著者
由井 正敏
出版者
農林水産技術情報協会
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.23-28, 1989 (Released:2011-03-05)
著者
八坂 通泰
出版者
北海道立林業試験場
巻号頁・発行日
pp.1-44, 2007 (Released:2011-03-05)

森林植物の多様性を保全するためには、各種の繁殖特性の解明は重要である。開花結実、種子分散などの植物の繁殖ステージは、植物個体群を増殖させるステージであるだけでなく、花や種子は、昆虫、鳥、動物の重要な食物源となっている。さらに、樹木の種子生産の年変動についての情報は、多様な森林の再生を植栽や天然更新により図る場合においても欠かせない。そこで本研究は、森林植物の開花結実特性、特に種子生産における時空間的変動パターンや花粉媒介昆虫の重要性などについて解明し、林冠構成種の多様性の再生や森林植物の多様性の維持など森林植物の保全管理に貢献することを目的とした。種子生産の変動パターンの生物学的な理解や、種子採取・天然更新作業の効率的な実施のためには、種子生産の個体レベルでの分析が必要である。北海道に生育する落葉広葉樹11種を対象に個体単位で結実調査を行い、種子生産の年度間および個体間の変動パターンについて解明した。花や種子の年変動パターンが、長期の間隔をおいて個体間で同調する場合をマスティングといい、その適応的な有利性を説明する仮説の1つが捕食者飽食仮説である。マスティングを示す代表種であるブナについて、開花雌花数の年変動を変動係数で評価するとともに、捕食者飽食が生じる開花パターンについて検討した。さらに、捕食者飽食戦略を応用したブナ林再生のための結実予測技術を開発した。虫媒植物と花粉媒介昆虫との相互作用は、生育環境の破壊や分断化、農薬など化学物質による汚染、外来種の侵入などにより危機的な状態にある。北海道に自生する樹木16種、草本16種について、花粉媒介昆虫の不足が起きたときの種子生産低下の可能性を明らかにするため、花粉媒介昆虫を排除する袋掛け実験を行い、各種がどの程度その種子生産を花粉媒介昆虫に依存しているかについて明らかにした。生息地の分断化は、森林生物の生息を脅かすだけでなく、様々な生物間相互作用を崩壊させる恐れがある。花粉媒介昆虫の減少をもたらす要因として森林の分断化に焦点を当て、住宅地や農地によって分断化された森林で、花粉媒介昆虫への依存度が高い林床植物3種の結実率を調べ、種子生産に及ぼす生息地の分断化の影響を評価した。
著者
横山 士吉 益子 信郎
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.57, no.10, pp.637-645, 2000

分子構造の繰返しに, アゾベンゼン色素を有するデンドリマーが高い分子内組織性を有し, 超分極率を有効に増幅していることを示した. 分子集合体から発生する2次非線形光学現象の起源は, 反転対象中心のない分子配向構造であるので, デンドリマーが分子内で高度に組織化し1軸配向を有していることが明らかとなった. 本研究では超分極率の測定をHyper-Rayleigh散乱法で行い, 解析したデンドリマーの2次非線形光学特性は, 溶液中における分子コンホメーションに反映している. したがって, デンドリマーの分子組織構造が, 分子内の自己組織化によって構築されていることを示すとともに, 観察した超分極率の増幅がデンドリマー組織体によって発現した特異な現象であることを示した. 本誌では, 以上の結論に併せて, 詳細を量子化学的に考察する目的でデンドリマーの3次構造と非線形光学現象について分子動力学計算と分子軌道計算を用いて解析した.
著者
中田 敬吾 細野 義郎 細野 八郎 坂口 弘 細野 史郎
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.257-276, 1986-04-20 (Released:2010-12-13)
参考文献数
12

慢性膵炎患者62名に対する臨床調査を行った。本疾患に対する有効率は著効有効合せると38.8%であった。主訴では腹痛が最も多く, 次いで腹部ガスによる腹部膨満感, 排便異常 (主に下痢または軟便), 背部痛の順であった。投与処方は加減方を入れると52種にのぼったが, 最も多く用いられていたのは柴胡桂枝湯およびその加味方であった。次いで疎肝湯, 半夏瀉心湯, 延年半夏湯, 安中散加茯苓, 六君子湯および加味方, 他の順であった。すなわち柴胡剤と補脾の剤がその主体をなしていた。このことはすなわち, 本疾患の病態として脾虚証の存在とともに肝の失調があることを示唆している。本疾患の原因に胆石の存在, アルコールの摂取過剰などが報告されているが, 今回の調査ではこれが該当する例は少なく, むしろ元来消化器が虚弱で, 低蛋白, 低栄養に起因すると考えられる例が多くを占めていた。
著者
石田 尚哉 粟野 宏 羽場 修 高橋 辰宏 米竹 孝一郎 関 隆広
出版者
一般社団法人 日本液晶学会
雑誌
日本液晶学会討論会講演予稿集 (ISSN:18803490)
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.203, 2006

これまでにさまざまなメソゲンを導入したデンドリマー液晶について検討を行ってきた。本研究ではフォトクロミック分子であるアゾベンゼンを世代の異なるポリ(プロピレンイミン)デンドリマー末端に付加したデンドリマー液晶を合成し、その相転移挙動と液晶構造をDSC、偏光顕微鏡、X線回折により解析した。溶液とフィルム試料での紫外光(UV)と可視光照射による光異性化について検討した。また表面レリーフを作製した。
著者
沢田 三智也 浜 隆二 小宮 雅幸 小川 司
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.1235-1236, 1989-10-16

CTRON仕様は,TRONプロジェクトの一環として情報通信ネットワークの各ノードへの適用を幅広く目指レ基本OSと拡張OSから構成される階層化されたオペレーティングシステムのインタフェース仕様を共通化,標準化したものである。基本OSの核の部分であるCTRONカーネルインタフェース仕様書も,既に第二版が出版公開され,小規模システムへの適用を狙いとして[μC]サブセットが新たに追加された。本論文では、[μC]サブセット仕様のRG68KSBCリアルタイムカーネル(以下,「RG68KSBCカーネル」と呼ぶ)のインプリメント手法について述べる。