14 0 0 0 OA 東京府史

著者
東京府 編
出版者
東京府
巻号頁・発行日
vol.行政篇 第1巻, 1935
著者
砂澤 雄一
巻号頁・発行日
(Released:2017-06-01)

マンガ研究において、改稿の有無を確認しどのテクストをもって定本とするかは研究の第一歩である。改稿データを研究者が共有し、客観的に妥当だと認められたテクストを策定する作業は、今後のマンガ研究において欠くことのできない重要なステップであると考える。本稿ではこうした基礎研究を「生成論的研究」と位置づけ実践するとともに、今後の多くのマンガ研究で行われることを提唱するものである。\n\n宮崎駿の唯一の長編マンガ『風の谷のナウシカ』(以下『ナウシカ』と略す。アニメ版の同名作品を指す場合はその都度「アニメ版」と付す)は、「アニメージュ」連載時と「アニメージュコミックスワイド版」刊行時との間に相当数の異同が見られる。また、「腐海は、人類が汚染した大地を浄化するために生まれた生態系」というアニメ版のコンセプトが、マンガ版では相対化され、「腐海は、旧人類が人工的に作り出した清浄化システムであった」というものに変更されている。これは、読者の意表を突く「どんでん返し」だった。\n本稿は、改稿分析を通じて「改稿はなんのために行われたのか」と「〈どんでん返し〉を宮崎駿は何時の時点で着想したのか」という二つの点について考察することを目的としている。\nこのことについて、第1章では執筆経緯と当時の世界情勢、先行作品や後続作品との影響関係を、第2章では第1巻から第7巻までの具体的な改稿箇所を、第3章では先行論文について検証し分析した。\n \n『ナウシカ』は、1982年2月号から1994年3月号まで足かけ13年連載された。連載時には国内外で世界史的な出来事が立て続けに起こった。1986年4月チェルノブイリ原発事故、1989年1月昭和天皇崩御、2月手塚治虫死去、6月天安門事件、11月ベルリンの壁崩壊、12月冷戦終結、1990年10月東西ドイツ統一、1991年12月ソ連邦崩壊、1992年ユーゴスラビア解体などである。宮崎に最も大きな衝撃を与えたのはユーゴスラビア紛争であった。「人間は同じ過ちを何度でもする」と痛烈に感じたからだ。それは1983年に亡くなった母・美子の口癖であった「人間はしかたのないものだ」を思い出させた。母の言葉は、尊敬する司馬遼太郎と堀田善衛によって「人間は度しがたい」という言葉に昇華される。『ナウシカ』を終わらせようという時期に宮崎は〈マルクス主義をはっきり捨て〉、〈人間は度しがたい〉という〈ごくあたりまえのところ〉に〈もう一度戻〉った。それは母と同じ場所に立つことでもあった。\n この宮崎の内面の変化に呼応するように、作品内の時間の在り方も変化していった。初のオリジナル作品であった『砂漠の民』(1969-1970)は、ソクート人がどのようにして滅んでいったかを主人公テムの目を通して描かれている。父、親友、好意を寄せる少女、尊敬していた師が次々と殺されていくというかなり惨い物語である。『砂漠の民』は、予告編の段階ですでにソクート人が滅びることを告げており、時間は「滅び」へ向かってリニアに流れていた。\n1978年、宮崎が実質的に初監督をつとめたテレビアニメ『未来少年コナン』では、最終戦争後から物語を出発させるという変化が見られる。しかし、直線的に時間が進むという構造は『砂漠の民』と変わらなかった。ところが、1983年に刊行された『シュナの旅』に流れる時間はそれまでのものとは違っていた。〈いつのころからか/もはや定かではない/はるか昔か/あるいはずっと/未来のことだったか〉という書き出しで始まるこの作品では、時間は確定されていない。それは過去か未来かも定かではない。これは『ナウシカ』の描く世界が、産業革命を起点に考えれば西暦3800年くらいの未来を描いているにもかかわらず、その風俗が現代から見て過去のものに見えるという設定に通じる。\n 『ナウシカ』の連載後に制作された短編アニメ『On Your Mark』の絵コンテには〈永劫回帰シーン〉というメモが見られる。円環する時間の流れへの変化は、先に述べたマルクス主義を捨て生活実感に根ざした身体的思想とも言うべき境地に戻った宮崎の航跡と重なる。\n\n 『ナウシカ』のマンガ表現上の特徴は、コマ割が細かくコマ数が多いことにある。大ゴマが少なく、あったとしてもキャラクターのアップは少ない。ページ全体のレイアウトよりもコマの完成度に重きを置いている。「漫符」の使用頻度は低く、使われるものも限定的である。「光芒」と「集中線」の使用の多さは、『ナウシカ』が〈気づきのマンガ〉であることを示している。「音喩」については、コマを跨いだりするものはなく抑制的である。また音喩が描かれるレイヤーの位相が、一般的なマンガによく見られるように一番読者側にあるわけではないという特徴がある。音喩については宮崎独特の文法が存在するように感じられる。\n \nコミックス刊行時に行われた「加筆」「さしかえ」「描き直し」「挿入」「台詞等の変更」の5項目の改稿についての分析の結果は以下の通りであった。\n「加筆」は、改稿の中で最も多いものだが、その主な要因は連載時の描き込み不足を補うものであった。背景が緻密で情報量が多い、と言われることの多い『ナウシカ』であるが、連載中には緻密な描き込みができずにそのまま掲載された場合が少なくない。ただし、後半に見られる「加筆」には「血糊」を意図的に増やすなどの演出上の要請から行われたものが見られる。\n 「さしかえ」は、視線誘導に関係する可能性が高いもので、その意味で既成のマンガ文法との関係が問題になる改稿でもある。しかし、結果的に視線誘導の大幅な変更は見られない。\n 「描き直し」も同じ構図の絵であるために視線誘導の変化には関与しない。ただし、同じ絵をわざわざ描き直すために物語内容に対する作者の何らかの特別な意図が感じられる改稿である。