著者
勝田 卓也
出版者
青土社
雑誌
現代思想
巻号頁・発行日
vol.48, no.13, pp.285-291, 2020-10
著者
石原 俊時
出版者
東京大学大学院経済学研究科
雑誌
経済学論集 (ISSN:00229768)
巻号頁・発行日
vol.83, no.1, pp.2-54, 2020

<p>スウェーデン救貧連盟は,1918年の救貧法改革の実現に貢献した有力な圧力団体として注目されてきた.また,その児童福祉に関わる活動も,スウェーデンの児童福祉の発展に重要な役割を果たしたことが知られている.しかし,このように活動の一部に関心が集中する一方で,そもそもこの団体が如何なる課題をもち,どのような活動を展開したのかを検討する作業は十分行われてこなかった.そこで,本稿では,担った課題や活動の展開を万遍なく把握することを通じて,この団体の全体像を明らかにし,それによりこの団体がスウェーデン福祉国家の形成に果たした歴史的役割を解明することを試みることとする.この第5部では,児童福祉をめぐる諸活動の展開を,24年の社会的児童福祉法成立に至る児童福祉諸立法の制定に関らせながら見ていくこととする.また,最後に論文の締めくくりとして,この団体の歴史的意義について検討することとする.</p>
著者
木戸 泉
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.74-100, 2020
被引用文献数
3

<p>バルカン半島西部に位置するクロアチアは,1990年代のクロアチア紛争を経て,多民族国家ユーゴスラヴィアから独立を果たした.紛争終結から20年以上が経過した現在,クロアチア国内では紛争の記憶を強固にし,さらに次世代へ継承しようとする動きが見られる.特に激戦地となった都市ヴコヴァルでは,クロアチア系住民の紛争の記憶を強化し継承する行事の開催やモニュメントの設立が積極的に行われている.本研究では,それらの表象内容や設置主体を分析し,地域レベルと国家レベル,またナショナル・マジョリティとナショナル・マイノリティの間で,紛争に対する受け止め方に差異が生じていることを明らかにした.そしてこれを踏まえて,EU加盟を果たしたクロアチアという国家のナショナル・アイデンティティをめぐるダブルスタンダードについて検討を加えることができた.</p>
著者
崔 瑛 岸田 潔 木村 亮 野々村 政一 井浦 智実
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集C
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.718-728, 2010

NATMを用いて未固結地山に小土被りトンネルを掘削するトンネル工事区間では,地表面とトンネルが同程度沈下するとも下がり現象が報告されている.沈下の抑制が重要な課題となるこれらの現場では,対策のひとつとしてサイドパイル工が適用され,地表面沈下抑制効果を発揮している.本研究では,様々な施工条件下でのトンネル掘削数値解析を行い,トンネルと地盤が同等に沈下するとも下がり現象について検討を行った.つづいて,とも下がり発生時サイドパイルの地盤沈下抑制効果について数値解析により検討した.解析結果よりサイドパイルは,内圧効果,またすべり線を交差することでせん断補強効果と荷重再配分効果を発揮し,地盤およびトンネルの沈下を抑制できることを確認した.