著者
平野 聖 石村 眞一
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.29-38, 2008-07-31
被引用文献数
2

明治時代に先進国からもたらされた扇風機は,大正時代には欧米の企業との技術提携が進み,我が国主要企業による大量生産が開始された。米国では天井扇に加えフロア扇の需要も多かったが,我が国では相変わらず卓上扇の独壇場であった。関東大震災により,直接裸火を使用しない電気製品の安全性が注目されるようになり,震災の復興期に数多く建てられた和洋折衷の文化住宅では,電化が大きなテーマとなった。企業間競争の激化による価格の下落と,新中間層の急増や大正デモクラシーの影響から女性の社会進出も果たされるようになると,大衆の購買力が向上し.家電ブームが起こった。人々のあこがれの対象であった扇風機は,その牽引役を果たした。扇風機の基本的形態の四要素,「黒色,四枚羽根,密なガード,首振機能」は踏襲されたが,エトラ扇の発明により,三枚羽根のものも加わった。この時代には,ガードが独立してデザインされるようになり,他社との差別化やモデルチェンジを明示する役割を担った。
著者
面矢 慎介
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.11-20, 2005-05-31

19世紀から20世紀中期にかけてのイギリスの鍋を事例として、近代家庭機器の成立・発展過程およびそのデザイン変遷をめぐる諸要因について考察した。19世紀末から1930年代にかけて、大容量の鍋が徐々に減少する一方、鍋タイプの細分化が進んだ。1910年代までの英国において、鍋の形態は非常に保守的・固定的であった。特に胴の中央部が膨らんだ「ベリード・タイプ」の鍋は、長年にわたって鍋形態の定型となり、家庭の台所のシンボルとなっていた。19世紀から1910年代までのベリード・タイプに代表される鋳物鍋から、1920年代以降のアルミ鍋への転換(主たる鍋材質および鍋形態の典型の交代)は、各素材に特化した鍋メー力ーの盛衰、ひいては金属加工工業の構造的変革と深く関わっていた。この時代における鍋のデザイン変化(典型の交代)を促したのは、調理器の熱源の変化に加えて、日常の料理法の変化、調理器の外観の変化、家庭生活における台所の位置づけと台所空間のデザイン変化であり、これらが、互いに関連しつつ鍋のデザインに影響していた。
著者
面矢 慎介
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.11-20, 2005
参考文献数
26

19世紀から20世紀中期にかけてのイギリスの鍋を事例として、近代家庭機器の成立・発展過程およびそのデザイン変遷をめぐる諸要因について考察した。19世紀末から1930年代にかけて、大容量の鍋が徐々に減少する一方、鍋タイプの細分化が進んだ。1910年代までの英国において、鍋の形態は非常に保守的・固定的であった。特に胴の中央部が膨らんだ「ベリード・タイプ」の鍋は、長年にわたって鍋形態の定型となり、家庭の台所のシンボルとなっていた。19世紀から1910年代までのベリード・タイプに代表される鋳物鍋から、1920年代以降のアルミ鍋への転換(主たる鍋材質および鍋形態の典型の交代)は、各素材に特化した鍋メー力ーの盛衰、ひいては金属加工工業の構造的変革と深く関わっていた。この時代における鍋のデザイン変化(典型の交代)を促したのは、調理器の熱源の変化に加えて、日常の料理法の変化、調理器の外観の変化、家庭生活における台所の位置づけと台所空間のデザイン変化であり、これらが、互いに関連しつつ鍋のデザインに影響していた。
著者
降旗 英史 山口 光 渡辺 雅志 松本 康史 南 英信 中谷 真人 市川 恵美 井上 雅之
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.11, no.11, pp.46-51, 2006-03-30

本製品は、2003年5月から2004年12月にかけて大同工業株式会社(石川県)と共同開発したものである。当社はいす式階段昇降機の草分けメーカーであり、市場で最大のシェアを占めてきた。しかし近年他社の追い上げが激しく、シェアの優位性を強化するためにデザインの導入を決断した。市場調査の結果、現在市場に出ている製品は大半が事務いすを搭載した機械のような印象のデザインであることが判明した。高齢者や身体的なハンディを持つ人が家の中で使うものであれば、機械ではなく家具のようなものであるべきだと考え、「機械から家具へ」という開発コンセプトを定めた。デザインと技術の協働により、世界で初めて成形合板椅子を搭載し、世界最小の折畳み幅を実現した製品を開発した。2004年度のグッドデザイン賞を受賞し、同年の国際福祉機器展で好評を得、2005年1月商品化された。
著者
柴崎 幸次 高柳 泰世 滝川 泰代 乗松 良昌 白井 夕子 小野崎 定浩 門脇 麻友美 岩田 光令
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 = Annual design review of Japanese Society for the Science of Design (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.36-39, 2008-03-30
被引用文献数
1

