著者
鉾井 修一 原田 和典 小椋 大輔
出版者
京都大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2005

森林による二酸化炭素の固定と木炭の製造・貯蔵というCO2固定化プロセス、水およびエネルギー循環、排出量取引などの国際的な取決め・経済・社会システムをトータルに考えたシステムの提案と、提案するシステムの可能性を探ることを目的とする。そのために、本研究では以下の事項についての検討を行う。1.木炭化により固定し得る二酸化炭素(炭素)量の評価と炭化プロセスにおけるエネルギー収支の把握 2.木材供給システム、木炭製造プロセスおよび木炭貯蔵システムの検討と木炭貯蔵可能量の予測 3.木炭の吸放湿性を利用した室内湿度制御と健康との関係についての検討 4.木材および炭化後の木材の耐火性能についての評価 5.二酸化炭素固定化を認定・評価する国際的なシステムの提言今年度は以下の研究を行った。1.森林における物質収支、エネルギー収支についての基礎資料を収集し、二酸化炭素固定量の評価、木炭の製造に利用可能な木材量を把握する。2.代表的な木炭製造プロセスのエネルギー関係、木炭の収率、材種との関係などを整理し、その特徴を評価する。これにより、木炭化により固定し得る二酸化炭素(炭素)量を評価する。3.木炭貯蔵が可能な場所をリストアップし、その貯蔵可能量を見積もるとともに、木炭生産地と貯蔵地との間の最適な輸送システムについて検討する。4.木材および炭化後の木材の耐火性能についての評価を行う。5.壁の吸放湿性を利用した建物内湿度の調整と空調による湿度調整との関連について調査・整理する。
著者
矢吹 雄平
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2011-07-25

新制・論文博士
著者
佐伯 千仭
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
1951

博士論文
著者
片岡 直行
出版者
京都大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2003

真核生物の核にコードされる遺伝子の多くは、イントロンと呼ばれる介在配列によって分断化されている。このことにより、核内で合成されたmRNA前駆体が、細胞質において蛋白質合成の鋳型として機能するためには、イントロンを取り除きエクソン同士を連結するRNAスプライシングが必須である。スプライシングにより切り出されたイントロンは核内にとどまり、スプライシング因子が除去された後、分解されると考えられている。ヒトではイントロンはmRNA前駆体の実に95%を占めている。またイントロン上にはsnoRNAやmicroRNAなどの遺伝子発現調節に関わるnon coding RNAがコードされていることからも、イントロンの代謝は高等真核生物において重要だと思われるが、ほとんど解析されていない。本研究では、核内でのイントロンの代謝とそれに伴うスプライシング因子のリサイクル機構を解明することを目的としている。そこでこれまでに同定されている二つの因子、hDBR1とhPRP43に注目した。hDBR1と複合体を形成している因子を同定するため、培養細胞でFlagタグを付けたhDBR1とその不活性化変異体を発現させ、Flagタグに対する抗体を用いて免疫沈降を行った。その結果、新規のタンパク質因子を同定した。またin vitroでの結合実験より、この因子はhDBR1と特異的に結合することを確認した。またheterokaryon実験により、hDBR1が核と細胞質を往復する活性があることがわかり、細胞質での機能が示唆された。またRNAヘリケース様タンパク質であるhPRP43のヘリケースモチーフに変異を導入し、変異体をin vitroスプライシング反応に用いたところ、切り出されたラリアット型イントロンが安定化し、変異体タンパク質とともに沈降するのがみられた。
著者
人見 健文 陳 和夫 池田 昭夫 松本 理器 澤本 伸克 井内 盛遠
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

【背景】良性成人型家族性ミオクローヌスてんかん(BAFME)は、全身のてんかんと大脳皮質由来のふるえが主症状の疾患である。てんかんやふるえにおける睡眠・覚醒時の大脳皮質の興奮性変化は十分に分かっていない。【目的】BAFMEにおける睡眠覚醒の変化にともなう大脳皮質の興奮性変化を明らかにする。【方法】BAFME患者の脳波記録を解析し、てんかん性放電の睡眠・覚醒時の変化を検討した。【結果】時間当たりのてんかん性放電は軽睡眠・徐波睡眠・REM睡眠時では覚醒時に比べ減少した。【結論】BAFMEは、皮質興奮性の覚醒睡眠時の変容に関してBAFMEは進行性ミオクローヌスてんかんの一部と類似の挙動を示した。
著者
本田 由貴
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2017-04-26

イミキモド誘発性尋常性乾癬様皮膚炎モデルマウスを用いてリノール酸およびαリノレン酸よりそれぞれ代謝産生されるHYA、KetoA、αHYA、αKetoAの効果を検討した。これらの4種類の不飽和脂肪酸代謝産物のうち、αKetoAについてのみ、容量依存性の耳介厚抑制効果を認めた。αKetoA投与群において、病態の中心と考えられているIL-17A産生細胞の浸潤や好中球の浸潤についてフローサイトメトリーを用いて確認したところ、それらの細胞浸潤については抑制効果を示さなかった。次に皮膚組織切片についてヘマトキシリンエオジン染色を行い、組織学的に解析したことろ、αKetoA投与群では表皮の肥厚が軽度に抑制されていることが示唆された。そこで、まずRT-PCRにて尋常性乾癬の病態、表皮肥厚に関与していると考えられているサイトカインおよびケモカインのmRNA産生を調べた。その結果IL-23p19,IL-17A,IL-1β,CCL20,S100A8,Keratine17についてはαKatoA投与群でもコントロール群と同様に発現上昇を認めた。しかし、表皮肥厚に関与していると考えられているIL-22に関しては、αKetoA投与群で軽度ではあるが、優位な発現減少を認めた。次にタンパクレベルでの発現の違いを調べるために、フローサイトメトリーを用いて、IL-22産生細胞数を測定した。その結果、IL-22産生細胞数についてはコントロール群とαKetoA投与群で優位な差を認めなかった。RT-PCRの結果からはαKetoAがIL-22産生をmRNAレベルで抑制している可能性が示唆されたが、フローサイトメトリーの結果からはその抑制効果は明らかでなく、別のメカニズムが関与している可能性が考えられた。
著者
上田 真史
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

