著者
小川 一夫
出版者
神戸大学
雑誌
國民經濟雜誌 (ISSN:03873129)
巻号頁・発行日
vol.161, no.4, pp.59-78, 1990-04
著者
陸 暁光
出版者
神戸大学
雑誌
国際文化学研究 : 神戸大学国際文化学部紀要 (ISSN:13405217)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.107-130, 2006-01

日本で「超人気」と言われている村上春樹の「ノルウェイの森」は、90年代以来、中国でも「村上熱」というブームになっている。googleで調べると、同小説の標題は、中国のページで日本より数倍大きな「森」になっている。同小説が中国に対しても意味深い「森」であると見られる。なぜ中国でも「森」のブームになっているのか、その意味は何か。今まで中国学界ではいろいろな説が出ていたが、「性愛」と言う話題がほとんど避けられてきた。同小説が「100%の恋愛小説」とよく言われているように、「性愛」と言う話題につかなければ「森」に隠されている魅力と意味とは解明し難いのである。中国学校教育では性科学に関する知識が数十年来ほとんどゼロで、一番使われている中国語辞書にも性関係語彙は日本語辞書と比べて極少ない。同小説には性知識が多いし、しかも文学的な表現で現されている。青少年にとって性知識を紹介する教科書らしいものとも言えば、このブームの要因のひとつであろう。性愛と言うことは時代によってその観念とルールが変化しているらしい。特に消費時代において、これをどう考えべきか、どうあることが人間に相応しいのか、今の中国社会にも簡単な問題ではないようである。「森」にその新しい問題が率宜でしかも多岐にわたって議論されているから、特に中国の消費能力ある男性と女性との間で魅力がもたている原因があると思われるか。150年前のマルクスは「完全な人間」と言う言葉をよく使っていた。「森」には「不完全な人間」という言葉が偶然ではなく多箇所に見え、自殺した少女主人公の悲劇な運命を解明するキーワードとも言える(どこまで「不完全」か、なぜ「不完全」になったか)。マルクスが関心の対象としていた社会問題は性愛を主とするものではないが、「森」が主題としている問題は主に性愛である。してみれば、「森」は消費資本主義における新人間の難題を物語としていると言えよう。
著者
岡山 高秀 今井 利憲 伊藤 和彦
出版者
神戸大学
雑誌
神戸大学農学部研究報告 (ISSN:04522370)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.157-161, 1986

食肉の鮮度を保持させる目的で, 牛肉ロース部を(1) 70%エチルアルコール(Et. al.), (2) 3% L-アスコルビン酸(AsA)を含む70% Et. al., (3) 0.08% DL-α-トコフェロール(Toc)を含む70% Et. al.及び(4) 3% AsAと0.08% Tocを含む70% Et. al.の各溶液に20秒間浸漬した後, 10秒間付着溶液を滴下させた。なお, 無処理試料を対照とした。各試料は400ml容プラスチック容器内に静置し, 4℃の暗所に保存した。3,6,9及び13日後に各試料のMetMb生成量, TBA number, pH値, 揮発性塩基態窒素(VBN)量, 生菌数及び残存AsA量を測定した。その結果, MetMb生成量は(1)試料と対照は7日目に20%に達したが, (2)と(4)試料は保存期間中15%以下を維持した。TBA numberも(1)試料と対照は保存中直線的に上昇した。一方, AsAを含む(2)と(4)試料は保存期間中ほとんどTBAnumberは増加しなかった。VBN量は対照を除くすべての試料は保存期間中比較的低い値を示した。生菌数(Log/g)について対照は9日目に6.7に達したが, 他の試料は13日後も6.4∿6.8の範囲であった。(2)と(4)試料中の総及び還元型AsA量は保存期間中減少傾向を示したが, 13日後においても還元型AsAのわずかな存在が認められた。以上の検討からAsAを含むEt. al.への浸漬処理は生肉の保存性をかなり延長させることが示唆された。
著者
岡山 高秀
出版者
神戸大学
雑誌
神戸大学農学部研究報告 (ISSN:04522370)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.333-337, 1984

