著者
葛山 康典 大野 高裕 尾関 守
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会誌 (ISSN:03864812)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.371-376, 1993-12-15
被引用文献数
2

証券市場での資金運用方法を構築したH.Markowitzのポートフォリオ理論は, 多数の投資可能証券が存在する場合, その適用が困難であることが指摘されている.本研究では, ポートフォリオ理論において, 収益率の分布パラメータである平均収益率と分散・共分散が一般には推定量であることに着目し, より簡易に投資方法を決定するためのモデルを提案する.すなわち, サンプル時点数が所与の場合, 分散共分散行列のランクを考慮し, 空売りの存在下で高速に有効フロンティアをもとめるモデル, および各時点での次期の市場指標収益率を, バックテストの意味で予測可能な証券を投資対象にすることにより, 投資対象証券数の増加を抑制するモデル, の2つのモデルを提案する.
著者
古賀 史子 福田 平八郎 松尾 哲子
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.282-291, 2002-10-15
被引用文献数
3

今日サービス供給の仕方が自給から外部依存へと推移してきており, その一つの要因として質の高いサービスが求められるようになってきたことがあげられる.しかしながら, サービス企業の品質評価に関する一般的な指標は未だ得られていない.そこで, われわれはサービス企業の品質を評価する手法の開発を目的として, 次のことを行った.(1)製造業に最も近いサービス業としてクリーニング企業をとりあげ, 顧客属性の最低要求水準を稼働率のある上限という最小コストで評価するという論点から, 福田の"相対的期間利益と稼働率の理論的関係"のノウハウを活用することにより, 品質面の相対的収益性(品質力)とその理論的標準値を求める.(2)品質力と標準的稼働率の関係を理論的に導き, 標準的稼働率をパラメータとして品質力と相対的期間利益の関係を求め, これらの妥当性を白洋舎の実績資料により検証する.(3)品質力の理論的標準値と標準的稼働率を用いて, クリーニング取次手数料率の理論的標準値の算出式を与え, それによる試算が現実を反映しているかをみる.その結果, サービス企業の一般的に比較可能な品質評価指標(品質力)とその標準値が得られた.
著者
松尾 哲子 古賀 史子 福田 平八郎
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.323-328, 2002-10-15
被引用文献数
1

In Japan, transition to a few-children, old-aged society and a nuclear family society is escalating. According to a white paper on the old-aged society, in a comparison of predicated family composition in 2020 with that in 1995, the number of households where the age of a householder is over 65 will increase from 8.67 million to 17.18 million, and senior people living alone will also sharply increase to 5.36 million, 2.5 times that of 1995. In the meantime, senior citizens as well as regional retail stores themselves are calling for the survival and revival of regional retail stores, whose decline is being affected by the advance of large stores. Under such circumstances, survival measures for regional retail stores aimed at "construction of regional environment to enable senior people to live spiritually rich lives" and "assistance to home-bound care assistance centers" are now attracting public attention. In this paper, the authors have conducted the following action for obtaining a new method to meet this target. A "customer visit and home delivery" trading method is extracted from the role of regional retail stores in the old-aged society, and a cooperation network based on a rotational duty system is constructed by applying the above role to the needs of senior people, by making best use of fundamental features of Japanese-style management. As a result, a framework that enables the utilization of capacity available for conducting customer visits and home delivery without generating new costs has been constructed.
著者
塹江 清志
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会誌 (ISSN:03864812)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.185-192, 1990-08-15

本論文の目的は, 日本人の根源的・根底的心理特性が, 「一体感」の心理であることを明らかにすることである.本居, 中根, 小此木, 土居, 源, そして木村の理論がとりあげられた.諸家の主張する日本人の心理特性について検討された結果, それらの特性が「一体感」の心理に基づいて成立することが確認された.それゆえ, 日本人の根源的・根底的心理特性が「一体感」の心理であると結論された.
著者
矢野 均
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.50-62, 2012-07-15

本論文では,多目的確率線形計画問題に対する確率最大化モデルと満足基準最適化モデルの特徴を同時に組み込んだ対話型ファジィ意思決定手法を提案する.確率最大化モデルでは,許容目的レベルを厳しい値に設定すると,許容目的レベル以下である確率が小さい値になるのに対して,満足基準最適化モデルでは,許容確率レベルを1に近い大きい値に設定すると,許容確率レベル以上の条件を満たす目的関数の値が悪化するという問題点がある.提案手法では,確率変数係数を含む各目的関数に対する許容目的レベルと許容確率レベルに対して,それぞれ,満足度を表すメンバシップ関数を設定した後,各メンバシップ関数をファジィ決定により統合したメンバシップ関数空間上で,対話的に満足解を導出するための対話型ファジィ意思決定手法を提案する.
著者
太田 貴子 田川 晋一 武岡 一成
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.364-373, 2006-12-15
被引用文献数
1

