著者
稲積 真哉 與北 雅友 木村 亮 嘉門 雅史 西山 嘉一
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
建設マネジメント研究論文集 (ISSN:18848311)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.13-22, 2007-11-08 (Released:2010-06-04)
参考文献数
12

海面埋立処分場において鋼管矢板を打設することで構築される鋼管矢板遮水壁は、埋め立てられた廃棄物からの浸出水が外海へ漏出することを防ぐ重要な遮水工要素である。一方、鋼管矢板が遮水工としての機能を発揮するためには、継手を有する鋼管矢板の嵌合打設において周辺地盤との密実性を保持しなければならない。本研究では、鋼管矢板遮水壁の打設における周辺地盤の乱れ領域の形成に着目し、海面埋立処分場全体の環境保全機能に対する乱れ領域の影響、乱れ領域の形成を抑制する打設工法の効果およびサンドコンパクションパイル工法による地盤改良の影響を、浸透・移流分散解析によって評価する。本研究における成果の一例として、下部堆積粘土層において形成される乱れ領域が特定経路における有害物質漏出の漏出量に大きく影響し、一方、ソイルセメントによる鋼管矢板周辺の地盤改良を伴う鋼管矢板の打設工法が有害物質の漏出抑制に効果的であることを示した。
著者
木村 亮介
出版者
日本生理人類学会
雑誌
日本生理人類学会誌 (ISSN:13423215)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.87-91, 2019 (Released:2019-07-10)

Modern humans dispersed into East Asia approximately 40K years ago and genetically adapted to unprecedented environmental conditions. Signatures of local genetic adaptations, which are engraved in our genome, can be detected using population genomics approaches. Human genome variation data have enabled a comprehensive search for genetic variants showing such signatures as well as for those associated with phenotypic variation. Although our knowledge about local genetic adaptations has increased due to recent research efforts, little is known about what selective pressures acted on the selected variants.
著者
稲積 真哉 與北 雅友 木村 亮 嘉門 雅史 西山 嘉一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
建設マネジメント研究論文集
巻号頁・発行日
vol.14, pp.13-22, 2007

海面埋立処分場において鋼管矢板を打設することで構築される鋼管矢板遮水壁は、埋め立てられた廃棄物からの浸出水が外海へ漏出することを防ぐ重要な遮水工要素である。一方、鋼管矢板が遮水工としての機能を発揮するためには、継手を有する鋼管矢板の嵌合打設において周辺地盤との密実性を保持しなければならない。本研究では、鋼管矢板遮水壁の打設における周辺地盤の乱れ領域の形成に着目し、海面埋立処分場全体の環境保全機能に対する乱れ領域の影響、乱れ領域の形成を抑制する打設工法の効果およびサンドコンパクションパイル工法による地盤改良の影響を、浸透・移流分散解析によって評価する。本研究における成果の一例として、下部堆積粘土層において形成される乱れ領域が特定経路における有害物質漏出の漏出量に大きく影響し、一方、ソイルセメントによる鋼管矢板周辺の地盤改良を伴う鋼管矢板の打設工法が有害物質の漏出抑制に効果的であることを示した。
著者
川瀬 成吾 石橋 亮 内藤 馨 山本 義彦 鶴田 哲也 田中 和大 木村 亮太 小西 雅樹 上原 一彦
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.199-212, 2017 (Released:2018-04-01)
参考文献数
91

淀川流域における外来魚類の生息現況を明らかにするために、採集および文献調査を行った。231地点の採集調査の結果、12種の国外外来種(採集地点が多い順に、オオクチバス、ブルーギル、カダヤシ、カムルチー、タウナギ、コクチバス、ナイルティラピア、アリゲーターガー、ニジマス、カラドジョウ、チャネルキャットフィッシュ、コウタイ)と2種の国内外来種(ヌマチチブ、ワカサギ)が採集された。アリゲーターガー、カラドジョウは当流域(本調査範囲内)、チャネルキャットフィッシュは淀川における初記録となった。河川本流と河道内氾濫原(ワンド・タマリ・二次流路)では、オオクチバス、ブルーギル、ヌマチチブ、カムルチーの、農業水路や支流などの周辺水域ではカダヤシ、オオクチバス、ブルーギル、タウナギの出現率が高かった。オオクチバス、ブルーギルは流域全体に広がっており、カダヤシ、ヌマチチブ、カムルチーも比較的広範囲に出現した。文献調査では、さらに4種(ソウギョ、ハクレン、コクレン、タイワンドジョウ)の外来魚類の記録が見つかった。
著者
上田 優樹 木村 亮之 藤森 浩司 勇内山 大介 田口 丈士 赫 寛雄
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.10, pp.676-679, 2023 (Released:2023-10-25)
参考文献数
9

