著者
木村 正寿 友松 重樹 長瀬 慶紀 田坂 英紀
出版者
宮崎大学
雑誌
宮崎大學工學部紀要 (ISSN:05404924)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.191-196, 2005-08

Abstract ###In an internal combustion engine, it is usually considered that combustion and flow are ###affected each other. In our previous works, it seemed to be in good correlation between ###combustion and flow characteristics. But after precise examinations, the correlations were ###not enough. The cause of this disaffection would be the change of actual fuel air ratio ###during the combustion experiments in the engine. So the examination of this###discrepancy was made by the injection duaration of the fuel injection system. The ###discrepancy was decreased by this check of the injection duaration when engine was ###running.The relationships between combustibility and flow characteristics was ###inclined to be come near in some extent, but more improvement should be required.
著者
内田 好則 下川 敬之
出版者
宮崎大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

本研究はアリルイソチオシアネート(AITC)がエチレン作用の阻害剤ないしは抑制剤であるという観点から、ミカン等の果樹、トマト等の野菜およびスイ-トピー等の花きを使用し、これらに対するAITCの影響を検討し、エチレン作用に対するAITCの作用機構の解明を行い、鮮度保持を含む品質保持技術としての応用を検討した。ウンシュウミカンに対してAITC処理を行った結果、呼吸量の増加がみられ、エチレン処理によりクロロフィル分解(脱緑)は進行し、それをAITCが抑制すること、この脱緑の程度(L+b)/2+aとクロロフィラーゼ活性との間に高い正の相関関係があること、クロロフィリドaベルオキシターゼと脱緑の度合との間には、相関関係は認められないことを明らかにした。その作用は麻酔をかけたような状態を示した。トマト果実にAITCを処理した場合、着色の抑制および果実硬度の軟化の抑制を生じた。処理時間は50分、処理濃度としては5u1/1から効果が顕著であった。トマト子葉の上偏生長に対するAITCの阻害は不(反)拮抗阻害作用の傾向を示した。AITCを先に5分処理するとその後エチレン処理しても上偏生長は起こらず、上偏生長を起こす場合はエチレンを先に6時間以上処理する必要があった。エチレンの関与が少ない切り花のキクではAITCの品質保持効果は観察されなかった。エチレンの関与が大きいスイ-トピーの花では鮮度保持効果はみられなかったが、AITC処理により花の退色を抑制した。現時点での応用としてはSTSとAITCの併用処理が効果的である。作用機構の解明のため、AITCでオジギソウを処理し、振動傾性阻害を観察した。この結果、AITCは果樹および野菜でも観察されたように、麻酔症状様に作用し、一定時間経過後回復がみられた。
著者
上條 秀元 古市 勝也
出版者
宮崎大学
雑誌
生涯学習研究 : 宮崎大学生涯学習教育研究センター研究紀要 (ISSN:13420410)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.1-18, 2005-03-31

In cities, towns and villages the movement to set up lifelong learning leader bank has grown, in order to promote lifelong learning. However, they are not fully functioning in many cases, and it has been a subject to attain activation. Then, we ###developed "Lifelong Learning Leader Bank Self-diagnostic Table", and we requested ###to entry the Table to cities, towns and villages of Fukuoka Prefecture and Miyazaki ###Prefecture. ###As a result of analyzing the contents, there are many cases as follows. It has been a subject to arrange the full-time personnel who take charge of a consultation function or a coordination function, and to improve assessment system, and related system.市町村において、生涯学習を推進するために、生涯学習人材バンクを設置する動きが広がっている。しかし、それらが十分に機能していないという実状が広く見られ、活性化を図ることが課題となっている。そのためには、それぞれの人材バンクの実状に即して、どこに問題があり、どのような方策が求められているかを的確に診断することが求められている。そこで、新たに「生涯学習人材バンク自己診断表」を開発し、福岡県と宮崎県の市町村に対して記載を依頼した。その内容を分析した結果、推進体制の面では、「複数の職員が仕事の片手間に行っている」などの問題を解決するために、今後は相談機能やコーディネート機能を担当する専任職員の配置を課題とするところが多いこと、評価システムおよび関連システムとの連携については、取り組みがあまりなされておらず、今後の課題とするところが多いことなどが明確になった。
著者
芦塚 伸也
出版者
宮崎大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