「描き直し」は第7巻に多く、「庭の主」との対決の場面などに顕著である。\n 「挿入」はページ毎のものが多く、結果的に視線誘導に絡む場合は殆どない。挿入されたページもその他のページと同様で、特にコマ割に変化が見られるわけではない。挿入については第4巻の挿入が特徴的である。粘菌兵器のエピソードをかなり前倒しして投入したり、クシャナの母にまつわるエピソードを新たに入れたりしており、作品全体の構成が固まりつつある時期との関連が窺われる。\n 「台詞の変更」はコマ割に関わらないが、物語の内容に大きく影響を与える重要な改稿の一つである。特に第7巻に多い。これは「墓所の主」との対決の場面に見られ、挿入された新たな台詞と共に、宮崎が連載終了後にもこの場面を深化させようとしていたことが窺える。\n 以上の分析から、『ナウシカ』における改稿が「読みにくく」しているものかどうかについては、少なくとも「読みにくく」はなっていないという結論に達した。ただし、既存のマンガ文法に従う形で改稿が行われているとは考え難い。したがって既存のマンガ文法には従っていないものの、結果としては物語の展開が理解しやすくなり読みやすくなっているという場合が多い。強いて言えば「読みやすく」はなっていないとしても「わかりやすく」はなっていると言えそうである。「読みやすさ」は表現論的な分野に関わりが深く、「わかりやすさ」は物語論的な分野に関わりが深いという予感がするものの、今後の課題としたい。\n\n先行研究を「表現論的分野」「物語論的分野」「倫理の問題」の3分野に関して分析し、あわせて手塚治虫との関係について検証した。\n 表現論的な研究では阿部幸弘と久美薫を取り上げた。阿部は、『ナウシカ』が後半読みやすくなるのは宮崎が自身で作り上げようとしたオリジナルのマンガ文法が次第に機能するからだと述べている。久美薫は、映画の場面のつなぎ方の分析を援用し、後半読みやすくなるのはコマ割というよりはコマのつなげ方が巧みになるからであると述べている。その方法は映画的とも言え、この点を夏目房之介は「アニメからの逆輸入」と呼んでいる。\n 物語論的な研究では小山昌弘の「語り」の見地から分析した論考を取り上げた。小山は『ナウシカ』にナレーションが少ない理由と、その代替としての登場人物の内語について分析している。小山も『ナウシカ』は読みにくいが後半読みやすくなるとして、その理由をマンガ文法に従うようになるからだとしている。もっともコマ割自体は変化せず、最後までコマ数は多いままだとも述べている。\n 倫理の面から稲葉振一郎と夏目房之介を取り上げた。稲葉は『ナウシカ』における「青き清浄の地」が、実在するがたどり着くことのできないユートピアであるという点でノージックのユートピアの「枠」を超えた存在だと論じた。夏目は戦後マンガに流れていた手塚治虫的「生命倫理」が引き継がれている作品として『ナウシカ』を見ている。宮崎駿は手塚治虫の継承者だったというとらえ方である。\n『ナウシカ』における「どんでん返し」の時期について、久美はそれを『紅の豚』制作時、ユーゴスラビア紛争の時期と見、稲葉は冷戦構造が解消した時点と見ていた。二人ともその時点から宮崎が、『ナウシカ』の結末を変更せざるを得ない思想的立場に立ったと分析した。\n 以上の分析から、改稿の多くは連載時に十分時間をかけられなかった部分を補筆する形で行われているが、第4巻においては、全体像がほぼ固まった時点から遡って行われており、作品全体の整合性を保とうとしている様子が窺えること、また、改稿は一般的なマンガ文法にはよっていないため、必ずしも「読みやすく」はなっていないが、物語の内容的にはより深まりかつ理解しやすくなっているという結論を得た。\n 全体的な構想がまとまった時期は、第4巻の刊行時の1987年中頃にかけて、「どんでん返し」については第5巻の改稿が行われた時期に着想されたと考える。ただし、『シュナの旅』には『ナウシカ』における「庭」や「墓所」に相当する場面が登場するため、1983年頃には大本になるアイディアはあったと考えるべきである。また、「人間はしかたのないものだ」という母の考え方に、ユーゴスラビア紛争の激化に伴って戻ったと見ることもできる。1983年の『シュナの旅』刊行と母の死、1986年のチェルノブイリ原発事故、1991年からのユーゴスラビア紛争の激化などの要素が「どんでん返し」に至らせたと考えるのが妥当であろう。\n\n 最後に「文化人≒思想家」としての宮崎駿と、「町工場のオヤジ≒職人」としての宮崎駿の関係について検証した。宮崎は自ら「文化人ではなく町工場のオヤジでいたい」という旨の発言をしているが、結果として「文化人」と見なされることで、アニメ制作に好都合な面はあった。宮崎を、当初から「作家」として扱おうとしたのは1981年にアニメージュで「宮崎駿特集」を組んだ当時の編集部、とくに鈴木敏夫であった。大人数で制作するアニメにおいて「作家性」を強調し、宮崎駿の特異性をアピールした。鈴木は1982年当時、仕事らしい仕事のなかった宮崎に『ナウシカ』の執筆を勧め、連載が決まると『ナウシカ』のタッチを「読みにくい」ものにし、連載が危うくなると鉛筆での執筆を勧めた。鈴木は、宮崎にアニメを制作させるための一段階として、既存のマンガ文法によらないオリジナルマンガを描かせようとしたと見ることもできる。『ナウシカ』の成立には鈴木敏夫が大きく関与しているのである。 \n\n 今回本稿で行った『ナウシカ』の改稿分析が、基礎資料として『ナウシカ』研究の進展に寄与することと、「生成論的研究」が今後のマンガ研究において基礎研究の方法として定着することを望む。 表象文化学
著者
石渡 正佳
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.12, pp.1358-1360, 2014

