著者
長友 康行 高橋 正郎
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

球面から球面への極小部分多様体のモジュライ空間を記述するDo Carmo-Wallach理論の代表者による一般化を、写像のゲージ同値関係という概念を定義することにより、さらに精密化することに成功した。これにより、先行結果の別証明が与えられるだけではなく、複素射影直線から複素2次超曲面への正則等長写像の2種類のモジュライ空間を得ることができた。さらに射影的平坦写像を定義し、その性質を考察した。また、ベクトル束の切断から誘導される対称空間上の等径超曲面の部分多様体としての不変量をベクトル束の接続に関する不変量と結びつけることにより、等径超曲面の主曲率を求めることに成功した。
著者
林 みどり
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

当該研究は、非ヨーロッパ世界にあってヨーロッパ移民によって大衆社会が構成されたラプラタ世界を対象に、早熟なモダニズムが出現しつつあった20世紀前半の社会文化現象を、「文化の翻訳」と「トランスカルチュレーション」の現象としてとらえなおし、そのメカニズムの基礎になる言説を明らかにすることを目的とした。世紀初頭のラプラタの都市空間では、移民大衆が土着主義的なものを模倣しつつ、従来とは異なる異種混淆の文化的表現を創りあげたり、新たな文化的領野が大衆的な読書空間をつうじて拓かれていくなど、19世紀型のものとはまったく異なる文化的表現を生みだそうとする、一種の文化的エントロピーとでもいうべきものが高まりつつあった。本論では、そうした文化的なダイナミズムの領域にあって進行していたプロセスを、トランスカルチュレーションの過程としてとらえなおし、そこにどのような文化的な<翻訳>のモメントが関わっているのかを、主に教養層の側からの変化への抵抗と反発の言説分析を中心に探り出すことを主眼においている。本論第I部では、異種混淆の文化的表現が創りあげられるに至る過程で生じた文化的抗争の諸相、とりわけ同時代にディシプリンとして成立しつつあった自然科学や人文科学の成立プロセスが、トランスカルチュレーションが生じつつあった社会状況とどのように関連していたかという点に重点をおきつつ、思想史的な観点から析出した。本論第II部では、第I部で扱ったような人文学上のパラダイム転換に、19世紀末から20世紀初めにかけての出版状況が深く関わっている点に注目。具体的にどのような出版文化状況が展開されていたか、そのいわば歴史的なトルソーを、書誌年鑑や大衆娯楽雑誌の分析を通じて彫塑した。今後は、同様の大衆娯楽雑誌の分析を他の雑誌についても行い、また文字メディアだけではなく映画その他の新たに出現しつつあったメディア分析にまで拡げていくことが課題となってくるだろう。
著者
大石 芳裕
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

SPAのブランド・イメージ調査首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)の20代・30代有給女性200人をサンプルにした調査を行った結果,第1に,外資系ブランドの認知度が日系ブランドよりもかなり低かったこと,第2に,ファッション情報に対してさほど敏感ではないこと,第3に,購入する際の最重視ポイントはデザインであること,第4に,「服へのこだわり」や「世帯年収」によって情報源が異なること,第5に,ユニクロやGAP,無印良品は日用品イメージが強く,ZARAやH&Mはファッション性が強いことが判明した。
著者
齋藤 孝道
出版者
明治大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

昨今のCPUアーキテクチャの多様化の中で,コア内に暗号処理を専ら行うモジュール(以降,暗号モジュールと呼ぶ)を持つプロセッサがいくつか登場した.この種のプロセッサでは,暗号処理以外の処理は汎用モジュールで行い,処理速度の要求される暗号処理は暗号モジュールで行うことにより,プロセッサ全体で処理速度の向上を狙っている.しかしながら,既存のソフトウエアの多くは,この種のプロセッサ向けに設計されておらず,一般的に,暗号モジュールを活用するためにはソフトウエアを改修するなどの処置が必要となる.本研究では,コアの中に暗号モジュールを一つ持つプロセッサにおいて,暗号ライブラリの処理の一部を透過的に暗号モジュールへオフロードし暗号処理を行う仕組みを提案し,その実装と評価を行い,効果があることを確認した.
著者
大内 雅利 村山 研一
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