小売用牛肉のガス充填包装に最も適したガス組成を見いだす目的で, 牛肉もも部を(1) 20%CO_2+40%O_2+40%N_2,(2) 20%CO_2+80%N_2,(3) 80%CO_2+20%O_2さらに(4)真空及び(5)空気(対照)環境下に4℃で13日間保存を行い, ガス組成, MetMb生成量, TBA値及びpHの変化を測定した。その結果, 各ガス充填試料は保存13日後も食用に適したが, 対照は9日目, 真空包装試料は13日後には明確な腐敗現象を示した。ガス組成(1)と(2)は保存期間中各ガス組成の変化は±2%以内に保持された。しかし, ガス組成(3)には6.6%N_2の混入が認められた。MetMb生成量はガス組成(1)試料は保存期間中低く13日後においても約20%であった。ガス組成(2)は保存9日目までMetMbは直線的に増加し約75%となったが, 13日後には40%以下へと減少した。ガス組成(3)試料は3日目までほとんどMetMbは生成せず, その後増加し13日後には約60%に達した。TBA値は対照及びO_2を含む試料(1)と(3)で比較的高く, 真空及びガス組成(2)試料において低い値が得られた。pHはすべての試料とも保存3日目には低下し, その後対照と真空包装試料は上昇したが, ガス組成(1)の13日後を除いて各ガス組成下の試料は保存期間中低いpHを維持した。以上の結果から, 牛肉のガス充填包装に関して6日以内の保存には真空包装で十分であり, 13日間以上の保存の場合は20%CO_2+80%N_2が有効であることが示唆された。
著者
上宮 正一郎
出版者
神戸大学
雑誌
國民經濟雜誌 (ISSN:03873129)
巻号頁・発行日
vol.146, no.2, pp.63-81, 1982-08
著者
上宮 正一郎
出版者
神戸大学
雑誌
國民經濟雜誌 (ISSN:03873129)
巻号頁・発行日
vol.152, no.1, pp.78-102, 1985-07
著者
前川 進
出版者
神戸大学
雑誌
神戸大学農学部研究報告 (ISSN:04522370)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.199-204, 1975
被引用文献数
1

紫外線や光の強さがカーネーションの生育や花色の発現にどのように影響するかを知るために, 'ショッキング・ピンク・シム'及び'イルミネーター'を用いて紫外線吸収フィルムや黒寒冷しや被覆下で実験を行った。1. 被覆フィルムの紫外線透過の良否によって, アントシアン生成量はほとんど影響されなかった。2. 黒寒冷しや被覆による低照度のもとで, 葉, 花弁及で花冠はいずれも小さくなり, 特に, 茎が細くなるのが目立った。3. アントシアン生成量はしゃ光しない高照度下のものに比べ, 低照度のもとで少なかった。その程度は, イルミネーターの場合に著しかった。4. 花弁の表色はアントシアン生成量と関係が深く, 低照度下で退色が認められた。また, 高照度下での花弁は低照度のものよりやや黄色味が強かった。5. 葉ならびに花弁中の直接還元糖, 非還元糖及び粗殿粉含量は低照度のもとでいずれも少なかった。なお, 還元糖は葉より花弁中に多量に含まれた。
著者
長松 隆 志波 栄也 井川 博雅 大辻 友雄
出版者
神戸大学
雑誌
神戸大学海事科学部紀要 (ISSN:13493620)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.87-94, 2005-07-31

A remote work support system has been developed aiming at utilizing an expert's experience and knowledge. By using the system, an expert supports the work of an unskilled worker from a remote place. The features of the system are measuring the viewpoint of the unskilled worker and showing the expert it, and showing the worker the support information from the expert using Augmented Reality (AR), so both sides collaborate smoothly. The experiment in which an unskilled worker performs operation of a boiling thermal-hydraulic test loop with remote support by an expert was conducted to evaluate the usefulness of the system by subjective evaluation. The result shows that there are following effects. The instruction information from the expert by AR technology is useful compared to the case where work is supported only with voice communication. A worker's viewpoint information is also useful so that an expert may know a worker's situation. There is a merit that the expert can concentrate on thinking of an essential sequence required for work compared to the case where the expert instructs only with a sound.
著者
朝倉 康夫 羽藤 英二 井料 隆雅 多々納 裕一 長江 剛志 赤松 隆 吉井 稔雄 山本 俊行 中山 晶一朗
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

