著者
清水 智行 米山 暁夫 柳原 広昌 中島 康之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.99, pp.23-28, 2003-10-03
被引用文献数
4

H.264はMPEG-4やH.263などの従来の動画像圧縮符号化方式に比べて最大で2倍の符号化効率を目標とした符号化方式である。しかし、従来方式に比べて符号化処理の複雑さが非常に大きいため、実用化のためには符号化処理を効率よく行なうための手法が必要である。本稿では、H.264の複数ブロックサイズによる動き補償予測処理において、ブロックサイズの選択および動きベクトル探索処理を高速に行なうための手法について検討する。具体的には、最初に小さなブロックサイズでの動き探索を行ない、隣接ブロックの動きベクトルの類似性から、より大きなブロックサイズを適応的に選択し、かつ探索範囲を絞り込むことによって、H.264参照モデルJMと比較して0.1-0.4dBのPSNR低下で予測誤差計算回数を6-7%に削減することができた。H.264 is a new video coding standard, which has coding efficiency about twice as much as existing standards such as MPEG-4, H.263, etc. Because it has larger computation complexity than existing standards, faster coding algorithms are desired for practical use. We propose a fast algorithm for multiple block size motion estimation. In this algorithm, motion vectors in smaller-sized block are searched at first, and a more suitable block size is chosen and search range is limited according to similarity of the motion vectors. As a result, search steps are reduced to about 6-7% of the H.264 Reference Model (JM), while loss of PSNR is at most 0.1-0.4 dB.
著者
久木野 睦子
出版者
活水女子大学
雑誌
活水論文集. 健康生活学部・生活学科編 (ISSN:13482572)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.61-70, 2003-03-31

Using 2 types of commercial magnetic water manufacturing equipment, the effect of the magnetic water on the rice cooking was examined. The osmotic pressure of the magnetic water tended to be lower than that of tap water a little, though pH of the magnetic water was a value equal to pH of the tap water. In the measurement of water absorption rate of the rice, the difference between magnetic water and tap water could not be observed. In the physical property measurement of the cooked rice, the breaking energy of the rice cooked in the magnetic water was lower than that of the rice hooked in tap water to some extent, and seemed to be the soft rice. The tissue structure of the cooked rice observed by optical microscope, the cell of the rice cooked in the magnetic water was clearly, and it was guessed with the infiltration of the water to the rice inside. However, further examination will be necessary for clarifying the reason why the rice cooked in the magnetic water was soft.
著者
王戦 堀 良彰 櫻井 幸一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.43, pp.45-50, 2006-05-12
被引用文献数
4

迷惑メールに対する,ベイズ確率を用いた統計的なフィルタリング(いわゆるベイジアンフィルタ)の研究は以前から行われていたが,2002年に発表されたP.Grahamの論文"A plan for spam"[1]は人々の注目を集め ベイジアンフィルタを実装したソフトウェアが多数開発されるようになった.ベイジアンフィルタリング[4][5][8]に対する研究は,日本語と英語の電子メールについては盛んである.しかし,中国語闇の電子メールに対しては今まで学術的な解析が行われていなかった.そこで本論文では,中国語の電子メールを処理する際のベイジアンフィルタリングのパラメータと迷惑メール判定精度の関係について分析し,パラメータの最適値について考察した.A statistical filtering based on Bayes theory, so-called bayesian filtering, has been researched for anti-spam through it before. From Graham`s thesis in 2002,a lot of spam mail filters based on the Bayesian filtering have been developed and widely applied to the real system in recent years.The implementation of the statistical filtering corresponding to the e-mail written in English and Japanese has already been developed. On the other hand,the implementation of the statistical filtering corresponding to e-mail written in Ohinese is still few. In this thesis、we adopted a statistical filtering called as Bsfilter and modified it to filter out e-mails written in Chinese. When we targeted e-mails written in Chinese for experiment,we analyzed the relation between the parameter and the spam mail judgment accuracy of the filtering, and also considered the optimal value of the parameter.
著者
福田 紘 竹内 勇剛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.385, pp.51-56, 2005-10-27

