著者
山口 一 伊澤 康一 山田 容子 川上 梨沙 冨岡 一之
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.80, no.716, pp.945-952, 2015 (Released:2015-11-11)
参考文献数
27
被引用文献数
1

Recently attention has been focused on countermeasures against microorganisms such as viruses and microbe, in connection with pandemics of new forms of influenza or SARS, and the occurrence of bioterrorism. Also, in pharmaceutical or food production facilities, a high standard of internal environment of the facility is required, including countermeasures against microorganisms. These countermeasures from the facility point of view include partitioning of work zones (zoning), and cleaning the air using HEPA filters. However, when workers/researchers are working within a facility, dispersion of dust or adhering microbe brought in from clothes, etc., cause pollution of the air. In this report, the sterilization performance of weak acid hypochlorous solution used as the chemical substance was verified. In addition, the sterilization performance in an actual space varied not only with the chemical substance used, but also with the condition of the room, the air conditioning system, the method of spraying, etc. Therefore, from the above sterilization performance tests using chemical substances, the raw data required for a computational fluid mechanics (CFD) model were derived. A method that enables the effect of the chemical substance to be predicted under various conditions was investigated, and the results are reported.
著者
井上 一彦 山口 一郎 佐藤 勉 野村 義明
出版者
鶴見大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

原発事故の汚染の成人への影響を調べるために, 本研究に賛同が得られた全国歯科診療所施設に資料(研究計画説明書,同意書)と収集ビンの配布を実施し,ヒト第三大臼歯を収集継続中である(約300本,令和2年7月31日現在).今回,新たに原発事故作業所等(経験者含む)も収集場所に加えた.これらの方法により,日本人永久歯(特に第三大臼歯)を収集し, 生年別,地域別(特に被災地及び原発事故作業従事者及び経験者)の成人永久歯への放射性核種(90Sr,238Pu,239+240Pu,134Cs,137Cs)の蓄積を明らかにし,乳歯や既存のデータ等,被災地域土壌,被災牛の汚染された歯のデータと比較検討する.
著者
志村 勉 山口 一郎 寺田 宙 温泉川 肇彦 牛山 明
出版者
国立保健医療科学院
雑誌
保健医療科学 (ISSN:13476459)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.160-165, 2021-05-31 (Released:2021-06-25)
参考文献数
34

東京電力福島第一原子力発電所事故の影響は大きく,事故後10年が経過した現在においても多くの課題が残されている.事故からの復興には,専門家,一般市民,政府の間で相互理解や信頼関係を構築して政策を進めることが必要とされている.福島事故により生じた放射性物質を含んだ汚染水の浄化処理が進められているが,処理後も除去できない放射性トリチウムなどの扱いが国内だけでなく世界から注目されている.本稿では,放射線影響研究から明らかにされたトリチウムの生物影響と飲食品中のトリチウムの安全管理に関する知見を整理し紹介する.さらに,福島事故後の低線量放射線被ばくによる健康リスクに関する放射線の専門家の取り組みを紹介する.科学的知見は低線量放射線リスクを考える上での根拠となり,放射線のリスクコミュニケーションに活用することが期待される.放射線の健康不安対策として,適切な情報発信をつづけることが重要である.
著者
笹森 新 山口 一弘 坂本 雄児
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.31, pp.5-8, 2010-07-23
被引用文献数
1

計算機合成ホログラム(CGH)は,理想的な三次元ディスプレイとして期待される技術である.CGHによってリアリティの高い三次元ディスプレイを実現するためにはレンダリング技術の確立が必要であるが,これに関しては研究が不十分である.特に,光が透明な物体を透過する際に生じる屈折現象を表現する手法は確立されていない.そこで,本稿ではこの屈折現象を考慮した計算法を提案する.提案手法は,コンピュータグラフィックスにおいて屈折などの光学現象を表現する方法として利用されるレイトレーシング法を,CGHに適応したものである.この手法を用いてホログラムを作成,光学像再生を行い,提案手法が屈折現象を伴う物体の表示に有効であることを確認した.
著者
山口 一 山田 容子
出版者
日本エアロゾル学会
雑誌
エアロゾル研究 (ISSN:09122834)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.96-103, 2016-06-20 (Released:2016-06-23)
参考文献数
17

