著者
山田 利博
出版者
宮崎大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

(1) 350ほどもある宮崎の神楽のうち、データベース化されたのはただ一つと言っても過言ではなかったこれまでの状況に対し、主要3系統5つのデータベースが提供できる準備が整った。(2)そのデータベースに付された字幕解説により、初心者でも神楽の舞の意味を容易に掴めるようになった。
著者
佐々木 達行
出版者
宮崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

1、成熟した社会を担う子どもたちにふさわしい新たな義務教育としての造形教育理念の構想。義務教育としてすべての子どもたちに必要な図画工作・美術科の理念とあり方を考察、構想し、仮説をたてた。2、義務教育としての新たな造形教育理念に基づいた教育課題、活動課題と授業課題の抽出。仮説に基づいて、図画工作・美術科の教育課題を3つの課題要素と6つの活動課題に、また、それぞれの活動課題に対して具体的な授業課題を抽出し、それらをカテゴリーとしてまとめた。3、教育課題と授業課題を実現するための適切なカリキュラム構造の構築。活動課題を骨格、構造としたカリキュラム構造論、「カリキュラムの構造と教育課題」を設定した。4、新たなカリキュラムの骨格、構造を基にしたカリキュラム編成方法の確立。仮説を立てた「活動課題を骨格、構造としたカリキュラム構造論」をもとに、カリキュラムの編成方法を考察する。具体的に、それぞれの活動課題を骨格とした活動課題領域を設定し、それらの領域に対する学年の配当割合と活動/授業内容に対する可能性の考察を行った。5、新たな教育課題、活動課題と授業課題を達成するための教材開発と実践授業研究。教材開発と実践授業研究を行うために、現職の教員による「カリキュラム編成モデル研究開発プロジェクト」チームを組織し(2006.11.1)、カリキュラムを編成するための授業の内容開発研究を行った。6、各学年で開発した教材をカリキュラムとして配列、編成。新たなカリキュラムの編成方法による初等、低、中、高学年、及び中学、第2学年に対し、3つの「課題要素領域」、6つの「活動課題領域」、「表現内容領域」を骨格とするカリキュラムの編成方法を基に、各学年で開発した教材をカリキュラムに配列(題材配列例表)し編成モデルを作成した。7、本研究の研究成果を研究紀要として執筆。研究課題名「造形を通した美術教育の課題とカリキュラム編成方法、及び編成モデルの研究開発」として、仮説を立てた理論と実践研究を組み合わせ、研究成果としてまとめた。
著者
鉄村 琢哉 本勝 千歳
出版者
宮崎大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

屈曲した培養根は多数の側根を形成するというシロイヌナズナで認められた知見をもとに、バーミキュライトを添加し、ゲルライトで固化した培地を根発達培地として使用することにより、カキ栽培品種およびマンゴー実生由来のミクロ挿し穂から発生した1次根に側根を形成させることに成功した。この根発達培地は発根能力の低いニホンナシ栽培品種やマンゴー実生由来のミクロ挿し穂の発根率を向上させた。シロイヌナズナの側根形成に関わる遺伝子解析のための変異系統の作出に成功した。
著者
椎屋 智美
出版者
宮崎大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

2型糖尿病(DM)患者と健常人にグレリン(Ghr) 0.5 μg/kgを静注で単回投与し、食事負荷で糖代謝等に与える影響を検討した。経時的に血糖、インスリン(IRI)、成長ホルモン(GH)、Ghr、デスアシルGhr、食欲を評価した。健常人、2型DM患者いずれもGhr投与時と生食投与時で血糖、IRI、食欲に差はなかった。GH、Ghr、デスアシルGhrはGhr投与時、一過性に有意に高値を示し、投与後90分で前値に復した。DM性神経障害(DN)合併患者6名を対象にGhr 1.0μg/kgを1日1回、2週間連日投与した。DNの自覚症状と後脛骨神経伝導速度はほぼ全例で改善した。投与前に比し投与終了後の食事負荷試験ではIRIと血糖は改善傾向であった。Ghr 1.0μg/kg連日投与は重篤な有害事象なく、糖代謝に悪影響も与えずにDNを改善する可能性がある。
著者
國武 國武
出版者
宮崎大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