『弱視者いろはカルタ』は、弱視者問題研究会が全国の弱視者の会員から募った川柳をもとに、そのシチュエーションをユーモラスにイラスト化し弱視者の日常生活についてわかりやすく解説したカルタである。このカルタは一般視力者にも弱視者にも使ってもらえるよう、弱視の見え方や知識を学ぶことができるようカードデザインにも工夫を凝らしている。カルタの構城は[読み札]と[絵札]の組み合わせで、[読み札]は黒地に白抜き文字のゴシック系書体を基本とし、裏面は読み出しの1文字のみレイアウトしている。[絵札]は、6人の弱視者キャラクターを設定し、そこで繰り広げられる弱視者の日常風景を漫画タッチで描き、裏面には弱視の症状や病態、弱視者の道具類など弱視に関連する知識をテーマごとに詳しく解説している。
著者
両角 清隆
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.51, pp.110-111, 2004-05-30
被引用文献数
1

User needs the user interface which is able to be operated based on the common pattern of user activity. Elderly people really need such kind of user interface because they don't want to learn anew. I propose the user interface design process for creating common pattern as a language between user and system. The main points of propose are ; Design process should be divided into creating common pattern phase and combining patterns phase. Common patterns are created by open source development. Information about patterns will be shared. User will be invited to the developing process as a member.
著者
藤 慎治
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.49, pp.52-53, 2002-11-05

My study compares local and real-time usability testing with remote and non-real-time testing of a Web site. Both local and remote tests use a Web-based usability testing but the former tests allow local and reat-time observation, the latter tests allow users to participate from their normal work locations using their normal, unmodified browser. Results indicate that both the local and remote tests capture similar information about usability. The graph's shape of success rate, the percentage of task that users complete correctly, is similar. That of the time each task requires is also similar. The success rate is inversely proportional to the required time in some degree but the relation depends on the task.
著者
岡田 栄造 寺内 文雄 久保 光徳 青木 弘行
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.19-26, 1999-11-30
被引用文献数
1

特定の語を容易に検索できる電子テキストを利用することでデザイン史研究の史料収集は格段に容易になるが, 同時に多様な記述から有用な情報を得るための分析手法の確立も必要となる。本研究はその手法を確立するための具体的な試みとして, 椅子を事例として文学作品における修飾表現の分析を試みた。市販のCD-ROMに収録された100冊の文学作品を資料とした。まず, 検索システムを利用して「椅子」という語の修飾語を取り出し, それらを「印象・評価」「属性」「関係性」という三つの要素に分類してそれらの関係を示した。次に, 椅子の属性, 特に素材に関して具体的な考察を行なった。その結果, 「籐」という語と「縁側」など住空間の周縁部を指す関係性の修飾語との対応関係が明かになった。さらに詳細な考察を行ない, 昭和戦前期の文学表現において籐椅子が夏の季節感と日本的な空間の表象として機能していたこと, そうした籐椅子のイメージが1950年代の籐家具ブームを契機に失われていったことを示した。
著者
Kim Young-Hwan Jung Chul-Oh Kim Yong-Seong
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.53, pp.296-297, 2006-06-20

The fundamental level of ubiquitous computing, which should be achieved in advance to design smart home, is to set up the system to acquire information from the surrounded environments through the sensor network, using RFID and IpV6. These systems, called contextaware technology, are currently used for computer to predict the user's needs and respond to them by getting information from the surrounded environments such as temperature, humidity, light and motion. Since the ratio of residential buildings that are newly constructed is over 70% and these apartments has equipped with the most advanced network infrastructure in the world, the research for the design method like unit plan, using the application of context-aware technology, should be focused on these apartment environments. In this these, various context-aware technologies in ubiquitous computing will be classified and researched to achieve the design method of unit plan design for smart home.
著者
山本 麻子
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.53, pp.340-341, 2006-06-20

Berlin-wool work was the most popular embroidery throughout the early Victorian age but teacher and artist took a critical attitude. The interest of traditional embroidery was brought above all by W. Morris, led to the foundation of societies for a new embroidery, Art Needlework. They wanted to bring the needlework up as fine art. The Royal School of Art Needlework founded in 1872. Morris supplied many design and his theory of embroidery for the school. Art needlework was in fashion on 1880's by the success of the school and Morris's embroidery.
著者
針貝 綾
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.54, pp.50-51, 2007-06-20

Bruno Paul's economical Type-furniture-program, which was produced by United Workshops for Art in Handicraft in Germany, included a number of furnishings for the living room, dining room, bedroom and study. The customer could choose the plywood's material, and its finish with varnish or lacquer. This research intends to compare sizes of Paul's Type-furniture. Middle-price-house 1906 and House for young couple 1907, confirming that many of these sizes agreed each other and that Paul elaborated his idea about economical furniture for new generation of middle classes since 1906.
著者
永井 由美子 山内 祐平 中原 淳
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.48, pp.260-261, 2001-10-15

