著者
胡 東良 銭 愛東 単 暁風 成田 浩司 差波 拓志 長内 理大 阿部 由紀子 平賀 寛人 工藤 幸清 劉 勇 中根 明夫
出版者
弘前大学
雑誌
弘前醫學 (ISSN:04391721)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.1-6, 2007

本研究では,日本と中国の食肉179検体,鶏卵35検体におけるの大腸菌,サルモネラ及び黄色ブドウ球菌の汚染状況を統一検査法により調査した.食肉検査結果により,日本において,大腸菌の検出率は46.4%,サルモネラは4.4%で, 黄色ブドウ球菌は36.2%であった。中国において,大腸菌の検出率は37.9%,サルモネラは5.5%で,黄色ブドウ球菌は 44.1%であった.大腸菌の検出率が日本の方(46.4%)が中国(37.9%)よりやや高く,これに対し,黄色ブドウ球菌は中国の方(44.1%)が日本(36.2%)よりやや高い結果が見られたが,いずれも有意差がなかった.汚染菌数について,10^4 CFU/gを超えるのは.大腸菌では4/69(日本),4/145(中国):黄色ブドウ球菌では2/69(日本)と7/145(中国)であった. これらの結果により,食肉の加工,保管,流通,販売において,徹底的な温度管理と衛生管理が必要であると考えられる.
著者
稲垣 耕作
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.76-81, 1999-02-15
被引用文献数
5

複雑適応系の分野では カオスの縁という概念が広く知られている. カオスの縁は離散的な性質をもつ系で発見されていて 著者の知る限りでは純粋な連続系では発見されていない. 本論文ではWolframのセルラーオートマトンモデルにおいて カオスの縁が離散性と密接な関係をもつ概念であり セルのとる状態数およびセルの近傍サイズのいずれが増えても カオスの縁の出現する割合が漸近的にOに近づくという証明を与える. 生命を情報という観点から見るとき 複雑適応系の分野では 生命の自己組織化現象とカオスの縁との密接な関係を推測されることが多い. この立場の下では 本証明は生命現象の根源にディジタル性が関与していることの理論的根拠となる可能性をもつ. 証明では カオスの縁の増殖的性質よりも 成長停止性が本質的な役割を果す.The edge of chaos is a well-known concept in the field of complex adaptive systems (CASs). As far as the author know, the edge of chaos is observed in systems which have some discrete characteristics, and has not been discovered in purely continuous systems. In this paper, based on the cellular automaton model proposed by S. Wolfram, it is proved that the occurrence probability of the edge of chaos asymptoticaly approaches 0 with the increase of either the number of states or the neighborhood size. CAS researchers who pay attention to information aspects of biological life, suppose that the edge of chaos has some close relation to self-organizing processes in living organisms. The proof presented here would contribute to such a theory that biological life utilizes digital phenomena. The proof shows that growth temination, rather than self-reproduction, is an essential property at the edge of chaos.
著者
寺野 隆雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.244, pp.31-36, 2003-07-25

コンピュータ技術の進歩によって,シミュレーション研究を通じて社会・経済システムを分析することが可能になった.その中でも,エージェントベースモデリングは有望である.これらを含む計算社会科学(Computational Social Sciences)は,従来の社会科学研究を,計算機シミュレーションによって,操作的であり,伝達可能であり,かつ実験的なものに変革する可能性をもつようになった.本論文では社会・経済・組織科学分野における複雑適応系に対するエージェントベースアプローチの現状について考察する.このアプローチは,個別の内部モデルをもつソフトウェアエージェント;与えられた環境内でのエージェントのインタラクション;個々のエージェントのふるまいと社会現象との間のミクロ・マクロリンクによって特徴付けられる.エージェントに基づくシミュレーションを使用して,我々は,他のアプローチでは分析が難しい現実世界の複雑な現象を理解することが可能になる.この論文では,この分野の代表的な文献を参照しながら;我々の最近の研究を紹介することで,エージェントモデリングの手法の特性を伝統的な手法と対比させることを目的とする.
著者
久保田 大介 西本 知弘 松下 浩明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告高度交通システム(ITS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.22, pp.23-30, 2006-03-06
被引用文献数
2

