著者
中塚 雅也
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画学会誌 (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.29-32, 2015-06-30 (Released:2016-06-30)
参考文献数
6
著者
一ノ瀬 友博
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画学会誌 (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.33-36, 2015

国土交通省では,2013年10月に有識者会議を設置し,「国土のグランドデザイン2050~対流促進型国土の形成~」と題して,将来のあるべき国土像を議論してきた。この議論の結果,2014年7月に「国土のグランドデザイン2050」が発表された。これを受けて国土審議会計画部会では,2014年10月から新たな国土形成計画(全国計画)の検討を開始し,2015年1月には「新たな国土形成計画(全国計画)中間整理」を公表した。この新たな国土形成計画は,急激な人口減少,巨大災害の切迫等国土に係る状況の大きな変化に対応した,今後10年間の国土づくりの基本的方針等を示すものであるとされており,2008年7月に閣議決定された国土形成計画(全国計画)の後継計画である。国土形成計画は,国土形成計画法に基づき概ね10ヶ年間における国土づくりの方向性を示す計画とされているが,新たな国土形成計画は,2015年夏の閣議決定を目指して議論が進んでいる。農村計画学会では,現在の国土形成計画策定に先立ち,2007年に国土形成計画プロジェクトチーム(代表広田純一(現会長))を立ち上げ,当時の国土形成計画素案に対し,パブリックコメントを提出した。筆者もそのメンバーの一人であった。その後の各ブロックの広域地方計画の策定に際しては,広域地方計画・地方別検討チームを設置し,合計33名の学会員が各ブロックの広域地方計画に様々な形で意見を表明したり,計画策定に係わる委員や担当者と議論を重ねた。このような取り組みの経緯もあって,今回の国土形成計画の改定に際して,第2次国土形成計画対応特別委員会の設置が,2014年10月の理事会で広田会長より提案され,承認された。
著者
冨吉 満之
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画学会誌 = Journal of Rural Planning Association (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.369-374, 2012-11-20
参考文献数
10
被引用文献数
1

農業生産法人以外の法人で,農地を借入れて農業に参入している法人の農業経営の特微について,業種別にみた特定法人の農業参入の実態を通して検討してきた。本稿では,営利目的の特定法人は,食品業を本業とする法人,建設業を本業とする法人,その他の営利事業を本業とする法人(以下,その他企業)の3つから,また非営利目的の特定法人は,非営利事業を本業とする法人から構成されると考えることにする。食品業については,黒字等である法人は販売規模「小」で67%となっている。建設業については,黒字等となっている法人数は少ないが,その内訳は販売規模「小」「大」がそれぞれ5割を占める状況にある。その他企業については,他の業種と比較すると全体として黒字等の割合が4割弱と高くなっている。経営状況の観点からは,食品業や建設業よりも継続性が高いと言える。最後に,NPOについては,黒字等となっている法人のうち販売規模「小」である法人割合が75%を占めている。
著者
田口 太郎
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画学会誌 (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.364-369, 2013
被引用文献数
1

平成20年4月に提出された総務省過疎懇談会による提言「過疎地域等の集落対策についての提言」の中で新たな過疎対策としての集落支援員の重要性について言及され,同年より専任の集落支援員が199名,兼任が約2,000名配置されたのを皮切りに,平成24年度では専任694名,兼任約3,500名が配置されている。さらに平成21年より若者を中心とした都市住民を過疎地域に定住させ地域づくりに貢献してもらう「地域おこし協力隊」も設置されるなど,現在では多くの人材が様々な制度の下で,集落支援活動を展開している。これらの取り組みはこれまでの事業型支援から人材による柔軟な支援(以後,「人的支援」と称す)への転換であると言え,その成否が今後の集落支援施策に影響すると言える。一方で,2012年に放映されたテレビドラマの影響もあり,2013年度は更にこうした人的支援を導入する自治体が爆発的に増えている。こうした中,地域で活動する「人的支援」の担い手を対象とした人材育成の取組みはあまり行われておらず,多くの地域で具体的な活動イメージを作れないなどの課題が出てきている。筆者らはこうした地域への人的支援の担い手となる「集落支援員」および「地域おこし協力隊」を対象とした人材育成プログラムを開発し,平成23年度から総務相と連携した上で,全国で活動する「集落支援員」及び「地域おこし協力隊」を対象とした初任者研修,ブラッシュアップ研修を実施してきた。本稿ではこうした人材育成の取組みを紹介すると共に,効果的な取組みとするために必要な人材育成の方向性について論じることとする。
著者
武山 絵美
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画学会誌 = Journal of Rural Planning Association (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.11-15, 2013-06-30
参考文献数
31
被引用文献数
3

