著者
高田 順三
雑誌
尚美学園大学総合政策論集 = Shobi journal of policy studies, Shobi University (ISSN:13497049)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.59-84, 2015-12-25

会計参与は、取締役と共同して、計算書類(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表)及びその附属明細書を作成する。この場合において、会計参与は、法務省令で定めるところにより、会計参与報告書を作成しなければならない。会計参与はその職務の権限として、いつでも、会計帳簿又はこれに関する資料が、書面をもって作成されているときは(又は電磁的によって記録されているときは)、当該書面(又は電磁的記録)の閲覧及び謄写をし、又は取締役及び支配人その他の使用人に対して会計に関する報告を求めることができる。会計参与の資格は、公認会計士若しくは監査法人又は税理士若しくは税理士法人でなければならないとされる。会社の計算書類の正確性を図ることを主たる目的として創設された会計参与の趣旨及びこの制度が普及しない原因を考察する。
著者
Michal Ptaszynski
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.204-210, 2012-02-15

この記事ではまず顔文字に関する研究の学際的な調査を行う.社会科学における顔文字研究では顔文字がオンラインコミュニケーションにとって不可欠であることが確認されている.しかしながら,自然言語処理分野の視点からの研究は比較的少ない.そこで顔文字解析用ツールCAOシステムを紹介する.CAOはインターネットから収集した1万強の顔文字の感情種類別のデータベースをもとに構築され,顔文字は口や目などの部分に自動的に分割される.顔文字を分割するアイディアは,50年代頃に開発されたkinesics理論に基づいている.口と目の組み合わせ数が3百万以上のカバレッジを持ったCAOシステムは顔文字の検出,抽出,そして感情解析を正確に行うことができる.
著者
麦島 剛
雑誌
福岡県立大学心理臨床研究 : 福岡県立大学大学院心理教育相談室紀要 (ISSN:18838375)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.137-144, 2014-03-31

注意欠陥多動性障害(attention deficit hyperactivity disorder:ADHD)は、不注意、多動性、衝動性を主症状とする発達障害の一つである。ADHD治療薬atomoxetineにより阻害されたnoradrenalineトランスポーターが前頭前野のdomapime濃度を上昇させることによってADHD症状が緩和されるとされ、前頭前野ではdopamine 神経終末上のdopamineトランスポーターが少ないために再取り込みの役割をnoradrenalineトランスポーターが代行していると考えられている。事象関連電位は刺激の物理特性のみならず、内因的な認知処理も反映する。その一つのミスマッチ陰性電位(MMN)は、注意を必要としない条件下でも惹起されるため、前注意過程を反映すると考えられる。ADHD児では頭頂部のMMN振幅が有意に低く、頭頂と注意機能の関連が示唆されている。MMNの他、注意機能と関連のあるERPとしてP300、Nd、N2b、paired stimulationへの反応などが検討されている。自然発症高血圧ラット(SHR)を用いたMMNが検討され始め、対照系統で見られる皮質MMN様反応がSHRでは惹起せず、臨床知見がADHDモデル動物で初めて示唆された。またELマウスを用いた行動薬理学・行動経済学研究による衝動性の検討も開始され、今後の進展が期待される。
著者
福田 アジオ
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.145-162, 1993-11-10

日本の民俗学は柳田國男のほとんど独力によってその全体像が作られたと言っても過言ではない。従って、民俗学のどの分野をとってみても、柳田國男の研究成果が大きく聳え立っており、現在なお多くの研究分野は柳田國男の学説に依存している。民俗学の研究成果として高く評価されることの多い子供研究も実は大部分が柳田國男の見解を言うのであり、柳田以降の民俗学を指してはいない。そのような高く評価され、実証済みの事実かのように扱われる柳田國男の見解を整理し、問題点を指摘し、それに続いて柳田以降の民俗学の研究成果も検討した。柳田國男の子供理解は大きく二つの分野に分けられる。一つは子供の関係する行事や彼等の遊びのなかに遠い昔の大人たちの信仰の世界を発見するものである。子供を通して大人の歴史を明らかにする認識である。これは手段として子供を位置づけていることになる。この子供を窓口にして大人の過去を見る場合は、「神に代りて来る」という表現に示されるように、例外なく信仰、さらには霊魂観と結びつけて解釈している。もう一つの柳田の子供研究の世界は「群の教育」という表現に示される。群の教育は近代公教育を批判するものとして注目され、教育学系統の人々から高く評価される視点であり、柳田以降にもほとんど疑われることなく継承されてきた。しかし、この視点は子供を教育の対象と見るもので、大人にとって望ましい一人前に育てる教育に過ぎない。民俗学はこれら柳田國男の呪縛から解放されなければ新たな研究の進展は見られないことは明白である。子供を大人から解放して、子供それ自体の存在を分析し、子供を理解することによって新たな民俗学の研究課題は発見されるであろう。
著者
住田 宏己 吉本 安男
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.27-28, 2019-02-28

我々は仮想化されたプライベートクラウド環境の運用現場において仮想マシンの稼働状態を識別して資源の無駄遣いを削減する運用方法を開発し実践してきた。特にメモリ資源の有効活用を阻害するアイドルVMを識別することで資源を有効に活用できることが判っている。ただしアイドルVMを識別するためには熟練者の技術が必要であり、そのことがアイドルVM識別技術を多くの環境に適用拡大する際の足かせとなっていた。本稿では機械学習の手法を適用することで熟練者不在の環境でもアイドルVMを適切に識別し資源を有効に活用できることを実環境での運用事例として報告する。
著者
三木 祐二 芝 公仁
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.33-34, 2019-02-28