本研究は、農村と農家の社会変動を、それらを構成する最小単位である個人のライフコースからみようとした。それは諸ライフコース間の協調・対立・妥協、さらには新しい制度形成によって説明されよう。第1に、特に顕著な対立は昭和ヒトケタ男性と女性の間にある。前者は現在70歳前後で戦後農業の担い手であり、今は農協組合長などの役職につき農村権力構造の頂点にいる。女性の地位向上と対立する世代である。第2に、背後にあるのは農家女性のライフコースの変化である。女性のライフコースは結婚に大きく左右される。近年は非農家出身・農業経験なし・農外就業・恋愛結婚というライフコースが多い。これは昭和ヒトケタ世代の農家出身・農業手伝い・見合結婚というライフコースとは著しく異なる。家制度と農業の外へと出た経験をもたない。第3に、非農的な体験を積み重ねた農家女性はこれまでの世代と異なり、直売店を持つなど積極的に外に出るようになった。第4に、親のライフコースは子のライフコースのモデルとならなくなった。むしろ子のライフコースが親のライフコースに影響するという、ライフコースの相互規定的な現象がみられる。第5に、合い異なるライフコース間の諸対立を社会的に調停する一つの試みが家族経営協定である。これは行政の主導によって、宮崎県高城町に多くみられた。第6に、現代の農村においてもっとも異質なライフコースは非農家出身の新規就農者であろう。新規就農者のライフコースは未だ安定していない。なかには自然農法のグループもいる。このように現代の農村は、ジェンダー・世代・出身などによって多様なライフコースの持ち主が構成する社会となり、それらの間の対立と共同によって変動している。
著者
穴田 義孝
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

(1)行政単位よりも小さな各地域社会において了解、共有、伝承されてきた「郷土のことわざ」という、いわゆる『ことわざ辞典』類には載っていないことわざが存在することに注目した。これに関する文献資料を各都道府県立図書館にて蒐集し、それをコピーして持ち帰り、拙者の作成した一定の形式による文字データ化という情報の整理を実施してきた。約250の文献から数万句もの研究の土台としてのデータを得ることができた。(2)新たに「ことわざ創り調査法」という調査法を考案し、この調査票を用いて学生や文化講座などの聴講者を対象に調査を実施し、多くのデータを集め、整理、分析している。この調査法は、特定社会における「意見・態度調査法」といえる。(3)(1)伝統的(既成の)ことわざ、拙者の考案による(2)「ことわざ創り調査」による「創作ことわざ」などをデータとして、特定社会・文化の諸相を分析・考察し、下記の著作等を上梓した。これらの著作等をご覧いただければ幸甚である。
著者
気賀沢 保規 高橋 継男 石見 清裕 神鷹 徳治 櫻井 智美 高瀬 奈津子
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

本研究は6世紀から9世紀頃の中国南北朝後期隋唐期における石に刻まれた文字資料の「集成・データベース構築」とそれによる「地域社会文化」の研究を目的とした。今日、当該時代の墓碑や墓誌など石刻資料が第一次資料として注目される、しかし資料の系統的、網羅的な整理・把握とその情報の共有化の態勢が不十分である、その反省に立ち、資料の収集・整理・データベース化とその考察に努めた。以下のような具体的成果をあげることができた。(1)およそ7千点にのぼる唐代墓誌の所在を整理して『新版唐代墓誌所在総合目録』を刊行した。このことで内外の学界関係者から評価され、この時期の墓誌研究を前進させるために貢献できた。(2)唐代に先立つ時期の墓誌を初めて全面的に集約した「隋代墓誌所在総合目録」(483点)・「北朝墓誌所在総合目録」(779点)を刊行した。あわせて北朝から階代の関中(陝西省)の民族問題を石刻資料から論じた馬長寿著『碑銘所見前秦至隋初的関中部族』(全111頁)を、関連石刻も補って翻訳し、石刻による「地域社会」研究を進めた。(3)石刻関係資料の系統的入手と整理発信を長期的に可能にするため、東アジア石刻文物研究所(於明治大)を設署し、機関誌『東アジア石刻研究』創刊号を刊行した。並行して貴重石刻拓本の収集、新出・新報告資料の把握に努め、それら収集資料の一部は毎年、「解説」を付して展示公開とシンポの準備をした(次年度以降毎年開催)。(4)石刻資料研究では現地調査が必要で、三度にわたり院生・若手研究者を帯同して山東・河南・河北一帯の遺跡と文物所蔵機関を調査し、調査結果と情報を研究会で報告し、2本の報告論文にまとめた。(5)石刻をめぐる研究分担者の成果は「中国石刻史料をめぐる諸問題」と「石刻史料から探る北朝隋唐仏教の世界」の2セミナーで報告し、それを『中国石刻資料とその社会』論集に集約して、「地域文化」研究に繋げた。
著者
岡 剛 石原 荘一
出版者
明治大学
雑誌
明治大学科学技術研究所紀要 (ISSN:03864944)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.51-69, 1968

