著者
北村 雅史
出版者
京都大学 (Kyoto University)
巻号頁・発行日
2001-07-23

新制・論文博士
著者
鈴木 一路 吉田 幸一郎 渡辺 正
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.158-163, 1996-03

バイオセンサーは生体素材の持つ高度の分子認識機能を利用した物質センサーであり, 医療, 食品工業, 環境計測など広い分野での応用が期待されている. 最近, 導電性ポリマーを用いて酸化還元酵素を電極上に固定した電気化学バイオセンサーが注目されており, 電子メディエーターの同時固定, 電極一酵素間の直接電子移動などこれまでの固定化法になかった特徴を持つ. 本稿ではこのようなセンサーの研究小史, 計測原理などを解説し, 筆者らがこれまでに実施してきた研究の一部を紹介する.
著者
犬飼 哲夫
出版者
札幌博物學會
雑誌
札幌博物学会会報
巻号頁・発行日
vol.17, no.3-4, pp.56-59, 1943-12-31
著者
池島 徳大 吉村 ふくよ 倉持 祐二
出版者
奈良教育大学教育学部附属教育実践総合センター
雑誌
教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:13476971)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.261-270, 2007-03-31

本研究では、アメリカの学校で行われているピア・メディエーション(仲間による調停)の実際を紹介し、その考え方や導入の方法、利点等についての知見を提供することを目的とした。ピア・メディエーションは、わが国の喫緊の教育課題となっているいじめ問題の対応策の一つとして、極めて有効な方法となりうる可能性をもち、今後、学校教育への導入が期待されるプログラムである。尚、メディエーション(調停 "Mediation")と関連する、交渉 "Negotiation"、仲裁(裁定) "Arbitration" の概念についても若干整理して示した。
著者
安成 哲三
出版者
京都大学ヒマラヤ研究会・京都大学ブータン友好プログラム・人間文化研究機構 総合地球環境学研究所「高所プロジェクト」
雑誌
ヒマラヤ学誌 : Himalayan Study Monographs (ISSN:09148620)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.19-38, 2013-03-20

本稿では第三紀末から第四紀にかけてのヒマラヤ・チベット山塊の上昇と, それに伴う気候・生態系変化が人類の起源と進化にどう影響を与えてきたかを, 最近30年の地球科学, 人類学の研究をレビューしつつ, 考察を試みた. チベット・ヒマラヤ山塊の上昇は, 第三紀末からアジアモンスーン気候と西南アジアから北アフリカにかけての乾燥気候を強化していった. 特に5-10Ma(Ma: 百万年前)頃の, 東アフリカの大地溝帯の形成による赤道東アフリカの気候の乾燥化と草原生態系の拡大は, 原人類の起源に重要な意味を持っていることが明らかとなった. チベット・ヒマラヤ山塊の上昇に伴うモンスーン降水の増加は山塊の風化・侵食過程を通して大気中のCO[2] 濃度減少を引き起こし, 地球気候を第三紀から第四紀の寒冷な氷河時代へと導入していった. CO[2] 濃度の低い大気環境によるC[4]植物の草原の拡大は有蹄類の動物の多様な進化を促し, このことは原人類の進化にも大きく影響したと考えられる. 第四紀は氷床の拡大縮小を伴う4万年から10万年周期の激しい気候変動の時代となったが, チベット高原における雪氷の拡大縮小は, 気候変動を増幅する役割を持っていた可能性が高い. 氷期サイクルに伴い東アフリカの湿潤・乾燥気候の分布が大きく変動したことは, 原人類の更なる進化とユーラシアへの移動を促す重要な契機となった. 第四紀の寒冷な気候とアジアモンスーンの弱化に伴う中央アジア・西南アジア地域の広大な草原・ステップの形成は, 多様な草食性動物の棲息の場となったが, この地域に移動した新人類の進化にとって, これらの草食性動物との共存関係は重要な意味を持つと考えられる. 最終氷期が終わった10Ka(Ka:千年前)1万年前以降, 温暖で比較的安定な完新世の気候の下で, チベット・ヒマラヤ山塊の東と西で, 人類はイネと麦類を中心とする農耕を始めて新たな文明の時代に入ったが, 同時に地球環境を人類自らが大きく変化させるという新たな問題を生み出す時代の始まりにもなっている.
著者
杉本 欣久
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2009

