著者
上田 真由美
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.237-237, 2017-02-15

かつて初等教育では「読み書きそろばん」の能力獲得が目指されていた.現在では,これらに加えて,コンピュータ活用力とコミュニケーション能力が必要不可欠であり,これらの能力獲得を目指した教育が初等教育だけでなく,高等教育でも行われている.近年,企業等からはデータサイエンティストを求める声が聞かれる.また,大学等でデータサイエンス教育も行われ始めている.しかし,「読み書きそろばん」と並ぶコンピュータ活用力は,もう少し基本的で,一般教養ともいえる必要最低限のコンピュータ活用力ではないだろうか.本コラムでは,高等教育機関で行う「コンピュータ活用力」とはどのようなものか考えていきたい.
著者
長名 保範 吉見 真聡 天野 英晴
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.120(2005-ARC-165), pp.87-92, 2005-11-30

細胞内の各種物質の濃度を高精度かつ高速に測定する実験技術の進歩に伴い、定量的データに基づく数理的な生化学システムのモデルを用いた研究が盛んになっている。現在は多細胞系のシミュレーションは生物学的にも計算機の能力的にも困難とされているが、生物学的な困難さは今後10年程度の間に解決されるものと考えられる。本稿では、現在開発中の、FPGAを用いた生化学シミュレータをベースとした多細胞系、あるいは神経回路網をターゲットとしたシミュレータの可能性についての検討結果について述べる。
著者
山藤 浩明 前川 卓也 松下 康之
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:21888698)
巻号頁・発行日
vol.2016-UBI-50, no.4, pp.1-6, 2016-05-21

屋内位置推定技術は,独居高齢者の見守りやホームオートメーションといったアプリケーションに活用されることが期待される.こうしたユーザの位置を常に補足し続けるアプリケーションにおいては,ユーザの負担や抵抗感を低減するために,(1) ユーザがスマートフォン等のデバイスを身に付ける必要がなく (デバイスフリー),(2) プライバシに配慮した屋内位置推定手法が求められている.筆者らはそのような屋内位置推定手法として,環境内に複数配置した再帰性反射材からなるマーカを赤外線 LED を搭載した赤外線カメラで撮影し,マーカの遮蔽情報から人物の位置情報を推定する手法を提案してきた.この手法では赤外線カメラを用いることでプライバシを保護しつつデバイスフリーの屋内位置推定を実現する.しかしこれまでの手法では環境に 2 台のデバイスを設置する必要があり,さらに環境内には 1 人の人物のみが存在する状況を想定している.本稿では既存手法を改良することで,1 台のデバイスのみを用い,環境に複数の人物がいる状況においても適用可能な屋内位置推定手法を提案する.
著者
大島 芳樹 脇田 建 佐々 政孝
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.41, no.SIG09(PRO8), pp.62-77, 2000-11-15

高機能なSmalltalk処理系であるSqueakを携帯情報端末Zaurusに移植し,Zaurusの持つ独自のハードウェアにあわせて拡張を施したので,システムの実現方法,性能,可用性の評価について報告する.我々の行った実装作業は大きく2つに分類される.まず,基本的な機能の性能を向上させるために,Zaurus上でのイベント処理方式やビットマップ変換方式の性能について定量的評価を行い,それに基づいて最適化を行った.さらに,Zaurus独自の拡張を施すことによって,ペン入力,音声機能,デジタルカメラ,TCP/IPネットワーク,シリアル・IrDAポート,電力消費制御,およびフラッシュメモリファイルシステムのようなPDA独自のハードウェアをSqueakから操作可能とした.この移植および拡張はZaurus依存の部分を記述した4000行程度のC記述および600行ほどのSqueak記述によって達成された.我々は大小各種のベンチマークによる性能評価およびいくつかのアプリケーションによる可用性評価を行った.Zaurusシリーズの最上位機種であるMI-EX1上のSqueakは,400MHz G3 Macに対して最高1/8程度の性能を示した.このベンチマークの数字および実際の使用テストから,このシステムは十分実用に耐える性能を持つことが分かった.我々の実装によって,さまざまな周辺機器を操作できる実用的なプログラミング環境を手のひらサイズの機器上で運用できることが示された.
著者
関 真規人 和田 俊和 松山 隆司
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.66(1993-CVIM-084), pp.7-14, 1993-07-22