The object of this research is to check up the relation of the following three items by experiments of the scavenging action, in a visible state, .of two stroke cycle engines. (A) The form of a cylinder-liner. (B) The flowing state of scavenging medium in the cylinder. (C) Efficiency with relation to scavenging performance. There have been carried out many investigations of the relation between (A) and (B) or (A) and (C), but no report has been found in the relation between (B) and (C). It is very difficult to investigate the relation between (B) and (C) of a scavenging action at the same time, but if working fluid is the liquid, the test becomes easy. Then several experiments were performed by the newly developed method in which the scavenging efficiency was made calculable by the observation of the change of the specific gravity of the water in the cylinder when the salt water mixed with ink was introduced there by the scavenging action. The experimental results were formulated with the scavenging characteristic curves with a consideration to the short circuiting loss and rate of diffusion, of scavenging medium. The third report contains two subjects, as shown in the titles. The first subject is the second report and also a report on the cross scavenging on two dimensional flow. The second subject is an experiment on three dimensional flow by a device using crank mechanism of an actual engine. In this experiment, it was found that there was much back flow from the exhaust ports into the cylinder at the inceptive stage of the scavenging action.
著者
吉村 武彦 杉原 重夫 加藤 友康 川尻 秋生 柴田 博子 市 大樹 加藤 友康 川尻 秋生 柴田 博子 市 大樹
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

墨書土器に関する研究文献データベースは、総計が1,866件になった(継続中)。墨書土器データベースは、全国簡易版(釈文・遺跡名・所在地・出典データ)が108,744点、詳細版は四国4県、鹿児島を除く九州6県と、北陸の富山、東海の静岡、および飛鳥・藤原・平城宮出土の墨書土器を公開した。この成果により、関東以西の墨書土器の全国的比較研究と都城との比較が可能になった。地域研究は、千葉県市川市を対象に進めている。
著者
波照間 永子 花城 洋子 大城 ナミ
出版者
明治大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、琉球舞踊の技法「動作単元」のデータベース化を企図したものである。動作名称・動作特性・伝承方法等の総合的なデータを記録しているが、今回は、伝承方法に焦点をあて、5名の県指定無形文化財保持者およびそれに準じる者に聞きとり調査を実施した。その結果、1960年代初頭の流派発足以前は、複数の師から十八番芸を学ぶ「複数師匠型」の伝承スタイルであり、動作単元の定義や伝承方法に多様性が認められることが明らかになった。これらの多様性をも視野に入れたデータ内容の検討が必要である。
著者
小林 繁
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

精神障害をもつ人の学習・文化支援においては、地域での生活支援や就労支援と連携しながら豊かな人と人との関係をどう作り上げていくかが重要である。それは、様々なプログラムを通して言葉の回復を中心とした豊かで多様なコミュニケーションの力を引き出し・創造していく課題であるということができる。そのためには、当事者へのエンパワーメントの支援が不可欠であり、同時に安心できる居場所などを提供していく取り組みが求められるのである。
著者
富野 貴弘
出版者
明治大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は、付加価値の高いものづくりのあり方について考察し、それを実現させるための施策を具体的に提示することである。その際に、生産と販売の組織間連携という視点を重視した。本研究で明らかになったことは、日本のトヨタ自動車やホンダのように継続して高い競争力を生み出している企業は、長い時間サイクルをベースにした、ある種プロダクトアウト的なものづくりを生販一体となって連携し実現しているという点にある。
著者
向殿 政男
出版者
明治大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1989