In pharmaceutical or food production facilities, a high standard of internal environment of the facility is required, including countermeasures against microorganisms. These countermeasures from the facility point of view include partitioning of work zones (zoning), and cleaning the air using HEPA filters. However, when workers/researchers are working within a facility, dispersion of dust or adhering microbe brought in with clothes, etc., cause pollution of the air. In this report, the sterilization performance of weak acid hypochlorous solution used as the chemical substance was verified. In addition, the sterilization performance in an actual space varied not only with the chemical substance used, but also with the condition of the room, the air conditioning system, the method of spraying, etc. Therefore, from the above sterilization performance tests using chemical substances, the raw data required for a computational fluid mechanics (CFD) model were derived. A method which is capable of predicting the effect of the chemical substance t under various conditions was investigated, and the results are reported.
著者
山口 一男
出版者
The Japan Sociological Society
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.552-565, 2003-03-31 (Released:2009-10-19)
参考文献数
9
被引用文献数
4 1

2001年日本社会学会のシンポジウムにおけるパネル討論での発表と議論を土台にしてそれをさらに拡大し, 「社会調査の困難」について米国で社会研究を行うものの立場から筆者が重要と考える以下の5つの問題に焦点をあてて論じる. (1) 「社会調査の困難」という概念について, (2) パネル調査の必要性と社会調査の目的との関連について, (3) 不完全情報の取り扱いについて, (4) 調査対象者の協力を得るということについて, (5) 調査対象者のインフォームドコンセントと人権保護について.
著者
山口 一大 敷島 千鶴 星野 崇宏 繁桝 算男 赤林 英夫
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.90.18221, (Released:2019-07-10)
参考文献数
29
被引用文献数
5

This study aimed to vertically scale the mathematics and Japanese academic ability tests of the Japan Child Panel Survey (JCPS) for elementary school first year students through junior high school third year students (grades 1-9 in the U.S.). We used an anchoring test design based on the item response theory. Two test samples were used: JCPS test participants (n = 3,916) and anchoring test participants (n = 7,210). After estimating the item parameters with a two-parameter logistic item response model, the equating coefficients were estimated with the Haebara method. The tests were scaled for elementary school fifth year (grade 5) in the end. The number of items included in the final analyses was 94 for mathematics and 108 for Japanese language studies. The mean level of estimated individual latent academic ability progressed according to grade level. Therefore, the JCPS tests appear to be able to capture the developmental changes of students from elementary school to junior high school. Future research should examine the relationship between children’s academic development and various factors, such as psychological traits or family environment, using the JCPS research data.
著者
山口 一大
出版者
日本テスト学会
雑誌
日本テスト学会誌 (ISSN:18809618)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.103-131, 2022 (Released:2022-06-30)
参考文献数
101

本稿では,項目反応理論モデルのパラメタ推定法について,Psychometrika誌に発表された論文を主たる対象として,最近の展開を概観した。その結果,項目因子分析モデルや多次元因子分析モデルといった,因子数が多い状況で生じる計算量の困難に対処する様々な方法が提案されていた。具体的には,モンテカルロ積分法や,周辺尤度の近似の積極的な利用,最適化計算の工夫および機械学習領域で用いられている方法の導入が見られた。また,理論的な拡張として,サンプルサイズ・項目数を無限大にするという新しい漸近的状況が考察されていた。さらに,最尤推定・ベイズ推定の枠にはとどまらない方法の提案もなされていた。個人の潜在特性パラメタの推定に関しても,高い精度の信頼区間を保証する理論的な方法が提案されていた。
著者
堤 裕昭 岡村 絵美子 小川 満代 高橋 徹 山口 一岩 門谷 茂 小橋 乃子 安達 貴浩 小松 利光
出版者
日本海洋学会
雑誌
海の研究 (ISSN:09168362)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.291-305, 2003-05-05
参考文献数
33
被引用文献数
27

