著者
多田 泰紘
巻号頁・発行日
2015-06-18

アカデミックスキルセミナー 論文・レポート執筆とプレゼン発表へ向けた 研究の始め方・進め方セミナー. 2015年6月18日(木), 北海道大学附属図書館, 札幌市
著者
Hideto Suzuki Wakako Hikiji Takanobu Tanifuji Nobuyuki Abe Tatsushige Fukunaga
出版者
Japan Epidemiological Association
雑誌
Journal of Epidemiology (ISSN:09175040)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.126-132, 2015-02-05 (Released:2015-02-05)
参考文献数
21
被引用文献数
19 41

Background: Sudden bath-related deaths occur frequently in Japan, particularly among elderly people. However, the precise mechanism of bath-related death remains uncertain, and effective prevention strategies have not been established.Methods: Cases of bath-related deaths (n = 3289) were selected from all cases handled by the Tokyo Medical Examiner’s Office from 2009 to 2011 (N = 41 336). The ages and occurrence dates were examined, and major autopsy findings, including toxicological analysis, were evaluated for the autopsied cases (n = 550).Results: Most cases occurred in individuals older than 60 years of age during winter. Analysis of autopsy findings revealed water inhalation signs in many cases (n = 435, 79.1%). Circulatory system diseases constituted more than half of the pathological findings regarding factors that may have contributed significantly to death (n = 300, 54.5%), and cardiac lesions were the most common pathological finding (n = 250, 45.5%). However, approximately one-third of the cases exhibited no remarkable pathological findings (n = 198, 36.0%). A quarter of all cases involved blood ethanol levels that exceeded 0.5 mg/mL (n = 140).Conclusions: The results suggested that drowning plays an important role in the final process of bath-related death. Circulatory system diseases may be the primary underlying pathology; however, there were variations in the medical histories and pathologies of cases of bath-related death. From a preventive perspective, family members should pay attention to elderly people with circulatory system diseases during bathing, particularly in winter. Additionally, the notion that ill or inebriated individuals should not take baths should be reinforced.
著者
三上 勇気 水溪 雅子 永井 邦芳
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.4_31-4_40, 2010-09-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
60

本研究の目的は,精神科病院で働く看護師の抑うつと怒りの持続の関連とその認知的特性(自動思考,不合理な信念,敵意認知)の影響を明らかにし,抑うつモデルを作成することであった。公立精神科病院2ヶ所,および私立病院5ヶ所の精神科病院に勤務する看護師・准看護師572名に調査を実施した。調査票は無記名で記入後,各自が郵送で返送した。 CES-D得点を平均値より高群と低群に分け,CES-Dの高低群間で「JIBT-R20」と「怒りの持続」,「敵意認知」の得点を比較し,相関分析と先行文献を基に構造方程式モデリングによる因果モデルを作成した。モデルの適合度指標は,GFI=1.000,AGFI=.996で受容でき,どのパスも0.1%水準で有意だった。不合理な信念を強く持つほど敵意認知を高め,怒りが持続しやすくなり,自動思考や抑うつ気分を高める。さらに怒りの持続しやすさもまた,自動思考を高め,抑うつ気分を高めていることが明らかになった。
著者
佐藤 洋
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2020年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.300, 2020 (Released:2020-03-30)