歩行者,自転車,乗用車などが歩道や車道を走行しているときに起こす交通事故の危険度を予測するための交通シミュレーションプログラムを開発中である。交通事故が起きる原因には道路形状などの物理的側面と運転手の「だろう」行動に代表される行動的側面がある。本システムでは道路の2次元形状を交通シミュレータに直接反映させるために 道路を2次元の凸多角形の集合で表現する。また,歩行者や車両の行動モデルとして,行動計画モデルを提案する。さらに,歩行者や車両の危険幅を定義し,安全指標として,危険錯綜指標を用いる。We have been developing a traffic simulation program for estimating the risk of the traffic accidents caused by the pedestrians and/or the vehicles. The traffic accidents occur due to the trouble of the road and carelessness of the pedestrians and/or the drivers. In this system, the roads are expressed in sets of convex polygons to find a potential dangerous part on the road. Moreover, we propose the action plan model as a behavior model of the pedestrians and the vehicles. In addition, a dangerous width in the pedestrians and the vehicles is defined and the dangerous conflict indicator is used as a safety indicator.
著者
若林 真一 小泉 慎哉 小出 哲士 井村 紀道 藤原 一成
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.340-343, 2003-02-15

本論文では,遺伝的アルゴリズム(GA)の実行における計算時間の短縮を目的として,任意のGAを高速に実行可能なRISCプロセッサDLX-GAを提案する.提案プロセッサDLX-GAはDLXアーキテクチャをベースとしたRISCプロセッサであり,GAの実行において多用されるビット演算命令や乱数発生命令,SIMD型命令等をサポートし,これらを6段のパイプラインで処理することによりGA実行の高速化を実現する.提案RISCプロセッサをHDL設計し,CMOS 0.35umスタンダードセルテクノロジを用いて4.93mm角のLSIチップとして実現し,評価ボード上で性能評価を行った.その結果,開発したプロセッサチップが仕様どおりに動作することを確認した.This paper proposes a new RISC processor for high speed execution of genetic algorithms (GAs).The proposed RISC processor was designed based on the DLX architecture,and a new instruction set,which was effective for high-speed execution of GAs, was implemented.The proposed RISC processor was designed with the hardware description language,and it was fabricated as an LSI chip with the CMOS 0.35um standard cell technology.From the evaluation of the fabricated LSI chip using the evaluation board,we have shown that all the functions specified by the specifications of the chip were correctly realized.
著者
熊谷 開作
出版者
同志社大学
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.14, no.8, pp.421-444, 1963-03-05

論説
著者
保坂 隆 大須賀 等 狩野 力八郎 藤井 明和
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.27, no.6, pp.523-533, 1987-10-01
被引用文献数
1

子宮摘出術の精神的影響を検討するために43人の患者を対象として調査した。対象は手術前日に精神科的面接を受け心理テスト(CMI, YGテスト)が施行された。精神科的面接は中立性, 客観性を保つために著者らのうち2名の精神科医が同席して行われた。さらに, 婦人科的診察・術式・術後合併症などについて医師からどう説明されたか, また, 過去の喪失体験に対する反応や女性性, 月経, 月経停止に対する態度など, あらかじめ決められた質問が用意された semi-structured interview の形式をとった。さらに術後7日目にも特に喪失体験に対する急性反応に焦点をあてた精神科的面接が施行された。また, 約2年後に術後の影響を調べるために心理テストと, 特別に作成された調査用紙が郵送された。回答が得られすべての項目に関するデータが揃ったのは35人(81.4%)で, 以後はこの35人について検討された。1人の離婚女性と2人の未婚女性を除けばすべて既婚者で出産経験者であった。過去に神経症的傾向のある2人は術後一時的に症状増悪がみられたが, 両者とも既婚者で2人以上の子供がいた。さらに両者とも婦人科的診断は良性の子宮筋腫であった。また, 附属器切除を施行した52歳の主婦ではエストロゲン欠乏によると思われる灼熱感がみれらた。さらに一時的に腰痛を自覚した患者も4名いた。一般に, 子宮摘出術後に病的な精神科的反応を惹起する危険因子は, (1)若年女性であること, (2)精神科既往歴があること, (3)家族歴に精神科疾患があること, (4)子供がいないか少なくて, 妊娠を希望していること, (5)夫婦関係が障害または破綻していること, (6)器質的疾患がないこと, (7)術前に不自然なまでに安定していること, などである。しかし, 本研究の結果は, 子宮摘出後には種々の精神症状がみられるという従来からの仮説を支持することはできなかった。その理由のひとつとして考えられるが, 本研究より驚くほど多くの患者が自分の受ける手術の術式や術後合併症について知らなかったり, また知ろうとしていないことが明らかになった。この「否認」という防衛機制が, わが国における子宮摘出術患者において術前の緊張や不安を軽減したり, 術後の精神科的合併症を回避するのに有効であるように思えた。
著者
徳浜 元弘 中沢 実 服部 進実
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.26, pp.215-220, 2006-03-17