九州西岸の有明海奥部海域において,近年夏季に発生する底層水の貧酸素化現象および頻発する赤潮の発生メカニズムを解明するため,2001年8月より2002年2月まで毎月1回,水質調査を行った。本調査期間中,8月上旬に底層で貧酸素水塊が,11月に珪藻赤潮がいずれも大雨の後に発生し,その発生過程を次のようにまとめた。1.夏季の貧酸素水塊 梅雨期の大雨→河川からの大量の淡水の流入→表層の塩分低下による成層構造の発達・夏季の気温上昇に伴う水温の成層構造の発達→底層水の貧酸素化 2.秋季の珪藻赤潮 秋季の大雨→河川からの大量の淡水の流入・大量の栄養塩の供給→低塩分・高栄養塩濃度の表層水の形成→赤潮の発生 1998年以降,秋季の赤潮は大規模化する傾向が認められる。有明海奥部海域では,塩分や水温による成層構造が発達した時に,海水交換に大きな変化が生じ,海水が滞留しがちになることで赤潮が発生している可能性が指摘される。
著者
山口 一大 岡田 謙介
出版者
日本行動計量学会
雑誌
行動計量学 (ISSN:03855481)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.181-198, 2017 (Released:2018-04-26)
参考文献数
95
被引用文献数
1

Cognitive Diagnostic Models (CDMs) have been developed for a few decades to reveal students' knowledge status. The purpose of this paper is to provide a review of recent advances in CDMs, and to figure out the trend in its model development. In the paper, we first introduce the fundamental concept of CDMs, and then summarize broad range of modern CDMs by classifying them into compensatory, noncompensatory, and integrated models as well as other emerging approaches. Finally, we discuss the future orientation of CDM studies with focus on the empirical applications.
著者
山口 一大
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学年報 (ISSN:04529650)
巻号頁・発行日
vol.62, pp.143-164, 2023-03-30 (Released:2023-11-11)
参考文献数
108

本稿では,『教育心理学研究』第69巻3号から第70巻2号に掲載された実証的な論文28本を対象に,事前登録やオープンサイエンスフレームワークの利用およびベイズ統計学的方法を含む最近の統計的分析方法の利用の実態について概観した。結果として,事前登録や研究マテリアルのオープンサイエンスフレームワークでの公開は十分に普及していなかった。さらに,こうした研究実践と統計的方法について,厳格なテストという観点から考察を行った。また,統計的仮説検定の結果を図示する方法として,信頼曲線を紹介した。最後に,こうした新しい研究実践を推進するための方策について議論した。
著者
戸次 加奈江 山口 一郎
出版者
国立保健医療科学院
雑誌
保健医療科学 (ISSN:13476459)
巻号頁・発行日
vol.72, no.3, pp.186-190, 2023-08-31 (Released:2023-09-21)
参考文献数
10

