- 著者
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金菱 清
- 出版者
- 関西学院大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2019-04-01
東日本大震災において様々な脆弱性に直面した。世界に比して大災害による死亡・行方不明者が多数に上るわが国において、喪失や悲嘆経験を理解し克服する方法や教訓は多岐にわたるが、心理学・宗教学・社会学・民俗学等の各分野に散らばり、総体的・実践的な説明体系や仕組みがない。申請者は現在まで「東日本大震災の被災者はどのように死を受け入れるのか」を主題に、即座に彼岸に送れない死者の存在(幽霊、夢、行方不明等)に対する調査を継続している。生死の中間領域における「霊性」の視角を活用し、喪失や悲嘆経験を克服する体系的手法を編み出し、自己表出の困難な人びとの現実世界を開示する、社会学的な調査方法論を模索したい。