制度:新 ; 報告番号:乙2202号 ; 学位の種類:博士(文学) ; 授与年月日:2009/3/2 ; 早大学位記番号:新4964
著者
正躰 朝香
出版者
京都産業大学
雑誌
京都産業大学論集. 社会科学系列 (ISSN:02879719)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.71-85, 2018-03

国際関係論におけるアイデンティティ概念を概観した上で,地域統合とアイデンティティの関係性,特にヨーロッパ統合の深化においてアイデンティティの構築や強化が果たす役割を考察する。経済統合から政治統合へと射程を広げるにつれて,EUにおけるアイデンティティについての施策は,文化的多様性の尊重と同時に,共通のヨーロッパ文化を意識させることが「ヨーロッパ・アイデンティティ」を醸成するものとされ,統合への支持を高めるための政治プロジェクトとして進められてきた。 しかし,ユーロ危機,移民・難民の大量流入,英の離脱決定という困難な状況下,EUへの不満や極右勢力の躍進が著しい。現状で必要とされるのは,EUという地域統合体への帰属がもたらす恩恵の確認と,そのための義務や負荷を負うことへの意思の共有としての「EUアイデンティティ」の強化である。
著者
宇佐美 龍夫 浅野 潤三
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大學地震研究所彙報 = Bulletin of the Earthquake Research Institute, University of Tokyo (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.271-394, 1969-07-31

A bibliography of field studies on major earthquakes in Japan was prepared. This includes papers concerning the field inspection, seismometrical study, study of related phenomena and investigation on damages which were published before the end of 1965. The list consists of the following items: (1)reference number (2)author's name (3)title of the paper (4)name, volume, year and page of Bulletin in which the paper is published or name of publishers (5)name and year of earthquake studied (6)main subject Date, name, latitude, longitude, focal depth, magnitude and reference number of earthquakes are arranged in another table. Papers are classified by the year of earthquake and main subject and arranged in a form of table.
著者
佐々木 陽子 SASAKI Yoko
出版者
現代民俗学会
雑誌
現代民俗学研究 = Journal of Living Folklore (ISSN:18839134)
巻号頁・発行日
no.4, pp.25-38, 2012-05

The objective of this paper is to explore the meaning contained in the apparently irrational act of preparing food that will never be consumed by the persons for which it is intended, based on a survey of the views of 75 persons with regard to the acts of kagezen (a tray of food for temporarily absent people) and o-sonae (an offering to the dead—people who will never return). The study revealed that kagezen, which is thought to have been a custom related to war, is still practiced, and that o-sonae functions as a mechanism for sharing food with closely related deceased and conversing with them. O-sonae appears to be used by the living as a means of expressing the thought that they will not forget closely related deceased. The institutionalization of o-sonae also appears to help the living to avoid nihilistic thoughts by furnishing a peaceful image of the deceased and encouraging them to believe in the happiness of the deceased in the next world.
著者
趙 熠瑋
出版者
北海道大学大学院文学研究科
雑誌
研究論集 (ISSN:13470132)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.339-358, 2013-12-20

荻生徂徠は江戸幕府最盛期に伊藤仁齋と竝される古學派の儒學者である。荻生徂徠については、これまで多くの研究が積み重ねられてきた。特に、丸山眞男の『日本政治思想史研究』は後の徂徠研究に多大な影響を與えた。丸山氏は徂徠の近代性を強調し、「朱子學的思惟式とその解體」、「徂徠學の政治性」、「徂徠學における公私の分裂」などを論點として捉えた。ほかに、平石直昭、子安宣邦、吉川幸次郎の各氏も々な角度から徂徠の反朱子學という點を論じた。しかし、吉川幸次郎氏が「徂徠學案」に示したように、徂徠の學術も人生も一定不變ではなく、幾つかの段階を踏んで所謂徂徠學が形成された。1714年、徂徠49歳の頃、『園隨筆』が刊行され、1717年、『辨名』、『辨道』、『學則』が刊行された。1718年、53歳の頃、徂徠の「四書」注釋の集大成作『論語徴』が完成した。これまでの研究によれば、徂徠は基本的に朱子學を批判する立場で自らの儒學論を展開した。果たして徂徠の學術人生は終始變わらなかったのであろうか。それとも、時期によって徂徠の考えにも變化があるのであろうか。本稿では、執筆時期を異にする徂徠の著作の吟味を通じて、徂徠學の中心的概念と思われる「道」について、時間經過を辿って證した。その結果、徂徠の反朱子學的な學説に變化の過程があったことが判明した。