著者
高橋 啓子
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.161-169, 2003-06-01 (Released:2010-02-09)
参考文献数
24
被引用文献数
19 24

The food frequency questionnaire method is more time-, cost- and labor-effective than the 24-h dietary recall and recording method. Such a food frequency questionnaire based on food groups is more convenient than one using a food list, because there are fewer questions.We have developed a food frequency questionnaire (FFQg), which is based on 29 food groups and 10 types of cooking, for estimating the energy and nutrient intakes of an individual subject during the past 1-2 months. This questionnaire was evaluated by comparing with weighted dietary records for 7 continuous days (7-d records) for 66 subjects aged 19-60 years.The correlation coefficients between FFQg and the 7-d records for the energy, protein, fat, carbohydrate and calcium intakes were 0.47, 0.42, 0.39, 0.49 and 0.41, respectively. The intakes of 26 of 31 nutrients were not significantly different by a paired t-test between the two methods (p≥0.05). The ratio of the value obtained by the FFQg method against that by the 7-d record method ranged from 72% (vitamin B12) to 121% (niacin), the average ratio being 104%.The correlation coefficients for the intakes of rice, bread, meat, fish, milk, dairy products, green-yellow vegetables, other vegetables, and fruits were 0.66, 0.76, 0.27, 0.27, 0.72, 0.58, 0.46, 0.53, and 0.64, respectively, between the FFQg and 7-d record methods, and there was significant correlation between the two methods at the p<0.05 level for 22 of the 29 food groups.Apart from those food groups for which “less than once a month or never” was selected by 50% respondents or more, 34% of the respondents could estimate a portion size in the FFQg with an error of less than 25%, indicating that this FFQg is a useful instrument for estimating individual energy and nutrient intakes.
著者
Kyoko Morimoto Kimiko Miyahara
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.76, no.Supplement, pp.S23-S37, 2018-07-01 (Released:2018-08-28)
参考文献数
57
被引用文献数
3

Objective: This study aimed to ascertain the philosophy and utilization of the current dietary reference intakes of school lunch programs in terms of nutritional management and indicate the role thereof by examining the changes in nutritional management implemented on the basis of the School Lunch Act enacted in 1954.Methods: We summarized the role of nutritional management of school lunches by carefully examining the information required for nutritional management through an examination of the history, laws, results of surveys serving as indicators of nutritional management reforms, revisions in nutritional management of school lunches and the circumstances surrounding those revisions, survey reference materials on current nutritional management of school lunches, and a search of the literature, including previous researches regarding changes in nutritional management of school lunches in Japan from World War II to the present.Results: The School Lunch Act was enacted following the World War II for the purpose of indicating basic nutritional standards and standard dietary composition tables relating to nutritional management, and nutrition and meal plans have since been implemented on the basis thereof. The menu contents of school lunches have been periodically revised based on survey results accompanied by changes in Japanese eating habits, and menu plans have been devised in consideration of incorporating a diverse range of foods and regional characteristics, with school lunches incorporating more than one-third of those nutrients unlikely to be consumed in the home each day.Conclusion: The nutritional management of school lunches in Japan following the World War II has been revised in response to the changing times based on the School Lunch Act. The dietary pattern of school lunches in Japan established as full meal consisting of staple food, milk and an accompanying dish. Nutritional Standards were set to higher standard values than one-third of the daily energy requirement and one-third or more of the daily nutrient intake based on the actual circumstances surrounding the schoolchildren. Menu controls were developed by suitably combining a diverse range of foods while considering such factors as regional characteristics based on the Nutritional Standard values and contribute to the daily dietary intake status of schoolchildren.
著者
小島 唯 赤松 利恵
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.213-220, 2015
被引用文献数
1