情報通信技術の高度化に伴い,GPS,携帯電話,PHS などの移動体通信システムの利用者数は飛躍的に増加しつつある.移動体通信による位置特定機能を用いると,機器を携帯する個々のヒトの位置特定が可能であり,過去数年の間に移動体通信機器を利用した交通行動調査手法が数多く提案されてきている.移動体通信を利用したヒトの交通行動の観測と分析手法については,1998 年に研究代表者らがITS 世界会議で発表した論文を皮切りに国内外で研究が進められている.国内ではプローブ車両による道路交通流の観測に代表されるように,実務面でも移動体観測への関心が高まっている.しかしながらこれに関連する既往研究のほとんどは平常時の交通行動を対象としたものであり,災害時を想定した観測システムの開発や分析手法に関する研究は見られない.一方,災害時の交通ネットワークのリスク評価に関しては,多様なアプローチから研究されてきているが,災害時の交通行動に関する実証データを得ることが困難であるために,実際の交通ネットワークを対象としたリスク評価研究の蓄積は必ずしも十分ではない.移動体通信機器を応用して災害時の交通行動を,災害を模した状況において実証的に把握することは,災害時の交通ネットワークのリスク評価の信頼性をより高め,また,より精緻な場面への応用ができるようになることが期待されよう.
著者
野村 曜子 山崎 克人 河野 通雄
出版者
神戸大学
雑誌
神戸大学医学部紀要 (ISSN:00756431)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.239-245, 1998-03-31

^<99m>Tcガラクトシル人血清アルブミンジエチレントリアミン五酢酸 (^<99m>Tc-GSA) は, 肝実質細胞のアシアロ糖蛋白受容体結合性肝シンチグラフィ製剤である。この^<99m>Tc-GSAの新しい体内動態解析法を考案した。本法では^<99m>Tc-GSAは血中と肝の間で双方向の移動のみ存在するとし, 全血液と肝の二つのコンパートメントとそれぞれの速度定数k1 (血液→肝), k2 (肝→血液) の二つのパラメータからなる2コンパートメント2パラメータモデルを設定し, 各コンパートメントの微分方程式を解いた。更に心, 肝の時間放射能曲線を解析し, k1, k2を算出した。その結果k1/k2は肝に対する^<99m>Tc-GSAの結合能を表す指標となった。また理論的最大肝摂取量としてVLmg (mg/3mgGSA) を定義した。次に肝障害が疑われた6例を対象として従来の指標 (HH15, LHL15, LHL/HH, LU15) と2コンパートメント2パラメータモデルに基づくk1, k2, k1/k2, VLmgを算出した。そして各指標と肝機能検査値との相関, 各指標間の相関を検討した。その結果, k1/k2とVLmgはLU15以外の従来の指標と良好な相関を示し, 肝機能検査値では血清アルブミン値, LAPと良好な相関を示した。2コンパートメント2パラメータモデル法はこれまで報告された動態解析法の中でも最も簡便かつ非侵襲的であり, 得られるk1/k2及びVLmgは肝機能指標として臨床応用の可能性が示唆された。
著者
矢田 勉
出版者
神戸大学
雑誌
文化學年報 (ISSN:02868105)
巻号頁・発行日
no.24, pp.1-17, 2005-02
著者
山本 英子
出版者
神戸大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

デザイナーは多くの人に好まれる製品を創りだすことが求められる.本研究では,人の好みに影響する,製品に対する印象にはいくつかの種類があると仮定し,人が製品を見て表現できた印象から一歩踏み込んだ「深い印象」に注目し,印象分析を行なう.この深い印象の性質を捉えるために,意味ネットワークを利用して,「構造」と「非明示的な印象」を伴う仮想印象ネットワークを構築する手法を提案し,その構造を分析した.その結果,好みの違いを分析に用いたいくつかのネットワーク指標を使って説明できることを示した.これにより,深い印象のレベルで,好きという印象を形成するプロセスは嫌いという印象とは異なることが示唆された.
著者
橋本 賢一
出版者
神戸大学
雑誌
國民經濟雜誌 (ISSN:03873129)
巻号頁・発行日
vol.196, no.6, pp.81-91, 2007-12
被引用文献数
1