Ⅰ はじめに これまで,多くの地理学者が地域間の経済格差と地方自治に関心を向けてきた.その潮流の中で,地方財政問題にも焦点が当てられている.1980年代に財政地理学を展開したBennett(1980)は地域間の公平性の観点から地方財政問題に地理学的視点を導入する意義を示し,英国の財政調整制度であるレイト支援交付金の配分問題に焦点を当てて実証分析を行った. その後,国内において地理学者が財政問題を扱う際には,我が国の財政調整制度である地方交付税に対して関心が向けられてきた.主に,その関心は地方交付税への依存度が高い地方圏の(特に小規模な)自治体に向けられており,税収が豊かな大都市圏の自治体が注目されることはなかった. しかし,大都市圏の自治体における財政状況を分析すると,バブル景気崩壊後,自主財源の大部分を占めている地方税の滞納の影響が大きく,その金額は決して無視できるものではない.実際に,各自治体は徴収率の向上に積極的に取り組んでいる. 経済学の分野では,地方税の滞納に関してモデルを用いた研究があるが,管見の限り,国内において空間的な観点から地方税の滞納の問題を扱った研究例は存在しない. そこで本研究では,地方税の徴収率の低下が地方財政にもたらす影響の検討を行った.さらに,その結果を踏まえて大都市圏に着目し,地方税の徴収率と他の指標との比較を行い,その特徴について計量的に分析した.Ⅱ 分析対象地域の概要と調査内容 本研究における分析対象は,東京都,埼玉県,千葉県,神奈川県の1都3県の基礎自治体とした(税制度の異なる東京23区は除く).地方財政状況調査,国勢調査などの統計をもとに,地方税の徴収率の低下が自治体の財政に与える影響を分析した.さらに,相関行列の作成や重回帰分析などの計量的な手法を用いて,滞納の発生と,失業率,生活保護率,犯罪認知件数などの都市問題との関係を分析した.Ⅲ 結果と考察 大都市圏の基礎自治体における地方税の徴収率と財政状況を分析した結果,地方税は自治体の自主財源額の約8割を占めている.地方税の滞納額は約1,578億円(平成29年度)に上り,徴収率が1%上がると,歳入が約541億円増加する状況にある(当該自治体における同年度のふるさと納税の合計受入額は約150億円である).特に財政力指数が高い(地方交付税が少ない)自治体ほど,滞納が発生した場合の影響が大きくなる.自主財源額と比較して,滞納額が約15%に相当する自治体(千葉県八街市)も存在している. そこで,計量的な手法を用いて地方税の徴収率を様々な指標と比較した.相関行列の作成および重回帰分析による分析から得られた主な知見は次の2点である.①地方税の徴収率が低い(滞納率が高い)自治体はブルーカラー従業者割合,外国人割合,犯罪認知件数,生活保護率,失業率などの貧困問題と関係の深い指標と正の相関がある.②平均年収,税務職員数に対しては負の相関がある. 各指標における自治体の分布の考察により得られた主な知見は次の3点である.①平均年収が低い自治体やブルーカラー従業者割合が高い自治体は都心から同心円状に分布するが,地方税の徴収率が低い(滞納率が高い)自治体は,同心円状には分布しない.②貧困問題と関係の深い指標と徴収率の分布が一致しない自治体がある.③平均年収が高いが,徴収率が低い自治体においては,住民の納税に対する意識に何らかの問題が生じている可能性がある. 上記の分析結果より,地方税の滞納という現象は,確かに貧困問題と関係しているが,それだけでは説明できない部分も多くみられた.これらの解明については今後の課題としたい.参考文献Bennett,R.J.1980.The Geography of public finance:Welfare under fiscal federation and local government finance.London:Methuen.
著者
松原 宏
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2020年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.294, 2020 (Released:2020-03-30)

本発表は、2019年の台風15号と19号による被害の特徴を指摘するとともに、国土政策や産業立地政策との関係を考察しようとするものである。台風15号の被害は、千葉県を中心に、停電が長く続いたが、これには森林の荒廃が関係している。台風19号の被害は、広域にわたる大河川の氾濫を特徴としており、これには戦後の国土政策の歴史が関わっている。また、郡山の工業団地の水没には、テクノポリス政策の進め方と関わっているように思われる。今後の国土政策を考える上では、災害に備えることを重視する必要がある。
著者
長尾 謙吉
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2020年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.289, 2020 (Released:2020-03-30)

1.研究の背景と目的日本の地域間人口移動は,高度経済成長期には3大都市圏へ職業を問わず幅広い階層の人々が移動したが,1980年代のバブル経済期には高学歴層が移動の中心となり,さらに1990年代後半には高学歴女性の東京圏への移動が顕在化した(中川2005).地域間で移動するのは,高学歴層に偏り,彼ら彼女らは東京圏へ選択的に移動している.こうした人口移動の傾向を「選択的」人口移動と称すことができよう.豊田哲也を代表者とする科学研究費助成研究「地理的多様性と地域格差問題の再定義に関する研究」「所得格差の要因と影響に関する地理学的研究」「所得の地域格差とその要因に関する地理学的研究」の共同研究メンバーであった中川(2005; 2015; 2017)は,こうした人口移動の傾向について許育歴・コーホート別にみた推計を行い,経済格差の再生産は個人間や世帯間だけでなく,東京圏とそれ以外での地域の間でも進行していることを指摘してきた.さらに,発表者ら共同研究メンバーとは,関西の大学卒業生たちの動向をみても就職時だけでなく就職後の転勤などの移動をみても「選択的」人口移動の傾向が一方ではみられ,他方で東京圏以外の地域におけるさらなる活力低下は就業機会の面から再び「選択的」ではなく幅広い人々の移動の誘因となる可能性をあることを意見交換してきた.まことに残念ながら中川は2019年10月に急逝した.中川が持ち続けてきた問題意識をふまえて,「選択的」人口移動と就業機会の地理との関連について考察するのが本発表の目的である.人口移動と地域格差との関係について,どちらが要因でどちらが結果なのかというのは「鶏が先か,卵か先か」系統の古くからの研究課題である.就業機会の地域格差は仕事を求める人々が仕事の多い地域に移動することによって調整メカニズムが働き,地域格差が縮小すると新古典派経済学によるアプローチでは想定されている.日本における経験的事実に目を向ければ,県間移動者は20歳前後から30歳代が多くを占めている(大江2017).さらに,「女性の労働市場,とりわけ有配偶女性については,人口移動によって地域間の労働市場の不均衡が調整されるというメカニズムは働きにくいことが想定される」(坂西2018: 118).それゆえに,人口と就業機会の地域格差について世代差や男女差にも留意した研究が求められよう.2.分析枠組みと論点人口移動の要因と年齢や職業をはじめとする移動者の属性を絡めて考察できるのがベストではあるが,分析の要求を満たすデータを得ることは簡単ではない.本発表では,国勢調査のデータを用いて人口分布を世代別・男女別・職種別に東京圏(東京都,埼玉県,千葉県,神奈川県)とその他の地域というある種「大雑把な」区分を基にして地理的状況を検討し知見を得たい.世代別については,大江(2017)や中川(2015; 2017)で用いられている出生コーホート別に人口分布をみるコーホート・シェアが有用である。高度成長期には若年期において東京圏のシェアがかなり上昇し,1960年代コーホート以降は、東京圏生まれが増加するとともに,20代前半にかけてシェアが増加している(大江2017).本シンポジウムにおける豊田報告や中澤(2019)でも焦点となっている1970年代生まれに着目すると,それまでの世代に比べて25歳以降においても東京圏のシェアが低下しないことが注目される.男女別にみると,東京圏シェアは女性の方が若干低い.仕事の東京圏シェアは,職種別にみると専門的・技術的職業や事務職では高いが,従業上の地位でみると派遣社員の比率が高い.「さまざまな仕事」の偏在(橘木・浦川2012; 長尾印刷中)や仕事の「質」の差異(高見2018)と「選択的」人口移動との関連性は高いと考えられるが,「選択的」人口移動との結びつきだけでは東京圏の労働市場は説明できないであろう.人口集積と就業をうみだす産業活動との関係を論じた加藤(2019)は,「人が住むから働く場所がある」傾向への「風向きの変化」を提起している.豊田(2015)が指摘してきた「水準の地域格差」についてある程度は収斂するなかでの「規模の地域格差」の拡大とともに,就業機会の地理の行方を見定める論点となろう.
著者
申 知燕
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2020年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.282, 2020 (Released:2020-03-30)