脳内に存在するニコチン性アセチルコリン受容体に結合する放射性プローブを用いて、慢性的な痛覚過敏状態(神経因性疼痛)でのニコチン受容体およびその神経系の機能変化を調べ、鎮痛作用に関与する部位を明らかにすることを計画した。その結果、神経因性疼痛状態で視床に存在するニコチン受容体が増加していることを見出した。実際に視床に薬物を投与したところ、鎮痛作用が認められたことから、視床に存在するニコチン受容体が神経因性疼痛抑制に関与する可能性が明らかとなった。
著者
松森 昭
出版者
京都大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1994

近年、血中TNF-αの測定が可能となり、各種の癌、感染症、膠原病において高値を示し、また、重症心不全において上昇することが報告され、心不全末期のカヘキシ-との関連が示唆された。研究者らは心筋炎、心筋症なとの血中サイトカインを測定し、急性心筋炎ではIL-1α,IL-1β,TNF-α,などの炎症性サイトカインが高値を示し、拡張型心筋症、肥大型心筋症でTNF-αが上昇することを発見した。また、マウスEMCウイルス性心筋炎モデルにおいて血中TNF-αが上昇し、抗TNF-α抗体の投与により心筋細胞障害が軽減することを明らかにした。本年度は、同モデルにおいてサイトカインの発現を経時的に検討した。4週令DBA/2マウスにencephalomyocarditis(EMC)ウイルスを接種し、1、3、7、14、28、80日後に屠殺、心臓を摘出し、RNAを抽出、cDNAを合成し、PCR法を用いIL-1β,IL-2,IL-4,IL-10,IFN-γ,TNF-αのmRNAおよびEMCウイルスRNAを半定量した。EMCウイルスRNAはウイルス接種1日後より検出され、7日後に最高となったが、80日後でも検出された。IL-1β,TNF-αは3日後から有意に発現が増強し、多くのサイトカインの発現は7日後に最高となり、すべてのサイトカインmRNAは80日後も検出された。近年開発された強心薬ベスナリノンは心不全の生存率を著明に改善することが報告され注目されているが、最近のわれわれの研究によりベスナリノンはIL-1,IL-6,TNF-α,IFN-γなどのサイトカイン産生を抑制することが明らかとなった。ベスナリノンはEMCウイルス性心筋炎の生存率を用量依存的に改善し、心筋細胞障害および炎症所見を改善した。しかし、ベスナリノンに抗ウイルス作用はなく、LPS刺激による脾細胞からのTNF-αの産生を抑制したことから、ベスナリノンはサイトカイン産生を抑制することにより心筋炎を軽減したと考えられた。
著者
田宮 寛之
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2018-04-25

本年度は昨年度Six3-mVenusノックインES細胞を用いて開発したSCNオルガノイド分化誘導系を Per2::LuciferaseノックインES細胞 (Tamiya, Sci Rep 2016) へ応用した. Six3-mVenusとは大幅に分化誘導条件を変える必要があったが, 最終的に免疫染色でのSCN終分化マーカーなどの密集発現が観察されるSCNオルガノイドを誘導することができた. また, 発光イメージングで, 時計遺伝子の10周期分以上の減衰しない同期振動が観察できたため, 機能的SCNが誘導できたと考えられる (Tamiya et al., in preparation). また, 共同研究で広視野発光イメージングをおこなった結果, 免疫染色と発光測定のSCNらしい部位は一致していた. また, RNA Seqも行い,半数程度の細胞塊は, トランスクリプトームの観点からもSCNを含んでいることが明らかになった. 総じて, マウスES細胞から三次元SCN組織 (SCNオルガノイド) の試験管内誘導法の開発に成功した. 現在京都府立医科大学との共同研究で, SCN破壊マウスへの移植実験を施行している. 予備実験では第三脳室内に, 成熟SCN組織が生着していた. 現在行動リズムが徐々に観察されつつある. 自然回復の可能性や測定条件の問題があり, 成否の判断はもう少し慎重になる必要があるが, 行動回復が少しずつみえてきている可能性がある.
著者
福島 真人
出版者
京都大学
雑誌
東南アジア研究 (ISSN:05638682)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.418-435, 1987-03

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。The main objective of this paper is to analyse the logico-linguistic aspect of the religion of Adam in Java, which is usually called Saminism and known as an indigenous peasant movement against the Dutch colonial government. Most studies of this movement have tended to neglect its symbolic (including linguistic) peculiarity, owing to a lack of first-hand research on that topic. The field research done by the author in the Samin communities, which still exist around the Pati regency, reveals that their apparently bewildering usage of language, which has been believed to be merely a way to upset outsiders, is indeed based on a consistent philosophical world-view about the relationship between language and the nature of man, which they symbolize by the phrase 'Adam kuwi ucap' (Adam is utterance). By using arbitrary folk-etymology and special terminology, they construct a peculiarly closed linguistic sphere where every outer element that does not fit their belief is forcibly re-interpreted and reconstructed so as to harmonize with their Weltanschauung. Thus they build up their own linguistic world around the notion of centrality of man in this universe.
著者
別技 篤彦
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
1962

博士論文
著者
東伏見 慈洽 東伏見 邦英
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
1956

博士論文
著者
天野 元之助
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
1951

博士論文