著者
岡 俊孝
出版者
関西学院大学
雑誌
法と政治 (ISSN:02880709)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.255-292, 1968-06-30

Fascist Italy's occupation of Corfu has been interpreted by many historians as an exception to its early foreign policy. In appraising Mussolini's foreign policy, the tendency of scholars as well as the contemporaries has been to regard the Corfu Incident as a manifest lapse of moderation, an incipient expansionism, or an exceptional event in the course of his early diplomacy. Such capable diplomats as Contarini and Russo are said to have effectively led and controlled Fascist Italy's early diplomacy, while their fortuitous absence from Rome in August 1923 made it possible for Mussolini to venture on the occupation of Corfu. Was this decision of Mussolini incompatible with the old doctrine which career diplomats had pursued since the beginning of the Kingdom? Is it not true that even some non-fascist diplomats and statesmen did contribute to this decision-making? The relation between Mussolini's decision and the traditional doctrine seems worthy of investigation. It is the purpose of this essay to explain how and why the occupation of the island was planned, formulated and executed. This paper is divided into three major parts. First, examined are the historical background of Italy's foreign policy and the milieu in which the Fascist regime was required to embark upon its policy in 1922. Among factors that influenced Mussolini in the formulation of his foreign policy, dominant was the psychology of frustration which had become more and more conspicuous in the Italian people's state of mind particularly since the end of World War I. The second part covers the several days from the murder of the Tellini mission to the occupation of Corfu. Here discussed are : what sort of information was transmitted to Mussolini; how Mussolini and other policy-makers recognized the situation; and with the informations received and the situation recognized how they carried out their policy. Third, two important facts are stressed to throw light on the origin and motives for the occupation of Corfu. In brief, one of these facts was that Mussolini wanted to send a naval squadron to the Dodecanese immediately after the conclusion of the Lausanne Treaty. And the other was that some officials of the Ministries of Foreign Affairs and Navy had prepared before the incident the military operations including the occupation of Corfu. These two plans can be said to have been prompted by the same desire to recover and promote the prestige of Italy as a great power. Finally, it is emphasized that Mussolini and non-fascist statesmen could cooperate with each other in shaping and executing their foreign policy as far as Great Britain could or would give her support.
著者
小林 信雄
出版者
関西学院大学
雑誌
神學研究 (ISSN:05598478)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.109-144, 1978-03-20
著者
岡本 仁宏 荒木 勝 菊池 理夫 木部 尚志 古賀 敬太 杉田 敦 千葉 眞 寺島 俊穂 富沢 克 的射場 敬一 丸山 正次 山崎 望 山田 竜作 大澤 真幸 岡部 一明 遠藤 比呂通 ありむら 潜 大竹 弘二 立岩 真也 石井 良規 天野 晴華
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

冷戦後の世界において、多くの人びとは我々の政治理論・社会理論が動揺する世界秩序を把握する言葉や構想を持ちえていないことを感じているという現状認識のもとに、近代政治理論における政治主体の基本用語の可能性と限界を追求した。「人間、国民、市民」(ヒューマニティ、ナショナリティ、シティズンシップ)という基幹的主体用語を中心に、「市民社会、ナショナリズム、グローバリズム」という三つの政治思想との関連において、その妥当性を検証し、既存概念の限界を指摘すると同時に、それらに代わる政治主体の可能性を検討した。
著者
山中 茂樹 荏原 明則 宮原 浩二郎 荏原 明則 宮原 浩二郎
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

1995年の阪神・淡路大震災から、2008年の岩手・宮城内陸地震まで、この間に起きた主な地震災害を対象に被災地・被災者を対象にした復興意識調査や現地調査、自治体職員及び復興施策に関与した専門家からのヒアリング調査を実施し、復旧・復興過程で生じる地域の毀損、とりわけ「働き盛り」の流出を中心にその原因を探った。この結果、応急仮設住宅(以下仮設住宅)・災害復興公営住宅(以下復興住宅)を被災地から遠く離す疎開施策が被災地の衰退に拍車をかけている実態が明らかになった。従って、復旧・復興過程においては従前居住者をなるべく被災地から離さない施策、例えば自宅敷地内仮設住宅や被災地内における共同協調住宅の建設、住宅再建支援だけでなくやむなく長期に渡る疎開を余儀なくされた場合の生活・生業支援、仮設市街地から恒久市街地建設にいたる連続復興支援のシステム構築の必要性などを考えていく必要があることを提唱した。
著者
陣内 正敬 真田 信治 友定 賢治
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