製品を発注する方式として,従来は定期発注方式や定量発注方式が用いられている.しかし,これらの発注方式は,劣化が早い弁当,野菜,ケーキ等の生鮮食品や,新聞といった製品には適さない.つまり,発注方式を決めるには製品特性を考慮しなければならない.本研究では,製品の特性として廃棄時間を取り上げている.廃棄時間は劣化の遅速により決まる.劣化の遅い製品は製品価値が変わらないので,ストック型コントロールを取ることができる.劣化の速い製品は製品価値が急速に変わるので,一般にスルー型コントロールをとる.このような製品は,売れ残ると廃棄処分されるため,時間と数量によって値引きが発生する.従来の発注方式の研究では,主にストック型コントロールが用いられている.そこで,本研究は製品劣化が速く,廃棄時間が短い製品を取り上げて,利益に基づいて最適発注量を算出する場合の基本式を,定価販売と値引き販売を含めて一般式として導出した.その結果,値引き販売の最適発注量を算出する基本式は,定価販売の基本式に修正項を加えるだけで構築できることが分かった.
著者
鈴木 秀男 松尾 博文 アラウス リタ
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.28-39, 2009-04-15

近年,優良製造企業を中心に,日本の品質管理水準の低下を指摘,憂慮する声が頻繁に聞かれるようになった.経営環境の変化とそのスピード,価格競争の激化,商品サイクルの短期化などへの対応に企業活動の重点が移行し,経営トップの品質意識の低下,社内教育の縮小,現場管理者および従業員の数の縮小と品質改善意欲と能力の低下等を招いているとされる.一方で,品質はものづくりの中核的な概念であり,品質管理の基本に回帰し,この問題を再検討する必要があるとも認識されている.そのために,日本の品質管理の調査研究を実施することにより,現場による品質管理の現状と変化の認識を計量的に把握して,それらの水準の低下が生じているかどうかを実証し,どのような品質管理要素の向上を図るべきかを考察することは重要である.本論文では,2004年12月から2005年2月に東証1部上場企業の製造企業を対象にして品質管理に関するアンケート調査を実施し,品質管理基盤実践要素(例えば,経営トップのリーダーシップ,人的資源管理など),品質管理中核実践要素(例えば,製造プロセス管理)と品質成果の現状と中期的な変化について,現場認識の検証を行った.また,品質管理の基盤実践要素→中核実践要素→品質成果の因果関係の仮説モデルを仮定し,共分散構造分析に基づきモデル推定を行い,どのように品質管理実践要素が品質成果に影響を与えるかを検証した.さらに,品質成果に大きく影響を与える一方で,現状水準や変化の度合の低さが見られる品質管理実践要素を明確にした.これらの結果に基づき,品質管理のあるべき枠組みを再検討した.
著者
泉井 力 森 健一
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会誌 (ISSN:03864812)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.346-354, 1995-12-15
被引用文献数
2

小集団活動の活性化要因を検証する.サークルリーダーの行動スタイルとして, PM理論の課題遂行型と集団維持型に新しい2次元が追加される.自己規律のS型と知識技術教示のT型の有効性が検証される.製造業6社から166サークルの有効回答を得た.有効性の検証には集団凝集性, 集団規範, 凝集性×規範, 自主性, 職制との関係, 成果を用いた.状況変数として, 6次元のリーダーの気質の他に9変数が検討された.
著者
加藤 貞夫
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会誌 (ISSN:03864812)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.424-427, 1981-03-31
被引用文献数
1

この報告は, 筆圧を用いた事務作業負荷の測定方法を開発するために行なった基礎的な実験の結果について述べている.実験では転記・暗算・電卓操作の3種類の作業が, 12名の被験者に課せられ, 各被験者の筆圧が各作業の前後で測定された.実験で得られた筆圧の変化率を分析した結果, 筆圧の変化率は肉体的負荷が強い転記作業では正の値を示し, 精神的負荷が強い暗算作業では負の値を示すことが認められた.電卓作業では両作業の間の値を示した.この結果は事務作業負荷を測定する方法を開発するさいの重要な手掛りとなる.
著者
水山 元 淺田 克暢 山田 賢太郎
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.214-221, 2006-08-15
被引用文献数
1

