著者
佐藤 慶二郎 穴山 万理子 住 昌彦 小林 光
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.62, no.12, pp.1688-1693, 2021 (Released:2022-01-13)
参考文献数
15

症例は95歳男性。2回目のBNT162b2 mRNA COVID-19ワクチン接種後2日目より全身皮下出血や下血が出現した。接種後4日目に血小板減少,D-dimer軽度高値,Helicobacter pylori(H. pylori)IgG抗体陽性,抗リン脂質抗体陽性が認められた。血栓症を疑う身体症状は認めず,新規発症の免疫性血小板減少症(immune thrombocytopenia, ITP)と診断し,0.5 mg/kgのprednisoloneと免疫グロブリン療法(intravenous immunoglobulin, IVIG)0.4 g/kg/dayを開始し,翌日より血小板が改善傾向となった。3ヶ月経過時点で寛解を維持している。SARS-CoV-2ワクチン接種後の血小板減少の鑑別は,ITP以外に,血栓性血小板減少性紫斑病や新規疾患概念であるワクチン誘発性免疫性血栓性血小板減少症など多岐にわたる。さらに自験例では抗リン脂質抗体関連血小板減少症やH. pylori関連ITPの可能性も考えられた。SARS-CoV-2ワクチン接種後の新規発症ITPの報告は増加傾向にあり,その多くがステロイドやIVIGに速やかに反応する。適切な鑑別疾患に基づいた症例の蓄積がSARS-CoV-2ワクチン後に出現する血小板減少症の対策に重要と考えられた。
著者
佐藤 慶明 入口 豊 西島 吉典
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要 第V部門 教科教育 (ISSN:03893480)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.11-22, 2014-02-28

1993年に10クラブからスタートしたプロサッカー・JリーグもJ1・J2を合わせて40クラブに増加し,現在はJ3リーグ結成が計画されるまでに発展した。Jリーグの誕生が,日本選手のレベルを格段に引き上げ,日本代表チームの4大会連続のワールドカップ出場と世界ランキング上位に躍進させる原動力となったことは疑う余地がない。しかし,順調に発展してきたかに見えるJリーグ・クラブ各チームにおいては,個別には経営上の様々な問題を抱えていることも事実であり,それらの問題の克服なくして今後の大きな飛躍を望むことは困難な情勢にある。本研究は,Jリーグ所属全チームの中でも親会社を持つクラブの順位浮上のためのマネジメント上の問題点を,J1・J2各1チームのクラブ経営のトップであった元社長,GMへのヒアリングを中心に事例的に明らかにすることを目的とする.特に本稿では,J1チームの中でもトップクラスの人気と観客動員数を誇る「浦和レッドダイヤモンズ」の元GMへのインタビューを基に,クラブ経営トップから見た経営上の実情,問題点,GMの現状とあるべき将来像を明らかにする。The purpose of this study is to make the actual conditions of management of a professional football club in Japan (J- league) clear through having an interview with the general manager of the J1- league and the J2- league clubs. Especially, the present study is to examine the actual conditions of management of the "Urawa Red Diamonds" (J1) through having an interview with the former general manager of the Urawa Red Diamonds. The finding and discussions on the following topics are presented in this paper: 1. An outline of the Urawa Red Diamonds 2. Contents of an interview with the former general manager of the Urawa Reds (1)about a management of the general manager (2)the relationship among the front, the staff, and the players (3)the duties of the general manager (4)the present state and the future of the general manager of the J- league
著者
佐藤慶浩
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.5-12, 2015-01-15

本稿は,企業において顧客情報を管理するデータベースを設計・構築して運用する際に,各国によって異なっていたり,国内であっても法改正を控え今とは異なることが想定される法令等や自主規制ルールを,データプライバシー対策として捉え,それらに対応するために配慮すべき設計と運用のプラクティスを紹介するものである.具体的な対策方法を示すために,連絡先情報をプロモーション連絡に利用する場面を例にしたが,そこで検討するアプローチは,他の利用場面でも参考になるプラクティスである.
著者
佐藤 慶明 入口 豊 西島 吉典
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. 第4部門, 教育科学 = Memoirs of Osaka Kyoiku University (ISSN:03893472)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.45-54, 2014-09