ブルーベリー葉におけるアントシアニン生合成において、光照射時の温度や光源が大きな影響を与えることが明らかとなった。また、葉においてはシアニジン系のアントシアニンが主として生合成され、アントシアニン生合成の制御機構が、果実とは異なる可能性が高いことが分かった。cDNA サブトラクションおよび degenerated PCR により 9 個のアントシアニン生合成関連遺伝子を単離することに成功した。アントシアニン生合成遺伝子の多くは、24 時間程度の強光照射により、発現が増加した。アントシアニン生合成機構は、光ストレスからの防御のため、素早く反応している可能性が高い。
著者
恵下 斂
出版者
宮崎大学
雑誌
宮崎大学教育文化学部紀要. 自然科学 (ISSN:13454021)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.1-8, 2008-09-30

理科教育あるいは技術科教育の教材として,(1) 簡易作動・停止アップカウントタイマーによる学生発表会用の予鈴と終鈴を知らせるブザーと,(2) 発振回路にカーボン紙を使って連続的に周波数変化できる,いわゆるトロンボーン回路を試作した。### これらを教材化していくにあたっては,ディジタルICなど電子部品を使って工作をしながら,理科あるいは技術科に興味を持つ子供たちを育てていくことを目的として,一度に全体を作るのではなくて,取り組みやすい部分から作りはじめ,できた部分々々をつないで,しだいにその規模や機能を広げていくような方法を考えた。
著者
杉尾 哲 神田 猛 西脇 亜也 森田 哲夫 村上 啓介 伊藤 哲
出版者
宮崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

温暖多雨の亜熱帯性気候下にある宮崎県の南半分に位置する宮崎県内の5河川と沖縄県内の5河川を調査対象河川として、工改変による河川環境への影響を定量的に評価し、さらに河川環境の復元を予測する手法について検討した。このうち、宮崎県県最南端に位置する千野川においては治水と環境保全を調和させる川づくりが実施された。そこで本研究では、生態系の生息環境が整った区間における生態系の相互作用の検討と、河川改修が進んだ区間での河川改修による河川環境へのインパクトに対する生態系のレスポンスについての継続的なモニタリングを実施して物理環境と生態環境の両面から定量的に計測し、これらの結果から河川環境システムを総合的に評価することとした。その結果、千野川の旧河道の土壌環境は、高位・低位法面と河床堆積面の中間的な性質を保持していたこと、新河道においては、植生は旧河道の種組成を復元していたが次第に外来種が繁茂する傾向にあること、鳥類は9目23科52種が観察されて千野川が水鳥・水辺の鳥にとって良好な採餌場になりつつあること、小型哺乳類はイタチが捕食の場として利用しうる段階まで復元したこと、ホタルの飛翔はこれまでとほぼ同じ数を保持できていて、ホタルは新河道で生活サイクルを完結させていること、などが確認された。しかし、他の河川を加えて千野川の河川環境を総合的に評価した結果、千野川の新河道は、化学的環境に特徴を持ち、日常的な人間活動によって十分に影響を受けた箇所に分類された。また物理的環境は、深掘れが発生したことによって比較的に良くない状態であることなどが判明した。このことから、河川改修による河川環境へのインパクトを受けた河川での環境の形成には、モニタリングを継続して物理的環境を改善するなどのフォローアップが必要であることが分かった。
著者
長谷川 珠代
出版者
宮崎大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

ケアする人々の健康増進を目的としたヘルスケア・アートプログラムは、楽しみが得られる場、交流の場等として認識され、『ケアする人』に専門職も含めた結果、ケアされる方や家族との一体感、気持の共有が図られた。このプログラムはケアする人々が感じる精神的・身体的な疲労感を解消でき、アートを活用することで精神面と身体面の双方への効果が得られ、心身の緊張緩和、意欲の向上に繋がることが示唆された。またNPOやボランティアと連携した実施により、地域ケアシステムとして稼働可能性が示唆された。
著者
原田 隆典 村上 啓介
出版者
宮崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

