著者
江下 雅之 Masayuki ESHITA 目白大学社会学部社会情報学科
雑誌
目白大学経営学研究 = Mejiro journal of management (ISSN:13485776)
巻号頁・発行日
vol.(6), pp.89-03, 2008

2006年12月に発売された任天堂のゲーム機Wiiは、新たなゲーム市場を開拓し、全世界で好調な売れ行きを記録している。しかしながら、任天堂が大幅な増産を図らないために市場は慢性的な品薄状態となり、発売前の予約段階はもちろんのこと、発売から数ヶ月後に至るまでネット・オークションでの転売が活発であった。Wiiをめぐるオークションの入札動向は、店頭発売日前後で大きく異なる。落札価格、各オークションへの入札計数とも、店頭販売当日まで上昇を続けた。しかし、こうした過熱は出品数が急増することで解消されている。また、落札価格、入礼者数ともに単調な増減を示すことはなく、おなじ日でも上下に振幅している。他方、オークション参加者はこうした傾向を考慮した入札を行っているのではなく、入礼者の参加時点で把握可能な出品機会のもとで競合の度合いを判断しているものと考えられる。
著者
小川 健
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.331-335, 2019-08-10

いわゆる「アクティブラーニング」の推奨に伴い,将来の反転授業を想定した予習・事前学習用の動画・音声資料の重要性が高まりつつあり,多くの実践事例が報告されつつある.その一方で,せっかく動画・音声資料を準備しても,予習として音声・動画資料の視聴を強制されることに対する拒否感も学生には少なくなく,それによる受講拒否も出つつある.本報告では,動画・音声資料の導入に学生が拒否をした事例,及び動画・音声資料を用意したが故に講義に殆どの学生が来なくなった事例を報告する.
著者
田中 麻子
出版者
国際基督教大学ジェンダー研究センター
雑誌
Gender and Sexuality (ISSN:18804764)
巻号頁・発行日
no.9, pp.91-112, 2014-03-31

Pubic hair removal has become very normative in recent years, especiallyfor young women in western countries. It has also influenced contemporaryJapanese women in their twenties and thirties. On one hand,“Hygienina,” which is derived from “Hygiene(originally meanscleanliness)”, has been a focal point of cleanliness and fashion in Japan. Onthe other hand, many Japanese women are hesitant to remove all of theirpubic hair because of the stereotype that they are forced to remove it.Further, removal of all of the hair is seen as lewd and instigates socialprejudice. My research was investigated Japanese women’s experiences ofpubic hair removal and social awareness about female genitals and pubichair removal in Japan. I interviewed 65 women who have removed theirpubic hair, and found that the half of interviewees had experiences ofremoving all of their pubic hair, and hair removals were performed for thesake of cleanliness and not for reasons related to sexual activities. I alsoconcluded that in comparison with western countries, Japan has a strongsocial norm not to remove all pubic hair and sexual prejudice againstpeople who deviate from that norm. Furthermore, my research clarifiedthat these women are not only overwhelmed by social norms, but they arealso actively engaged in trying to change social awareness. They are alsobuilding self-esteem through enjoyment of pubic hair removal experience.
著者
松崎隆哲 白土浩 久良修郭
雑誌
第75回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.419-420, 2013-03-06

(公財)北九州国際技術協力協会では、平成24年7月から9月にかけて、アフリカ地域の大学教員や教育機関関係者4名に対して、「アフリカ地域 実践的電気・電子技術者育成-教育と現場技術の格差解消をめざして-」というテーマの研修を実施した。我々は、その研修において電子回路や組込みシステムに関するテーマを担当し、参加者に対して組込みコンピュータ、ディジタル回路設計(74IC)、FPGA設計手法と言った内容の講義を実施した。本発表では、講義で実施した内容、参加者からの意見等、そしてアフリカ地区における教育環境に関して簡単に紹介する。
著者
吉澤 英里
出版者
環太平洋大学
雑誌
環太平洋大学研究紀要 = BULLETIN OF INTERNATIONAL PACIFIC UNIVERSITY (ISSN:1882479X)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.197-204, 2020-03-31

