著者
藤井 徹也 玉腰 浩司 中山 和弘 大林 実菜 田中 悠美 篠崎 惠美子
雑誌
聖隷クリストファー大学看護学部紀要 = Bulletin Department of Nursing Seirei Christopher University
巻号頁・発行日
vol.22, pp.45-52, 2014-03-31

本研究は、看護師養成機関における性同一性障害(gender identity disorder : 以下GID とする)学生の演習・実習指導などについて、受け入れ経験者から得た具体例を検討した。対象は、身体的性は女性であるが自己認識は男性であるFTM(Female to Male Transsexual)学生の受け入れ経験のある教員3名である。結果、GID 学生の治療状況により、演習などのグループやトイレ、更衣室の使用が変化した。特に身体の外観的が男性と認識できれば、男子学生として受け入れ、女性であれば女子学生として受け入れていた。女子学生として受け入れた場合は、本人の意向によりユニフォームの考慮や演習時のペアを特定するなどの対応が必要であった。今回の3事例に関わった教員は、全てGID 学生の相談などを担当し、演習や学内行事の前にGID 学生と話し合いを行うことで、最善な対策を選択することを心がけていた。
著者
紅林 怜
出版者
成城大学常民文化研究会
雑誌
常民文化 = Jomin bunka (ISSN:03888908)
巻号頁・発行日
no.40, pp.160-151, 2017-03
著者
上野 矗 ウエノ ヒトシ Hitoshi UENO
雑誌
大阪樟蔭女子大学人間科学研究紀要
巻号頁・発行日
vol.4, pp.63-74, 2005-01-31

ここでは、ショッキングな出来事を契機に人間不信に陥ったケースを例示し、援助的理解をはかるT様グループのかかわり合いのプロセスに経験的現象学的方法による意味分析を試みる。そこから感情体験表明としての涙が援助的理解にとってもつ意味と効用に関して検討を加えようとする。 検討結果は、次のようである。 1)感情体験表明としての涙がその意味と効用たらしめるのには、送り手と受け手の反応の仕様が大きくあずかっている。 2)涙は心理的なしこりを溶かす。 3)涙は抑制された情緒的エネルギーを解放し、カタルシスをはかる。 4)涙は心の傷を癒す。 5)涙は気づきや洞察への契機となり、導き手となり、その証明を確認する。 6)涙は援助的理解を確実にし、また深めていく。 7)涙は、人をして生涯時間の時制を"生きられた時間"の展望に向けた再編成をはかり、そこから新しく生産的で健やかな生活世界への道を開らく。すなわち、過去をいまに引き入れ既往化し、新しい意味づけを見い出し、これを足場に、未来を将来化し、新しい展望を拓らくのである。 8)なお、涙は、丁度ステロイド剤がそうであるように、両刃の刃で、その効用と同時に有害ともなりうるとの認識の重要さが指摘される 。
著者
宇佐美 彰規 Akinori Usami
巻号頁・発行日
no.25, pp.4-7, 2017-09-01

大学生の授業外学習時間の少なさが問題として挙がる中で,e ラーニングは学生の自学自習の時間確保を担う手段でもある。本稿では,初年次教育の一環として,e ラーニングによる英語学習を一年間経験した学生を対象に,学習者の学習環境や学習計画性,そして教員の働きかけに関する質問紙調査を行なった。アンケートの結果を踏まえた上で,自律的に学ぶことができる学生を育てるe ラーニングの可能性について考察する。
著者
鬼頭 葉子
出版者
長野工業高等専門学校
雑誌
長野工業高等専門学校紀要 = Memoirs of Nagano National College of Technology (ISSN:18829155)
巻号頁・発行日
no.51, pp.1-8, 2017-06-30

Compassion, sympathy, empathy, and pity are not mainstream themes in the history of philosophy, but have been taken up frequently by philosophers. Starting with the ancient Greek philosopher Aristotle, Spinoza, Descartes, Hume, Adam Smith, Schopenhauer, and many others have discussed the concept of compassion. More recently, Jacques Derrida and Martha C. Nussbaum, among others, have contemplated it. In reviewing their patterns of thought, one can see that the shift in the concept of compassion is the transition of the answers to the questions "How do we feel compassion for other(s)?" and "Who is/are the other(s) who deserve compassion?” This study explores the development of "sympathetic imagination" in philosophy, how the subject of compassion has expanded, and where the source of compassion is found.
著者
林 香奈
出版者
東洋大学東洋学研究所
雑誌
東アジア仏教学術論集 = Proceedings of the International Conference on East Asian Buddhism (ISSN:21876983)
巻号頁・発行日
no.3, pp.159-187, 2015-02

第3回 日・韓・中 国際仏教学術大会論文集―東アジア仏教における対立・論争とその意義―日本東洋大学東洋学研究所・韓国金剛大学校仏教文化研究所・中国人民大学仏教与宗教学理論研究所共編
著者
原 正一郎
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.73(2002-CH-055), pp.51-56, 2002-07-26

本稿では、古文書OCRの前処理として必須である、つづき文字を切り出す手法について提案する。提案する方法では、まず簡単なフィルタ処理(色に基づき文字の候補となるピクセルを抽出するカラーフィルタ、ゴマ塩雑音などの除去フィルタ、カラー画像を白黒階調さらに2値化するフィルタ)により、雑音の少ない良好な2値画像を作成する。次に周辺分布からページごとの平均文字サイズ、縦書き・横書きに関するレイアウト情報を抽出する。文字はこれらの情報に基づいてピクセルから組み立てる。つまり隣接するピクセルを集めて文字のセグメントを生成し、次いで近傍のセグメントを集めて文字あるいはつづき文字を生成する。つづき文字の切り出しは文字輪郭上の相対する凹部分を結ぶ線に沿って行う。本法の特徴は、適切な凹部分を画像の多重解像度解析に基づいて発見するところにある。
著者
田村 雅成 神山 達哉 添田 隆弘 兪明連 横山 孝典
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.12, pp.2660-2670, 2012-12-15

モデルベースによる組み込み制御ソフトウェア開発の効率向上のため,SimulinkモデルをUMLモデルへ自動変換するモデル変換環境を提案する.一般に,組み込み制御ソフトウェア開発は制御設計とソフトウェア設計の2段階で行う.制御設計ではMATLAB/Simulinkを用いて制御ロジックをSimulinkモデルとして設計することが多い.一方,ソフトウェア設計ではUMLモデルを用いて設計を行うのが一般的である.本研究では,制御設計からソフトウェア設計への移行をスムーズに行うために,SimulinkモデルからUMLモデルへの変換ツールを開発した.本ツールが生成するUMLモデルはデータとデータの算出処理をカプセル化したクラスからなる.また,変換後のUMLモデルの再利用性向上のため,変換元のSimulinkモデルに対して階層化を行うが,その階層化作業を効率化するため,階層化支援ツールを開発した.そして,複数のSimulinkモデルに対して適用実験を行い,その有用性を確認した.
著者
岡安 優弥 高田 雅倫 渡辺 邦浩 濱川 礼
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第72回, no.人工知能と認知科学, pp.511-512, 2010-03-08

本論文では日本語語呂合わせ(以下,語呂とする)の自動生成手法について述べる.本研究における語呂とは,複数の単語が規則性を持って並んでいる順番を覚える際に使われるものとする.良い語呂の定義は,覚えやすく,元の単語が思い出しやすい語呂である.本研究では,より良い語呂を生成するための手法を提案し,システムとして実装,実際に良い語呂が生成できるかの検証を行った.