著者
小橋 吉博 松島 敏春 河原 伸 多田 敦彦 宍戸 眞司 矢野 修一 重藤 えり子 横崎 恭之 冨岡 治明 竹山 博泰 西村 一孝 塩出 昌弘 上田 暢男 倉岡 敏彦 印鍮 恭輔
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR TB AND NTM
雑誌
結核 (ISSN:00229776)
巻号頁・発行日
vol.73, no.12, pp.705-711, 1998-12-15 (Released:2011-05-24)
参考文献数
14

In this study, we investigated 45 foreign patients who had been diagnosed as having tuberculosis in Chugoku-Shikoku area during the past 12 years. Regarding regional characteristics, in Hiroshima prefecture an epidemic of tuberculosis was experienced among patients coming from South America, but antituberculous therapy was performed for 87% of the patients because of the high coverage of the health insurance scheme. But in Okayama prefecture, most of the patients were female and came from Asian countries, such as, the Philippines. Antituberculous therapy was not performed for nine patients because of no coverage of the health insurance scheme. In the other prefectures, only a few cases of tuberculosis were experienced, but in Yamaguchi prefecture two of three foreign patients were multidrug-resistant tuberculosis.

13 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1925年10月30日, 1925-10-30
著者
田中 雅一
出版者
京都大学大学院人間・環境学研究科 文化人類学分野
雑誌
コンタクト・ゾーン (ISSN:21885974)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2013, pp.30-59, 2014-03-31

本稿の目的は、日本におけるセックスワーク(売春)の性質を、肉体労働、感情労働、官能労働の3つの労働から理解しようとするものである。資料は5人の日本人女性セックスワーカーたちへのインタビューに基づく。セックスワークは、1970年代に作られた言葉で、売春をほかの仕事(ワーク)と同じく合法的な活動(サービス産業)ととらえるべきであるという主張がこめられている。しかし、このような主張には、根強い批判が認められる。ひとつは、セックスワーカーが人身売買の犠牲者であって、セックスワークを合法化しようとするのは、その犯罪性を隠蔽することになるという主張である。二つ目は、セックスワークは若くて未熟なワーカーが喜ばれ、価値もあるという点で、熟練度が重視される通常の仕事と同じだとみなすべきではないという主張である。最後の批判は、本来私生活に属するセックスを仕事とすることで、ワーカーたちは多大な精神的被害を受けるはずであるため仕事とはいえないという批判である。本稿では、セックスワーカーたちと顧客との親密なやり取りについての語りを分析することで、これらの批判の妥当性を吟味した。日本のセックスワーカーは、1時間から2時間を単位として顧客と限られた時間を過ごす。彼女たちは、顧客の支払額を増やすためにできるだけ長くいること(延長)を顧客に求め、また収入を安定させるために繰り返し一人の女性を指名する常連を増やそうとする。顧客はワーカーが自分に好意を示し、自分との性行為によってオーガズムに達することを好む。このような顧客の要望に応じるため、ワーカーは「感情労働」を通じて好意があるかのような演技をする。オーガズムについては、あたかも女性が感じているかのようなふりをする「官能労働」が必要となる。本稿のデータから明らかなのは、どのワーカーも自分を犠牲者だとみなしていないことである(だからといって、日本のセックスワーカー全員が犠牲者ではないとはいえない)。また、素人が好まれることから、素人のようにふるまう技術を身につける。さらに、顧客の気づかないところで気を遣い、暴力を回避するための交渉を行っている。顧客の要望に応じて、感情労働や官能労働の主体として彼女たちは積極的に顧客と接しているのである。たしかに、セックスを仕事にすることで私生活に影響が出るが、これはむしろ合法化することで解決可能だと考えられる。問題があるから合法化すべきでないというのは本末転倒であろう。
著者
久留 聡
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.109-114, 2021 (Released:2021-02-23)
参考文献数
39
被引用文献数
1

スモン(subacute myelo-optico-neuropathy)は,1960年代に多発した中毒性神経疾患である.腹部症状が先行し,下肢末端から上行する異常知覚・感覚障害,痙性麻痺,視力障害をきたす.当初は原因として感染が疑われたが,緑尿分析からキノホルム説が浮上し,疫学調査・動物実験により確認された.日本最大の薬害となった背景には,外用薬の内服薬への転用,安全神話,杜撰な投与量規制,国民皆保険制度による投与量増加,腹部症状の複雑性など多くの要因が存する.現在も恒久対策として患者検診が継続して実施されている.今後はキノホルム神経毒性機序や感受性の研究,薬害スモンの風化防止が重要である.
著者
星 周一郎
出版者
首都大学東京都市教養学部法学系
雑誌
法学会雑誌 (ISSN:18807615)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.111-150, 2013-01-31