本論文はユビキタスネットワークで想定されるノードの参加・離脱に対して分散ハッシュテーブルを用いたP2Pシステムの適用性を論じたものである.分散ハッシュテーブルはインデックス情報をノードに分散させて保持する方式で種々の方式が提案されている.今回は経路表形式と木構造形式のP2Pシステムに注目して,その構成と実装法について考察した.さらに,コンピュータシミュレーションを通してこれらのシステムの定常時とノードの離脱・参加時におけるノード検索の性能を計測し比較分析を行った.その結果,木構造形式のシステムがノードの参加・離脱において管理コストが少なく,ノード検索性能も低下しないことを示す.This paper describes the applicability of the P2P system which uses the distributed hash table for participation and secession of the node assumed by ubiquitous network. The distributed hash table is a method for the decentralization of information to the node. There are various methods to form the distributed hash table. We explain the composition and implementation method of the routing table form and the tree structure form of the P2P system. We compared the performance of node retrieval when the node of the system participates, secedes, and during its regular operation by computer simulation. As a result, it turned out that the system of the tree structure form doesn't decrease the node retrieval performance.
著者
手島 邦夫
出版者
日本語学会
雑誌
國語學 (ISSN:04913337)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, 2001-09-29

幕末から明治初期にかけ新造語を多く生産した西周の訳語が,現在も多く用いられていることはよく知られている。本発表は,同時代の思想家や知識人の中で,なぜとくに彼の訳語が現在も多く通用しているのか,という点について考察したものである。発表では,西の主要な著作や翻訳書等から採った訳語の語種別の内訳,現在も通用の語の割合,訳語の出自についての分類,推定される新造語の数,さらに『致知啓蒙』での造語方法等について述べた上で,訳語の定着要因について考察した結果を述べた。定着の要因を,言語的要因と言語外要因(社会的要因)に分けた。まず言語的要因として,(1)訳語の的確さと近代性,(2)原語を示すルビつきの語の多さ,(3)訳語の意味や造語理由に関する自注の多さ,が挙げられた。(1)については,『明六雑誌』における同一原語の訳語の比較により,他の中村正直等の訳語より的確さや近代性において優っていることが確認された。(2)(3)については,そうしたルビや自注が読者の理解を助け,西周の訳語が広まっていくことに貢献したものと考えられた。言語外要因としては,(1)『哲学字彙(初版)』によって西の訳語が(とくに『心理学』から)多く採用されたこと,(2)西の訳語はその『哲学字彙』を経て『英和字彙(2版)』に採用されたことによって広められたこと,(3)アカデミズムにおける西周自身の権威が訳語の流通に影響を与えたこと,などを指摘した。(1)(2)については具体的な数量や訳語で示し,(3)については,東京大学における「哲学科」の設置とともに,西周が当時いかに尊敬され,そのことが訳語の流通に影響を与えたかということを文献により示した。これらの要因のうち,私見では言語的要因の(1)「訳語の的確さと近代性」が中心的な要因と考えられたが,発表後の質疑では,言語外要因(上では(3))の方が大きいのでないかというご意見を頂いた。また西周の造語方法や,「近代性」という語の概念についてもご質問があり,今後それらの問題点についてさらに考察していくこととしたい。

1 0 0 0 OA 歴代御製集

著者
池辺義象 編
出版者
芙蓉会
巻号頁・発行日
vol.3, 1915
著者
井上 征矢 山本 早里 三井 秀樹
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.49, pp.212-213, 2002-11-05

When we see the follwing stripe, we can recognize the Border Contrast (BC) vividly. It is already known that the value difference is most influential for the cognition of BC. In this paper, we present the result of the experiment characterising BC, based on hue or chroma difference, and conclude the following. 1) BC can be seen in this stripe composed by hue or chroma difference. 2) Chroma BC tends to be visible in the stripe with red, but hard to be visible in the stripe with green. 3) The strength of chroma BC is influenced by stripe width. In case of yellow or blue, the larger stripe width is more effective for the cognition of BC, comparing with the stripe with red or green.