著者
藤田 祥子
出版者
拓殖大学
雑誌
拓殖大学経営経理研究 (ISSN:13490281)
巻号頁・発行日
vol.75, pp.25-54, 2005-08-31

今まで会計帳簿等の帳簿閲覧請求の可否が争われた事例で問題になったのは、会計帳簿および資料の意義や請求理由の具体性と会計帳簿等の特定といったことだった。近時、商法293条の7第1号前段を問題とし、請求を認める最高裁判決が出た。それを契機に従来議論されてきた商法293条の7第1号にでてくる「株主の権利」に何が含まれるかという問題について歴史的考察を加え、株主であることに基づく権利がすべてはいるものとする私見を述べた。そして新会社法における改正点に検討を加えた。
著者
北中 英明
出版者
拓殖大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、企業が展開する宣伝広告活動に関して、既存マス媒体(新聞、雑誌、ラジオ、テレビの四大媒体)による広告効果が、インターネット広告やブログやSNSといった新しいコミュニケーション手段を含むクロスメディア状況下でどのような影響を受けているかについて焦点を当て、そのメカニズムを構成的手法(エージェント・ベース・アプローチ)によって解明することを目的としている。
著者
冨田 爽子 水野 晶子
出版者
拓殖大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は1603年から1642年に英国で出版された ‘Italian Books’ を調査し、研究者が確立したメソッドで、書誌学的記述を試み、イタリア ルネッサンスの大きな影響を受けて英国文化を開花させたその過程で、出版の果たした役割を明らかにすることを目的とする。1642年以降、大変容を遂げる英国の出版活動の直前に、‘Italian Books’ が英国の文人や知識階級、及び、劇作家とどのような文化的邂逅を遂げたかを実証的に検証し、当時の英文学や英国演劇にどのような影響を与えたかを明らかにしようとするものである。研究は概ね順調に進んだ。まだしばらく修正作業が続くが、無事に完成させたい。
著者
蓑原 隆
出版者
拓殖大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究では広大なアドレス空間を持つIPv6通信を対象としてアドレスに関するプライバシーを高める方法として,複数の中継ノードを利用するアドレス変換,および, Mobile IPv6におけるホームエージェントの多重化による位置プライバシーの保護の方法を提案した.また, Linux上に提案手法を実装し,そのオーバヘッドがネットワークの遅延速度に比べて許容範囲内であることを実験ネットワークで確認した.
著者
北村 有紀子
出版者
拓殖大学
雑誌
拓殖大学論集. 人文・自然・人間科学研究 (ISSN:13446622)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.45-57, 2005-03-20

This study aims to investigate how the Jewishness is portrayed in Anita Brookner's seventeenth novel, Visitors. The protagonist, Dorothea May, is "English," and her late husband, Henry, and his relatives are "Jewish." However, it is Dorothea who is mentally the outsider. Moreover, after a dream about a sunless vision of Heaven, which is reminiscent of a painting by L.S. Lowry, Dorothea starts to seek for another Heaven in the sun, i.e., the Israelite vision of the Old Testament. It is clear that Dorothea possesses both "Englishness" and "Jewishness." This contradictory situation of Dorothea's identity could be explained as characteristic of Brookner's diasporic British-Jewish writing.
著者
冨田 爽子 水野 晶子
出版者
拓殖大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究では1560年から1601年の間にJohn Wolfeがその出版に関わった書籍474冊のデータ収集と分析を行なった。データ収集に関しては、日本で収集可能なものは研究代表者と研究分担者と共同で行い、海外での収集は英国・イタリアで研究代表者が行った。エリザベス朝の作家、翻訳者、出版業者そしてパトロンや被献呈者、書物収集家などについての正確で詳細なデータベースを共同で作成した。
著者
内田 淳史
出版者
拓殖大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究では、情報理論的セキュリティに基づく暗号鍵発生方式を提案し、超高速レーザカオスを用いてこれを工学的に実装することを目的とする。特に相関乱数暗号の要素技術として、共通カオス信号により駆動された半導体レーザカオス同期および相関の制御を実験的に実現した。本実験では、3つのDFB半導体レーザ(それぞれDrive、Response1、Response2と呼ぶ)を用いた。外部鏡を用いてDriveに戻り光を付加することでカオスを発生させた。Driveの緩和発振周波数とRepsonse1, Response2の緩和発振周波数を異なる値に設定した。Driveからのカオス的レーザ光を、ビームスプリッタ(BS)を調整することでRespoense1とResponse2に注入させた。このときDrive-Response間では低い相関、Response1-Response2間では高い相関を確認した。次にResponsel、Response2にそれぞれ外部鏡を用いて戻り光を付加させた。Response1の外部鏡の距離をピエゾステージによりナノメータ(nm)単位で変化させ、Response1の戻り光の位相を変化させることにより、2つのResponseレーザカオス同期波形の相関の制御を行った。その結果、戻り光の位相が一致したときの2つのResponse間の時間波形は一致しており、相関値を計算したところ0.907と高いことが分かった。一方で、戻り光の位相が一致していないときの2つのResponse間の時間波形は一致しておらず、相関値も0.076と低いことが分かった。以上より、戻り光の位相を変化させることで、Response1-Response2間の相関を制御可能であることが実験的に確認された。本特性は相関乱数暗号方式への応用における要素技術として非常に重要である。
著者
芦田 誠
出版者
拓殖大学
雑誌
拓殖大学経営経理研究 (ISSN:13490281)
巻号頁・発行日
vol.82, pp.1-27, 2008-03