症例は40歳女性.月経時に出現する右下腿と足背の異常感覚,右腰殿部と大腿部の疼痛が出現し,他院で腰椎椎間板ヘルニアと診断された.発症13ヶ月後から右下垂足が出現し,当院を受診した.右坐骨神経領域の筋力低下と感覚障害に加え,神経伝導検査における右浅腓骨神経と腓腹神経の感覚神経活動電位の振幅低下から,骨盤内の病変が示唆された.骨盤部MRIで右卵巣から坐骨神経にかけて異常信号を認め,子宮内膜症による坐骨神経障害と診断した.ホルモン治療を開始して症状は軽快したが,下垂足が残存した.女性で月経時に悪化・出現する坐骨神経痛や下肢の感覚・運動障害では,子宮内膜症の可能性を考慮する必要がある.
著者
高田 宏宗 柳田 誠 富岡 孝仁 金井 講治 高屋 雅彦 木村 亮 影山 祐紀 竹村 昌彦 丸山 朋子 田尻 仁 松永 秀典
出版者
一般社団法人 日本総合病院精神医学会
雑誌
総合病院精神医学 (ISSN:09155872)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.287-294, 2013-07-15 (Released:2016-12-28)
参考文献数
17

2007年7月から2012年3月に当センターで出産した精神疾患合併妊婦137例を対象に,胎児・新生児合併症と妊娠中の服薬との関連性を検討した。流・死産7例については向精神薬服用との関連は明らかではなかった。奇形8例の母親全員が妊娠初期に向精神薬を服用していたが,妊娠12週以前に服用していた99例のうち,母体が高齢の場合に奇形発生率が有意に高かった(母体35歳以上:30例中6例,35歳未満:69例中2例,p=0.0041)。さらに,服用した向精神薬の種類数も奇形の発生に有意に相関していた(p=0.0021)。流・死産,奇形以外の合併症については,出産直前の内服によって生じ得るものとそれ以外に分けて検討した。いずれも服薬群のほうが非服薬群より発生頻度が約50%高かった。本研究から妊娠初期に向精神薬を内服していた症例では,高齢妊婦および多剤併用という2つの因子が奇形発生のリスクを高めることが示唆された。
著者
今西 規 木村 亮介 瀧 靖之 安藤 寿康 中川 草
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2016-04-01

一卵性双生児は非常に類似した顔をしていることから、ヒトの顔形状はほぼ遺伝的に決定されていると考えられる。そこで本研究では、双生児を中心とする約250組の日本人ボランティアからゲノム情報と顔形状データを取得し、計算機による大規模な関連解析を実施することにより、顔形状の個人差を規定する遺伝要因を解明する。これと並行して、東北メディカル・メガバンクが収集した約1000人分の頭部MRIデータとゲノム情報を解析し、顔形状に関わるゲノム多型の特定を試みる。以上の結果を利用して、個人のゲノム情報から顔形状を予測するためのソフトウエア「ゲノム・モンタージュ」を開発し、生命情報学における新分野の開拓をめざす。平成29年度は【課題1】顔形状の遺伝性推定と関連ゲノム多型の探索について、前年度に引き続いてゲノム情報と顔形状データの収集を進め、その解析に着手した。慶應大学、琉球大学、東海大学が参加して、双生児ボランティアに対する測定会を3回にわたり開催した。その結果、前年度の68名に加えて新たに94名の測定を完了し、合計で162名の顔形状データおよび口腔内細胞試料を取得できた。得られた顔形状データについては琉球大学でのデータ解析を開始し、口腔内細胞試料については東海大学でDNA抽出およびSNP解析を開始した。【課題2】MRIデータを用いた頭顔部形状解析と全ゲノム関連解析については、東北大学、琉球大学、東海大学が参加して解析の準備を進めている。このほか、【課題3】「ゲノム・モンタージュ」の開発についても、テストデータを用いた解析ソフトの開発を進めている。
著者
木村亮
出版者
福井県
雑誌
福井県文書館研究紀要
巻号頁・発行日
no.2, 2005-03-31
著者
青木 健一 木村 亮介 川崎 廣吉 若野 友一郎 小林 豊
出版者
明治大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2010-04-01

