著者
神嶌 敏弘
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.1368-1372, 2014-11-15

データ分析における社会的問題の側面を扱う本特集の中で,本稿では,データマイニングにおける公正性・中立性について述べる.前半では公正性に関するWeb広告での事例をとりあげ,このような問題に対処するための公正配慮型データマイニングの技術を紹介する.後半では,個人化技術の中立性に関する指摘であるフィルターバブル問題をとりあげ,個人化技術コミュニティでの議論と調査研究を紹介する.
著者
福田 博同
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学文学部紀要 = JOURNAL OF ATOMI UNIVERSITY FACULTY OF LITERATURE (ISSN:13481444)
巻号頁・発行日
no.53, pp.A49-A75, 2018-03

建武頃(1334-35)山城で活躍した〔初代信国〕から応永頃活躍した三代信国までの刀匠〔山城信国〕については、『跡見学園女子大学文学部紀要』No.52,2017,p.79-107 1)(以下、「前号」という)で推敲した。本稿では、永享十二年(1440)豊前宇佐へ移住した四代信国からハ代信国までの〔宇佐信国〕や、慶長七年(1602)筑前へ移住した九代信国から明治までの〔筑前信国〕(総称し〔筑紫信国〕という)を中心に、より史実に近い系譜を推敲する。
著者
池辺 正典 田中 成典 古田 均 中村 健二 小林 建太
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.1687-1695, 2006-06-15

近年のインターネットの複雑化にともない,Web の自動解析による情報取得に対する需要が高まっている.そのため,Web ページをカテゴリに分類する手法やWeb の関係情報を解析する手法が数多く提案されてきた.しかし,既存の研究では,Web の自動解析は,リンク関係を中心とした解析を行っており,リンク関係のないWeb ページを関連付けることが困難であった.このため,本論文では,リンク構造解析だけでなく,形態素解析によって任意の単語から関係情報の抽出を行うことで,リンク関係のないWeb ページを関連付ける.また,その結果と品質判定を行ったリンク構造解析結果を組み合わせることで,信頼性の高いWeb ページの関係図を作成する.さらに,アルゴリズムの評価として,Web から取得した情報を利用して,組織の関係図を作成する.そして,既存研究においての主要な方式であるリンク構造解析による結果との比較を行った.評価方式には,リンク構造解析で一般的に用いられている評価値とグラフ理論による可視化を採用し,その結果から本方式の有用性を確認した.
著者
松本 浩之 柳生 和男
出版者
文教大学
雑誌
生活科学研究 = Bulletin of Living Science (ISSN:02852454)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.29-41, 2014-03-01

平成25年9月に松本と柳生は、ドイツの首都ベルリン特別市の北東部にあるリヒテンベルク行政区の基礎学校 (Grundschule) と上級学校 (Oberschule) を訪問し、日本の学校のいじめにあたるモビングを予防する教育プログラムの実践を見る機会を得た。モビング予防のための教育プログラムとその実践状況を報告し、日本の学校におけるいじめのとらえ方とその対策との比較を行い、リヒテンベルク市におけるプログラムの日本の学校への導入の可能性について考察した。
著者
大釜 信政 中筋 直哉
出版者
ヒューマンケア研究学会
雑誌
ヒューマンケア研究学会誌 = Japanese Society of Human Caring Research (ISSN:21872813)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.1-10, 2014-09-30

本研究は、在宅医療現場における看護師の裁量権拡大について、訪問看護事業所サービス利用者の家族認識を明らかにすることを目的とした。 455 名の家族に対して質問票を配布し、300 名から有効回答を得た。その後、質問票に回答した家族の中から5 名を抽出し、半構成的面接調査を実施した。 この調査結果から、看護師が行う診療に対する家族の認識としては、条件付きでこれを容認できる意向や、また、この理由等が明らかとなった。そして、利用者が置かれる診療環境、家族の性別、世代的特徴といった要因に大きく左右されることのない、医療サービスに対する普遍的な価値観や経験的見地に基づきながら、看護師が行う診療に対する認識へと繋がっている旨が示唆された。
著者
河原 英紀
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:21888663)
巻号頁・発行日
vol.2018-SLP-125, no.18, pp.1-5, 2018-12-03

新しいスペクトル包絡計算法,新しい瞬時周波数および群遅延計算法,周波数領域 velvet noise による新しい混合音源に基づいて,20 年前に構想された音声分析変換合成法 STRAIGHT を再構築する.本報告では,背景とそれらの構成要素を紹介し,検討課題と今後の進め方について議論する.
著者
東 佳澄 西村 愛美 木我 敬太 中川 隆生 永井 匡 岸 昌生 細井 美彦 安齋 政幸
出版者
近畿大学先端技術総合研究所
雑誌
Memoirs of Institute of Advanced Technology, Kinki University = 近畿大学先端技術総合研究所紀要 (ISSN:13468693)
巻号頁・発行日
no.16, pp.43-50, 2011-03-01

[要約] 本研究では、ICR系統マウスを用いた体外受精ならびに、初期胚の体外培養について検討した。体外受精では、常法により過剰排卵処置を施した成熟雌マウスより卵を回収し、前培養を行うことにより、受精能を獲得させた精子と共に培養し、受精させた。精子前培養培地および受精培地からウシ血清アルブミンを除き、L-カルニチンを添加した修正HTF培地を用いた。その結果、L-カルニチン添加濃度0mMでは48%(162/337)、1mM では12%(35/294)、2mM では0%(0/311)、5mM では0%(0/292)、10mM では0%(0/270)の受精率が得られた。続いて胚培養を行った結果、L-カルニチン添加濃度0mM では78%(127/162)、1mM では57%(20/35)であり、2mM、5mM、10mM では胚の発生には至らなかった。次に、高分子物質のPVA を0.1%添加した培地でも同様の実験を行い、L-カルニチン添加濃度0mM では25%(96/390)、0.1mM では25%(91/362)、0.5mM では30%(77/256)、1mMでは34%(117/347)の受精率が得られた。続いて胚培養を行った結果、L- カルニチン添加濃度0mMでは80%(76/95)、0.1mM では81%(74/91)、0.5mM では95%(70/74)、1mM では73%(85/117)が胚盤胞期胚へ発生した。これらの結果から、L- カルニチン高濃度における受精阻害を呈することが明らかとなった。また、L-カルニチンに高分子物質であるPVA を添加することで、ウシ血清アルブミンの代替物質になる可能性が示唆された。 [Abstract] The present study examined in vitro fertilization that used the ICR mouse and the in vitro culture of the early embryo. Newly ovulated eggs from mature mouse injected PMSG and hCG were inseminated in vitro with spermatozoa recovered from the cauda epididymidis of mature males. Preculture medium of sperm and fertilization medium added the L-carnitine without bovine serum albmin. Percentage of fertilization were 48%(162/337)at L-carnitine 0mM and 12%(35/294) at L-carnitine 1mM. Following the percentage of blastocyst were 78%(127/162) and 57%(20/35). Next, the same experiment was performed using the medium that added 0. 1% PVA of polymeric mass. Results of the fertilization rate were 24%(95/390) at L-carnitine 0mM and 25%(91/362) at L-carnitine 0.1mM and 30%(77/256)at L-carnitine 0.5mM and 34%(117/347) at L-carnitine 1mM. Following the rate of developed to blastocysts stage were 73-95%. When the high density L-carnitine from these results, it was shown not to retard of fertilization. Moreover, L-carnitine was indicated the possibility for a substitute of bovine serum albumin by adding PVA.