著者
魯 惠卿
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国際日本文学研究集会会議録 = PROCEEDINGS OF INTERNATIONAL CONFERENCE ON JAPANESE LITERATURE (ISSN:03877280)
巻号頁・発行日
no.21, pp.37-54, 1998-10-01

Izumi Kyoka based "Tsunbo no Isshin " on his late father Kiyotsugu, and the depiction it gives us of Kyoka's state of mind in the wake of his father's death makes the work an important one. The author's original text, with corrections added by Ozaki Koyo, is among the archives of Keio Gijuku Library. Ozaki's corrections are numerous, but no research has yet been done on the nature of these corrections. A comparison of Kyoka's uncorrected hand-written text with the published corrected version is essential if we are to understand Kyoka's original intentions, as well as the process by which the work subsequently developed.Ozaki's corrections range from punctuation, and kana added to Chinese characters, to alterations to the content of the work itself. I shall concentrate on the latter, which may be characterized in two ways. Firstly, changes were made to the nature of the narrative. "Tsunbo no Isshin" is a first-person narrative, but the narrator (yo) is also the doctor supervising "Isshin" who is a craftsman. While Kyoka's hand-written text describes the psychology and behaviour of the narrator, who sympathizes with Isshin and his family, the version corrected by Ozaki tends to delete much of this, simplifying the relationships between characters. In Kyoka's text, as well as a portrayal of Isshin, there is also detailed description of the tender attachment between Okoma and the narrator, and the filial devotion of Okoma's younger brother. By contrast, Ozaki's corrected version concentrates mainly on Isshin's behaviour and his attitude to his work in the period leading up to his death. Ozaki's decision to change the original title of the work, "Kame no Saiku" to "Tsunbo no Isshin", illustrates this.I would like to consider the above points, and to elucidate what it was that Kyoka attempted to describe in his original text, his feelings for his late father, and the processes of the work's formation.
著者
金山 和彦 Kazuhiko KANAYAMA 新見公立短期大学美術教育学
雑誌
新見公立短期大学紀要 = The bulletin of Niimi College (ISSN:13453599)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.45-52, 2002-12-25

具体美術協会とは1954年関西において吉原治良を中心に結成された前衛美術集団をいう。吉原の「オリジナル性」に着目した指導方針により,具体美術協会集団は,タブロー作品をはじめ,野外・舞台を用い,アクションやハプニングなどを実験的に引き起こし,激しい身体性・触角性・物質感・強い精神性を素養とする作品を発表した。その後,具体美術は,吉原の死をもって1972年に解散したが,初期メンバーの独創性や後期メンバーのテクノロジー的要素がそれぞれに評価され,分岐した形で今尚,具体美術協会は存在している。本稿においては,1950年代以降,このような具体美術協会メンバーの新規な表現作品が,当時のアメリカにおける抽象表現作品群と質を異にし,国内の幼児・児童美術から触発され,また影響を与えていたことについて言及したいと考えている。尚,幼児教育との接点については以下の調査項目を挙げた。[○!1]具体美術メンバーによる児童誌『きりん』へのコメント内容について[○!2]嶋本昭三氏の児童・障害児美術観[○!3]具体美術協会の作家が関与した幼稚園
著者
田村 芳明 柳澤 佳里 佐藤 孝治 盛合 敏
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.13-24, 2010-03-16

インターネット上で提供されるサービスの増加と高機能化に加え,PC サーバの小型化,高速化,低価格化により,企業では多数の PC サーバで構成された複雑なシステムのコスト削減とリソースの有効利用が求められている.この課題を解決するために,仮想マシンを利用して,1 つの物理マシン上に複数のサーバ機能を統合することが検討されている.しかし,ハードウェア障害発生時にサービスを継続するためには,特殊なハードウェア,アプリケーションや OS に依存しない,可用性の高い構成が必要である.本論文では,仮想マシン間の同期による耐故障クラスタリング技術,Kemari について述べる.Kemari は,アプリケーションや OS に依存しないで,障害発生時にサービスを継続することができる.Kemari を仮想マシンモニタである Xen に実装し,実験を行ったところ,運用系の電源断といった障害でも,アプリケーションや OS が待機系で透過的に継続できることを確認した.