1993年に10クラブからスタートしたプロサッカー・JリーグもJ1・J2を合わせて40クラブに増加し,現在はJ3リーグ結成が計画されるまでに発展した。Jリーグの誕生が,日本選手のレベルを格段に引き上げ,日本代表チームの4大会連続のワールドカップ出場と世界ランキング上位に躍進させる原動力となったことは疑う余地がない。しかし,順調に発展してきたかに見えるJリーグ・クラブ各チームにおいては,個別には経営上の様々な問題を抱えていることも事実であり,それらの問題の克服なくして今後の大きな飛躍を望むことは困難な情勢にある。本研究は,Jリーグ所属全チームの中でも親会社を持つクラブの順位浮上のためのマネジメント上の問題点を,J1・J2各1チームのクラブ経営のトップであった元社長,GMへのヒアリングを中心に事例的に明らかにすることを目的とする.特に本稿では,JFLからJ2昇格後に3年連続最下位を経験して,2011年にJ1昇格圏内にまで成績を上げるも,四国という地域性とチーム運営面や観客動員数にも課題を残す「徳島ヴォルティス」の事例を中心に取り上げる。The purpose of this study is to make the actual conditions of management of a professional football club in Japan (J-league) clear through having an interview with the general manager of the J1-league and the J2-league clubs. This is the continued study from the previous report with the same title :"A Case Study of Management of a Professional Football Club in Japan(I)-focus on a case of the Urawa Red Diamonds (J1)-"(Memoirs of Osaka Kyoiku University, Ser.IV., Vol.62-2.2014.2., pp.11-22.) Especially, the present study is to examine the actual conditions of management of the "Tokushima Vortis "(J2) through having an interview with the former president of the Tokushima Vortis". The finding and discussions on the following topics are presented in this paper: 1.An outline of the Tokushima Vortis (J2) 2.Contents of an interview with the former president of the Tokushima Vortis (1)about a management of the president (2)the relationship among the front, the staff, and the players (3)the duties of the president (4)the present state and the future of the general manager and the president of the J-league team.
著者
佐藤 慶太
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2009-11-24

新制・課程博士
著者
今西 衛 佐藤 慶一 石橋 健一 斎藤 参郎
出版者
名古屋産業大学
雑誌
名古屋産業大学論集 (ISSN:13462237)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.15-21, 2007-03-16

政府地震調査研究推進本部では、首都圏直下地震、東海地震、東南海・南海地震などの発生確率について、いずれも高い数値を与えており、近い将来、我が国の都市部が大地震に見舞われることが危惧されている。災害により多数の住宅喪失世帯が発生した際、災害救助法が適用されると、医療や食品・飲料水の供与などとともに、避難所や応急仮設住宅という居住支援が行われる。阪神・淡路大震災では、約20万の住宅喪失世帯に対して、約5万戸の応急仮設住宅が供給されたように、我が国の応急住宅支援においては、仮設住宅による対応が中心的な役割を果たす。仮設住宅については、多額の建設費、維持管理費、撤去費を要し、従来より、現物支給から現金支給へと切り替えた方が効率的ではないか、という議論があるが、理論的な検討は十分とは言えない。2004年に被災者生活再建支援法が改正され、仮住まいの家賃としても利用可能な支援金給付が認められることとなったが、どの程度利用されるのか、その評価は十分ではない。そのような状況を踏まえ、本研究では、経済学的アプローチによる理論的枠組みを構築し、費用便益分析の価値概念に基づいて災害応急居住支援の制度分析を試みた。分析を通して、仮設住宅や借上住宅の家賃が無料であるならば、住民にとってそれと同等な生活水準をもたらし、かつ、行政の費用負担が少なくなるような家賃補助制度が存在することが示され、我が国の応急居住支援の制度設計への一つの知見を得ることができた。
著者
鈴木 重將 内山 剛 明神 寛暢 渡邊 一樹 山本 大介 佐藤 慶史郎 大橋 寿彦
出版者
一般社団法人 日本神経救急学会
雑誌
Journal of Japan Society of Neurological Emergencies & Critical Care (ISSN:24330485)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.62-66, 2018-06-01 (Released:2018-11-15)
参考文献数
8

Clinically mild encephalitis/encephalopathy with a reversible splenial lesion (MERS) is diagnosed using imaging and is characterized by a favorable prognosis, which often improves without treatment. Here, we report three adult patients with MERS who were treated with a different course each; all of them required immunotherapy to some extent. The first case was a 67-year-old male who experienced gastrointestinal symptoms for 3 months prior to hospitalization. The second was a 38-year-old male who experienced a headache and fever, followed by urinary retention. The third was a 36-year-old male who experienced a fever and headache, followed by dysuria, impaired orientation, and upper limb tremor; he was transported to our hospital on the same day. All patients had lesions in the splenium of the corpus callosum. While two patients responded well to steroid pulse therapy, one demonstrated poor response and required immunoadsorption therapy. While some patients with adult-onset MERS require aggressive immunotherapy, this condition covers a broader range of diseases in adults with varying premonitory and clinical symptoms. Although pediatric MERS is often accompanied with a benign condition, this is not always the case for adults. Thus, considering immunotheraphy may be essential.
著者
佐藤 慶一 翠川 三郎
出版者
地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文集 = Journal of social safety science (ISSN:13452088)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.47-53, 2007-11-01
被引用文献数
1