利便性の高い豊かな生活へとライフスタイルが変化し続ける中,生活用品や住環境において,未規制の化合物の利用が増加していることや,原子力発電所の事故による放射性物質の環境への放出,5Gシステムの普及など電波による健康リスク,細菌やウイルスによる食中毒事故の発生など,我々は多くのハザードと隣り合わせにありながら日々生活している状況にある.また近年,有害性の高い既知物質の使用が禁止または規制を受ける一方で,大気汚染や異常気象に絡んだ自然災害,新型コロナウイルス感染症など,これまで想定されていなかった多様なリスクが身の回りに存在している.このようなリスク因子の主な疾病への寄与は,世界保健機関によりDALY(障害調整生存年数)を指標に示されており,さらに疾病予防の指標となる環境リスクが提示されているが,これらに対し,我が国ではレギュラトリーサイエンスの理念のもと,環境調査による科学的知見に基づくリスク評価や,人を対象とした環境疫学調査,さらに規制・施策の実施による安全管理の取組がより一層必要とされているところである.さらに,世の中の環境リスクは,産業や工業活動などの人為由来のものから,地震や火山の噴火などの自然災害,さらには,越境汚染や海洋汚染などによる国境をまたいだ問題に至るまで,時代と共に,複雑かつ不確実性を持ち合わせた対応困難な問題も次々と浮上している.そのため,日本は,これまでの自然災害への対応などの経験と共に,先進国として国際的な共通認識の中で,環境リスク低減に向けた対策に貢献していく必要があり,将来的な課題解決に対応していく上では,化学,物理学,生物学,医学など自然科学だけでなく社会科学も含めた分野横断的な研究の推進と,産学官の専門家による連携がますます必要になるであろう.
著者
山口 一美
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.55-65, 2002-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
49
被引用文献数
1

本論文では, 自己宣伝の評価ならびに就労に関わる要因としてスマイル, アイコンタクトの表出とパーソナリティ要因に焦点をあてて検討した。女子大学生の就労希望者 (24名) の自己宣伝の場面をビデオ撮影し, 研究1では就労希望者のパーソナリティと自己宣伝におけるスマイル, アイコンタクトの表出ならびに他者評価との関連を検討し, 研究2では就労希望者のパーソナリティ要因および自己宣伝におけるスマイル, アイコンタクトの表出とサービス業への就労との関連を探った。その結果, 研究1からセルフ・モニタリングの“自己呈示の修正能力”がスマイル表出の適切さの評価に, 自己意識が人事評定に, また自己宣伝のスマイルがスマイル表出の適切さの評価ならびに人事評定に影響を及ぼしていることが示された。研究2ではセルフ・モニタリングの“自己呈示の修正能力”と自己意識が高く, スマイル表出が適切で, 人事評定が事前の評価で高かった者がサービス業に採用され, 就労する傾向をもつことが明かになった。
著者
山口 一郎
出版者
日本メルロ=ポンティ・サークル
雑誌
メルロ=ポンティ研究 (ISSN:18845479)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.48-61, 2016-09-10 (Released:2017-01-23)
参考文献数
19

Der Begriff des Fleisches bei Merleau-Ponty wird als die "Simultaneität" zwischen der Vergangenheit und Gegenwart begriffen. Die Selbstkonstitution des absoluten Zeitflusses bei Husserl wird durch die simultane Verschmelzung der passiven Synthesis zwischen dem Urhyle der Gegenwart und den impliziten Intentionalitäten, im Vergangenheitshorizont vorkonstituiert, dargestellt. Durch den Vergleich zwischen den beiden Einsichten wird klar, dass Merleau-Ponty die passive Intentionalität von der aktiven Intentionalität nicht deutlich unterscheiden konnte, und dass er somit zur phänomenologische Analyse der Selbstkonstitution der Zeitigung, die bei Husserl als durch die intermonadische Triebintentionalität der passive Synthesis vorkonstituiert verstanden wird, nicht erreichen konnte. Der Grund dafür liegt darin, dass er die Interpretation der Selbstaffektion der Zeit von der Daseinsanalyse Heideggers vergeblich ableiten wollte.
著者
三浦 靖弘 加藤 信介 山口 一
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.70, no.591, pp.37-43, 2005-05-30 (Released:2017-02-11)
参考文献数
20

The aim of this research is to figure out the measuring characteristics about the Large Chamber used for measuring emission rate of the volatile organic compounds (VOCs) from building materials and so on. In this paper, the influence of supply opening size, ventilation air volume and mixing fan on measuring VOCs emission rate from the chest of drawers and the TV in large chamber is analyzed using CFD. We analyze flow field, age of air and diffusion field. Also, we computed a material transfer rate. Finally, we found more suitable measurement condition for measuring VOCs emission rate in large chamber.