【目的】学校給食における赤黄緑の3色食品群の群別の食品の出現割合を調査し,3色食品群に掲載する食品の内容を検討すること。<br>【方法】2012年5~7月,東京都の公立小学校19校を対象に,2011年度の学校給食献立予定表を各校12日分ずつ収集した。主食と季節を分け,4区分の季節ごとに,献立の主食が米飯の日の献立,主食がパンの日の献立,主食が麺の日の献立各1日分を,各校の学校栄養職員・栄養教諭の任意で選択させた。献立表より,すべての食品を抽出し,文部科学省の3色食品群に沿って食品を3色または未分類に分類した。各群の食品の出現割合(%)を主食別に算出した(食品の出現回数/解析した主食別の献立の日数×100)。<br>【結果】計16校(回収率84.2%)から主食が米飯の日,パンの日,麺の日各64日分,計192日分の献立を回収した。対象の食品は,210食品,延べ4,813食品となった。赤群の出現割合は,いずれの主食でも牛乳(63回,98.4%)が最も高かった。米飯の日では,次いで,みそ,肉類,大豆製品,魚,わかめ等が上位であり,パンの日では,上位10品目の中に,肉類,乳製品が多く含まれた。麺の日では,肉類,みそ,わかめ,チーズ等が上位に含まれた。<br>【結論】赤黄緑の各群において,出現割合の高い食品が示された。また,出現割合上位の食品の中には,既存の食品群の教材に含まれない食品もみられた。
著者
岸田 典子
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.27-36, 1980

こんにゃくの嗜好及び消費消況について, 世代及び居住地域の異なる女性を対象として調査し, つぎのような結果が得られた。<br>1) 板・糸こんにゃくに対する嗜好では, どの対象者でもともに少し好んでおり, 世代別間では有意差が認められ, 大学生に好まれていた。嗜好について, 好き, 普通, 嫌いのものの割合をみると, 板こんにゃくでは大学生を除き, 普通と答えたものがもっとも多く, 好きと答えたものがそれについでいた。糸こんにゃくでは好きと答えたものが多かったのは, 中学・高校生, 大学生, 広島市周辺及び仙台市における対象者であった。嫌いと答えたものは, 板・糸こんにゃくともに非常に少なかった。<br>2) 消費状況について, 1人1回当たりの消費量, 現在の消費頻度, 将来の消費希望頻度, 1人1日当たりの消費量及び充足率をみると, いずれの項目もどの対象者でも板こんにゃくの方が糸こんにゃくより多かった。そして, 各項目の対象者の相違による違いは, 概して, 世代別間において有意差が認められた。<br>3) 食べる理由の「有」ものの割合は, 対象者により異なり, 28.4~80.0%であった。それは, 世代別間で有意差が認められ, 高齢者ほど「有」のものが多かった。その内容をみると, 各対象者とも, 砂おろし, おいしいが上位をしめ, 栄養面と嗜好面の両面がみられた。<br>4) 6種の新しいこんにゃく料理について, 食用経験, 食用意欲及び作製意欲が「有」のものの割合をみると, 各対象者とも酢の物が一番多かった。そして, 食用意欲及び作製意欲は, 世代別及び地域別間で有意差が認められ, 若年層, 島しょ部に低かった。<br>5) 改良すべきと答えたものは, どの対象者においても, におい, 色, 味に多かった。そして, 色, 形, におい, かたさは世代別間で, 味は世代別及び地区別間でそれぞれ有意差が認められ, 若年層, 郡部に多かった。<br>6) 嗜好と消費状況との関係をみると, 好きなものは嫌いなものに比べ, 現在の消費頻度よりも将来の消費希望頻度の方が多く, こんにゃくを食べる理由の「有」もの多く, 理由の内容としては, 栄養面と答えたものが少なかった。
著者
後藤 桂葉 服部 イク 大野 知子 中野 典子 石川 昌子 熊沢 昭子 磯部 しづ子
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.223-237, 1982