新学術領域研究「交替劇」は、ネアンデルタールの絶滅およびヒトによる置換(交替劇)を両者の文化水準の違いによって説明する(学習仮説)ことを目的とした。社会が到達する文化水準は、文化進化のあり方に依存する。このため、領域傘下の我が計画研究班では、文化進化の決定要因およびこれを支える学習戦略の進化に関する理論研究を行った。得られた多くの成果は、査読付の国際学術雑誌や著書に発表済みであり、国際的にも文化進化および学習戦略進化の研究に大きく貢献している。また、ネアンデルタールとヒトの学習戦略に違いがあるならば、両者の認知に関わる遺伝子にも違いが認められるはずとの立場から、分子人類学的な研究も少し行った。
著者
福林 良典 木村 亮
出版者
国際開発学会
雑誌
国際開発研究 (ISSN:13423045)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.153-166, 2009-11-15 (Released:2020-01-29)
参考文献数
19
被引用文献数
1

In this paper, a civil engineering approach in tackling poverty in rural area of developing countries is introduced.Provision and maintenance of rural roads are instrumental in economic development, the economy of most of developing countries is agricultural and large proportions of their population live in the rural areas where accessibility and road conditions are largely poor. Roads become impassable during the rainy season preventing transportation of farm produce to markets and thus accounting for a large proportion of losses incurred by farmers who otherwise depend on agriculture.The authors, with this recognition, have carried out full scale model driving tests and field demonstrations on rural road maintenance using Do-nou “a Japanese term for soilbag” and involving rural people themselves. In this method, only locally available material is required and all procedures are conducted manually. This process is participatory, organized farmers' groups who are trained by the authors repair and maintain the road; armed with the transferred knowledge, the farmers continue to maintain their road with Do-nou even after the civil engineers are gone. It is found that the road maintenance with Do-nou is so simple and effective that the farmers who participated in the construction were encouraged, motivated and felt owners of the road. Additionally it can be said that Do-nou technology gives people the motivation to improve their life leading to poverty reduction.In order to meet goals of this newly developed technology, it is important that the technology take root in the target communities. In this study, four approaches of technology transfer in four countries have been used.An approach for poverty reduction as civil engineers has been established through focused subject of study, relevant technological development, field demonstrations and knowledge extension/transfer. By following up this approach, the community people in the third world will be able to access the marckets and services hence poverty reduction.
著者
鈴木 一正 小島 勝 海辺 剛志 中村 海人 粕谷 忠道 山崎 健也 時永 耕太郎 田代 淳 木村 亮 野呂 昌弘 秋草 文四郎
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.105, no.12, pp.2417-2425, 2016
被引用文献数
2

<p>41歳,男性.発熱,著明な浸出性胸腹水,全身のリンパ節腫脹,CRP高値を認め,原因不明の重症漿膜炎として大量ステロイド,シクロスポリンを投与するも無効.その後,シクロフォスファミド大量静注療法(intravenous cyclophosphamide:IVCY)を追加したところ,著効し,胸腹水は消失した.その後,リンパ節組織を再度検討し,臨床所見とあわせて,TAFRO症候群の診断に至った.本症例はIVCYがTAFRO症候群に有効である可能性を示唆する貴重な症例であると考える.</p>
著者
今西 規 木村 亮介 瀧 靖之 竹内 光
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

ヒトの顔形状はかなり強く遺伝的に規定されているため、原理的にはゲノム情報から顔形状を予測できるはずである。そこで本研究では、ゲノム情報に基づいてヒトの顔形状を予測するためのソフトウエア「ゲノム・モンタージュ」の作成をめざす。まず、合計3000人以上のデータを使ったゲノムワイド関連解析(GWAS)を実施する。次に機械学習による解析を実施し、その有効性を評価する。さらに、GWASと機械学習の長所を融合させた解析を試み、従来の表現型予測の精度を超える新手法の開発をめざす。
著者
木村 亮介
出版者
琉球大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究では、琉球列島におけるヒトの移動史を解明するために、大規模な現代人ゲノムデータの集団遺伝学解析を行うとともに、宮古島における無土器時代およびグスク時代の古人骨ゲノム解析を行う。また、琉球列島集団と日本本土を含む周辺集団との関係だけでなく、琉球列島内の各集団の関係についても詳細に明らかにする。さらに、頭蓋顔面形態における集団間の違いを明らかにする。琉球列島集団と本土日本集団の間における頭蓋顔面形態の違いを明らかにするだけでなく、琉球列島内の集団間における差異についても、特に宮古島集団に焦点を当てて詳細に解明する。
著者
崔 瑛 岸田 潔 木村 亮 野々村 政一 井浦 智実
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集C
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.718-728, 2010

