著者
上村 昌代
出版者
京都女子大学
雑誌
現代社会研究科論集 (ISSN:18820921)
巻号頁・発行日
no.2, pp.83-94, 2008-03

現行法の親権規定では、離婚の際に夫婦のいずれかが未成年の子の親権者となる。近年の離婚の増加にともない、ひとり親世帯が増えている。また、現在は妻の方が未成年の子の親権者となる割合が増加し、全体の約8割を占める。しかも、母子世帯の置かれている社会的・経済的状況は厳しく、子どもたちのこうむる被害も増大しつつある。そこで、この研究ノートでは、子どもの福祉を重んじる立場から、この被害の現状とこれを克服するための方策を論じる前段階として、民法の親権規定の変遷の歴史を簡潔に整理したいと考える。日本近代の親族法は西洋の法制度の影響下に成立してきたので、第1章では、西洋における親権概念の歴史を概観し、第2章においては、日本の親権規定の変遷とその背景について考察する。最終章では、日本における親権規定の現状と改革に向けての動向を紹介して、今後の研究へつなげていくことにしたい。
著者
長塩 智恵
出版者
京都女子大学
巻号頁・発行日
2016
著者
檀上 寛
出版者
京都女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究の課題である「海禁」については、従来漠然と民衆の出海を禁止する措置だと理解するだけで、実体についてはほとんど検討されることはなかった。そこで本研究では、元代から清代にいたる中国王朝の海洋統制策を通時代的に考察し、時代ごとの海禁の目的・形態を明らかにするとともに、海禁の歴史を次のような時代区分した。(1)海外貿易の発展に伴う沿海部の騒擾に対処した元代の海洋統制……………萌芽期(2)強大な専制権力によって民衆の出海と海外貿易を禁止した明初の海禁…………………確立期(3)15世紀中葉以降、密貿易の活発化で形骸化した明中期の海禁………………弛緩期(4)倭寇および密貿易封じのために、福建月港を「開放」した明末の海禁……………………再編期(5)台湾の鄭氏政権への対抗上、厳格に実施された清初の海禁…………戦時強化期(6)17世紀末の「開海禁」以後、アヘン戦争までの清中期の海禁………………小康期(7)アヘン戦争の敗北で「開港」して以後の清後半期の海禁……………………衰退期さらに海禁の特徴として、(1)海禁の目的はあくまでも「海防」にあること。(2)海禁は明清時代の海洋統制策であり、前代までの統制策とは質的に異なること。(3)国際秩序の維持を担う海禁=朝貢システムは明代固有のもので、同じ海禁でも清代とは全く異なること。(4)海禁という言葉には広狭両様の意味合いがあるにもかかわらず、この区別がなされていないため、学会での海禁の理解には混乱が見られること、の四点を明らかにした。
著者
八田 一
出版者
京都女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

キラヤサポニンは、南米に自生するバラ科の常緑樹シャボンの木(Quillaja Saponaria Mol.)の樹皮に含まれるトリテルペノイドサポニンである。欧米諸国では、古くからノンアルコール飲料やシェイク飲料の起泡剤として利用され、その食品添加物としての安全性が認められている。本研究は、起泡剤や乳化剤(食品添加物)として世界中で利用されているキラヤサポニン抽出物(QS)の人に対する新しい生理作用(自然免疫活性化機能)を明らかにすることを目的とし、QSを哺乳類(マウスおよびヒト)へ経口的に投与し、その自然免疫活性化機能を検討した。マウスのマクロファージ株化細胞系で、QSの貧食能活性化濃度は細胞毒性濃度の1/4000倍であった。また、QS経口投与(0.5mg/Kg体重/日)24時間後のマウス脾臓および腹腔滲出液から分離したマクロファージの走化性や貧食活性が2〜7倍に向上した。さらに、QS経口投与24時間後のマウスに対する大腸菌の腹腔感染実験の結果では、無投与群の感染5日目の生存率0%に対して、QS投与(0.5mg/Kg体重)群が60%と有意に高かった。最後に、QS配合飲料を試作してボランティア試験を実施した。その結果、ヒトに対してもQSの摂取量0.5mg/Kg体重/日、1週間の摂取で、抹消血マクロファージの走化性は10-15倍、貧食性は3-5倍に活性化された。また、血液検査の結果、肝機能への影響やIgGおよびIgEの上昇は見られず、またCRP等の炎症マーカーやIL-1αやTNF-αの変動はなかった。今後、より大規模のボランティア試験での検討や、その活性化のメカニズムの研究などが必要であるが、将来、QSが配合された加工食品を摂取し、感染症のみならず種々の疾病に対する抵抗力(自然免疫力)を高めることの可能性が示された。
著者
西尾 久美子
出版者
京都女子大学
雑誌
現代社会研究科論集 = Contemporary society bulletin : 京都女子大学大学院現代社会研究科博士後期課程研究紀要 (ISSN:18820921)
巻号頁・発行日
no.14, pp.1-14, 2020-03