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著者
真保 一輔 森 邦彦
出版者
山形農林学会
雑誌
山形農林学会報
巻号頁・発行日
vol.2015/03/04 0:00:00, pp.75-93, 1953-05-15
著者
伊木 惇 亀井 清華 藤田 聡
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.11, pp.2461-2475, 2014-11-15

ecサイトにおける商品のレビューは,商品購入の意思決定に大きく関わり,価値ある情報として注目されている.一方で,ステルスマーケティングを目的とした,レビュースパムと呼ばれる信頼性の低いレビューの投稿が問題となっている.既存研究では,レビューの文章などから,それらスパムを検知する取り組みが行われてきた.しかしながら依然として,すべてのスパムの検知は難しい.さらに,レビューを読むユーザ自身が判断するにも,信頼性を判断するための情報は十分でない.また,ユーザは,ウェブ上の情報に対して,ある程度信じやすいという報告もされている.そのため,ユーザが信頼性を意識し,判断するための機構が必要である.よって,本稿ではecサイトにおけるレビューを対象とした信頼性を判断するための支援システムを提案する.具体的には,レビューの信頼性を表す指標として,類似性,協調性,集中性,情報性という4つの信頼性指標を定義し,各指標ごとのスコアを求める.そして,レビューごとにそのスコアを可視化して提示する.それにより,ユーザ自身に信頼性を意識してレビューを読むように促すとともに,信頼性判断がしやすくなるよう支援を行うことが可能となる.本研究では,これらの指標を用いた判断支援を行うシステムを構築し,評価を行った.その結果,提案システムにより,ユーザの信頼性に対する意識を促すとともに,有効な判断支援が行えることが確認できた.
著者
横山 順一
出版者
四天王寺大学大学
雑誌
四天王寺大学大学院研究論集
巻号頁・発行日
no.13, pp.25-39, 2019-03-20

この研究は、住民参加型福祉サービスのマンパワーに関する課題に焦点をあて、地域外の社会資源の活用の可能性を論じている。現在、介護保険法改正で制度上地域支援事業の中に住民参加型福祉サービスが位置付けられているが、その担い手は高齢化と減少化という問題を抱えている。これらの原因を生み出す原因として、地域の連帯意識が希薄化した結果、次世代の育成が進んでいないことが考えられる。また、低い報酬と充実感が活動参加の動機づけにならなくなり、人材確保が困難になったことも一因である。 これらの問題を解決するための提案として、大学における課題解決型学習と地域貢献による地域外の担い手の活用に注目した。大学が関わることで、大学生が地域課題と直面できること、地域課題の解決に対して専門知識をもつ担い手になることができる可能性について指摘した。
著者
豊島 由樹子 鶴田 恵子 長峰 伸治 熊澤 武志 鈴木 知代 酒井 昌子 樫原 理恵 野崎 玲子 黒野 智子 宮谷 恵 小平 朋江 藤浪 千種 清水 隆裕 藤本 栄子
雑誌
聖隷クリストファー大学看護学部紀要 = Bulletin School of Nursing Seirei Christopher University
巻号頁・発行日
vol.27, pp.1-10, 2019-03-31

本稿は、本学看護学部の2019 年度教育課程改定における活動内容の概要を記した。2012 年に教育課程変更を行って5年が経過したことや、教育職員免許法の改正により養護教諭課程の再課程認定に伴い、2019 年度に向けて看護学部教育課程の改定を行うことになった。2017 年度からカリキュラム検討委員会を中心に教育課程の検討を行い、2年間に渡って教育課程改定に向けて活動した内容をまとめた。2019 年度新教育課程としては、地域包括ケアシステムの推進に基づく社会の変遷にあわせた教育課程へと発展させるための学修内容の追加、本学の強みである充実した実習環境をもとに行われている臨地看護学実習を通して「生命の尊厳と隣人愛」に基づく教育理念を継続的に意識づけられるような教育課程を策定することができた。指定規則改正に伴う次の教育課程の改定に向けて、今回のプロセスが参考となることを期待する。
著者
津田一磨 鈴木秀和 旭健作 渡邊晃
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.405-406, 2014-03-11

Bluetoothに代表される近距離無線通信技術の発達により,ホームオートメーションの普及が期待されている.今後,宅内にある近距離無線通信機器を外出先から操作したいという要求が高まると考えられる.しかし,このような機器には通信可能範囲に制限があり,外出先から直接操作することができない.筆者らは,Bluetooth機器のハードウェアとソフトウェアの間で交換されるコマンド等をインターネット経由で転送することにより,遠隔地のBluetooth機器へ接続する手法を提案している.この手法によると,ユーザはBluetooth機器の位置を意識することなく,一般のBluetoothアプリケーションを用いてシームレスに接続することができる.本稿では,提案手法をLinux PCへ実装し,動作検証を行った結果を報告する.外出先の操作端末が遠隔地にあるBluetooth機器の検出が可能であることを確認した.