アドレノメデュリン(AM)は様々な生理作用を有する生理活性ペプチドであり、炎症性腸疾患モデル動物にも治療効果を示す事が明らかとなっている。今回我々は、非盲検前向き予備試験として、炎症性腸疾患(IBD)患者に対しAM静注(1日8時間、14日間)を行い、安全性および臨床的有効性に関し検討した。その結果、AM投与2週間後、臨床症状の有意な改善と大腸潰瘍の粘膜修復を認めた。また、AM投与にて炎症性サイトカインの低下を認めた。また、明らかな有害事象は認めなかった。AMはIBD患者に対しても治療効果を示した。
著者
Yamamori Kunihito Nogawa Reo Yoshihara Ikuo
出版者
宮崎大学
雑誌
宮崎大學工學部紀要 (ISSN:05404924)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.351-355, 2003-07

Face image recognition is an impotant technology for security,communication area,etc.. In this reserch,###we try to show the optimal parameters in multi-layer neural network for mosaic face image recognition.###By using of mosaic face images,the amount of image dara can be reduced,and it can also avoid###the affect of noise.Through our experiments,a multi-layer neural network showed 98.7% of recognition###on 8 x 8 mosaic images.
著者
荒西 太士 沖本 宜音 飯塚 祐輔 工藤 康介 平野 琢也 大久保 誠
出版者
宮崎大学
雑誌
宮崎大学農学部研究報告 (ISSN:05446066)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.21-27, 2006-03-23

カキ類(二枚貝綱翼形亜綱ウグイスガイ目イタボガキ科)は、極圏を除く世界中に分布する重要な二枚貝食糧資源である。100種以上と言われているカキ類の現生種のなかでも、Crassosrea属は、食用を目的とした養殖生産量が世界で最も多い水棲動物である。現在、食用目的で漁獲や養殖生産されているCrassosrea属9種のうち、7種は東アジアが原産であるのに対し、欧州と北米には各1種しか分布せず、Crassosrea属のユニークな地理的拡散と種分化の関係については不明な点が多い。本研究では、ミトコンドリアDNAのチトクロームc酸化還元酵素サブユニットI遺伝子を対象として、これらCrassosrea属9種の種分化を分子進化学的に検討した。当該遺伝子の塩基配列を多重整列して得られた遺伝距離および最小進化法(Minimum Evoluion Mehod)による分子系統樹の解析から、北米に分布しているC.virginicaと東アジアに分布しているCrassosrea属7種の異所的種分化が明らかとなった。さらに、中国最南部の雷州半島付近におけるC.hongkongensisとC.belcheriの側所的種分化も示唆された。本結果から、Crassisrea属の進化は、化石祖先種からは多地域起源説に従うが、東アジアにおける現生種の種分化は単一起源説に従うことが推察された。
著者
中尾 信雄 小野寺 良次 稲澤 昭 別納 征欧 長谷川 信美 山内 清 六車 三治男 堀井 洋一郎 藤代 剛 林 国興 森下 敏朗 林 綾子 田原 秀隆 高橋 勝南 竹之山 愼一 上島 良介 目 和典 堤 孝彦 駒谷 謙司 置本 宗康 河野 謙宗 北爪 惣 佐藤 玲史 高橋 信也
出版者
宮崎大学
雑誌
宮崎大学農学部研究報告 (ISSN:05446066)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.17-38, 2001-12
被引用文献数
2

