著者
中村 麻里子
出版者
慶應義塾大学
雑誌
哲學 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.108, pp.45-66, 2002-02

投稿論文1. 序2. 初期の心理学における内観と行動主義による批判 2-1. 初期の心理学における内観 2-1-1. ヴントの心理学 2-1-2. ティチェナーの心理学 2-1-3. ヴュルツブルグ学派 2-2. 行動主義による内観批判と内観心理学3. 哲学における内観の検討 3-1. 内観に関する高階の表象説 3-2. ドレツキによる表象主義 3-2-1. 置き換えられた知覚とメタ表象 3-2-2. 3つの気づき(awareness)の区別を用いた内観の特徴づけ 3-2-3. 表象内容の外在説と内在主義的な高階説の比較 3-3. 色に関する外在説と内在説 3-3-1. 色に関する内在説 3-3-2. 色に関する外在説4. 結論Introspection has been used to study mental states or consciousness. In psychology, the method of introspection was criticized by behaviorists because the method of introspection was subjective and so not reliable, though introspection is used in some psychological experiments even today. What we should be careful here is the target of the criticism; whether introspection or the content of introspection is subjective. Here we are talking of only the introspection of perceptive content. The content of introspection has been thought as something like a mental image, which is inevitably subjective. According to internalism, introspection is the internal process, so the content of introspection is also internal and subjective. Dretske suggests that the content of introspection be objective. When we are aware of experience having some properties, we are aware of something objective having these properties. We aren't aware of something subjective when we introspect our perception. This idea can make the content of introspection objective, and reliable in psychological researches. However, such idea doesn't perfectly exclude subjectivity from introspection. Introspection has the subjective property in that it is always experienced by one person. But the content of introspection itself, different from the introspective event, is objective. For we are aware of facts when we introspect.
著者
芳澤 直起
出版者
香川県立文書館
雑誌
香川県立文書館紀要
巻号頁・発行日
no.20, pp.35-46, 2016
著者
森 順子
出版者
人間環境大学
雑誌
こころとことば = Mind and language (ISSN:13472895)
巻号頁・発行日
no.8, pp.47-60, 2009-03-31

シェイクスピアが作品の中で主要人物に国有の名前をつけないということは稀である。 マクベスの妻は始めから終わりまで、マクベス夫人と呼ばれる。これはマクベスとマクベス夫人との緊密な関係を象徴するものである。二人は独自の方法で愛し合う。マクベスとマクベス夫人に特有な夫婦愛の実体を心理的な側面から分析解明する。

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著者
高橋 正子
出版者
一般社団法人 日本数学会
雑誌
数学 (ISSN:0039470X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.302-316, 1986-10-30 (Released:2008-12-25)
参考文献数
23
著者
田中 敬吉
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
東京帝國大學航空研究所報告
巻号頁・発行日
vol.1, no.10, pp.247-304, 1925-03

氣〓が放射状に配列せる星型發動機に働く慣性.慣性偶力等を論ずるに當りてその固定式なると廻轉式なるとを問はず普通簡單にその構造を一般の發動機の如く單傾斜の構造と假定する.然れども星型發動機は多くの場合主連桿副連桿の構造を有して復傾斜となる.本論文はこの復傾斜を考慮してこの種の發動機に働く不平衡力.不平衡偶力等を求め且つそれ等の平衡法に就て多少論ぜしものにしてその概要は下の如し。1.單傾斜と假定せば發動機に働く慣性はhを氣〓數とせば(h-2)次まで.即ち殆んど完全に平衡の状態となるものなるが復傾斜の結果固定式の場合は(10)式廻轉式の場合は(41)式で示せる不平衡力が殘る.之を圖示せば第九圖に於て前者は圓周の軌跡を畫き後者は水平軸の方向にのみ働きてその大きさは前者の1/2に等し。2.此の星型發動機の一氣〓當りの不平衡力は8氣〓V型12氣〓W型のものより小にして6氣〓垂直.12氣〓V型のものよりも遙に大なり.此の不平衡力を減少せしむる方法は主連桿の構造の許す限り肘桿栓の距離aを小さくする事にして換言せば復傾斜を出來得る限り單傾斜に近ける事なり。3.發動機の運動部分の質量の不同及び肘桿栓の距離aの不同が發動機の不平衡力に及ぼす影響は可なりのものにして固定式の場合に就て第一章第五節に論ぜり.質量の不同は主として主連桿と副連桿の質量不同に基くものなれば出來得る限りそれ等の質量を等くする事必要なり.aの不同は壓縮比を一定にする爲に避け難きものにしてその影響は前者よりも小なり。4.慣性.慣性偶力に依る發動機の廻轉能率も單傾斜と假定せば殆んど完全に平衡状態となる可きものにして復傾斜の結果固定式は(17)と(18)式廻轉式は(45)と(46)式で與へらるる廻轉能率を惹起す.後者は前者より能率曲線に及ぼす影響大にしてその大さ前者の三倍に相當す.然れども後者に於ては廻轉する氣〓及び曲栓室がはずみ車の役目を演じその大なる影響を減殺するものと考へ得る。5.發動機の「フレーム」に與ふる偶力も復傾斜の結果固定式は(23)と(24)式廻轉式は(54)と(55)式で示さるゝ不平衡偶力を生す.而して此れ等の不平衡偶力の「フレーム」の能率曲線に與ふる影響は略等くして廻轉式の場合の廻轉能率の影響と等しき程度のものなり。本論文は栖原教授の懇切なる指導の賜なり.茲に厚く謝意を表する次第なり。
著者
長友 謙治
出版者
比較経済体制学会
雑誌
比較経済研究 (ISSN:18805647)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.2_23-2_35, 2016 (Released:2016-06-28)
参考文献数
28

ロシアの農業生産は,1990年代の市場経済移行期に劇的に縮小したが,2000年代以降回復が進んだ.回復の中心となった自然条件や地理的条件に恵まれた地域では,農業組織の法人形態の農業生産協同組合から有限責任会社や株式会社への転換と,農業投資の拡大が同時並行的に進んでいた.こうした現象が生じたのは,その背後で,アグロホールディングに代表されるような,企業家による農業組織の所有と経営の集中が進行していたためと考えられる.
著者
小谷 治子 日野 弘之 武市 知己 白石 泰資 小倉 英郎
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, pp.473-478, 2005-11-01 (Released:2011-12-12)
参考文献数
9
被引用文献数
3

気管切開後に呼吸障害が再出現した重症心身障害者4例で, 原因とその対策を検討した.全例でカニューレ下端が気管狭窄部に接し, 同部に動脈性拍動を伴う肉芽が認められ, 3例で気管軟化症を合併していた.3例でカニューレ下端を病変部より口側固定に変更し (うち気管軟化症を伴う1例にはステントを併用), 経過は良好である.高度の気管軟化症を伴い, ステント留置のみを行った1例は気管腕頭動脈瘻のため死亡した.重症心身障害者の気管切開の合併症予防には, 解剖学的検討による長さや角度が適切なカニューレ選択が重要であり, 高度の気管軟化症がない場合は, 狭窄部や動脈近接部の口側に固定できる短いカニューレが適切であると考えられた.