NATMを用いて未固結地山に小土被りトンネルを掘削するトンネル工事区間では,地表面とトンネルが同程度沈下するとも下がり現象が報告されている.沈下の抑制が重要な課題となるこれらの現場では,対策のひとつとしてサイドパイル工が適用され,地表面沈下抑制効果を発揮している.本研究では,様々な施工条件下でのトンネル掘削数値解析を行い,トンネルと地盤が同等に沈下するとも下がり現象について検討を行った.つづいて,とも下がり発生時サイドパイルの地盤沈下抑制効果について数値解析により検討した.解析結果よりサイドパイルは,内圧効果,またすべり線を交差することでせん断補強効果と荷重再配分効果を発揮し,地盤およびトンネルの沈下を抑制できることを確認した.
著者
古屋 貫治 西中 直也 鈴木 昌 松久 孝行 小原 賢司 磯崎 雄一 大澤 一誉 田鹿 佑太朗 木村 亮介 筒井 廣明
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.593-597, 2019

<b>【目的】</b>プロ野球投手のメディカルチェック(MC)でみられる,MR画像のposterosuperior impingement(PSI)と身体機能 との関係は不明である.今回,PSIと当院で重視しているゼロポジション保持機能との関連性について検討した.<BR><b>【方法】</b>当院のMCで,2年連続でゼロポジション保持機能と投球側MR画像を調査しえたプロ野球投手8名を対象とした.ゼロポジション近似肢位での外旋筋力(Zero外旋),肘伸展筋力(Zeroリリース)を両側測定し,MR画像の経年変化でPSI不変群4例と増悪群4例を比較した.<BR><b>【結果】</b>両群ともZero外旋,Zeroリリース,Zero外旋/リリース比は左右差がなく,投球側のZero外旋/リリース比のみPSI増悪群で有意に高かった(p=0.0209).<BR><b>【結論】</b>PSIとZero外旋、Zeroリリースの筋力は相関がみられなかったが,投球側のZero外旋/リリース比には相関がみられた.画像でPSI所見がみられた場合は新たな障害発生のリスクとなる可能性があるため,注意深く経過を診ていく必要がある.
著者
木村 亮介
出版者
日本生理人類学会
雑誌
日本生理人類学会誌 (ISSN:13423215)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.87-91, 2019

Modern humans dispersed into East Asia approximately 40K years ago and genetically adapted to unprecedentedenvironmental conditions. Signatures of local genetic adaptations, which are engraved in our genome, can bedetected using population genomics approaches. Human genome variation data have enabled a comprehensive searchfor genetic variants showing such signatures as well as for those associated with phenotypic variation. Although ourknowledge about local genetic adaptations has increased due to recent research efforts, little is known about whatselective pressures acted on the selected variants.
著者
高林 克日己 末石 真 冨岡 玖夫 今泉 照恵 吉田 尚 杉山 隆夫 木村 亮 井坂 茂夫 島崎 淳
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.74, no.11, pp.1579-1585, 1985-11-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
14
被引用文献数
3 10

全身性エリテマート一デス(SLE)にまれながら間質性膀胱炎を合併することが最近示され,これはlupus cystitis (ループス膀胱炎)と呼ばれている.今までにこのループス膀胱炎の本邦におけるまとまつた報告はなかつたが,われわれは最近4例のループス膀胱炎と思われる症例を経験した.いずれも中年女性で,頻尿などの膀胱症状を訴えて発症し,亜急性に進行して水腎症に至つている.これらの患者はまたいずれにも悪心・嘔吐・下痢などの消化器症状を合併していた.うち1例はステロイド療法・腎瘻造設術後も腸管運動の低下からイレウスを繰り返し,消化管出血により死亡した. 1例は腎瘻造設後にネフローゼ症候群が出現しSLEと診断された.他の2例はループス膀胱炎と診断後,ステロイド療法により膀胱・消化器症状の改善をみた.本疾患はまれではあるが,膀胱の他消化器症状を合併するなど特有の臨床像をもつたSLEのsubgroupの一つと考えられる.しかし既知の特定の自己抗体との相関は認められなかつた.また1例で消化管粘膜下の血管にimmune depositsを認めたが,膀胱では明らかな血管炎はみられなかつた.この疾患は初期には他覚的所見に乏しく,診断が遅れる傾向があるが,早期治療により症状の改善が期待できることから,膠原病患者の膀胱症状に遭遇した際には,念頭におかなければならない疾患と考えられる.
著者
木村 亮
出版者
福井県文書館
雑誌
福井県文書館研究紀要 (ISSN:13492160)
巻号頁・発行日
no.11, pp.19-50, 2014-02