The main purpose of this research is to contribute to the literature related to management studies and studies on performing arts education by shedding light on the collaboration creation value to customers and performers. The research compares the process of career development for Kyoto Hanamachi and the Takarazuka Revue to illuminate respective characteristics and developmental patterns. The Japanese cases show the process of a century long educational modernization based on Kyoto hanamachi school models for the sake of social advancement of female students and better management of high Takarazuka performance quality. The career path of those cases performers is clearly defined. Personnel training is by a system based on career development. They are members of their developmental networks including customers. As a result, their skills and technique level become clear in their community. In conclusion, the research shows how the result can provide a useful analytical framework for future research in the related field.
著者
正木 大貴
出版者
京都女子大学
雑誌
現代社会研究科論集 = Contemporary society bulletin : 京都女子大学大学院現代社会研究科博士後期課程研究紀要 (ISSN:18820921)
巻号頁・発行日
no.14, pp.161-170, 2020-03

Social media has made tremendous progress with the rapid spread of smartphones. The use of social networking services(SNS)has become a second nature, and there have been major changes in how we communicate. The purpose of this paper is to clarify the background to, and psychological characteristics of SNS dependence. SNS are deeply involved in everyday life for those in the younger generations, and people who are likely to become dependent on SNS are stressed by actual human relationships. In addition, SNS not only fulfill a praise-seeking need for approval such as hoping to be in the spotlight, but also have an important meaning as something that assures a rejection-avoidance need for approval, namely, the feeling of "not wanting to be disliked by everyone." For this reason, people with a dependency on SNS strongly seek connections with people who understand them while paying excessive attention to communication they engage in. As a result, an addiction to human relationships is formed. At present we have a "fear of alienation", that we will be isolated if we neglect to care for others. Yet SNS have the advantages of alleviating this fear that we might be disillusioned with knowing ourselves as we are, and allowing us to choose a specific relationship with a reduced risk of being hurt. Thus, we are addicted to SNS.
著者
渡邊 敬子 森下 あおい 大塚 美智子 諸岡 晴美 丸田 直美 石垣 理子 持丸 正明 小山 京子
出版者
京都女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

3Dでスキャンした人体形状や類型化されたグループの平均形状のデータをそのままボディとして用いるのではなく、ドレスボディのようにゆとりの入った形状に変換したものを用いると、より効率良くパターン設計ができると考えられる。そこで、a)ヌードボディとドレスボディを3D計測し、断面を比較するb)ボディ制作者・ボディメーカー等の聞き取りを行うc)研究室所蔵の体表の伸縮データを再検討するなどして、ゆとりを入れる場所と量について検討した。この結果を参考に、LookStailorXで既存のヌードボディに対して、適量のゆとりを入れたガーメントを作成した。このヌードボディとガーメントデータの差分を利用して、HBM-Rugleでモーフィングによる変形を試みた。腕付根位の周囲長で2cm、5cm、8cmのゆとりが入るように変換したボディを基に、タイトフィットのパターンを作成し、厚地のトワルで実験着を作成した。モーフィングで変換した断面図を観察すると、意図した箇所にゆとりを付与できていた。また、製作した実験着の外観には不自然なつれや余り皺はなく、衣服圧の検討からは、ゆとり2cmでも日常の小さな動作には対応できることが分かった。さらに、体格が違う男性や子どもにも同様にモーフィングを行ったところ、意図した箇所にゆとりを付与できており、汎用性があることが予想された。一方、昨年度までは、体型の分類のため、体幹部と下肢部に分けて相同モデルを作成し、解析してきた。全身のモデルは腋下や股下の欠損があり、計測器に付属したソフトの補間では、この部位が実際の位置よりも下方でつながれ、寸法算出や着装シミュレーションの際に問題が生じていた。そこで、ジェネリックモデルやランドマーク位置を工夫することで、これらの位置が正しく表現できる相同モデル作成が可能にした。この方法を用いて、今までに計測したデータをモデル化している。
著者
奥井 亜紗子
出版者
京都女子大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究では、兵庫県北部但馬地方から都市飲食系自営業に流入した移動者の事例を通じて、戦後高度成長期における労働力型都市移動と家族変動のプロセスの実証的解明を行った。京阪神を中心に「のれんわけ」で店舗展開をしてきた大衆食堂「力餅」への量的質的研究、及び「力餅」経営主を輩出してきた但馬地方でのフィールドワークを通じて、連鎖移動を通じて食堂の住込み従業員となった人々が親方のサポートのもとで独立開業するプロセスを解明した。親方子方の関係は独立後も継続しており、労働力型移動者の家族形成と都市定着のプロセスにおいて極めて重要な役割を果たしてきたことが明らかとなった。
著者
中田 兼介
出版者
京都女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