Community on netowork-BBS, ML-, there are useing text while people communicate. Members of a BBS have to imagine a community's activity by the text. Our subject of stydy is interaction on community. There are included activity of the community, content of their talk and relation with each participats. On this development, visualization of the state of community's activity is our purpose. We visualized these;(i)icon's movement of a location on screen : comparison of other icons.(ii)icon's motion : variable of icon's quantity. (iii)icon's cloma : variable of icon's quality. (iv)icon's brightness : variable of icon's quality.
著者
菅 靖子
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.37-46, 2000-07-31

19世紀からポスターの芸術的要素は大衆の趣味向上に役立つことが指摘されてきたが, 両大戦間期イギリスの特徴はこれが実際に教育計画の一端を担ったことである。背景には, モダニズムこそが「良い趣味」, 「良いデサイン」であり, これを解する人が一般大衆の趣味を改善するよう働きかけなければならないとする, 芸術家やエリート層の理想主義的な文化二元論が存在した。当時のポスター芸術のパトロン達も, これと無関係ではなかった。本稿ではまずポスター芸術と趣味論, モダニズム論が当時どのように関連づけられていたかを明らかにし, 次にポスター芸術が児童, 社会を対象に趣味教育の道具として機能した例を具体的に検証する。これを通して, モダンからポストモダンへの過渡期を特徴づけるポスター芸術の存在意義を考察する。
著者
谷 誉志雄
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.41-50, 1999-01-31
被引用文献数
1

Notes on the Synthesis of Form以降のCh.アレグザンダーの形成論には大きな転換が認められる。本稿の考察では, この転換を形態の形成に関わる「言葉のモード」の転換という観点から跡づけることを試みた。Notes以後の実験と思索は, 15年後に刊行されたThe Timeless Way of Buildingの理論に集約されている。Notesでは言葉の合理的, 分析的な能力の最適化が追求された。The Timeless Way of Buildingでは, 空間に生じる諸関係を全体性をもつ関係態(パターン)として捉え, その表現媒体としての言葉の能力が開拓されている。パターンのような「流動性をもつ関係の場」を精確に表現できる言葉の能力は, その後の「ヴィジョン」の考えにも反映されている。「知的で分析的な言葉」と「全体性の媒体としての言葉」の対比に見られる形成言語のモードの多様性は, 形成における客観性の多元化を示唆していると考えられる。形態の形成に不可避的に関わる言葉の問題を研究する「形態論批判」構想に対して, アレグザンダーの研究は重要な課題を提起している。
著者
大山 努 蓮池 公威 田丸 恵理子 廣瀬 吉嗣
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.51, pp.302-303, 2004-05-30

In order to show people information effectively, it is necessary to know human's characteristic. We examined the method of effective information presentation based on a space, which is the bank's test branch, using a user's eye-movement and behavior. From this case study, we showed that the problem of information presentation might be able to be extracted by considering the relation between informational role and fixation number, fixation time of eye movement. We got a possibility that information could be received from the analysis of eye movement and behavior.
著者
平野 靖洋 田丸 恵理子 蓮池 公威 北崎 允子 高木 友史 三島 悠
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.54, pp.92-93, 2007-06-20
被引用文献数
3

Currently many types of document media are used in office works, and the variety will be much diversified by emerging new media such as electrical papers. Therefore, more flexible and fluid environment is required for diversified document media in advanced workspace. To design the new environment as mentioned, it is essential to understand and analyze the nature of document work. This report explains the study of the design process in advanced environment through observation and prototyping of the nature of document work.
著者
蓮池 公威 大山 努 田丸 恵理子 廣瀬 吉嗣
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.51, pp.300-301, 2004-05-30

In this paper, we explore a method for observing user's behavior and analyzing interaction along the user's activity, employing eye movement protocols. We think we can enhance our interaction analysis method by using eye movement protocols as an intermediate object for communicating with users. Based on this idea, we applied this method to an evaluation of renewal design for a bank branch. From this case study, we can understand how users interact with artifacts and information spread over the space, and what are the key points for better user experiences.
著者
廣瀬 吉嗣 田丸 恵理子 蓮池 公威 大山 努
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.51, pp.304-305, 2004-05-30

Some frameworks have been suggested as approaches to evaluate a design of store space. These frameworks integrate Kansei, eye-movements and behaviors of consumers. This research focuses on those framework approaches, especially the evaluation method of space image. Specifically, it presents a case study that provides the evaluation of a bank's pilot branch that has been reconfigured. This study performs kansei-evaluation on the pilot office from various points of view to find possible perception differences between the company and customers, and reports on an approach to design a more customer-oriented branch office of the bank.
著者
蓮池 公威 松尾 俊彦 竹内 功 戸崎 幹夫
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.49, pp.64-65, 2002-11-05
被引用文献数
1

In this paper, we explore a method for prototyping user experiences by using scenario and skit performance technique. User's experience is shaped via interaction among users, artifacts, and environment along user's activity. We focuses on interaction design in earlier phase of product planning to shape better user's experience. We think it is bast for our purpose to use and enhance scenario-based design and skit performing method. Based on this idea, we carried out a case study of user participation, using our scenario description, skit performance, and observation framework.