剛性マトリックス法による震源・地震波伝播過程の定式を一般化することに成功した。コンピュータプログラムを整備し、試算例として、震源断層の深さや表層地盤の厚さによって、断層による永久変位を含む地表の地震動の時間・空間分布特性がどのように変わるかについて調べ、表層地盤の厚さや、断層上端の深さが重要な要因であることを明らかにした。地表面の動きを3次元的に視覚化し、震源域の地表面の動きは、台風時の雲の動きのように渦を巻いていることを始めて示すことができた。地表面の水平・鉛直方向の3成分変位に関する運動と共に地表面の傾きや回転に関する運動の3成分波形が大きくなるなど従来あまり知られていない地震動特性に関する成果を得ることができた。断層近傍に典型的な都市高速道路の連続高架橋とパイプラインを想定し、3次元非線形応答解析を実施し、その応答挙動を調べた。断層に平行なケースや横断するケース、回転地震動の影響を調べた。その結果、断層を横断する連続高架橋とパイプラインにおいても、断層上に表層地盤が存在する場合(断層が地表に現れない場合)には、応答を崩壊限度内に抑えることが可能であるが、断層が地表に現れるような場合には、断層を横断するケースで、応答は崩壊限度を大きく超え、特に、連続高架橋の橋脚に大きなねじりモーメントが発生することを示した。長波理論に基づく津波シミュレーションコードの改善を行っい、日向灘地震(1968年)、南海地震(1854年)による津波高記録と計算結果を比較し、計算精度の妥当性を確認した。また、日向灘地震については、沿岸構造物への津波の波力を計算するプログラムを開発した。試算例では、波力と地震力を比べると、波力は1/10程度と見積もられる結果であったが、条件を変えた試算例も実施する必要がある。
著者
根本 清次 古家 明子
出版者
宮崎大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2003

経管栄養患者はその療養上の方針から自ら味わうことなく食事を行うが、食に対する拒絶感、絶望感を抱きやすく、食の満足とはほど遠い位置にある。本研究では患者と共に意見を交えながら食事に対するニードを調査し、残存する機能を利用して食のQOLを向上する方法を開発してきた。平成15年度には視覚に訴える目的で写真製の食事カタログを作成し、同時に口腔内に用いて食事の匂いと味覚を与える食感ピースの原型を開発した。食感ピースは燕下することなく破棄されるものであり、味覚を付与するものである。材料について選定した結果、発泡マンナンが、これに適していることが明らかになった。すなわち、万が一の燕下の際でも無毒であること。燕下しにくい素材であること。多孔質であり、通気性を有することなどが評価の要因となった。平成17年度には視覚や味覚的に食感を付与する"場"として経管栄養患者のための食事会を企画し試行した。この際の患者インタビューの結果より、食感ピースについての微調整をおこない、大きさ、堅さ、味の濃さなどを調整する工夫をおこなった。さらに患者の意見により嗅覚成分について着目する必要が明らかになった。これは流動性を有するミキサー食が食材の混合であるため独特の臭気を有し、不快感につながるとの意見による。したがって香料による香りの調整が必要であることが明らかになった。嗅覚刺激の有用性については食の観点だけでなく、気分や感覚についての有用性が次第に明確化されつつあり、食のにおいと環境臭の関係についても今後明らかにしたい。現在まで食事会を行ってきた患者のアンケートの精細な分析によれば、経管栄養単独の場合と比較して、食満足度の向上を示す結果が示されたものの、経管栄養時の不快感、不安感には効果を有しないことが判明した。これらの結果については順次公表予定である。
著者
泉 孝一
出版者
宮崎大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2007

{目的}これまでに動物実験施設バリア区域での履物の微生物統御を安価で簡便に行う方法として光触媒酸化チタンを塗布したプレート(以下酸化チタン板とする)の下駄箱内の滅菌効果について検討してきた。その結果1)酸化チタン板の滅菌効果は照度に依存し、節電のため消灯している廊下では十分な効果が得られない事、2)板面の照度は、自然光や照明の条件に複雑に影響を受ける事が解った。そこで光の条件を制御して基礎データを集積し微生物統御の効果を客観的に検討することで、酸化チタン板の有効利用のための基本的な情報を獲得する事とした。{材料及び方法}照度が制御できる遮光箱を作成し、酸化チタン板に165〜15Lxの光を1週間照射し初日と1週間後の板面の一般細菌及び真菌の数の変化を計測する。測定は一般細菌用としてSCDLP寒天培地(日水製薬)を又、真菌にCP加サブロー寒天培地(日水製薬)を使用する。{結果及び考察}遮光箱を用いた1週間の試験の結果、酸化チタン板と光触媒酸化チタンを塗布してないプレート上の細菌数の増減で比較すると、一般細菌数は165Lxでは大差は見られなかった。80Lxでは酸化チタン板の方が塗布無しプレートより71.3%の減少、65Lxでは9%の減少、35Lxでは逆に25.4%の増加、15Lxでは77.4%の増加がそれぞれ記録された。一方、真菌数は165Lxでは酸化チタン板が塗布無しプレートより71.6%の減少が見られた。80Lxでは48.7%減少が見られた。65Lxでは44.6%の増加、35Lxでは21.2%の減少、15Lxでは逆に136.3%の増加がそれぞれ記録された。以上の結果から、1週間電球光を当て続けた場合、一般細菌は65Lx以上、真菌は35Lx以上で光触媒酸化チタンの効果が現れる事が解った。よって人工照明下では一般細菌、真菌の両方に酸化チタンによる滅菌の効果を得るためには65Lx以上の照度が必要であると判断した。
著者
本勝 千歳
出版者
宮崎大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