1940年以後日本において行われた栄養調査のうち, 高校生, 短大生, 大学生を対象とした栄養調査について経年的にその特徴を明らかにすることを試みた。<br>1) 文献数の最も少ないものは高校生を対象としたもので, 多かったのは女子短大生の調査であった。<br>2) 女子大生および短大生調査では, 家政科系でしかも普通の学生生活を営む学生を対象とした報告が多い。栄養素摂取量は1965年以後VAとCaを除き, バラツキの幅が少なくなる傾向がみられる。しかし, VAは1970年以後, 中部地区の調査において低値の報告がみられるところから, 今後の動向が注目される。<br>3) 女子大生調査の傾向は, 短大生と類似していた。<br>4) 食品群別摂取量の記載は, 1965年以後に多くみられた。このうち, 多くの報告に緑黄色野菜の少ないことを示していた。<br>5) 男子大学生は寮生, 寮食の調査が多くみられた。栄養素量では, たん白質摂取量は1958年以後77g程度に集中していた。<br>6) 各文献の報告者が指摘する問題点としてあげられている栄養素は, いずれのライフステージにおいてもVAとCa, 次いで, VB<sub>1</sub>, VB<sub>2</sub>など微量栄養素であった。
著者
石川 みどり 横山 徹爾 村山 伸子
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.290-297, 2013
被引用文献数
9

【目的】地理的要因における食物入手可能性(自宅から店までの距離,店舗の種類)と食物摂取状況との関連について先行研究から知見をえることを目的とした。<br>【方法】データベースPubMedを用い,検索式は("food" [MeSH] OR "nutrient")AND("environment" [MeSH] OR "availability")AND("diet" [MeSH] OR "intake")とした。検索された論文238編のうち,ヒト以外を対象としたもの,開発途上国の問題を扱ったもの,栄養生理学研究等の目的とは異なるものを除外し,残りの論文48編の全文を精読した結果,12編を採用した。<br>【結果】地理的要因の距離について,7編では,徒歩で自宅から店まで行くことができる半径 800 m(0.5マイル)を基準としていた。食物摂取状況との関連がみられた店舗の種類には,スーパーマーケット(5編),ファストフード店(5編),フードアウトレット店(2編),コンビニエンスストア(2編)等があった。そのうち,スーパーマーケットは野菜・果物摂取量との正の関連,ファストフード店,コンビニエンスストアはアイスクリーム,塩味のスナック,肉類,菓子類,砂糖入り飲料摂取量との正の関連,野菜・果物,低脂肪食品摂取量との負の関連を報告していた。<br>【結論】地理的要因における食物入手可能性と食物摂取状況との関連があることが示唆された。
著者
森 博康 丹羽 正人
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.12-20, 2014

【目的】本研究の目的は,適切な栄養管理下におけるコンバインドエクササイズ直後のホエイたんぱく質の摂取が,高齢者の身体組成と身体機能に与える影響について検証することである。<br>【方法】対象者は地域在住の高齢者24名(男性6名と女性18名,66.2±4.8歳)とし,ホエイたんぱく質飲料を摂取する群(PRO群:12名)とカロリーゼロのプラセボ飲料を摂取する群(PLA群:12名)の2群に無作為に分けた。運動介入は,週2回9週間に渡るレジスタンス運動と有酸素性運動を組み合わせたコンバインドエクササイズとした。栄養介入方法は,PRO群はコンバインドエクササイズ直後にホエイたんぱく質飲料を,PLA群はコンバインドエクササイズ直後にプラセボ飲料を摂取させた。さらに本研究では,介入中の対象者の栄養状態を把握し,栄養管理を適切に行った。また,介入前後に身体組成や膝伸展筋力,Timed Up & Go(TUG),5 m最大歩行速度などの身体機能を測定した。<br>【結果】PRO群は介入後の除脂肪量(LBM)と膝伸展筋力,TUG,5 m 最大歩行速度の値が,介入前と比べ有意に高い値であった(<i>p</i><0.01)。また,PRO群のΔLBMとΔ膝伸展筋力,ΔTUG,Δ5 m最大歩行速度は,PLA群と比べ有意に高い値であった(Δ膝伸展筋力とΔTUG:<i>p</i><0.05,ΔLBMとΔ5 m最大歩行速度:<i>p</i><0.01)。<br>【結論】本研究の結果より,適切な栄養管理の実施とコンバインドエクササイズ直後のホエイたんぱく質の摂取は,高齢者の骨格筋量や身体機能を改善させる可能性が示唆された。
著者
岸田 典子 上村 芳枝
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.211-218, 1992
被引用文献数
1 2