本研究では、カンショ焼酎粕(濃縮液+脱水ケーキ)を主原料とし、大豆粕を副原料として製造した焼酎粕ペレット飼料の成長、飼料効率、肉質等に及ぼす影響を検討するため、期待体重60から115kgまでの交雑種(WL×D)による飼養試験を1回(実験1、加茂牧場、中部飼料株式会社)、期待体重60~115kgまで(実験2)、期待体重30から115kgまで(実験3)ならびに期待体重10から115kgまで(実験4<通しの試験>)のバークシャー種によるフィールド試験を計3回(永田種豚場)行った。試験飼料の焼酎粕含量率は、乾物当りで、加茂牧場(実験1)2.26%、永田種豚場(実験2)1.77%、永田種豚場(実験3)3.00%(期待体重30~60kg)、3.00%(期待体重60~115kg)、永田種豚場(実験4)2.90%(期待体重10~30kg)、2.42%(期待体重30~60kg)、2.26%(期待体重60~115kg)であった。対照飼料としては、市販飼料を用いた。得られた結果は以下の通りである。 (1)実験1の加茂牧場における期待体重60~115kg間の飼養試験では、試験区の平均1日増体量は対照区よりも約19%高かったが、平均1日飼料摂取量が対照区より約13%高くなったので、結果として飼料効率は試験区が対照区より約6%高い傾向を示すにとどまった。肉質等には試験区・対照区間に差は認められなかったが、肉のビタミンE含量は試験区が有意に高かった。 (2)実験2の永田種豚場における期待体重60~115kgまでのフィールド試験では、試験区よりも対照区の方が、1日増体量で10%、飼料効率で15%ほど高くなった。これは、この試験に用いた配合飼料の焼酎粕含量が1.77%と他の試験に比べてきわめて低かったことが影響しているのかも知れない。なお、血液成分や健康状態には差は見られなかった。一方、行動面では、試験区において社会的序列の上下差が大きく、それによる耳かじりなどの異常行動が見られた。肉質等に大差はなかったが、肉のビタミンE含量は試験区が高い傾向にあった。そして、肉の官能検査では、総合的好ましさは、試験区がよいと感ずる人が多かった。 (3)実験3の永田種豚場における期待体重30~115kg区間では、平均1日増体量は試験区が対照区よりも約10%高かったが、試験区の平均1日飼料摂取量が対照区よりも約7%高かったので、結果として飼料効率は試験区が対照区より約3%改善されたにとどまった。なお、血液成分や健康状態には差が認められなかった。 この試験の中の60~115kgの部分を抜き出してみると、この場合は、実験2の結果と違って、区内平均1日増体量は対照区よりも試験区が約10%高くなり、飼料効率も試験区で約5%改善された。なお、肉質等に大差はなかったが、肉のビタミンE含量は試験区が有意に高い傾向にあった。そして、肉の官能検査では、総合的好ましさは、試験区がよいと感ずる人が多かった。 (4)実験4(通しの試験)の永田種豚場における期待体重10~30kg区間では、区内平均1日増体量は試験区が対照区よりも約21%も高かった。区内平均1日飼料摂取量は試験区・対照区間に差が認められなかったので、結果として飼料効率は試験区が対照区よりも約21%も改善された。 (5)実験4(通しの試験)の永田種豚場における期待体重30~60kg区間では、区内平均1日増体量は試験区が対照区よりも約6%低かった。区内平均1日飼料摂取量も試験区が対照区間より約6%低かったので、結果として飼料効率は試験区・対照区間に差は認められなかった。 (6)実験4(通しの試験)の永田種豚場における期待体重60~115kg区間では、区内平均1日増体量は試験区が対照区よりも約2%低かった。区内平均1日飼料摂取量も試験区が対照区に比べて約4%低かったので、結果として飼料効率は試験区・対照区間に差は認められなかった。 (7)実験4(通しの試験)の永田種豚場における期待体重10~115kg区間では、区内平均1日増体量は試験区・対照区間にほとんど差が認められなかった。区内平均1日飼料摂取量は試験区が対照区よりも約2%低く、結果として飼料効率は試験区が対照区よりも約3%改善された。通しの結果を総合してみると、離乳期子豚に対する焼酎粕ペレット飼料給与の効果が著しいと言える。肉質等に大差はなかったが、肉のビタミンE含量は試験区が有意に高かった。そして、肉の官能検査では、総合的好ましさは、試験区がよいと感ずる人が多かった。 以上、肉用豚肥育期の成長に対する焼酎粕ペレット飼料給与試験の結果を総合すると、焼酎粕ペレット飼料の給与は、市販の対照飼料並みまたはそれ以上の成長促進効果があると考えられる。また、焼酎粕ペレット飼料給与豚の肉のビタミンE含有率は、対照飼料給与豚の肉よりもほぼ有意に高まり、肉の官能検査では、総合的な好ましさが認められた。
著者
玉田 吉行
出版者
宮崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