日本におけるコミュニケーションの地域性と、関西方言や関西的コミュニケーションの広がりを探るために、平成12年度〜平成14年度にかけて、全国の主要6都市において多人数臨地アンケート調査を実施した。回答者は世代と性を考慮した計1275名に及んだ(大阪177、広島185、高知150、福岡144、名古屋202、東京417)。収集した資料はすべて表計算ソフト(エクセル)に入力し、データベースとして活用できる形にした。調査結果の成果のひとつとして、関西的なコミュニケーションの受け入れには各都市で同様な世代差が見られ、若者世代ほどその傾向が強いことが分かった。なお、共同研究者による調査報告とその考察を成果報告書の形で刊行した(『研究成果報告書No.1』)。また併せて、調査データベースの一部も紙媒体の形で刊行した(『研究成果報告書No.2』)。この他、研究分担者の高橋を中心に、関西弁や関西コミュニケーションの広がりに関する電子言語地図を作成した。次のHPで公開中である(URL:http://home.hiroshima-u.ac.jp/hoogen)。また、研究分担者の岸江を中心に、主要6都市調査で収録された「道教え談話」を電子化し、6都市30話者2場面の計60談話を収めたCD-ROMを作成した(談話音声とその談話テキストを含む)。この談話は、21世紀初頭の各都市における年配層や若年層が、くだけた場面と改まった場面でどのような話し言葉を用いているかを記録した保存資料としての価値もある。
著者
平林 孝裕
出版者
関西学院大学
雑誌
関西学院大学キリスト教と文化研究 (ISSN:13454382)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.113-132, 2006

近代以降の日本において、キリスト教は教育の領域で大きな働きをなしてきた。海外から日本を訪れた宣教師や宣教団体は、キリスト教信仰を伝えて教会を建てると同時に、学校を設立した。このような歴史的背景により今日もしばしばミッションスクールと一般に呼称されるキリスト教主義学校は、独自の教育機関として日本の教育界で確かな地位を占めている。キリスト教主義学校の独自性を、どこに見定めるかという問は、慎重に答えられるべきであるけれども、その独自性は、キリスト教について教科教育(宗教科・聖書科やキリスト教科目)とチャペルアワーに代表される正課外諸活動として具体化されている。後者には、奉仕活動から音楽などの文化活動も含まれるが、その枢要な部分を占めるべきものは、やはり定例乃至特別の礼拝形式で行われる諸活動であろう。この目的のために、キリスト教主義では、とくにチャペルと呼ばれるキリスト教の礼拝堂が備えられる。チャペルには、通常の教室と異なったキリスト教的雰囲気が醸成されており、これが他の学校では体験できないキリスト教主義学校独特の環境を形成し、ここで学ぶ学生・生徒ほかにしばしば強い印象を与えている。
著者
山岸 蒼太
出版者
関西学院大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2019-04-25

本研究は、教育・職業・当事者組織を中核に構成されてきた従来型の視覚障害当事者コミュニティと日常的に接点をもたない視覚障害者の経験に着目し、彼らのアイデンティティのあり様を社会学的に考察することを目的とする。健常者あるいは障害当事者間でどのような関係を取り結んでいるのかをライフヒストリーインタビューや参与観察を通じて明らかにする。
著者
深山 明
出版者
関西学院大学
巻号頁・発行日
1990

博士論文
著者
岸本 隆生
出版者
関西学院大学
雑誌
日本文藝研究 (ISSN:02869136)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.60-70, 1984-06