近年, 日本家庭に伝承されている料理 (以下, 伝承料理とする) が健康面から見直され, その摂食回数も増加してきた。本研究は, 伝承料理 (さしみ・焼き魚・煮魚・高野豆腐の含め煮・煮豆・白和え・ごま和え・酢の物・煮しめ) の世代による意識の違いをアンケート調査により, 女子学生468人, 母親426人を対象として, 比較検討したものである。<br>1) 伝承料理に関する情報を母親から得る割合は, 学生約70%, 母親60%で, 世代間で有意差が認められ, 学生のほうが高かった。学校, テレビ, 本などから得る割合は, 両者とも約15%で, 同一であった。<br>2) 摂食回数の得点は, 酢の物・煮しめ・ごま和え・煮魚について世代間で有意差が認められ, 学生のほうが摂食回数は少なかった。嗜好の得点でみると, さしみを除いた8種の伝承料理は, 学生のほうには好まれていなかった。伝承料理をつくる際のイメージに関しては, 白和えを除く8種の料理について, 母親に比べて学生のほうが面倒であるととらえていた。<br>3) 伝承料理の手づくり割合では, 煮しめ・高野豆腐の含め煮・さしみについて世代間で有意差が認められ, 学生のほうが低かった。今後消費を増やしたい意向の強い料理は, 学生では焼き魚・煮しめ・煮魚, 母親では高野豆腐の含め煮・白和えであった。
著者
宇和川 小百合 斎藤 禮子 苫米地 孝之助
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.227-235, 1992
被引用文献数
2

全国の100歳以上の長寿者220人を対象にした食物摂取状況調査 (1日分) から, 栄養素等摂取状況, 食品群別摂取量及び摂取食品数を調査した結果は次のとおりであった。<br>1) 栄養素等摂取量を栄養所要量 (試算) と比較すると, 男性はビタミンB<sub>2</sub>, ビタミンCが, 女性はビタミンB<sub>1</sub>, ビタミンB<sub>2</sub>, ビタミンCが満たされていた。しかし, 男性, 女性ともに, 鉄及びビタミンAは低く, 特に鉄は60%に達していなかった。<br>2) 食品群別摂取量は比較すべき数値がないが, 国民栄養調査の結果などを勘案すると, 海草類を除き, いずれも低く, 特に肉類, 油脂類の摂取量が少ない傾向がうかがわれた。<br>3) 日常生活状態別では, 栄養素等摂取量は身体レベルと対応していた。すなわち, エネルギー, たん白質等の多くの栄養素において,"ほとんど寝たきり"群に比し,"寝たり起きたり, または起きてるが動かない"群及び"少し動く, または活発に動く"群のほうが摂取量が多く, 有意の差がみられた。<br>4) 生活場所の影響では, 栄養素等摂取量はすべての栄養素が, 食品群別摂取量は砂糖・菓子類と卵類を除いたほとんどすべての食品が, 入院または入所者のほうに多かった。<br>5) 平均摂取食品数は, 1日16.4±6.6食品で, 食生活指針の1日30食品に比べるとかなり少ない。また, 日常生活状態別でみると"ほとんど寝たきり"群は, 他の群に比べ, 間食を除いて摂取食品数はいずれも有意に少ない結果を得た。
著者
土元 喜美子 高橋 貴美子
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5-6, pp.183-194, 1966 (Released:2010-10-29)
参考文献数
6
被引用文献数
1

In order to standardize the cookery method and to develope rice boiling experiment, the authors surveyed the cooking practice in 113 mass feeding kitchens and studied cooking better method of “boiled rice” through experiments using square type rice boiler.The authors pointed out two factors for quality “boiled rice”: The hours from the beginning of cooking to the point raising the temperature of rice at 100°C and keeping this temperature of rice over 30 minutes.
著者
芳賀 文子 小峰 洋美 近藤 栄昭 鍬野 信子
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.225-234, 1984 (Released:2010-04-30)
参考文献数
11
被引用文献数
4 3