多段階生産システムでの不良要因探索を支援するために,著者らは,多段階品質情報推移モデル(Multi-stage Quality Information Model:MSQIM)と呼ぶ,探索的データ分析のための新たなフレームワークを開発している.これは,製造履歴データの中に含まれている,製品の製造品質に関する情報が,工程を経るごとにどのように変化していくかに着目するものである.本報では,このMSQIMを実現するための一つの方法として,決定木分析を援用したアプローチを展開し,その適用例を示す.これは,対象生産システムの各工程に対応した複数の決定木を生成した上で,個々の決定木だけでなく,それらの間の関係にも着目することによって,不良要因に関する知見を得るものである.
著者
水山 元 淺田 克暢 山田 賢太郎
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.129-138, 2005-06-15
被引用文献数
1

多段階生産システムでの不良要因探索を支援するために,多段階品質情報推移モデル(Multi-Stage Quality Information Model:MSQIM)と呼ぶ,探索的データ分析のための新たなフレームワークを提案する.これは,製造履歴データの中に含まれている,製品の製造品質に関する情報が,工程を経るごとにどのように変化していくかに着目するものである.そして,一度の分析では不良要因や不良発生メカニズムの特定にまでは至らなかった場合でも,どの工程,設備などに焦点を絞ってさらなる分析を進めていくべきかについての指針が得られるようにする.本報では,MSQIMを実現するための一つの方法として,ロジスティック回帰を援用したアプローチを展開し,その適用例を示す.
著者
圓川 隆夫 曹 徳弼
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会誌 (ISSN:03864812)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.501-509, 1994-02-15
被引用文献数
5

本研究では, 多段階のロジスティクスシステムにおいて, 理想的なロジスティクス, すなわち, ジャスト・イン・タイムを阻害している要因として, リードタイム, 需要の不確実性の大きさ, 意思決定段階数の3つを取り上げ, システム平均在庫を尺度として, これら3つの阻害要因とシステム平均在庫との関係およびその相乗的効果を定量的に示すものである.そのために, 情報の利用形態により, 独立型, 情報共有型, および統合型の3つのタイプのモデルについて, サービス水準が同一のもとでのシステム平均在庫の定式化を行うとともに, その効果の評価を行った.その結果, リードタイム等の条件の障害が大きいときほど情報の共有化による在庫削減効果が大きいこと, さらにリードタイムについて, サイクルリードタイムと補充リードタイムに概念区分をした上で, その中のボトルネックとなるサイクルリードタイムの削減が最も本質的な意味をもつことを示唆した.
著者
岩崎 日出男 太田 宏
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.176-183, 1999-08-15

本論文では, 人間の嗜好や感性の評価をセマンティック・ディファレンシャル(SD〉法をもちいて実施するとき, 評価者の判断のあいまい性をできるだけ少数のサンプルからその分散値で把握し, さらにその信頼限界を推定する立場で考察することを目的としている.そして, SD法に対するあいまいな分散の推定の適用例として, 男性用オードトワレの香りおよび1964年に開催された東京オリンピックのシンボル・マークに対する視覚感性データについて検証を行った.
著者
滝 聖子 大崎 紘一 宗澤 良臣 梶原 康博
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.302-311, 2005-10-15
被引用文献数
2

本稿では,一般的なロボットシステムに料理を行わせるために,料理作業をロボット料理レシピとして定式化する手法を提案する.まず,人間の料理レシピの内容と料理知識からロボット化するために,ロボット料理レシピとしてまとめるために,料理作業の内容を5項目(料理作業名,食材,料理内容,料理用具等及び生じる中間食材)で示し,その内容及び条件を示した料理作業詳細表(レベル1,2,3)を作成する.レベル1では料理レシピの人間の行う料理作業を目的によって準備料理作業,主要料理作業及び完成料理作業に区分(以下,料理区分作業という)に分類する.レベル2では料理区分作業をロボットが単一の食材,料理用具・食事用具・厨房器具に対して行う作業,及び,ロボットを使用せず厨房器具・料理容器によって単一の食材を変化させる作業(ロボット料理作業)に,レベル3ではロボット料理作業をセンサで状態を見ながらロボットに行わせる動作(ロボット料理動作),さらにロボットの行うロボット動作とセンサの行う感覚動作に展開して料理作業詳細表を作成することにより,ロボット料理レシピを作成する.そして,著者らの開発した料理ロボットシステムで,提案したロボット料理レシピを用いて実際に料理を作ることでその妥当性を示した.
著者
羽石 寛志 宇井 徹雄
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.460-466, 2000-12-15