“あいまい"なデ-タは、実社会では避けることができない,しかも人間にとって極めて本質的であり重要なものである。本研究では,あいまい(ファジィ)デ-タを処理するための研究に関して,次のような幾つかの研究成果を挙げることができた。(1)ファジィProloキ“PROFIL"によるオンライン文字認識システムの製作本研究で開発したファジィPrologのシステムであるPROFILを,オンライン文字認識システムの記述に用い,本システムがあいまいさの多い文字(手書き)に対しても,有動に認識できることを示した。(2)フィジィ・インタ-バル論理の提案あいまい情報の処理のための基礎理論であるフィジィ論理の一つとして,従来の無限多値論理と、L.A Fadehの提案しているファジィ論理との中間に位置するファジィ・インタ-バル論理を提案し,その基本的性質を明らかにした。この新しい論理は本質的には,真,偽,未知,矛盾の4値論理に等しいことを明らかにした。(3)修正原理に基づくファジィ推論法の提案あいまいな前提からとも,もっともらしい結論を導しファジィ推論法には、これまで多くの考え方が提案それている。本研究では、修正原理に基づく新しいファジィ推論法を提案し、従来の方法の欠点を補なうことを可能にしていることを示している。この新しいファジィ推論法により、あいまいなデ-タ及び、あいまいな要求に対しても文献検索ができる『ファジィ検索』法の基本が構成できると期待されている。
著者
大石 芳裕
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

本研究の主テーマはグローバルSCMの現状と課題およびその成果の研究であるが、これらを定量分析(アンケート調査)や定性調査(インタビュー調査)を通して明らかにしている。その結果、グローバルSCMに取り組んている企業はすべて多かれ少なかれ一定程度の成果をあげているものの、それは一直線に向上するものでもなく、また必ずしも短期間で表れるものでもないことが分かりつつある。グローバルSCMを成功させるための条件にはいくつかあるが、経営者のリーダーシップ、流通業者との提携(精度の高い需要予測)、納入業者との提携(柔軟な調達体制)、受注生産に対応できる効率的な生産体制などがとりわけ重要な成功条件である。グローバルSCMに取り組み一定の成果をあげている企業は、まずこの4条件を満たしている。「延期・投機理論」的に言えば、投機から延期ヘシフトするSCMは、変化する需要にすばやくかつ的確に対応する必要がある。しかし、その成果が出るまでに時間がかかり、経営者の強い信念とリーダーシップを不可欠とするのである。リードタイムの短縮や在庫削減、欠品率低下などの成果は、良好な企業では一時的にかなり向上する。しかしながら、リードタイムの短縮はロジスティクス・タイムの制約を受けるし、在庫も少なすぎると柔軟性を欠くようになる。欠品率はメーカーと流通業者との提携によっても変化する。国内のSCMでさえそれらは簡単に克服できる課題ではないが、グローバルSCMではますます困難てある。グローバルSCMの経営成果が紆余曲折するのもそのためである。今後は、このような課題についても研究し、成功条件をより深く探索したい。
著者
後藤 春美
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

国際連盟は、社会・人道分野でも多くの任務を負っており、本研究で取り上げた婦女子売買禁止問題もそのひとつであった。本研究では、イギリス公文書館、英国図書館、ロンドン大学政治経済学院図書館などが所蔵する資料を利用して、イギリス及び国際連盟がこの問題にどのように取り組んだのかを調査した。「国際連盟の対中技術協力とイギリス 1928-1935年」、「帝国の興亡と人の移動--国際連盟が見た中国のロシア人女性難民」といった論文を執筆し、国際連盟が東アジアにも非常に関心を持っており、この地域への積極的な介入を試みていたということを明らかにした。
著者
佐野 正博
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究では、マイクロプロセッサーの開発とパーソナル・コンピュータ技術の歴史的発展が相互に関連しあいながら歴史的に発展してきたプロセスを技術史的視点および技術論的視点から実証的に分析することを通じて、イノベーションの歴史的構造、および、技術の歴史的発展構造の解明をおこなった。まず総合技術史に基づく長期的視点から計算機技術の歴史的発展の流れにおけるマイクロプロセッサー技術の歴史的位置づけをおこなうとともに、マイクロプロセッサーという製品が持つ特殊性の解明をおこなった。すなわち計算機技術の歴史的発展におけるcalculatorとcomputerへの分化、それぞれの時代における上位市場と下位市場の編成のあり方という視点から、計算機技術の歴史的発展をマクロ的視点から取り扱うことで、世界最初のマイクロプロセッサー4004が「電卓生まれのマイクロプロセッサー」として歴史的に登場した理由を解明するとともに、パーソナル・コンピュータ用CPUとしてマイクロプロセッサーが利用されることになることの歴史的意味の分析をおこなった。マイクロプロセッサーのこうした用途は、一部の専門家を別として最初から広く社会的に認識されていたわけではない。そのためマイクロプロセッサーを利用した製品は、どちらかといえばMarket-oriented型ではなく、Technology-oriented型の製品イノベーションとなっていることを論じた。パーソナル・コンピュータの製品イノベーションに関しても、市場の需要というよりは、ムーアの法則にしたがってパラノイア的にマイクロプロセッサーの集積度向上を追求するインテルなどの研究開発によるマイクロプロセッサーの技術的発展が、パーソナル・コンピュータの製品イノベーションを根底的に規定してきたことを明らかにした。
著者
小畑 精和 佐藤 アヤ子 曽田 修司 藤井 慎太郎
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