三つの成果がありました。(1)性感染症でもあるために、アフリカのエイズの状況がかなり複雑で、危機的になっているのが再認識された、(2)免疫不全の病気と戦うためには病気をより広い観点から捉える必要性があるのを再確認した、(3)利益を最優先し、多剤治療一辺倒の先進国や製薬会社が報道を恣意的に操って来たために、先進国ではアフリカのエイズの誤ったイメージが定着しているのを再認識した、ことです。それらを活字にしました。
著者
村方 多鶴子 大石 時子 太田 知子 山崎 鯉子 新屋 明美
出版者
宮崎大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2003

夫/恋人から暴力を受けた女性被害者6名に面接を行ったデータを分析し、暴力に繋がる加害者の価値観・信条に影響を与えていえると考えられる加害者の家族関係を、被害者がどのように意味づけているのかを明らかにした。その結果、加害者の家族関係では、「父が暴力的環境で成長」「父から母への暴力」「父から加害者への一方的押し付け」「父親の影響力大」「母の身体的虐待」「母との信頼関係不十分」「離婚」「甘やかしすぎ」「安心感がない家庭」の9のカテゴリが抽出された。被害者は、加害者の「父が暴力的環境で成長」したことが、「父から母への暴力」「父から加害者への一方的押し付け」に繋がっていると捉えていた。他に「父親の影響力大」「母の身体的虐待」から、加害者は男女・親子関係における力関係を学習し、相手の視点で物事を見ることができず、弱者への支配を身につけた。つまり、夫婦/恋人関係は対等ではなく自分が優位、妻や物事を自分の思い通りにしてもよいと感じた。そして、妻/恋人・子どもに対する共感性欠如のために、自分中心の考えや行動をとり、暴力を軽んじるようになった。また、「父から母への暴力」を見て男性優位の意識が強まり、「母との信頼関係が不十分」だったため、母から得られなかったものを妻/恋人から得ようと、女性に対する期待が高くなった。加害者はこのような生育家庭を「安心感がない」と感じ、被害者意識が強くなったと被害者は意味づけしていると考えられる。看護の世界では、患者とのやり取りを振り返ることを通じて、患者との望ましい対人関係について学ぶために「プロセスレコード」を用いる。自分の信念や価値観を明らかにし自分の傾向に気付きやすいために、特に看護学生が用いることが多い。そこで、暴力を止めたいと思っている加害者がプロセスレコードを用いることで、自分の価値観や、思考や行動パターンに気付く一助になると考える。
著者
緒方 昭子 奥 祥子 竹山 ゆみ子 矢野 朋実
出版者
宮崎大学
雑誌
南九州看護研究誌 (ISSN:13481894)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.47-53, 2013-03-15

ソフトマッサージであるタクティールケアが日本に紹介され, 簡便なケアとして「認知症緩和」に用いられている。そこでタクティールケアの研究の状況を明らかにすることを目的に,医学中央誌で検索語を「タクティールケア」とし, 2006年から2012年3月までの検索を行った。得られた原著論文12件について検討した結果, 対象は認知症の患者に限らず, 寝たきり患者や急性期の患者など多くの対象に活用されており, 認知症患者のBPSDの軽減, せん妄予防, 拘縮の軽減などオキシトシン効果と思われる報告がなされていた。しかしほとんどが看護師の主観による観察評価であり, 客観的データを同時に測定・評価したものはなく, 今後リラックス効果などについて, 測定機器を用いて科学的に検証を行っていくことが必要であることが明らかとなった。(タクティールケアは株式会社日本スェーデン福祉研究所の登録商標である)
著者
藤井 ゆかり 伊勢野 薫
出版者
宮崎大学
雑誌
宮崎大学教育文化学部附属教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:13478788)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.119-133, 2011-03-31

