著者
村田翔太郎 屋良朝克 金田一将 五百蔵重典 田中博
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.1608-1613, 2014-07-02

筆者らはナビゲーション,ロボットの自動走行などへの適用を目標に10cm以下の測位誤差を実現できる超音波を用いた屋内測位システムを開発してきたが,測位対象に専用の超音波送信機を所持・装着する必要があり,一般ユーザ利用展開への課題になっていた.そこで,一般に広く普及し,携帯性も高いスマートフォンを送信器として利用するシステムの検討を行った.しかし,スマートフォンから超音波は発生できないため,発生可能な非可聴音を用いて同様の屋内測位システムの開発に着手した.まず,スマートフォンから非可聴音を発生させるプログラムを作成し,その動作を確認した.次に非可聴音に対応する受信機を試作し,送信信号取得に必要な検波閾値の決定と測位計算に用いるタイマカウント値の取得実験を行った.それらを踏まえて測位実験の環境を構築し,測位実験を行った.その結果,非可聴音で高い測位精度が得られることと,フィルタを用いることで騒音環境でも測位が可能なことを確認し,スマートフォンを用いた測位ステム実現の見通しを得た.
著者
山中 俊治
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, 2016-01-15
著者
坂野 鋭
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:21888833)
巻号頁・発行日
vol.2015-MPS-106, no.2, pp.1-6, 2015-12-08

本稿においては,データの相関構造を保存する確率的匿名化技術,Correlation Preserving Anonymization - CPPk 匿名化法を提案する.Pk 匿名化は,単なる乱数雑音の印加で,確率的に k-匿名化を保証する興味深い技術である.しかし,議論が事実上,単変数で行われているために,変数間の関係などの構造が破壊される疑問があった.この問題に対し,我々は匿名化前に相関構造を算出し,それを保存する様に匿名化を行う CPPk 匿名化法を提案する.実測データに基づく人工データを用いた実験結果は提案手法が分析に有効であることを示した.
著者
梶 克彦 河口 信夫
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.12-24, 2016-01-15

本稿では歩行センシングデータから高精度に3次元歩行軌跡を推定する手法を提案する.使用するセンサは加速度・角速度・気圧の3種類であり,詳細な建物構造情報を必要としない.装着型センサを用いた行動推定において,センサ信号の変化が少ない状態が継続している区間の検出は,センサ信号が短時間に大きく変化する区間を直接検出するよりも高い精度を期待できる.本稿ではこのような区間を安定センシング区間と定義し,そのコンセプトの適用例として,角速度センサを用いた安定歩行区間検出に基づく進行方向推定と,気圧センサを用いた安定フロア区間検出に基づくフロア間移動推定を行う.さらにそれら推定情報を統合して3次元歩行軌跡を求める.屋内歩行センシングコーパスHASC-IPSCを用いた評価実験の結果,進行方向推定,フロア間移動推定ともに,大きな変化量を直接推定する手法よりも高い精度を達成できた.最終的な3次元歩行軌跡推定の誤差蓄積速度は,10秒間の移動の間に1mの誤差が蓄積する程度であることが確認された.
著者
若宮 翔子 河合 由起子 熊本 忠彦 張 建偉 白石 優旗
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.366-378, 2016-01-15

特定の話題に対する感情は情報発信者によって異なるため,その話題の検索結果には様々な感情で書かれたWebページが混在する.また,話題に対する情報発信者の感情は1つとは限らないため,複数の感情を持って書かれたWebページが存在する.Webページに含まれている情報発信者の感情は読み手が受ける印象に影響を与えるため,特定の感情で書かれたWebページばかりが提示されると話題に対する多様な感情を把握できず,読み手はその話題について偏った印象を持ってしまう.本論文では,検索ワードに対する情報発信者の感情の多様性を考慮したWebページ検索・提示システムを提案する.本システムでは,まず,検索ワードで検索されたWebページにおける情報発信者の感情を取得するために,既存の感情辞書を用いて3軸(軸1:「楽しい ⇔ 悲しい」,軸2:「うれしい ⇔ 怒り」,軸3:「のどか ⇔ 緊迫」)に基づく感情値を算出する.次に,話題に対する情報発信者の感情を網羅するようなWebページを検索するために,特定の感情を有するWebページから抽出した補間語を用いて再検索する.最後に,検索結果として3次元の感情マップとして感情の分布を可視化する.提案手法の有用性を検証するために,既存手法と提案手法による検索結果の感情分布の相対的な広がりを比較評価する.また,抽出した検索ワードの話題性および感情値の適合性,ならびに再検索結果から取捨選択し統合した検索結果の適合性を評価する.
著者
渡辺 裕明 金田 康正
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.7, pp.2843-2850, 1999-07-15

カオスを持つ数列から良い乱数性を持ち周期の長い数列を生成するための手法として テント写像に基づく擬似一様乱数生成法を提案する.テント写像は カオスを持つ系列を生成するロジスティック写像と同様のでたらめさを持つ数列を生成することが可能であり かつ写像の多重度を大きくすることで近隣の数列同士の相関を少なくすることができる.さらにテント写像はロジスティック写像よりも長周期の数列を生成することが可能であり ロジスティック写像で必須であった一様分布列への変換が不要になる利点がある.この生成法と既存の各種擬似乱数生成法について統計的検定を実施し 検定結果を比較することで 生成された擬似乱数列の乱数性を評価した.その結果 写像の多重度が13以上の場合は 既存の生成法と比較しても遜色のない乱数列を生成できることが分った.
著者
千々和 到
出版者
史料館
雑誌
史料館研究紀要 = The Bulletin of Historical Archives
巻号頁・発行日
no.31, pp.1-27, 2000-03-31
著者
鈴木 寿
出版者
史料館
雑誌
史料館研究紀要 = The Bulletin of Historical Archives
巻号頁・発行日
no.2, pp.1-58, 1969-03-31
著者
尹 星皓
出版者
京都造形芸術大学
巻号頁・発行日
2014-03-15