ドイツでは,国土の7割が可住地であり,計画的に土地利用を制御しなければ無秩序な開発が避けられない。そこで「国土空間の秩序は自然の(市場の)成り行きに任せるのではなく,公共の責任において形成されるべき」というRaumordnung(ラウムオードゥヌング)の考え方が定着している。これに対し,我が国の可住地は国土の3割にすぎず,開発コストや災害防除の観点から容易に開発できない残り7割の土地が,主に国土の中央に広がる。これにより,大局的に見れば,計画に因らずとも土地開発が制御されてきた。農村における地域住民の「日常的生活空間」と「非日常的生活空間」(住民生活とほとんど関わり合いのない空間)の境界もまた,計画的に制御されたものではなく,地形に対応して自然の成り行きで形成されてきた。しかし近年,農村では「非日常的生活空間」が無秩序に拡大し,これを誰が(主体)どう扱うかという問題が無視できない九そこで,本論では,広い「非日常的生活空間」を有する中山岡地域の農村に着目し,「日常的生活空間」と「非日常的生活空間」の境界を計画的に制御することの重要性と,その実現に向けた土地利用計画手法を考察したい。
著者
向井田 善朗 熊谷 智義 広田 純一
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画学会誌 (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.18, no.18-suppl, pp.31-36, 1999-11-20 (Released:2011-04-13)
参考文献数
11

Folk museums of which functions are to collect, storage, display, research and educate local cultural and natural heritage, can contribute to make local people find the values of the countryside, to generate their feelings of pride and attachment to it, and to promote revitalization of rural community.We analyzed potentials of folk museums on these functions by questionnaires and case studies in Iwate Prefecture. The results are that the folks museums now don't have enough abilities to contribute to revitalization of rural community because of poor management systems, shortage of stuffs and budget, and lack of philosophy.
著者
佐藤 慶 山本 信次 広田 純一 Kei Sato Shinji Yamamoto Jun-ichi Hirota 岩手大学大学院農学研究科 岩手大学農学部 岩手大学農学部 Graduate School of Agriculture Iwate Univ. Faculty of Agriculture Iwate Univ. Faculty of Agriculture Iwate Univ
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画論文集 = Transactions of rural planning (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.241-246, 2001-12-07
参考文献数
5
被引用文献数
3

本研究では、地域づくりの優良事例の内容をミクロに分析し「住民主導」の内実を明らかにすることを目的とした。本事例からは、地区住民から出された要望を地域リーダーが具体化し、それを自治会役員会が承認し、地区全体の活動として実施するという、活動における地域リーダー層の役割を明らかにすることができた。こうした地域リーダー層以外の一般住民の意識と活動に対する関与の実態を明らかにすることを目的としたアンケート調査を行った。その結果、地区住民の中には「地域づくりを支持はするが、自ら積極的にかかわりたいとまでは思わない」といういわば「消極的支持層」が存在することが明らかになった。In J area in Murone village, Iwate Prefecture, several community activities have been found to contribute to revitalization of the rural community and people's exchange with visitors. This study is to analyze the involvement of local people in the development process of those activities, to discuss how the activities became possible and to analyze the consciousness of local people about those activities. The result of the questionnaire are summarized as follows : 1) a half or more local people agreed to do those activities, 2) though some of them had intention of leaving up those activities to someone else.
著者
牧山 正男 井上 真美
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画学会誌 = Journal of Rural Planning Association (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.393-398, 2012-11-20
参考文献数
10
被引用文献数
1