学校現場では「いじり」と称した「いじめ」が問題となっている。「いじり」という俗語は, 2000年代半ばに定着し,主に他者をかまって,からかうことを指す。2000年代以前にも「いじり」という言葉は用いられてきたが,「庭いじり」,「機械いじり」あるいは「機構いじり」のように,主に物質や集団,制度などに手を加えて変化させるという意味であった。本研究の目的は,(1)「いじり」という俗語はどのように定着していったのか,(2)「いじり」と称した「いじめ」はいつ頃から社会問題として捉えられるようになったのか,の2点を明らかにすることである。朝日新聞の1984年から2015年までに掲載された記事のうち,タイトルか本文中に「いじり」を含むものを指定して検索し,2,228件を分析対象とした。そのうえで,「いじり」の対象が人であった90件について,年代ごとに記事の内容を整理した。
著者
大戸 康紀
雑誌
研究報告アルゴリズム(AL) (ISSN:21888566)
巻号頁・発行日
vol.2020-AL-180, no.23, pp.1-10, 2020-11-18

本論文では,NP 完全問題の一つである k-Clique 問題の最適化バージョンである最大クリーク問題が多項式時間で解けることを証明します.入力グラフ G を辺に有理数の重みを持つ Undirected graph へ拡張します.すべての辺が重み 1 であり,すべての頂点が他の頂点との間に辺を持つ Subgraph をクリークとします.最大クリークの一つを多項式時間で抽出するアルゴリズムを構成する上で必要な証明を行うとともに,そのアルゴリズムを擬似コードの形で与えます.Adjacency matrix の -1 以下の固有値の個数を km(G) とすると,Cauchy Interlacing Theorem により最大クリークの頂点数 k は km(G) +1 以下となります.アルゴリズムでは,km(G) の変化を用いて,頂点を削除したときに最大クリークサイズを変化させない頂点を削除していきます.このアルゴリズムの計算量は O(n8) です.この結果は complexity class NP と P が同じであることを示しています.
著者
渡辺 観智 福田 直樹
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.479-480, 2017-03-16

マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ(MOBA)ゲームのような競争要素が含まれるチームバトルゲームにおいて,競争の過熱による副作用の1つとしての,プレイヤーのToxic behaviorに対して,その特徴の分析などが行われてきている.本研究では,ゲーム内におけるプレイヤー間の衝突改善に焦点を当て,プレイヤーの振る舞いの特徴量に基づいてプレイヤーの動作がToxic behaviorであるかどうかを分類し,Toxic Behaviorが検出された際に衝突緩和のための動作を行うための機構の試作について述べる.本機構をゲーム内へ導入することに よって,マルチプレイヤーオンラインチームバトルゲームにおけるToxic Behaviorの発生や影響の緩和を目指す.
著者
俵 敏弘 武山 佳洋 葛西 毅彦 岡本 博之 上村 修二 井上 弘行 諸原 基貴 江濱 由松
出版者
市立函館病院
雑誌
函館医学誌 = Hakodate medical journal = Hakodate medical journal (ISSN:09100725)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.37-40, 2018-10-31

グリホサート・界面活性剤含有除草剤(glyphosatesurfactant herbicide;GlySH)は雑草枯死目的で用いられ,入手も容易であり,本邦では自殺目的の服用が多数報告されている1)。主な中毒作用としてはグリホサートによる腎機能障害や代謝性アシドーシス,界面活性剤による粘膜刺激・消化管腐食作用,肺障害,心筋抑制等が知られている2)。 今回我々は喉頭浮腫をきたした重症グリホサート中毒を4例経験したので,その病態および治療等について,文献的考察を加えて報告する。