2013
著者
早川 陽
出版者
昭和女子大学
雑誌
學苑 (ISSN:13480103)
巻号頁・発行日
vol.896, pp.2-18, 2015-06-01

In the field of Japanese art education, the pigments employed in traditional Japanese paintings are rarely used, though using them in an educational context could be very valuable in imparting an understanding of Bijutsu Bunka(art culture)currently required in curriculum guidelines. In an attempt to explore how they can be adopted in today's art education, this paper explores two Japanese traditional painting technique books from the Taisho Period and highlights the common characteristics of the pigments described in the books and compares them with pigments that have survived from those times, or have been more recently developed for use in traditional-style paintings. The origins of various Japanese pigments are organized in such a way that they can be used as educational material. In order to provide background for this research, the first chapter considers how Japanese traditional paintings are created, displayed and enjoyed today. Also the significance of Bijutsu Bunka, which was newly specified in curriculum guidelines, is discussed. The second chapter, focusing on the refinement and elutriation of pigments used in Japanese traditional paintings, categorizes and organizes the features of the pigments used. The third chapter refers to the above two books and considers the changes made since then in the types of the pigment. The final chapter summarizes the characteristics of the pigments and gives a general view of how they were traditionally used and concludes that the pigments, many of which have been refined by elutriation, can be utilized effectively in the field of art education today. The author believes that intercourse between the past and present, and understanding and appreciating traditional art, offer new possibilities in the future of art education.
著者
木村 有祐 乃村 能成
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.670-680, 2014-02-15

日々の仕事や生活の中で発生しているイベントは,本人が意識している以上に周期性が高い.オフィスにおける作業も発生の規則性を持っており,それに際して同様な内容のメールが周期的にやりとりされ,過去のメールは頻繁に再利用される.また,過去の仕事の想起や仕事の引継ぎの際にも,過去の仕事の情報を含んだメールを利用することがある.しかし,これらの作業では,利用するメールを探す手間がかかる.この手間は,過去のメールを再利用したという情報が送信者の記憶以外に存在しないために発生する.そこで,過去のメール利用の情報を再利用情報として保持し,先に示した手間を軽減するシステムを提案する.本稿では,メールの再利用における問題とその対処について述べる.次に,システムの設計について述べ,評価結果を報告する.
著者
HanSungKim JongHyeKim JeongAhJang WonGyuLee
雑誌
情報教育シンポジウム2007論文集
巻号頁・発行日
vol.2007, no.6, pp.171-177, 2007-08-26

ITの急速な発展により生じた情報格差は,社会的・経済的な不平等そして教育機会の不平等のような,多くの悪影響を引き起こしている.韓国債報文化振興院によると,2006年の韓国全国民のインターネット利用率は約75%程度であるが,情報疎外層では35%にとどまっており,深刻な問題になっている.このような情報格差を解消するために.韓国政府は多様な政策的対応を試みているが.教育面からの予防的アブローチに関しては十分とは言えない.本研究では予防的アプローチとして,初等中等教育段階の児童生徒が持っている情報格差に対する認識を育てるための「情報格差解消教育カリキュラム」の開発を目的とする.そのために,情報格差の概念を定義し,国内外の教育カリキュラム分析から示唆を得,韓国の児童生徒の情報格差に対する認識水準,教師の情報格差教育の必要性に対する認識水準の調査を行い,分祈した.また開発に当たっては.情報教育及び情報格差閔連機関の専門家から,情報格差解消のための教育内容の要望調査を行い.教師による教育現場における適合性の検討を通じて,より信頼できる教育カリキュラムとなるようにした.
著者
村上 知子 瀬戸口 久雄 鳥居 健太郎 内平 直志 Murakami Tomoko Setoguchi Hisao Torii Kentaro Uchihira Naoshi
雑誌
SIG-DOCMAS = SIG-DOCMAS
巻号頁・発行日
no.B102, 2012-03-11

In this paper we propose a method to estimate working activities from sensor datawithout user annotation. Estimation of working activities are much more difficult than that ofsimple activities such as ’walking’ and ’still’ in terms of their complexity and length. To addressthis issue, we assume that they are a probabilistic combination of various simple activities andpropose a method to discover working activities by multistage estimation, in which firstly classifysensor data into some basic activities and then estimate them by using topic model.We focusedon nursing service as one of professional working activities, in whicn visualization by estimation ofworking activities is critical, conducted the experiment to observe it in the hospital and verifiedour method.
著者
新目 真紀 権藤 俊彦 大沼 博靖 齊藤 長行 山根 信二 玉木 欽也
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2013-CE-118, no.13, pp.1-6, 2013-02-01

産官学民のさまざまな事業においてソーシャルメディアを活用できる人材の育成が必要とされている.著者は,これを情報リテラシー教育の先にある次世代人材育成と位置づけ,ソーシャルメディア/デジタルコンテンツの適切な利用環境をデザインしさらにアセスメントできる 「ソーシャルメディア系の人材育成」 の研究開発に着手した.この新たな人材像にもとづき,多業種にまたがって活躍できる人材を育成する教育プログラムを確立することが本研究の目的である.そのモデルとして産学官民の連携を通じて青山学院大学ヒューマン・イノベーション研究センターが大学の既存科目の中で実装する教育プログラムについて報告し,今後の展望を示す.