現代を代表する物流の考え方は,製販を統合し情報を共有することよって在庫縮小とリードタイムの短縮を実現するSCMであり,日本政府の現行物流政策は,「東アジアSCM」,「環境・静脈物流」,「DCM」,「安心安全を支える物流」の構築が中心となっている。現代企業100社の物流改革を探ってみると,「物流の再編・物流拠点の集約」と,「SCMの推進」,「輸送・倉庫の効率向上」,「グリーン物流」,4つに取り組んでいる。06年日本における物流大賞は「ITトラックを活用したCO_2削減の数値的把握」,「包装資材のリターナブル」,「配送状況の可視化によるCS向上」であった。アメリカの物流大賞では,06年が「貨物輸送費見積モジュールの構築」,「物流システムの一元化」,「荷主とトラック会社,ドライバーとの信頼関係回復による輸送効率の向上」であり,07年が「DCの新設による輸送費の削減とリードタイムの短縮」,「荷主の輸送貨物と運送会社のトラックを連動させたConnected Capacity Portalの開発」,「中国からの輸入物流における分散型から統合型物流システムへの転換」,「GHGを50%削減させるモーダルシフトの推進」であった。日米の物流大賞とも,日本の現代企業100社が取り組んでいる既述4大改革に収束される取り組みである。実際の物流現場ではSCMだけでなく,より広い範囲の物流改革が行われている。それらを動機付けているものは,物流に関する資産を縮減する一方,顧客サービスを充実することによって売上高の増大を図っていく企業の目的と経営戦略,そのものにある。問題は,棚卸・固定資産,ならびにロジスティックスコストの削減と顧客サービスの向上が対抗軸にある点であり,現代企業の物流改革の評価は,物流コストとカスタマーサービス,二つの対抗軸を関連させてみていかなければならない。
著者
岡崎 章 柿山 浩一郎 内藤 茂幸 呉 起東 丸 光恵
出版者
拓殖大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

プレパレーションに重要なのは,理解につなげる要素をプレパレーション・ツールに組み込んでいるか否かである.一つは,画面内の必要な箇所を確実に見させてその時点で説明を行えるようにすること.もう一つは,リアル表現から痛みを感じてしまい不安感や恐怖感を誘発するぎりぎりの画像を提示することで,真実味と痛みの感じるレベルをコントロールして,最大の理解へとつなげることである.本研究では,この2つの機能を組み込んだCVカテーテル用プレパレーション・ツールを開発した.その後,概念モデル可視化ツールの開発も行った.
著者
岡崎 章 中館 尚也 丸 光恵 内藤 茂幸 小越 明美 油谷 和子
出版者
拓殖大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究は,チャイルドライフ・デザインという新しい概念をもとに感性デザインの専門家と看護学の専門家の協力によって進め,プレパレーション・ツールを初めとして,関連ツールを開発した.当初プリパレーションと表記されていたものが3年間にプレパレーションという表記に変わるなど,まだ定着していない分野であったが,医療看護現場・看護教育現場に実用ツールを提供できたことは,本研究の成果である.本研究開発ツールの有効性は,手術用と骨髄穿刺用のツール"Smile"では動作解析システを,腎生検用ツール"Yutori"ではアイマークカメラを使うことで定量的な評価を実施した.これに看護側の定性的な評価を加えて検証した."Smile"は,改良を加えながらチャイルドライフ・デザインのHPから無料ダウンロード提供を実施しており,ツールの効果と取り組みに対して,2007年医療の質・安全学会ベストプラクティス特別賞を受賞した.同内容のプレパレーション絵本「入院患児のための手術用プレパレーション」は2007年グッドデザイン賞(中小企業庁長官特別賞)を受賞した.子どもの不安感や恐怖感は,プレパレーション・ツールだけで払拭できものではなく,処置直前時の恐怖軽減,処置中の注意転換など,プレパレーション・システムとしてのストレスコーピング・ツール,ディストラクション・ツールが必要なことを明らかにし,6種類開発した.詳細な研究プロセス・開発ツールは,チャイルドライフ・デザインのHP(http://www.childlife-design.com/)に記載している.
著者
佐々木 整
出版者
拓殖大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究の成果は大きく5つに分けることができる。1つめはスマートフォン向けの学習支援アプリケーションを開発し、2つめは形態素解析を用いた教育用コンテンツのひらがな化を実現した。また、3つめは小テスト用Googleガジェットを開発し、4つめとしてAR技術を利用した新しいeラーニングコンテンツの試作を行った。さらに5つめでは専門用語のDBを作成するとともに、Twitterを用いて検索や登録のための仕組みを開発した。
著者
絹巻 康史
出版者
拓殖大学
雑誌
経営経理研究 (ISSN:02878836)
巻号頁・発行日
vol.68, pp.1-30, 2001-12-30