酒石酸カリウム, クエン酸二カリウム, 塩化カリウムを添加した大根煮, ホワイトソースの調理食品, ならびにホワイトソースと同調味濃度の調味水溶液に対し, 官能テストを行い, K塩の調味効果について検討を試み, 次のような結果を得た。1) 試料に用いたK塩の味覚の特徴は, 酒石酸カリウムは塩辛味, 酸味, 苦味, 渋味いずれも弱く, クエン酸二カリウムは酸味が強く, 塩化カリウムは苦味が特に強かった。2) K塩を調味料として添加した大根煮では, K塩の味覚の特徴がストレートに感じられ, 全ての試料に有意の差がみられた。調味水溶液でも同様の傾向であった。しかし, ホワイトソースでは, 有意の差はなく, これらK塩の味の発現が抑制された。3) Kを必要とする患者に対し, 食事による補給の方法として, K塩を調理食品に添加する場合, 芳香性の食品, 油脂類, たん白質性食品を使用し, 不快味に対するマスク作用をはかったり, 呈味性の弱いK塩を用いたほうがよいように思われた。4) 塩化カリウムは, 塩辛味はあるが, 苦味が強く, 酒石酸カリウム, クエン酸二カリウムは塩辛味は弱く, 実験に供したK塩の食塩代替性は乏しかった。
著者
Makiko Sekiyama Takayo Kawakami Reisi Nurdiani Katrin Roosita Rimbawan Rimbawan Nobuko Murayama Hiromi Ishida Miho Nozue
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.76, no.Supplement, pp.S86-S97, 2018-07-01 (Released:2018-08-28)
参考文献数
26
被引用文献数
3 4

Objectives: In Indonesia, many schools do not have school feeding programs, and children usually buy snacks from school canteens or vendors. The history of the country's school feeding programs is not well documented. This study examined Indonesia's nutritional problems and previous school feeding programs. It also investigated the implementation and related challenges in a current pilot national school feeding program known as PROGAS.Methods: We conducted situational analysis by reviewing secondary data and the existing literature. We also measured the impact of PROGAS on students' nutritional status.Results: The review revealed that Indonesia has considerable experience in establishing school feeding programs starting from 1991. The government has established a system from the school to central government level for the quality control, monitoring, and assessment of the pilot program. That program is characterized by its wide scope including improvement in students' dietary intake, promotion of local food, improvement in local agriculture, and community empowerment. However, due to the limited resources allocated to human development, diversity in the country, and difficulty in governance, the low coverage of the program (0.05% in 2013 and 0.14% in 2016) is still a major challenge. Among the students who joined PROGAS project, nutritional intake significantly increased during the project, while there were no changes in the control group.Conclusions: Low coverage of the school feeding program is still a major challenge in Indonesia. In the future, government regulations to increase the program's coverage and nutrition education on all forms of malnutrition targeting school-aged children is necessary.
著者
佐藤 徳子
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.16, no.5, pp.153-158, 1958 (Released:2010-10-29)
参考文献数
7

Similarly the part 1, comparative studies are made on the girth of the chest ratio, the sitting height ratio, Rohrer's index, Kaup's index and the girth of the upper arm of blind and normal school-children (6-19 year) in four prefectures of Tohoku district, and the following characteristics are found.(1) In the weight and the girth of the chest, blinds are not so inferior to normals as in the height, therefore the girth of the chest ratio and Rohrer's index of blinds are somewhat greater than normals'.(2) The sitting height ratio of blinds are greater than normals' in spite of the height of blinds are inferior to normals' so it seems that blinds have shorter legs than normals.(3) Kaup's index of blinds are inferior to normals'.(4) The girth of the upper arm of blinds are greater than normals' at the young ages, but the elder ages in school-life are inferior to normals.
著者
長嶺 晋吉 久我 達郎 山川 喜久江 鈴木 慎次郎 鈴木 一正
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.17, no.6, pp.227-232, 1959 (Released:2010-10-29)
参考文献数
9