アプリケーションはシステムコールを発行することでカーネルが提供する機能を使用する.システムコールの発行はユーザモードとカーネルモード間でのモードの遷移を伴い,発行から結果を受け取るまでの間アプリケーションはブロックされる.本稿では,システムコール並列処理機構を提案し,本機構がモード間の遷移回数を削減し,また,システムコールでアプリケーションをブロックしない非同期な処理を実現することを示す.また,本機構をシステムコールが集中的に発行されるアプリケーションに適用し,システムコールを並列に処理させることによって,マルチコア環境においてアプリケーションのスループットが向上することを示す.
著者
飯國 隆志 富永 浩之
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.41-42, 2019-02-28

クラウドサービスなどで、コンテナ環境を提供するサービスが増加している。これらのクラウド基盤には、1つのホストマシン内に複数のユーザのコンテナが動作している。そのため、セキュリティの問題から、同一ホストでもコンテナへのアクセスを制限する機構が必要である。本研究では、ロールごとのアクセスを制御する機構として、ホストのグループIDを用いたファイル権限によるアクセス制御を用いる。この機構には、Linuxにおけるケーパビリティとユーザ名前空間を用いて実現する。
著者
水沢 直暉 関 優也 Jian Tao 山口 実靖
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.45-46, 2019-02-28

近年の情報サービスの普及に伴い,サーバーの設置スペースや消費電力の増加などの問題が生じており,この解決策として仮想化技術というものがある.仮想化手法の一つであるコンテナは,VMを用いる他の仮想化手法と比べ,ゲストOSが存在しない分,高い性能が期待できる.本稿では,著名なコンテナ手法であるDockerを用いてI/O性能の向上について考察をする.
著者
木戸 剛生 大川 猛 大津 金光 横田 隆史
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.53-54, 2019-02-28

Publish/Subscribe通信プロトコルであるDDS(Data Distribution Service)の暗号処理のハードウェア化について検討を行った。Publish/Subscribe通信における暗号処理をハードウェアで高速化し、低消費電力かつセキュアで、応答性の高い通信機能のずつ元を提案する。Raspberry PiとノートPCを用いて、DDS実装であるFast RTPSの暗号処理時間について計測を行った。本研究においては通信フレームワークの暗号処理をハードウェア化することで、セキュアな通信機能を容易にシステムに追加することを可能とすることを目的とする
著者
水野 淳太 後藤 淳 大竹 清敬 川田 拓也 鳥澤 健太郎 クロエツェー ジュリアン 田仲 正弘 橋本 力 奥村 明俊
雑誌
研究報告コンシューマ・デバイス&システム(CDS) (ISSN:21888604)
巻号頁・発行日
vol.2015-CDS-14, no.14, pp.1-13, 2015-09-24

我々は,災害時に Twitter に投稿される膨大な情報を効率よく検索するために対災害 SNS 情報分析システム DISAANA を開発し,誰もが利用可能な Web アプリケーションとして試験公開している.本論文では,これまでに行ってきたシステムの改善ならびに不適切な回答候補を抽出する事を回避するために新たに導入したモダリティ解析,ツイート属性判定,予報表現抽出について議論する.その上で,これまで東日本大震災関連の災害情報のみで行われてきた本システムの評価を,台風や大雪といった一般的な災害にまで拡張し評価を行う.その結果,さらなる改善の余地が残されているものの,実用可能な性能に達していることを確認できた.
著者
水野 淳太 後藤 淳 大竹 清敬 川田 拓也 鳥澤 健太郎 クロエツェー ジュリアン 田仲 正弘 橋本 力 奥村 明俊
雑誌
情報処理学会論文誌コンシューマ・デバイス&システム(CDS) (ISSN:21865728)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.106-120, 2016-05-24

我々は,災害時にTwitterに投稿される膨大な情報を効率良く検索するために対災害SNS情報分析システムDISAANAを開発し,スマートフォンおよびPCで誰もが利用可能なWebアプリケーションとして試験公開している.本稿では,まず先行システムについて説明し,その問題点についてまとめる.次に,それらの問題をDISAANAがどのように解消するかを説明する.特に,不適切な回答候補の抽出を回避するために導入したモダリティ解析について詳述する.評価実験では,東日本大震災時のツイートに対して,人手で構築した192問の質問とその回答からなる評価セットを用いて本システムの評価を行った.評価の結果,先行システムに比べてF値が7ポイント改善した.エラー分析結果に基づいて,今後の改善方針について考察する.さらに,自治体で実施したDISAANAの有用性検証実験の結果についても報告する.
著者
王 亜騰 アランニャ クラウス 狩野 均
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:21888833)
巻号頁・発行日
vol.2016-MPS-111, no.26, pp.1-6, 2016-12-05

外国為替取引 (FX) 市場は世界最大級の金融市場である.現在では一般人でもネット証券で取引することが可能になった.しかし,為替相場は無数の要因で反動し,取引のタイミングを予測することが非常に困難である.そのため,一般人でもわかりやすく利用できる取引支援システムが求められている.本研究では取引率と正解率を目的関数とした多目的遺伝的アルゴリズムを用いて為替取引における有効な売買ルールを獲得した.本手法は非劣解集合による多数決で取引のタイミングを予測するものである.従来の手法より高い利益が得られることを過去のデータを用いた実験で確認した.
著者
斎藤 裕志
出版者
東洋大学経済研究会
雑誌
経済論集 (ISSN:03850358)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.95-119, 2015-03