クモでは、交尾の際にオスがメスの交尾器を破壊して、その再交尾能力を奪う種類がいることが知られている。ゴミグモ属は、そのような種が最もたくさん見られると予想されているグループだが、その中でマルゴミグモ種群に属するクモでは交尾器破壊についてわかっていないことが多く、本研究では交尾行動とオスの交尾器の形を詳しく観察し、またこれまで知られている他の種とも比較することで交尾器破壊の進化について解明する。
著者
松下 洋 MATSUSHITA Hiroshi
出版者
京都女子大学
雑誌
現代社会研究科論集 (ISSN:18820921)
巻号頁・発行日
no.4, pp.1-23, 2010-03

小論は、ペロニズム形成期(1943-46)における労働者のペロン支持をめぐって今日まで存在してきた二つの主要な解釈に対抗して第三の解釈を提示することを目的としている。すなわち、ひとつの解釈は、ペロンの主たる支持者が農村から都市に移動して間もない新しい労働者であり、彼らはペロンの親労働者政策に魅了され、操作されたのであり、従って彼らの支持は非合理的なものであったとする。第二の解釈は、ペロニズムの形成期においては労働運動の経験をもつ旧来の労働者の少なからぬ部分(反対派がいたことを認めつつも)がペロンを支持したとの事実に注目し、彼らはペロンの政策が自分たちの利益に直結すると判断した結果としてペロンを支持したのであり、その支持は操作されたものでなく、自発的で合理的であったとする。これに対して、小論は旧労働者の支持を重視する点では第二の説と同じだが、旧労働者のペロン支持の中に、単なる合理性では捉え切れない心理的な要因が介在したことを強調する。なかでも、軍部の圧力で逮捕されたペロンを、旧労働者を含めた多数の労働者が大デモを敢行して彼の釈放に成功した事件(1945年10月17日事件)を取り上げ、デモのきっかけとなったともいわれるCGT (労働総同盟)のゼネスト戦術が、単に旧労働者の合理的判断の結果としではなく、むしろ、プロスペクト理論で言う損失局面における危険受容型行動の一例として解釈できることを主張する。こうした作業を通して、ペロニズムさらにはラテンアメリカのポピュリズム研究において、心理的側面を無視すべきでないことを提言したい。This article intends to challenge the two main interpretations on labor's support to Peronism duringits initial period (1943-46). One stresses the support given by new workers who came from rural areas to the metropolitan areas around Buenos Aires during the 1930s and 1940s. They were not accustomed to urban life and industrial works so they were manipulated by Perón's pro-labor policies. In short, their support was irrational- The other stresses the support offered by old workers with much experience in the labor movement. They were so dissatisfied with the conservative regime (1930-43) that they supported Perón as a rational choice to improve their labor conditions. This article pays attention to the fact that the old workers sometimes showed a psychological support to Perón, especially during the incident of 17 October 1945. Their national labor center called the CGT(Confederación General del Trabajo) approved on october 16 to launch a risky general strike in protest against the arrest of Perón. This aggressiveness of the CGT was considered irrelevant by the first interpretation, because according to it, the October 17 incident was carried out chiefly by new workers spontaneously and independently from all the labor organizations. The second interpretation considered that the CGT played an inportant role in mobilizing the mass demonstration for the next day and one author arguments that the CGT decided the general strike to maintain its prestige as a national center by accepting demands for general strike claimed from below. On the other hand, this article analyzes the decision of the CGT applying prospect theory, arguing that the old workers' attitude demonstrated risk acceptance under the loss domain in which they had fallen because of Perón's detention. In short, it is an effort to insert a psychological analysis to understand the origen of Peronism in a different way from the previous stuadies.
著者
嘉本 伊都子
出版者
京都女子大学
雑誌
現代社会研究科論集 = Contemporary society bulletin : 京都女子大学大学院現代社会研究科博士後期課程研究紀要 (ISSN:18820921)
巻号頁・発行日
no.15, pp.43-58, 2021-03