廃棄物処理法による行政処分と刑事処分によって不法投棄などの不適正処理を行う業者を排除しているが,それだけでは不十分なため,産業廃棄物処理業優良化推進事業により,公開情報に基づいた優良業者の認定を行っている。<BR>不適正処理を行った処分者に委託した排出事業者の責任による撤去指導においては,措置命令を発しないことと交換条件に,撤去費用の拠出を求めることがあるが,この場合,法令違反の確認された量ではなく,処分者に対する委託の「全期間全量未処理推定」により,拠出額を計算することが一般化している。このため,拠出額が数千万円になることが珍しくない。<BR>このため,不適正処理を行わない優良業者の選定が重要である。優良業者の選定は,公開情報に基づいた書類審査と,現地調査によって行うのが適当である。<BR>iMethodは,石渡が開発した産業廃棄物処理業者の「公開情報分析法」である。環境省が制度化した公開情報から「処理能力」,「処理実績」,「売上高」,「従業員数」の基本4情報を抽出し,「施設稼働率」,「平均単価」,「オーバーフロー率」,「生産性」の基本4指標を計算する。完全定量分析によって,個別業者の評価のほか,複数業者の計量的比較,グループ企業の連結分析,業界全体のトレンド分析を行うことができる。<BR>iMethodによって,産廃業界の標準処理価格は1トン3万円であること,標準生産性は従業員一人当たり年間667トンであること,一人あたり売上高は2,000万円であること,標準処理価格と標準生産性には相反性があること,総資産と総売上高の標準比は1対1であること,一人あたり売上高が1,500万円以下では経営難に陥りやすいこと,標準生産性の2分の1を超えると,生産性と利益率が比例的に増大することなどの法則性を導き出すことができる。