健康な男子4名を被験者として, 1日の生活行動を規定した所要熱量の約30%に当る熱量をアルコールで日本酒にして約1l (アルコールとして121g, 858Calを含む) を毎日10日間にわたつて与え, 体重推移の上から熱量出納に基いてアルコールのエネルギー利用価を検討した。その結果を要約すると, 次の如くである。1. 一定の所要熱量下で糖質に替えアルコールを与えた1週間後には体重は平均約1.0kgの減少を来たし, その減少は投与アルコール量の約1/3に当る熱量を糖質で補うことによつて元の体重に復した。この結果を熱量出納に基いて計算するとアルコールのエネルギー利用価は約65%となつた。2. アルコールの1日尿中排泄量は投与アルコール量の1.1%であつた。3. 1日尿量は対照期の平均1740ccに対しアルコール投与期には2320ccに増量した。4. アルコール投与期間基礎代謝は平均約8%の上昇を示した。
著者
奥 恒行 中村 禎子 岡崎 光子
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.89-99, 1998-04-01 (Released:2010-02-09)
参考文献数
16
被引用文献数
1

女子大生について, 排便及び便性状 (形, 量, 色, 臭い) に及ぼす低分子化アルギン酸-Na含有飲料 (1缶150ml, 低分子化アルギン酸-Na4g) 摂取の影響をプラセボ飲料摂取と比較した。結果は次のとおりである。1) 1週間当たりの排便日数は, アルギン酸飲料1缶以上を摂取した時“軽い便秘群”において用量依存的に有意に増加したが,“正常排便群”においては有意な改善は認められなかった。また, プラセボ飲料摂取では,“軽い便秘群”,“正常排便群”のいずれにおいてもこのような改善は認められなかった。2) アルギン酸飲料1缶以上を摂取した時“軽い便秘群”の便形状は軟化して“正常排便群”の形状に近づいたが, プラセボ飲料摂取ではこのような改善はみられなかった。3) アルギン酸飲料1缶以上の摂取で“正常排便群”の便量に増大がみられ, 2缶摂取では“軽い便秘群”に顕著な増量効果が出現して“正常排便群”の便量に近づいた。プラセボ飲料摂取ではこのような改善はみられなかった。4) アルギン酸飲料1缶以上の摂取で“正常排便群”と“軽い便秘群”に便の色の改善がみられたが, 2缶摂取では“軽い便秘群”の効果が顕著になり,“正常排便群”の便の色に近づいた。プラセボ飲料摂取ではこのような改善はみられなかった。5) アルギン酸飲料1缶摂取で“軽い便秘群”に便臭の改善がみられたが, 2缶摂取では“正常排便群”にも改善がみられた。プラセボ飲料摂取ではこのような改善はみられなかった。以上の結果, アルギン酸飲料 (150ml/缶, 低分子化アルギン酸-Na4g) 1缶以上の摂取によって排便及び便性状 (形, 量, 色, 臭い) の改善効果が期待できるとの示唆を得た。
著者
殿塚 婦美子 笹島 道雄 松本 仲子 鈴木 久乃
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.217-225, 1983 (Released:2010-04-30)
参考文献数
6
被引用文献数
1

竪型炊飯器を用い, 米の予備浸水の有無が飯の品質に及ぼす影響について, 次の結果が得られた。1) 浸水した米の飯の脱水速度は, 浸水しないものに比べてその速度が遅かった。2) テクスチュロメーターで測定した結果は, 浸水した米の飯はしないものに比べて, 粘りが大きく, 硬さ, 凝集性, 咀嚼性が小さい傾向を示した。3) 加熱に先だって浸水したものは, 加熱条件を変えて炊飯した場合, いずれの加熱条件においても, 浸水しないものより官能検査による評価が高い傾向を示した。4) 炊飯後保温したものについても, 浸水したものは, 浸水しないものより高い評価が得られたが, その差は炊飯直後のものに比べて小さい傾向がみられた。5) 保温した飯は浸水の有無にかかわらず, 炊飯直後のものに比べて食味が劣る結果が得られた。
著者
川端 晶子 澤山 茂
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.32-36, 1973-01-25 (Released:2010-10-29)
参考文献数
17
被引用文献数
5 5