自家不和合性であるヒュウガナツの枝変わり系統'西内小夏'の自家和合化および種子のしいな化の発生機構の知見を得るために、花粉発芽率、花粉径測定、フローサイトメトリー分析を行った。その結果、'西内小夏'の花粉に通常の花粉よりも大きな巨大花粉が見られ、また'西内小夏'×'西内小夏'で得られた正常種子由来の実生は全て四倍体であった。これらの結果は、'西内小夏'が非還元花粉を形成していることを示唆しており、これが'西内小夏'の自家和合化,種子のしいな化に関与していると考えられた。
著者
白石 一美
出版者
宮崎大学
雑誌
宮崎大学教育文化学部紀要. 人文科学 (ISSN:13454005)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.52-60, 2008-09-30

本論文は『研究論文集-教育系・文系の九州地区国立大学間連携論文集-』Vol.2, No.2(2009/03)に査読を経て受理された。
著者
脇谷 晶一
出版者
宮崎大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

マウスの妊娠確認後、EGFR阻害剤を持続投与し、妊娠5日目に着床数を計測したところ、EGFR阻害剤の有無により着床数に有意な変化は認められなかった。人工脱落膜化モデルマウスにEGFR阻害剤を投与したところ、ごま油投与2日後の子宮重量に変化は認められなかった。子宮内におけるEGFリガンド群の代償的発現上昇が認められたが、脱落膜マーカーであるBMP2の発現量は依然上昇した。これらの研究より子宮に存在するEGFRは必ずしも胚着床に必要ではない可能性が示唆される。人工脱落膜化モデルマウスの子宮管腔内にごま油を投与したところ、2時間後にはHB-EGFの発現上昇が認められた。HB-EGFと同じく着床部特異的局所発現性を有するEregの発現も上昇傾向を示したが、同じEGFファミリーに属するEGF、Aregの発現変動は認められなかった。このことから、ゴマ油投与による人工脱落膜化モデルは、正常子宮全体を用いた遺伝子発現解析では検出できなかった子宮上皮の局所反応を解析できるモデルである可能性が示唆された。このモデルマウスを用いて子宮組織における遺伝子発現プロファイルをDNAマイクロアレイ法を用いて検査したところ、ゴマ油投与子宮角特異的に発現変動する遺伝子が多数新たに見つかった。これらから29遺伝子を絞り込み、より精度の高いRT-PCR法により再検証したところ、12遺伝子がゴマ油投与子宮角特異的に発現変動する遺伝子として確定した。これら12遺伝子は着床部特異的局所発現性を有し、胚盤胞由来シグナルを子宮へ伝達する際に重要な役割を担う可能性がある。
著者
剣持 直哉
出版者
宮崎大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2008