1 0 0 0 OA 館守日記

出版者
巻号頁・発行日
vol.[76],
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.298, pp.51-52, 2002-02-22

国土交通省は2002年4月から,直轄工事の現場の点検を一層,強化し始める。各地方整備局の建政部建設産業課の職員が,「施工体制Gメン」と呼ぶ調査班を結成。現場を抜き打ちで立ち入り検査し,一括下請けや経審の虚偽申請をチェックする。その際,警察のOBや公認会計士などに協力を仰ぐ。2002年度は120件の工事で立ち入り検査を行う予定だ。
著者
Anna ANUND Jonas IHLSTRÖM Carina FORS Göran KECKLUND Ashleigh FILTNESS
出版者
National Institute of Occupational Safety and Health
雑誌
Industrial Health (ISSN:00198366)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.337-346, 2016-07-31 (Released:2016-08-05)
参考文献数
48
被引用文献数
3 37

Driver fatigue has received increased attention during recent years and is now considered to be a major contributor to approximately 15–30% of all crashes. However, little is known about fatigue in city bus drivers. It is hypothesized that city bus drivers suffer from sleepiness, which is due to a combination of working conditions, lack of health and reduced sleep quantity and quality. The overall aim with the current study is to investigate if severe driver sleepiness, as indicated by subjective reports of having to fight sleep while driving, is a problem for city based bus drivers in Sweden and if so, to identify the determinants related to working conditions, health and sleep which contribute towards this. The results indicate that driver sleepiness is a problem for city bus drivers, with 19% having to fight to stay awake while driving the bus 2–3 times each week or more and nearly half experiencing this at least 2–4 times per month. In conclusion, severe sleepiness, as indicated by having to fight sleep during driving, was common among the city bus drivers. Severe sleepiness correlated with fatigue related safety risks, such as near crashes.
著者
石渡 正佳 佐藤 泉 富岡 修
出版者
日経BP社
雑誌
日経エコロジー = Nikkei ecology (ISSN:13449001)
巻号頁・発行日
no.202, pp.66-69, 2016-04

私が大きな問題と感じるのが、食品リサイクルの実態と、国が目指す理想や法制度との間に乖離が目立つことです。例えば、食品リサイクルの優先順位がそうです。昨年7月に食品リサイクル法の基本方針が改定され、食品リサイクルの優先順位を高い方から飼料化…

1 0 0 0 OA 荘考 13巻

著者
西山元 編
出版者
巻号頁・発行日
vol.[5],
著者
山田 充哉 石橋 亮 河村 功一 古丸 明
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.926-932, 2010 (Released:2010-11-01)
参考文献数
31
被引用文献数
6 13

日本に分布するマシジミとタイワンシジミの類縁関係を明らかにするため,形態,両種の倍数性,mtDNA の配列情報を分析した。殻色によりマシジミ,タイワンシジミ黄色型及び緑色型に識別したところ,何れにおいても 2 倍体と 3 倍体が確認された。mtDNA のチトクローム b 塩基配列に基づく系統樹では 2 クレードが確認されたが,形態,倍数性の何れとも対応しなかった。また,両種に共通するハプロタイプが認められた。従って,両種は遺伝的に識別不可能であり,別種として扱うかどうかについては再検討が必要と考えられる。
著者
Ehimen C Aneni Chukwuemeka U Osondu Javier De La Cruz Seth S Martin Michael J Blaha Adnan Younus Theodore Feldman Arthur S Agatston Emir Veledar Khurram Nasir
出版者
Japan Atherosclerosis Society
雑誌
Journal of Atherosclerosis and Thrombosis (ISSN:13403478)
巻号頁・発行日
pp.40741, (Released:2018-09-14)
参考文献数
27
被引用文献数
16