国際商取引が多様化, 大型化, 長期化するにつれて, 契約を伝統的な典型契約の枠にはめ込むことが不適切となった。経済的(商的)合理性と法的正義の一体的な実現を可能とする契約観が必要とされ, lex mercatoriaの重要性が増した。lex mercatoriaは, 国際商取引の当事者が繰り返し反復する取引慣習から生み出された説得性の高いルールである。それらをリステイト(restate)したものがユニドロワ国際商事契約原則である。この原則の適用事例を合理的なADRとされる商事仲裁に求め, 新しい契約法の流れを考察する。
著者
金山 茂雄
出版者
拓殖大学
雑誌
拓殖大学経営経理研究 (ISSN:13490281)
巻号頁・発行日
vol.81, pp.65-94, 2007-12

インターネット,電子メール,携帯電話などの開発については日本企業のソフトウェア開発が旧態の開発手法で行われてきたため,現在その開発スピードについて行けないのが現状である。21世紀に入り大企業の経営者は皆「ITシフト」と言っていた。しかし,先進的技術がいつも社会に受け入れられてきたわけではない。企業グループ化の現れは企業を中心とした経済社会にとって重要であり,グループの本質や目的・方針など今日のような科学・技術革新のスピードが速い状況化でどのように変革を遂げていくのか興味深いものがある。すなわち,環境の変化による企業グループの戦略的対応の仕方が重要になり,さらに製造企業にとって生産を行うための技術展開が戦略上重要になるからである。つまり,経営者の理念精神は企業の事業活動に強いインパクトを与え,経営者の固有の価値観とそれに基づいた企業風土が企業の戦略の創出などに大きく貢献している。企業の新しい事業展開が第三者から観て,新しいビジネスになりそうな場合,仮にならなくても新ビジネスに繋がるものであれば,投資家はその企業に投資しはじめ株式時価総額が増え,企業価値が増し,その評価も上がる。「インターネットの勝ち組」だけではなく,「企業全体の勝ち組」へと好転するのである。共通する点は,関連の企業経営においてスピード経営が「時代の変化を読み取る」「素早い対応」を行うことであり,企業の価値評価を上げていることである。したがって,時代の変化に適応した企業経営は時価総額を上げた企業が「経営やビジネスモデル」として評価でき,企業価値を高め,成功した企業(勝ち組み)への一事例として参考にすべきであり,低迷している企業が一気に飛躍するチャンスも秘あていると考える。そのためには,企業の成長戦略モデルとしてなにが重要で大切かを知ることが必要であり,情報化社会や情報社会ではコンピュータなどITと企業にとって重要かつ大切な経営資源,競争力向上のための企業体質等の強化が必要である。つまり,一つの事業から他事業への相乗効果も考えることでもある。新しい技術を活用した製品,サービスを生み出すためには新技術創出とそれを活用した製品とサービス,製造,販売について研究開発もまた必要である。経営資源を最大限活用することで新技術の創出を生み出し,IT活用型社会からIT社会,つまり「情報社会」の形成に至ったとき,企業の成長が社会にとって大切な組織・集団であると再認識し,その評価と価値が高まるのである。
著者
渡辺 利夫
出版者
拓殖大学
雑誌
国際開発学研究
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.2-3, 2000-09-30
著者
原 誠
出版者
拓殖大学
雑誌
語学研究 (ISSN:02866714)
巻号頁・発行日
vol.101, pp.29-52, 2002-12-28
著者
小原 博 林 紅
出版者
拓殖大学
雑誌
経営経理研究 (ISSN:02878836)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.59-90, 2001-03-30

高度成長期の時期から長らく日本の医薬品メーカー(製薬企業)は, 他の産業と同様に外国企業からの技術導入を図ることで, 医薬品を製造してきた。他方で, 外国製薬企業は日本企業との合弁, あるいは完全子会社化して, 日本市場で展開してきており, その1つにファイザー製薬(旧・台糖ファイザー)がある。このファイザー製薬は, 製品の優位性によって, さらに医療用医薬品では必要不可欠なMR(医療情報担当者)を養成しながら, 日本的な取引慣行や販売問題に十分に対応しつつ, オーソドックスにしてスタンダードなマーケティング戦略により, 確固たる地歩を築いた。