滞在型市民農園(クラインガルテンとも呼ばれる。以下,KG)とは,宿泊可能な小屋(ラウベ)が個別に附設された市民農園である。本報では,KGに東日本大震災がもたらした影響と,それに対してKGの管理運営主体がとった対応について記録し,そこから見えてきた課題や今後の災害への備えについて,今日のKGを取り巻く状況をも一部踏まえながら整理する。対象としたのは,震源地や東京電力福島第一原子力発電所に近い,宮城県丸森町の不動尊クラインガルテンと筆甫クラインガルテン(以下,それぞれ不動尊KG,筆甫KG)である。その結果,震災発生直後,管理人たちは独自の判断により確認作業や奉仕活動を行ったこと,震災の影響でKG利用をやめた人がいる一方で,被災者や復旧工事関係者といった震災由来の新規利用者がいること,などが明らかとなった。さらに,来るべき災害に対し,利用者の安全確保に関する責任の所在の明確化や,KGの特性を活かした災害時のセーフティ・ネットとしての可能性の検討と,それを発揮するための仕組みづくりについて言及した。
著者
衛藤 彬史 鬼塚 健一郎 星野 敏 橋本 禅
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画学会誌 (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.34, no.Special_Issue, pp.189-194, 2015-11-20 (Released:2016-11-30)
参考文献数
8

This study aims to clarify the potential of local online community utilization to facilitate Interactions & community development in expanded areas including some neighborhood settlements. As a result, we found the correlation between the interest of Interactions & Community Development and local online community utilization in expanded areas including some neighborhood settlements. The correlation is clarified based on a questionnaire survey.
著者
稲垣 栄洋 楠本 良延
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画学会誌 (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.365-368, 2016

市場の国際化が進む中で,世界の農業は効率化や省力化が強く求められている。そして,農業の近代化に伴って昔ながらの伝統農業は失われつつある。しかしながら,手間を省くことなく,むしろ手間を掛けて良品質な農作物を生産してきた伝統的な日本農業の中にも,重要な強みが含まれていることだろう。静岡県で古くから行われてきた「茶草場農法」もまた,良質な茶を生産するために行われてきた伝統農法である。かつて日本の農山村では,畑の肥料や家畜の飼料,茅葺屋根の材料などに用いるために「かや場」と呼ばれるススキ等を優占種とした半自然草地を有していた。しかしエネルギー革命後,人々の生活が近代化する中で,ススキは用いられなくなり,里山の半自然草地は今や国土の1%にまで減少している。ところが,静岡県の茶園周辺には,今でも管理された「茶草場」と呼ばれる半自然草地が見られる。そして,秋から冬にかけて茶草場の草を刈り取り,天日で乾燥させてから,茶園の畝間に敷いていく「茶草場農法」という伝統的な農法が今も守られているのである。草を刈り,束ねて干し,茶園に敷くという作業は今でも手作業で行われており,大変な重労働である。しかし,茶園に草を入れることで茶の香りや味が良くなるとされており,茶農家は良いお茶を作るために手間ひまを掛けてきた。この農家の作業によって,半自然草地が維持され,草地の生物多様性を保全されていたのである。草刈りによって維持される日当たりの良い草地では,さまざまな里山の植物を見ることができる。また,茶草場で見られる植物には,茶の湯の席に活けられる茶花も多い。「茶草」を活用した茶生産が,失われつつある草原の植物を保全し,「茶花」を守り伝えてきたのである。農業や農山村は,生物多様性を保全することが指摘されている。しかし,農業の生産性を高めようとすれば,生物を犠牲にすることが多い。一方,生物を保全しようとすれば,農業の生産性を犠牲にしなければならないこともある。茶草場農法は,高品質な茶を生産するという農業生産性を高める努力が,生物多様性を保全してきた貴重な例の1つである。かつて良質な茶は,高い価格で取引されてきた。しかし近年では,ペットボトル用の安価な茶の需要が高まる一方,高級茶の価格が低迷しており,高級茶と下級茶の価格差は縮小傾向にある。そのため,昔ながらの茶草場農法を行う農家も,減少しつつある。
著者
吉村 亜希子
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画学会誌 (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.238-239, 1998-12-30 (Released:2011-04-13)
参考文献数
6