Aims: There is limited knowledge about the association of lipoprotein particles and markers of coronary atherosclerosis such as coronary artery calcification (CAC) in relatively young high-risk persons. This study examines the association of lipoprotein subfractions and CAC in high cardiometabolic risk individuals.Methods: The study presents analysis from baseline data of a randomized trial targeted at high-risk workers. Employees of Baptist Health South Florida with metabolic syndrome or diabetes were recruited. At baseline, all 182 participants had lipoprotein subfraction analysis using the ion mobility technique and participants above 35 years (N=170) had CAC test done. Principal components (PC) were computed for the combination of lipoprotein subclasses. Multiple bootstrapped regression analyses (BSA) were conducted to assess the relationship between lipoprotein subfractions and CAC.Results: The study population (N=170) was largely female (84%) with a mean age of 58 years. Three PCs accounted for 88% variation in the sample. PC2, with main contributions from VLDL particles in the positive direction and large LDL particles in the negative direction was associated with a 22% increase in CAC odds (P value <0.05 in 100% of BSA). PC3, with main contributions from HDL lipoprotein particles in the positive direction and small/medium LDL and large IDL particles in the negative direction, was associated with a 9% reduction in CAC odds (P<0.05 in 88% of BSA). PC1, which had approximately even contributions from HDL, LDL, IDL and VLDL lipoprotein subfractions in the positive direction, was not associated with CAC.Conclusion: In a relatively young but high-risk population, a lipoprotein profile predominated by triglyceride-rich lipoproteins was associated with increased risk of CAC, while one predominated by HDL lipoproteins offered modest protection. Lipoprotein sub-fraction analysis may help to further discriminate patients who require more intensive cardiovascular work-up and treatment.
著者
峯松 信明 中村 新芽 橋本 浩弥 広瀬 啓吉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.113, no.366, pp.129-134, 2013-12-12

日本語の韻律教育を支援すべく,自然言語処理技術,音声言語処理技術を用いたオンラィンアクセント辞書(Online Japanese Accent Dictionary, OJAD)を構築,運用している。日本語は前後のコンテキストによって単語のアクセントが頻繁に変化する特徴を有するが,アクセント変形に十分対応した日本語教育史上初の教材として,世界中の教育現場で利用されるに至っている。またこれまで,約4時間に渡るOJAD講習会を,国内10都市,海外17都市で開催しており,どの講習会も好評を博している。OJAD開発を技術的観点から見ると,アクセント句境界推定,アクセント核位置推定,F_0パターン生成など,音声合成の裏方として機能していた技術を表舞台に出しているに過ぎない。これは音声合成技術の一部を,音声を合成する目的以外に応用している例として考えることができる。本稿では,音声合成技術の応用可能性を考える一つの例としてOJAD開発・運用を捉え,検討する。
著者
松井 真雪 ホワン ヒョンギョン Mayuki MATSUI Hyun Kyung HWANG
出版者
国立国語研究所
雑誌
国立国語研究所論集 (ISSN:2186134X)
巻号頁・発行日
no.14, pp.89-97, 2018-01

置換反復発話とは,直前の発話の分節音を別の分節音に置き換えてプロソディー特徴を反復する発話である。置換反復発話はプロソディー研究の方法論として注目されているが,その性質については未解明の問題が多い。この小論では,疑問文の文脈(句末境界音調の1つである上昇音調がアクセントと共起する条件)で,通常発話と置換反復発話の音声特徴を比較した結果を報告する。とりわけ,アクセントの弁別にとって主要であると考えられる基本周波数(F0)特徴は,上昇音調が共起する場合でも,置換反復発話に遜色なく反映されることを示す。この結果から,置換反復発話は,アクセントパタン,即ち,語のプロソディーの研究において有用であるという先行研究の見解が支持・補強される。その一方で,イントネーション,即ち,文のプロソディーに関わるF0特徴の一部は置換反復発話に正確に反映されないことが明らかになった。"Reiterant speech" (Larkey 1983) refers to a particular kind of speech, in which the prosody of the preceding utterance is reiterated but segments are substituted with others to minimize micro prosody. The current paper reports on a complementary study designed to examine the replicability of lexical and post-lexical pitch patterns in the reiterant speech. Acoustic patterns of the reiterant speech were compared with those of the normal speech in an interrogative context with rising boundary tone. The results demonstrate that the F0 height and fall timing attested in normal speech, which are related to the lexical pitch contrast, were replicated in the reiterant speech even in the interrogative context, extending the finding of the previous study. On the other hand, the results suggest that some post-lexical F0 properties, such as the degree of the rise of the boundary rising tone, were not completely replicated in the reiterant speech.
著者
小和田 哲男
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.180, pp.84-87, 1999-09

蒲生氏は、近江国蒲生郡(現在、滋賀県蒲生郡)の郡名を苗字とする古代以来の近江の名族である。しかし、いつの時代からか、俵藤太秀郷たわらとうたひでさとの後裔といわれるようになり、藤原姓を称している。 のち、室町・戦国時代には、この地の守護大名から戦国大名になった六角氏の重臣に位置づけられ、氏郷の父賢秀かたひでのとき、織田信長に仕えている。