24種類の蔬菜類のペクチンを定量した結果, 新鮮物可食部に対するペクチン酸カルシウムとしての全ベクチン含有量は, 次のようであった。1) 2.00%以上: えだまめの豆。2) 1.00~1.99%: オクラ, かぼちゃ, にんにく, ごぼう。3) 0.50~0.99%: エシャロット, ビート, くわい, じゃがいも, にんじん, やまといも, さやえんどう, ピーマン, さやいんげん。4) 0.10~0.49%: さといも, なす, ルバーブ, うど, たまねぎ, だいこん, かぶ, きゅうり, ししとうがらし, れんこん。全ペクチン中の各抽出区分の比率について, W-Sはごく低く, H-Sがもっとも高いものが多く, つづいてP-Sが高い。H-Sが50%以上をしめるものは11試料, P-Sが50%以上をしめるものが7試料であった。これらのH-S, P-Sは, 細胞膜を形成し, 組織の硬さや水分保持に役立っている。全ペクチン含有量についてのみ考えるならば, 果実類と蔬菜類の間には, 総体的に大差はみとめられなかったが, 化学構造上かなりの相違点が推測できる。今後, これらの問題についても研究を展開して行きたいと考えている。
著者
江上 いすず 長谷川 昇 大矢 みどり
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.191-198, 1995 (Released:2010-04-30)
参考文献数
17

BMI 23.1以上の健康な肥満傾向の女子学生を対象に, 性格特性と食行動についての調査を行い, 類型化された摂食パターン及び性格特性と食行動の関係を探り, 以下の結果を得た。1) 肥満傾向の女子学生は, 性格特性における“反社会性”が低く (p<0.01) 現れた。2) 女子学生全体の食行動を因子分析した結果, 4因子が抽出され (累積寄与率は85%),“不規則因子”,“抑制力なし因子”,“外因性因子”,“ストレス因子”と解釈した。3) 女子学生の食行動因子の中で,“不規則因子”では肥満傾向のファーストフード志向の者に高く (p<0.01),“ストレス因子”ではボリューム志向の者に高く (p<0.05) 現れた。4) 肥満傾向の女子学生は性格特性の“情緒性”,“誠実さ”と食行動因子の“抑制力なし因子”,“ストレス因子”について, 正の相関が現れた。
著者
秋山 栄一 三重野 優子 衛藤 宏 伊東 祐信 桑原 寛
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.199-209, 1998-08-01 (Released:2010-02-09)
参考文献数
27

中等度~高度肥満症に対し, 固形食化VLCDの栄養組成を, 従来の380kcal, たんぱく質40gから460kcal, たんぱく質55gに調整し, その差異が肥満の治療効果に及ぼす影響を検討した。対象は, 当院の入院管理下において380kcalの固形食化VLCD (超低エネルギー食) を摂取した男12人, 女32人, 計44人 (平均年齢46.1±2.5歳), 及び460kcalの固形食化VLCDを摂取した男12人, 女27人, 計39人 (平均年齢45.1±2.3歳) とした。380kcal または460kcalの固形食化VLCDを当院の肥満治療プログラムに従って実施した結果, 標準偏差が大きかったため, 体重は両群とも4週間後に, BMIは2週間後及び3週間後から, それぞれ有意に減少した。入院時と入院4週間後で比較した総コレステロール, LDL-コレステロール, 中性脂肪は, 両群とも有意に低下した。HDL-コレステロールは380kcal群で有意に低下したが, 460kcal群ではやや減少傾向を示すものの, 有意の差は認められなかった。動脈硬化指数 ((総コレステロール-HDL-コレステロール)/HDL-コレステロール) は460kcal群において明らかな改善がみられた。窒素バランスは380kcal群に比し, 460kcal群において有意に改善した。血清鉄は両群とも4週間後に有意に低下したが, 1,200kcal食に維持すると正常範囲に回復した。両群間で4週間後の体重減少速度に著明な差を認めなかったにもかかわらず, 血清脂質, 動脈硬化指数, 窒素バランスにおいては, 460kcal 群に良好な結果が得られた。以上の結果から, 1日460kcalの固形食化VLCDは, 380kcalに比し適正な栄養量と思われる。