中学生に苦手意識の高い長文読解について, 教育実習校の中学3年生を対象に, 「フレーズ・リーディング」と「セマンティック・マッピング」を組み合わせて, 新たな読解指導を試みた。 先行研究を行った上で, 対象生徒に長文読解について事前アンケートを行った結果, 長文問題に苦手意識のある生徒が半数を超えていることがわかった。 指導過程は, (1)導入(2)英文のリスニング(3)チャンクごとに区切りながらリピーティング(4)ペアで音読練習(5)マッピング(6)マッピングをもとに内容を日本語で説明(7)クローズ・テストで内容理解を確認(8)まとめ, という流れで行った。 この授業実践で, 「フレーズ・リーディング」と「セマンティック・マッピング」を用いて文の統語構造の理解へとつなげることができた。 主語と動詞を見つけ, チャンクごとの関係やつながりを線で結んで図式化することで, マッピングを見れば容易に統語構造が明らかとなる。 また,これをもとに日本語で説明することで, 英文の意味を直読直解することが可能となる。 対象生徒への事後アンケートでは, 9割以上の生徒から「長文問題を解くのに役立つと思う」という回答を得ることができた。
著者
野中 成晃 堀井 洋一郎
出版者
宮崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

牛の膵蛭および小形膵蛭の生体診断法として、ナイロンメッシュ濾過虫卵検査法および糞便内抗原検査法を開発した。日本各地および海外(ブラジル、ベトナム)から得た虫体の遺伝子を解析して2種の種としての独立性を明らかにしたが、一方で、形態学的鑑別が困難であることを示した。さらに、これまで詳細な検討がなかった治療法として、プラジカンテル25mg/kg1回経口投与が有効であることを示した。
著者
関本 朝久 帖佐 悦男 黒木 修司 荒木 正健 荒木 喜美
出版者
宮崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

我々は骨粗鬆症などのロコモティブシンドロームの病因病態解明のために、可変型遺伝子トラップ法により樹立したNedd4遺伝子欠損トラップマウスを用いて、Nedd4の骨代謝における機能を解析した。Nedd4欠損ホモマウスでは、μCT解析、骨形態計測、骨力学試験にて有意に骨量、骨強度の低下を認めた。骨組織像では1次海綿骨量の減少を認め、骨芽細胞は細胞質が少なく扁平な細胞形態を示し、ALP活性が低かった。遺伝子発現解析では骨芽細胞関連の発現が低下傾向にあった。培養骨芽細胞では、明らかに石灰化能が低下していた。したがって、Nedd4遺伝子は骨芽細胞機能制御において重要な機能を担っている可能性が考えられた。
著者
水光 正仁 榊原 陽一
出版者
宮崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、生理機能の不明なオーファン硫酸転移酵素(SULT)のSULT4A1およびSULT7A1の生理機能解明と生体シグナルの変換・伝達への関与解明を目的に研究を行った。SULT4A1に関しては、ゼブラフィッシュ胚を用いた発生段階での遺伝子発現解析を行った結果、神経系の発生・発達において機能を担っていることを明らかにした。一方、SULT7A1に関しては、基質特異性を検討して、シクロペンテノン型のプロスタグランジン(PGA2や15d-PGJ2)の硫酸化を明らかにした。以上のことから、SULT4A1およびSULT7A1の生理機能と生体シグナルの変換・伝達への関与を明らかにすることが出来た。
著者
亀井 健史
出版者
宮崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

現在わが国では、廃棄物処分の問題が社会問題化し廃棄物の有効利用が急務となっている。本研究では、産業廃棄物(廃石膏、石炭灰、高炉スラグ)からなる複合リサイクル材料の地盤改良材としての有効性を検討している。その結果、複合リサイクル材料の添加率の増加に伴って土の強度変形特性が大幅に改良され。エトリンガイト生成量や形状がその内部構造や強度発現過程と密接な関係があることを解明している。一方、地盤環境工学観点から重金属類(フッ素、六価クロム、カドミウム、鉛等)の溶出量が環境基準値を満足していることも確認し、本複合リサイクル材料のケ袁節材料としての有効性を学際的な面から実証している。