13 0 0 0 OA 愛知県統計書

著者
愛知県総務部統計調査課 [編]
出版者
愛知県
巻号頁・発行日
vol.昭和4年 第1編, 1931
著者
波多江 崇
出版者
日本社会薬学会
雑誌
社会薬学 (ISSN:09110585)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.98-100, 2014-12-10 (Released:2015-09-04)
著者
商業興信所 編
出版者
商業興信所
巻号頁・発行日
vol.明治29年, 1911

13 0 0 0 OA 信濃奇勝録

著者
井出道貞 等著
出版者
井出通
巻号頁・発行日
vol.巻之1, 1887
著者
山森 光陽 岡田 涼 山田 剛史 亘理 陽一 熊井 将太 岡田 謙介 澤田 英輔 石井 英真
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学年報 (ISSN:04529650)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.192-214, 2021-03-30 (Released:2021-11-16)
参考文献数
93

この紙上討論の目的は,メタ分析や,メタ分析で得られた結果を多数収集し,メタ分析と同様の手続きでさらなる統合的見解を導く分析(スーパーシンセシス)といった,研究知見の統計的統合が,学術的な教育研究の持つ現象理解と理論形成,社会的要請への応答という二つの役割に対して果たしうる寄与を議論することである。日本の教育心理学におけるメタ分析の受容の経緯と最近の研究動向の概観を踏まえ,研究知見の統計的統合の普及が,個々の一次研究をサンプルと見なし,これらの積み重ねで結論を導こうとする態度の広まりといった,教育心理学および隣接領域での研究上の意義が示された。また,「エビデンスに基づく教育」を推進する動きとその是非に対する議論の活発化といったことも背景として,効果量のみに注目する単純化された見方がもたらされ,研究知見の拙速な利用が促されるといった社会的・政策的影響が見られることも示された。その上で,これらの意義や問題に対して議論がなされた。研究知見の統計的統合は現象理解と理論形成に一定の貢献をするものの,因果推論を行うためには個票データのメタ分析が必要となり,そのためのオープンサイエンスの推進の必要が指摘された。また,研究知見の統計的統合が,精度が高く確からしい知見をもたらし得るものと見なされ,その結果が平均効果量といった単純な指標で示されることから,教育の実践者が持つ判断の余地の縮小や,教師の仕事の自律性の弱化を招きうるといった危惧が表明された。これらの議論を通じて,研究知見の統計的統合は,現象理解と理論形成に対しては,知見群全体の外的妥当性を高めるための有効な手立てであることが示され,構成概念の再吟味や概念的妥当性の検証にも寄与する可能性があり,教育心理学の理論自体の精度と確からしさを高めることにつながる展開が期待できることが導かれた。社会的要請への応答に対しては「何が効果的か」を知りたい,明解でわかりやすい結論が欲しいという要望には応えていることが示された。一方,この討論で指摘された諸問題は,教育心理学が産出する研究知見そのものが研究分野外に与えるインパクトそのものを問うものであることも示された。最後に,研究知見の統計的統合が,現象理解と理論形成,社会的要請への応答という二つの役割をいっそう果たしていくためには,教育心理学の領域の内外で,合理的な知見を伝達し交わし合うことに対する意識が,これまで以上に求められることを論じた。
著者
善教 将大
出版者
日本政治学会
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.2_163-2_184, 2016 (Released:2019-12-10)
参考文献数
47

本稿の目的は, 政党支持の規定性, 具体的には長期的党派性の投票行動に対する影響を検証することである。政党支持の規定性は, これまで多くの研究者が議論してきた安定性とは対照的に, ほとんどその妥当性に関する検証作業が行われていない。本稿では実験的手法を用いて, 行動意欲とは異なる長期的党派性は, 政党ラベルや候補者要因が投票行動に与える効果をどの程度条件付けるのかを分析することで, 政党支持の規定性の検証を試みる。大阪市および近畿圏在住の有権者を対象とするサーベイ実験の結果, 長期的党派性は政党ラベルの因果効果を常に高めるわけではないことが明らかとなった。この知見は, 政党支持は規定的であるという通説的見解に疑義を投げかけるものであると同時に, 有権者における政党支持の 「揺らぎ」 を示唆するものでもある。
著者
標葉 隆馬
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.140-154, 2021-07-19 (Released:2021-07-19)
参考文献数
51

Under the crisis of the pandemic of COVID-19, various stakeholders should discuss not only scientific risk but also its broader social impacts, including various ethical, legal, and social issues (ELSI). In this paper, I describe discussions on ELSI of the pandemic from literature reviews and extracted ELSI agendas for the further discussions. Through analysis of literatures, I will point out that social vulnerability and gender equality is the essential perspectives for academic and policy-making on COVID-19.