle terminals. Finally, the functional mapping for ITS mobile network platform is described.
著者
川口 洋 上原 邦彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.110, pp.49-54, 1996-11-15
被引用文献数
9

本稿では、江戸時代における人口分析システムを開発するための第一段階として、「宗門改帳」古文書画像データベースの構築した。「宗門改帳」(しゅうもんあらためちょう)とは、17世紀末から19世紀中期の期間に、原則として集落単位に毎年作成されていた人口史料の総称である。従来の研究方法では十分保障されていなかった、史料読解から文字データ入力に至る研究過程の再現性を、古文書画像データと文字データの両者を同一画面上で検索・表示することによって確保した。さらに、史料読解から文字データ入力までの作業過程を短縮するために、年齢を表記した漢数字を対象として、古文書文字の自動認識に関する実験を行った。We have constructed the image database for analyzing the Japanese religious investigation register so called "Shumon-Aratame-Cho(SAC)". This database is planned in order to make the process of outputting the demographic statistics from the SAC data easier and faster, to guarantee the quality of the process, to preserve the present condition of the SAC data and to share the sourse data with historical demographers. We also experimented the character recognition on age data which are expressed in handwritten old Chinese figures.
著者
田島 守彦 実近 憲昭 岡田 義邦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.30, no.7, pp.825-830, 1989-07-15

KPV法とは 筆者らが発表済みの知識指向型ゲームプログラムで開発・採用した候補手の評価手法である.本論文では KPV法を評価手段とするゲームプログラムにおける手の評価において 前打着時の評価が再利用できる方法を示す.KPV法を概説した後 評価必要性判定用知識を用いて不要な候補手評価をカットするNVカットと称する手法を述べ かなりの割合の候補手がカットできることをオセロゲームの例で示す.相手の思考時間を利用すればさらにカットできる候補手の割合は大きくなる.最後に 誤差が生じる問題の考慮 およびNVカットの基礎について議論する.
著者
伊藤 毅志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.28, pp.9-16, 2008-03-12
被引用文献数
1

第1回 UEC 杯5五将棋大会が 2007 年 11 月に開催された。COM 部門、人間部門、KIDS 部門が行われ、最後に COM 部門優勝プログラムと人間部門優勝者によるエキシビション対戦も行われた。本報告では、研究対象としての5五将棋を位置づけ、それぞれの部門の結果をもとに5五将棋の研究について概観する。The 1st UEC-cup 5x5 shogi tournament was held in November, 2007. It was carried out by dividing each section; "COM section", "HUMAN section", and "KIDS section". After these tournaments, an exhibition match by the COM section championship program and a human section champion was also performed. In this report, I try to position 5x5 shogi as a target in game research. After that, I discuss about research of 5x5 shogi based on the result of each section.