This study aims to provide the fundermetal infromation of temproary housing cousntermeasures after the Tokyo Metropolitan Earthquake. In this study, a calculation step for grasp distribution characteristic of vacancy on rental housing which can be used after the earthquake was developed. The results are as follows; 1) approximately 70 thousand vacancies of rental housings are damaged, and approximately 1 million vacancies are remained after the Tokyo Metropolitan Earthquake. 2) From comparison of remained vacancies with households who lose their houses, many victims in central area will move to outskirts of Tokyo.
著者
佐藤 慶太 野村 裕知
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1115, pp.88-91, 2001-11-05

問 ベイゴマの玩具「ベイブレード」が大ヒットしています。成功の原因はどこにあったのでしょうか。 答 当社にとって一番良い成功パターンでした。テレビ、雑誌などと協力したメディアミックスがうまくいったんです。 ベイブレードの発売は、1999年7月です。
著者
佐藤 慶治
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学社会文化研究 (ISSN:1348530X)
巻号頁・発行日
no.11, pp.93-108, 2013

An Italian composer Antonio Salieri composed two problematic operas, Tarare (1787) and Axur, re d'Ormus (1788). The libretto of Tarare is written by French playwrighter Pierre Augustin Caron de Beaumarchais who is famous for his play Le mariage de Figaro, and it challenges the ancient regime with ideas of the Enghlitenment. As this opera became a great success in Paris just before the French Revolution, Joseph II, Holy Roman Emperor ordered Salieri to perform Tarare in Italian in Vienna. Salieri commissioned an Italian writer Lorenzo Da Ponte to translate the libretto into Italian and they completed the Italian opera Axur,re d'Ormus. But this Italian version has a lot of differences from the original libretto of Tarare,including its title. Then, what is the meaning of this revision and what factors of socialbackground caused these alterations? This dissertation analyzes these questions through acomparison of social background of Paris and Vienna at that time.
著者
佐藤 慶太 瀬野 瑛 萩原 威志
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2014-IOT-24, no.16, pp.1-6, 2014-02-20

各サーバがローカルに保持するアノテーションデータを P2P ネットワークを介して相互に参照する手法が提案されている.本研究では,W3C によるウェブアノテーション規格である Annotea のサーバを,Java およびその P2P 通信ライブラリである JXTA を用いて実現する.JXTA ネットワーク上の各サーバに分散しているアノテーションに対し Annotea が求める検索機能を実現するため,JXTA ネットワーク上にインデックスを作成する仕組みを設計した.また,インデックスデータの複製/同期/マージの手順も設計し,ピアの脱退を想定した耐障害性を備えた.本論文では,これらの設計のもと自律分散型 Annotea サーバ Wasabi を実装し,その評価を行った.
著者
施 光恒 柴山 桂太 佐藤 慶治
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2023-04-01

本研究では、ポスト・グローバル化時代の日本の国づくりの指針となる「新しい日本型」の社会構想を、政治学や経済学、文化研究の観点から描き出すことを目指す。その際、各国で1990年代以降に本格化し現在まで続く新自由主義に基づくグローバル化の推進の結果として構築されてきた国際政治経済秩序の変革を行う必要がある。そうしなければ各国の政策的自律性が発揮できないからである。それゆえ、本研究では、各国型の国づくりを許容するポスト・グローバル化の多元的国際秩序のあり方を検討し、そこにおける新しい日本型システムをどう描き出すか考察していく。
著者
森 みゆき 国府 華子 山﨑 浩隆 佐藤 慶治 正源司 有加
出版者
学校法人 尚絅学園 尚絅大学研究紀要編集部会
雑誌
尚絅大学研究紀要 A.人文・社会科学編 (ISSN:21875235)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.121-138, 2023-03-31 (Released:2023-08-04)
参考文献数
12

犬童球渓(1879-1943,本名は犬童信蔵)は,1907(明治40)年『中等教育唱歌集』に所収された《旅愁》の作詞で有名だが,音楽教育に従事する教員でもあった。生涯に500曲以上の作詞・作曲作品を残したが,音楽学的見地からの研究は未だ進められていない。犬童は『中等教育唱歌集』での発表を皮切りに,教科書や雑誌,ピース譜に作品を発表し続けた。教科書,雑誌,ピース譜には重複して掲載されている作品も多い。筆者らは最終的には犬童の全作品目録を纏める計画であるが,本稿ではその第一弾としてピース譜に掲載された作品について目録を作成する。