タンパク質をコードしていないRNA (ncRNA)が多数発見され、生体システムにおける重要性が明らかになりつつある。一方、これらのRNAは通常種々の修飾を受けているが、その意義は全く不明である。RNA修飾と自己免疫疾患との関連を明らかにするために、本年度は、SLE患者で自己抗原となるrRNAに対する人工抗体の作製を行うとともに、ゼブラフィッシュにおいてRNA修飾に働く核小体の低分子RNA(snoRNA)の機能を阻害し、生体におけるRNA修飾の役割を検討した。1. 人工抗体ライブラリーを用いた抗RNA抗体の作製ファージディスプレイ型の人工抗体ライブラリーから、28SrRNAの自己抗体結合部位を認識する抗体クローンを8種類単離した。得られた人工抗体のrRNAに対する特異性はELISA法にて確認した。抗体クローンの塩基配列を決定しデータベースを解析した結果、新規の抗体であることが明らかになった。2. ゼブラフィッシュにおけるsnoRNAの機能阻害とRNA修飾snoRNAは通常イントロンにコードされている。そこで、U22、U26、U44、U78の各snoRNAについて、ゼブラフィッシュにおいてこれらsnoRNAがコードされているイントロンのスプライシングを阻害した。その結果、ゼブラフィッシュ胚に共通した表現型として、発育遅滞、頭部の形成不全、色素沈着の遅れなどが観察された。また、いずれも約1週間で致死となった。一方、U26のノックダウン胚から抽出したrRNAを用いて修飾の状態を質量分析計で調べたところ、U26が標的とする部位の修飾が低減していた。これらの結果より、ゼブラフィッシュの初期発生においてRNA修飾が重要な役割を果たしていることが初めて明らかになった。
著者
森下 和広 谷脇 雅史 中畑 新吾 西片 一朗 中尾 和貴 山川 哲生
出版者
宮崎大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

成人T細胞白血病(ATL)のゲノム解析を行い、多数のゲノム異常領域を同定し、白血病関連遺伝子として、TCF8(ZEB1)、NDRG2、TSLC1、BCL11B、EPC1/AXSL2融合遺伝子を同定した。それぞれの機能解析から、TGFbeta抵抗性、細胞接着性の亢進に伴う臓器浸潤、細胞増殖促進等、多彩な性状を同定できた。またTCF8(ZEB1)、NDRG2、TSLC1についてはそれぞれの遺伝子改変マウスがTリンパ腫を中心とした腫瘍発症がみられ、癌遺伝子、癌抑制遺伝子候補として証明できた。HTLV-1感染以降、これらのゲノム異常に依存した多段階発白血病発症機構の端緒が開かれ、新規診断法や治療法の開発につなげることが可能となった。
著者
長友 敏
出版者
宮崎大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2011

テンブレートマッチング法にて、画像計測をするためのソフトウェアを製作するため、OpenCVによる画像処理ライブラリを用いて、C言語のプログラミングにより、実験用のソフトウェアを製作した。次に、昼夜各専用のUSBカメラ2台で計測するため、カメラ座標から実座標への変換をするキャリブレーション用ソフトウェアと座標変換用のソフトウェアを製作した。本計測システムは、計測台、飼育ケージ、昼間用SUBカメラ(画素数:500万画素)、夜間用赤外線USBカメラ(画素数:314万画素)、赤外線LEDで構成されている。カメラは計測台に設置したケージの上部から撮影し、パソコンを通して専用ソフトウェアで画像処理をおこなった。また、赤外線LEDを照射することで、夜間の計測をおこない自然な状態での計測を実現させた。本研究の実験は,宮崎大学動物実験規則に従い,動物実験計画書(宮崎大学動物実験承認番号2011-527)に従って実施した。使用した小動物はマウス(C57BL)、実験場所はフロンティア科学実験総合センター生物資源分野コンベンションエリアにて実施した。マウスに直径6mm円形のマーカーを貼り付け、マーカーの画像をテンプレート画像として、テンプレートマッチング法で追跡した。その結果、テンプレートマッチング法により小動物の追跡を実現した。自動追跡については、マーカーの自動認識率を30秒間隔で24時間計測した結果、自動認識率が1時間ごとの平均で約70%であった。エラーを起こした原因として、マーカーの隠れやウッドチップ等の誤認識があった。誤認識した部分を手動修正し、本システムでの小動物の行動測定を実現させた。
著者
長友 和彦 井上 修一 平瀬 清
出版者
宮崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

日本・韓国・中国・台湾の教育研究機関・関係者と連携して研究を進めた結果、(1)三言語(日本語・韓国語・中国語)同時学習支援を支える三言語習得論・多言語多文化同時学習支援論・多文化共生論等の理論、(2)それぞれの国・地域における三言語及び多言語多文化同時学習支援に関わるさまざまな実践例、(3)三言語同時学習や多言語多文化同時学習支援のシラバスのあり方やその支援者・推進者の役割のあり方、等についての知見が得られた。