近年企業におけるネットワーク・コンピューティング環境の拡充は, 仕事のやり方や組織の在り方, そして人の意織の変化にも影響を与えつつある, 技術システム(情報技術)と社会システム(人・組織)とのバランスのとれた発展のために, 利用者の視点を考慮した研究が強く要請されている.本研究では, 『グループウェアの利用が人・組織に与える影響に関する調査研究』として, 企業のシステム部門・人事部門・従業員を対象にアンケート調査を行い, 分析および考察を行った.特に本報告は調査研究の第1報として, 情報技術利用形態による仕事の変化を数量化理論III類とクラスタ分析などを用い分析・考察した結果を報告する.そしてその結果に基づき, 情報技術(グループウェア/イントラネット)利用の変化のモデルを提唱する.
著者
増田 浩通 横瀬 智彦 角田 喜章 横山 真一郎
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 = Journal of Japan Industrial Management Association (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.380-388, 2000-10-15
被引用文献数
1

安全問題が昨今話題となっている.社会の構造が効率とは違う価値を見いだそうとしている現れであろう.特に1995年7月1日にPL(Product Liability : 製造物責任)法が施行され, 日本の産業界, 法曹界, 消費者がそれぞれの立場でPLの対応を模索している.対応は主にPS(Product Safety : 製品安全)とPLD(PL Defense : PL防御)とに分類できる.製造の立場からは, PLDよりもPSの方を重要視するべきである.またPSを考える上で, 製品のライフサイクルを考慮して長期的な視点で見た安全性を作り込むことも必要になってきた.建築産業においては, 欠陥住宅は依然として多く社会問題になっている.事故分析をすると類似の事故が繰り返し発生しているのが分かる.過去の事故情報が再発防止のために活用されていないためであると考えられる.建築産業界は事故の情報や事故につながるクレーム情報をより積極的に収集解析し, その結果を建築物の安全性のために利用することが必要である.本研究では, まず安全性の観点から過去の判例及び事故・事例, クレームを調査し, 顧客の実際の使用状態の把握を行った.そしてこのクレーム情報を活用した安全品質保証システムの構築を目的とした.
著者
宗澤 良臣 大崎 紘一 梶原 康博 巽 雅彦
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.36-45, 2003-04-15

本研究では, 廃家電品の回収方法として, 家庭において分解, 分別を行い部品, ユニット毎に排出する分散分解を提案する.分散分解により, 集積場所には鉄, 銅, アルミニウムを多く含むグループに分別された部品等が集積されるため, 以降のリサイクルセンタで行われる分解, 分別の作業量の低減が可能となる.このことを説明するために, 廃家電品の排出以降の流れについて, 現在の回収方法と分散分解についてモデル化を行う.さらに, 家庭における分解, 分別を効率的に行うため, 部品に分解グループ, 分解箇所の表示を行うなどする分解ガイドラインを提案する.適用例では, 岡山市が平成13年4月から10月に戸別回収により回収した廃棄物一覧を基に従来の回収方法と分散分解を行った場合の作業量の比較を行った.その結果, 我々の試算では, 従来の回収ではリサイクルセンタにおいて9,238作業発生するのに対して, 提案法では廃家電品を排出する298家庭が30作業を分担すればリサイクルセンタでの分解, 分別はなくなった.また, 分解ガイドラインの情報の違いによる作業量の変化, 分別の誤りを実験により調べた.
著者
太田 宏 水田 博之
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 = Journal of Japan Industrial Management Association (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.275-281, 1996-12-15

生産工程の故障分布が指数分布に従うとの仮定のもとで, 工程管理を経済的に実施するためのX^^-管理図の設計とサンプリング間隔の決定に関する研究は数多くなされている.最近では, 与えられた需要率と生産率のもとで, 段取りコストと在庫保持コストの総期待コストを最小にする最適な生産サイクルタイムと経済的な生産量を決定する研究がなされている.本研究では, これら2種類の研究を統合した新たなモデルについて考究する.具体的には, 生産工程の故障分布がワイブル分布に従う場合を対象として, 工程管理コストに, 段取りコストと在庫管理コストを加えた単位時間当たりの総期待コストを最小にする最適なX^^-管理図, サンプリング(検査)間隔, 生産サイクルタイムと経済的な生産量の同時決定について論じる.そのさい, 管理図で工程異常の警告が観察されたときに, 異常原因を生産を継続しながら調査する場合と生産を停止して調査する場合の両者についても比較・検討する.
著者
関 庸一 橋本 巧
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.192-198, 1996-08-15
被引用文献数
4

従来, CUSUM Testなどが用いられていた自動検査などにより得られる逐次データを対象とし, 各データが正規分布に従うと仮定できる場合について, 母平均及び母分散の変化を検出し, 変化後の値を特定するという母集団変化の検出問題を取り扱う.この問題にMDL(Minimum Description Length)基準を用いることにより, 変化の特定と, 母平均値及び母分散値の推定問題を一貫して取り扱う方法を提案し, その特性をCUSUM Testと比較して明らかにした.また, トレードオフ関係にある誤り検出確率と検出遅れを調整する方法を提案する.