本研究は情報格差に対応するバリアフリーとしてユーザがより利用しやすいインタラクションモデル構築の指針を目指すものである.そこで本研究では目の動きという社会的機能に着目する.社会的機能である目の動きをインタラクションモデルに利用することでユーザは対人コミュニケーションにおける日常の経験を利用することができる.それよりユーザの認知的な負担は軽減され, かつ学習不要であるという利点を合わせ持つことになる.本稿では心理実験によって, CGキャラクタの目の動きに対する印象評価に基づく人の認知特性について報告する.心理実験ではCGキャラクタと被験者が面接という場面において簡単なインタラクションを行い, CGキャラクタの目の動きが印象形成に与える影響を観察した.その結果, CGキャラクタの目の動きは対人コミュニケーションと同様に異なって認知されることが観察された.
著者
今野 真二
出版者
日本語学会
雑誌
國語學 (ISSN:04913337)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.166-167, 2000-09-30

鎌倉時代の仮名表記に関しては,特に藤原定家及び定家周辺の人々を中心に据えて分析が行なわれ,その成果が蓄積されてきている。本発表では,これまで藤原定家の表記に関して指摘されてきたことがらが定家に先立つ藤末鎌初(=平安時代末期〜鎌倉時代初期)の仮名文献資料に看取されるのか否か,という観点を設定しながら,ひろく当該期の仮名文献を見渡して気づいたことがらの報告を行なった。資料としては,いずれも西行を伝承筆者とする,益田家旧蔵『一条摂政御集』,冷泉家時雨亭文庫蔵『曽丹集』,『出羽弁集』,『行尊僧正集』,『六条院宣旨集』,『中御門大納言殿集』,『近衛大納言集』,出光美術館蔵『中務集』,宮本家蔵『山家心中集』,伝西行筆『躬恒集』の一〇文献に就いた。これら総計九三三八七字の異体仮名使用についてのデータは,それ自身意義のあるものと考える。これらの仮名文字遣,かなづかい及び表記一般に関して観察をした。その結果,一つの仮名あたりの平均異体仮名使用数は,平安末では二・五程度で,鎌倉初期には一・八程度となり,次第に収斂する傾向にあることがわかった。また藤末鎌初の仮名文献には後世のような,表語ひいては音韻と結びついた機能的な仮名文字遣はいまだみられないが,「行」に関わる仮名文字遣らしきものはみえており,書記の単位としては「行」が中心であったことを窺わせる。ただし,その一方で,〈ゆへ〉〈まいる〉〈なを〉〈ゆくゑ〉など,語によっては古典かなづかいに非ざるかたちが固定化し始めており,書記の意識は「行」から「語」へと移行しつつあるとみるべきである。藤原定家との関わりで言えば,行頭に同じ仮名が並んだ場合の「変字」は,すでに当該期の資料にもみられ,時代が下がるにしたがってそれが徹底していくようにみえる。異体仮名〈地〉を音韻ヂに充てたと覚しき例が散見する。このように「定家以前」の状況が明らかになることによって,これまで定家に関して指摘されてきたことがらを史的展開の中で評価することができると考える。
著者
木下 聡
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.60-64, 2005-02-01

大学改革の流れのなかで,大学はその存在意義を社会に対してアピールする必要から,ホームページによる広報活動を充実させている。大学図書館でもその一翼を担うように,サービスや学術情報コンテンツを,インターネットを通して大学の内外に広く公開するようになってきた。そのような活動の一例として,三重大学附属図書館でのポータルサイト構築の試みを紹介する。図書館のホームページにおける3つのポータルデスク(学生ポータルデスク,教官ポータルデスク,地域貢献ポータル)について,基本的な考え方や構成を解説するとともに,今後の課題についても考察する。
著者
小林鉄次郎 編
出版者
小林鉄次郎
巻号頁・発行日
vol.初編, 1883