- 著者
-
草苅 仁
- 出版者
- 日本農業経済学会
- 雑誌
- 農業経済研究 (ISSN:03873234)
- 巻号頁・発行日
- vol.83, no.3, pp.146-160, 2011-12-25 (Released:2014-03-31)
- 参考文献数
- 22
- 被引用文献数
-
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本報告では食料消費サイドのベースラインを提示する.課題は次の3点である.(1)日本の家計が経験してきた戦後の食生活の変化を考察して,その規定要因を明らかにする.(2)今後の国産農産物需要の見通しを明らかにする.(3)家計と農業の連携(家計による持続的な国産農産物の需要)の可能性を探る.結論は以下のとおりである.(1)戦後の食生活を主に規定した要因は栄養学的な要因ではなく,経済的要因である.(2)このままの状態では,家計の食料消費における国産農産物需要の割合は減少していく.(3)今後,家計が持続的に国産農産物を需要して,家計と農業が連携していくためには,国内農業の生産効率を向上させる必要がある.