シルク・ド・ソレイユを筆頭に,R.ルパージュの演劇,ラ・ラ・ラ・ヒューマン・ステップスなどのダンスなど近年隆盛を極めているケベックのパフォーミング・アーツを分析し,製作者(劇作家・演出家・俳優・パフォーマー)や受容者(観客・評論家)の観点からばかりでなく,政策や経営も含めた文化状況全体の中で,パフォーミング・アーツを考察した。また,連邦政府の提唱するマルチカルチャリズムと,ケベック州政府が推進するインターカルチャリズムの比較を行った。研究を通して,その発展の大きな要因として,ケベック州政府の文化政策があることを明らかにした。その成果の一端を昨秋の日本カナダ学会第33回年次研究大会(9月21日セッションIII,皇学館大学)で三人がそれぞれ発表した。
著者
井戸田 総一郎
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009-04-01

ベルリンのLandesarchivなどの文書館において、特に1945年から1962年までの期間について、劇場・ヴァリエテ・映画館などの文化・娯楽施設に関する政策上の資料、さらに各施設の興行関連資料を収集し、施設の立地地図の作製も含めて総合的に分析した。戦後東京の文化・娯楽政策について、ベルリンとの比較を可能にするために1945年から1962年の期間について資料を収集し、特に国立劇場開設に関する資料を総合的に分析した。ベルリンと東京を繋ぐ演劇人としてブレヒトを取り上げ、亡命からベルリンに戻ったブレヒトの活動、およびその東京における受容の様相を雑誌『テアトロ』などを中心に分析・執筆した。
著者
鈴井 正敏 川合 武司
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

【目的】NK細胞数及び活性(NKCA)は一過性の運動により影響を受けることが報告されている。本研究では継続的な強い運動(トレーニング)が安静時のNK細胞機能に影響するかを検討した。【方法】被検者は関東学生1部大学バレーボール部に所属する女性8名とし,トレーニングは秋季リーグ戦前の一ヶ月間にわたる強化練習(5時間/日×6日/週)とした。採血はトレーニング前,トレーニング中,トレーニング終了前,回復期の4回,早朝安静時に行った。測定項目は末梢血リンパ球のNK細胞数およびNKCA,血漿アドレナリン(Ad),ノルアドレナリン(Nad)濃度,コルチゾール濃度,CPK濃度,NK細胞上の接着分子CD11a,CD18,CD44,CD62Lの発現強度とした。データは安静値を基準に脱水補正を行った後,one-factor ANOVA(p<0.05)による分散分析を行った(StatView)。【結果と考察】NK細胞数およびリンパ球に占める比率はトレーニング期間を通して変化しなかった。NKCAと細胞当たりのLytic unitsはトレーニング終了前で有意(p<0.05)に低下した。Ad及びNad,コルチゾール濃度には変化が無く,CPK濃度はトレーニング終了前で有意(p<0.05)に増加した。NK細胞上のCD44はトレーニング終了時に増加し,,逆にCD62Lはトレーニング初期にCD18は回復期に低下した(p<0.05)。以上の結果より,強い運動の継続では一過性の運動で見られる変化とは異なることが明らかとなった。一過性の運動ではNKCAは個々の細胞の活性変化ではなく,細胞数の変化によって影響を受ける。これに対し,強度の高いトレーニングではNK細胞濃度の変化はなく,個々の細胞の活性が低下する可能性が示された。