明治国家は、1872年に壬申戸籍を作成し、結婚や離婚を新たな近代的な制度でコントロールを開始した。同年いわゆる芸娼妓解放令を国際的な対面上出すも、それは新たな近代的公娼制度への布石でもあった。検黴をうけ、登録された娼妓のみが、客と性的な関係を結ぶことができるシステムであった。大日本帝国の植民地拡大は、海外醜業婦と呼ばれる売春婦という国辱的な評価の拡大でもあった。その中には、湾妻、満妻とよばれる妾も含まれた。一方で写真花嫁も近代的な写真を交換して夫となる日本人男性のもとへ海をわたる花嫁たちもいた。花嫁であることを証明するためにハワイやアメリカの移民局では結婚式を挙げさせていた期間もあった。本稿は20世紀初頭、なぜ花嫁は海を渡るのか、当時妻になるとはどのような意味をもったのかを解明する。移民局での挙式のスタイルは、神前結婚という「伝統の発明」に引き継がれ、花嫁の無事到着を知らせる結婚写真は、〈伝統〉と〈モダニティ〉の接合が移民先にスピンオフしたものととらえられるのではないか。写真は更なる憧憬をかきたて、連鎖していった。内地での伝統と近代性の接合と同時に、あるいはそれよりもはやく、海を渡ることで近代性を獲得していた可能性を示す。 The Meiji government controled marriage and divorce through koseki (family registration) since 1872. In the same year the emancipation of Geigi and Syougi (geisha girls and prostitutes) also came into effect; however, this also marked the beginning of the modern Licensed Prostitution System. Only Syougi who had passed an examination for venereal diseases and possessed a license could have intimacy with the customer. As the Empire of Japan had extended its power, Japanese prostitutes had also appeared in many regions and acquired a certain reputation. Some of them became concubines as Wantsuma in Taiwan and Mantsuma in Manchuria; meanwhile, many picture brides crossed the sea after exchanging photographs with their husbands-to-be. It was quite natural for Hawaiian and American authorities to suspect them of being prostitutes. In order to prove they were really wives, the authorities required them to have a wedding ceremony and have their picture taken at the immigration office. This paper will examine why brides crossed the sea. What kind of connotation did becoming a wife have in those days? The wedding ceremony at the immigration office might have affected the ceremony boom of the invention of Shinto style weddings in the early twentieth century. Spinning off from modernity is a key concept of understanding why brides crossed the sea.
著者
江口 聡
出版者
京都女子大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2003

本年度はコンピュータの集団的な利用による「責任の曖昧化」の問題を検討した。Therac-25に代表される高度な技術や、コンピュータ・ウィルス、ネットワークによる投票、P2Pファイル交換ソフトウェア等はどれも誰がどのような行為を行なったのかという点を不明確にし、それゆえ責任の所在がわかりにくくなる原因となる。このような問題を扱うには「責任」の本来的な意味が「賠償責任」であるのか、最近一部の論者によって提出されている「応答責任」なのかを明確にする必要がある。報告者の分析によれば、通常提出されている「応答責任論」は「責任を問う」ことと「責任がある」ことの違いを見失っている可能性がある。この点は上で述べたような集団責任の問題をとりあげれば明白になる。集団的な責任においては、(1)責任を問うべき個人が誰であるか明らかでなく、(2)個人を見た場合その落ち度はささいな場合が多く、(3)他人の行為について応答するということの意味が不明確である。報告者の主張では、われわれは責任の問題をあつかうにあたって、伝統的な目的論的な解釈をおこなうべきである。「責任」という概念の中心にあるのは「非難」であり、社会的に望ましくない結果を抑止あるいは予防し、加害者の教育や被害者の救済その他の目的のための手段としてプラグマチックに解釈するべきである。つまり責任という制度は、そのような制度を採用することの帰結によって正当化されるような擬制にすぎない。より詳細な研究成果は、平成18年度に各種学会および刊行物で公開する予定である。
著者
澤 敬子 南野 佳代 江口 聡 岡野 八代 藤本 亮 渡辺 千原 中山 竜一
出版者
京都女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究の目的は、日本のロースクールにおけるジェンダー法学教育のあり方を模索する基本資料として、アメリカロースクールの著名なジェンダー法学教育担当者に対し、ジェンダー法学がロースクールで教えられるようになるまでの軌跡、現在の教育においての課題等をインタビュー調査することにある。主たる調査結果は、「ジェンダーの視点を法学教育に生かすための諸課題-米国フェミニズム法学教育者インタビュー調査から」(『現代社会研究』8号、pp.49-66、2005)で発表し、本科研報告書においても、この研究をもとに、日本における課題を検討している。調査により、アメリカにおいてジェンダー法学教育は、現在、ロースクールにおいてほぼ制度化され、特化されたジェンダー科目として、および/または実定法学の授業での論点として教えられていることが明らかになった。調査における注目点として、ジェンダー科目を最も習得するべきである学生が、ジェンダー科目が選択科目である限り履修しないこと、特化されたジェンダー科目と実定法学での論点として教える二方法のバランス、学生の多様なニーズにどのように答えて授業を行なうか、教育担当者のエンパワメントや研究推進など横の連携の方法などであった。本研究では、これら課題に対する米教育者らの対応についても調査している。とりわけ、教え方のバランスと選択履修の問題は、日本のロースクール教育においても既に重要な論点であり、米国での取り組みは、ロースクール授業に限らない「大学におけるジェンダー法教育」全般を視野に入れた教育としての取り組みの必要性を示唆している。