我々が以前提案したγ?ωHough変換は、通常のρ?θHough変換と比べ次のような優れた特長を持っている。() パラメータ空間を均一に標本化し全画素からの投票を行なっても、パラメータ空間に蓄積される投票度数に偏りが生じない。() 投票軌跡が2本の線分から成る折れ線となり、軌跡の描画やパラメータ空間を用いた直線の幾何学的性質の解析が容易に行なえる。しかし、従来のγ?ωHough変換アルゴリズムでは、1本のディジタル直線に含まれる画素集合からの投票がパラメータ空間中の複数のセル (標本化区間) に分散することがあり、ディジタル直線を構成する画素の数が投票度数として正しく捉えられないという問題点がある。これは、従来のγ?ωHough変換アルゴリズムが、画像空間中に存在する全てのディジタル直線を検出対象としていなかったことに起因する。本研究では、ディジタル直線の幾何学的性質を詳細に解析し、画像空間中に存在する全てのディジタル直線と1対1に対応したセル配置を持つようにγ?ωパラメータ空間を標本化する方法を求めるとともに、そのセル配置に対する妥当な投票方法を明らかにする。本論文で提案するセル配置と投票方法を用いた「高精度γ?ωHough変換アルゴリズム」を用いることにより、任意の方向、位置を持つディジタル直線が安定かつ高精度に検出できる。
著者
千葉 芳夫
出版者
大谷学会
雑誌
大谷学報 = THE OTANI GAKUHO (ISSN:02876027)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.p39-51, 1982-09
著者
猪木原 孝二 イノキハラ コウジ Koji Inokihara
雑誌
岡山理科大学紀要. A, 自然科学
巻号頁・発行日
vol.27, pp.297-310, 1991

The purpose of this study is an analysis of the results of the Seoi-nage Technique concerning the angles of the waist to the top of the head and the waist to the wrist, and that of the waist to the top of the head and the waist to the knee of the throwing judoist. The following results were obtained. 1) As for the judoist whose weight is below 60kg, the average angle of pulling hand is 23,22±3.25 for Yuko, 23,18±2.57 for Wazaari and 24.74±1.58 for Ippon. The one of pushing hand is 30.20±3.23 for Yuko, 30.93±3.80 for Wazaari and 30.01±3.02 for Ippon. 2) As for the judoist whose weight is below 65kg, the average angle of pulling hand is 23.40±2.49 for Yuko, 23.41±2.36 for Wazaari and 24.00±3.08 for Ippon. The one of pushing hand is 31.71±1.89 for Yuko, 32.15±3.04 for Wazaari and 32.40±3.26 for Ippon. 3) As for the judoist whose weight is below 71kg, the average angle of pulling hand is 23.98±1.69 for Yuko, 23.78±1.87 for Wazaari and 24.01±1.93 for Ippon. The one of pushing hand is 33.66±2.45 for Yuko, 33.06±2.57 for Wazaari and 33.24±2.53 for Ippon. 4) As for the judoist whose weight is below 78kg, the average angle of pulling hand is 23.49±2.12 for Yuko, 24.52±1.76 for Wazaari and 24.29±1.45 for Ippon. The one of pushing hand is 34.20±1.12 for Yuko, 33.65±2.03 for Wazaari and 34.52±2.02 for Ippon. 5) As for the judoist whose weight is below 86kg, the average angle of pulling hand is 25.14±1.64 for Yuko, 24.68±2.68 for Wazaari and 24.10±1.87 for Ippon. The one of pushing hand is 36.00±1.67 for Yuko, 33.90±2.07 for Wazaari and 34.23±1.54 for Ippon. 6) As far as pulling hand in all weights are concerned, the average angle is 23.84±0.77 for Yuko, 23.91±0.66 for Wazaari and 24.23±0.31 for Ippon. As far as pushing hand in all weights are concerned, the average angle is 33.15±2.25 for Yuko, 32.74±1.21 for Wazaari and 32.88±1.81 for Ippon. 7) From above results, angle from 23 to 24 is the ideal approach for pulling hand, angle from 32 to 33 is ideal approach for pushing hand. I recognize we should research the up and down movement concerning pulling hands form now on.
著者
小方 厚
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.24(2003-MUS-054), pp.47-50, 2004-03-05

オクターブを12ではない数で対数的に等分割した音律を用い,ジャズ・民謡風の旋律・グレゴリオ聖歌などの演奏を計算機上で試みた.ソフトウェアにはMAX/MSPを用いた.17音平均律は周波数比4/3 3/2に近いペアを含むため,違和感の少ない音楽ができる.これに対し16音平均律では構成音の周期数比はすべて無理数となり,不思議な音楽ができる.
出版者
京都
雑誌
総合文化研究所紀要 = Bulletin of Institute for Interdisciplinary Studies of Culture Doshisha Women’s College of Liberal Arts (ISSN:09100105)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.16-32, 2014-07-14

Recently, the use of internet sites and social networking services has spread especially among young people. If we use them, we can exchange ideas and informations with various people. However, some students create web pages, videos, profiles, etc., which ridicule other students in order to use as the method of bullying. Cyberbullying is different from off-line bullying at various points. Therefore, it cannot be said that the policies against bullying are sufficient and suitable as policies against cyberbullying.The purpose of this study is to analyze the judicial precedents and theories concerning restrictions on cyberbullying in the United States. The first chapter describes laws and policies against bullying and cyberbullying. The second chapter describes and analyzes the legal cases concerning the freedom of students' expressions. Finally, the third chapter analyzes constitutionality of restrictions against on-line expressions of students.