1.はじめに 近年のグローバルシティでは,国際移住が急激に増加していく中で,従来の労働移民に加えて,トランスナショナル移住者が多く見られる.中でも,留学生やホワイトカラー労働者といった,国際的なキャリア形成を目標とする若年移住者層の急増によって,移住者の集住地を含む都市空間全体が大きく変化している.このような変化は,居住地や商業施設の立地条件だけでなく,インターネットやスマートフォンの普及による移住者の行動変化にも起因すると考えられる.しかしながら,従来の研究は,都市空間における物理的空間としての集住地と移住者間の関係に注目したものが多く,バーチャルな空間がいかに既存の集住地に影響を及ぼしているのかについて把握した研究は少ない.そこで,本研究では,グローバルシティにおける近年の韓国系移住者(以下韓人)を事例に,かれらのオンラインサイトおよびコミュニティの利用状況から,トランスナショナルな移住行動,中でも場所の制約のないオンライン空間でのエスニックな活動が集住地や都市空間全体に与える影響を明らかにしようとした. 本研究にあたっては,2013年5月から2020年1月にかけて移住者を対象としたアンケートおよびインデップス・インタビュー調査を実施した他,回答の中で言及されたオンラインサイト・コミュニティについて,情報を収集・分析した.2.事例地域の概要 本研究では,現代における代表的なグローバルシティであるニューヨーク,ロンドン,東京の大都市圏を事例地域としている.それぞれの事例地域における韓人人口数はニューヨークで約22万人,ロンドンで約1万人,東京で約15万人と推定されている.各地域では,戦前もしくは戦後直後から韓人の流入が続いており,主に旧期移住者によって,インナーシティや郊外を中心に集住地が3〜5カ所程形成されてきた.しかし,1980年代後半から,高等教育機関への留学や一般企業での就労を目指して移住する若年層が増加しており,かれらは既存の集住地には流入せず,大都市圏各地,特に市内中心部および生活・教育環境の良い一部郊外に散在するようになった.3.知見 本研究から得た結論は以下の3点である. 1点目は,1980年代後半からグローバルシティに移住した韓人は,自らのアイデンティティを保持し,エスニックな必要を満たすために,散在しながらもオンラインサイトやコミュニティを利用することである.かれらからは,集住をし,エスニックビジネスを営み,集住地のコミュニティに積極的に参加するといった,旧期移住者特有の移住行動が見られないが,それはかれらが現地社会に同化しているからではなく,移住過程でインターネットを通じてエスニックな資源を得られるからであると考えられる.かれらは,移住の前段階で,母国や経由地でオンラインサイトやコミュニティを利用することで移住先に関する情報を収集しており,移住後も,それらの情報と自らの社会経済的資本を適切に活用することで,既存の集住地に深く依存しない生活を送る. 2点目は,オンラインサイトやコミュニティは,エスニックな資源を必要とした個人移住者によって自発的に設立・管理・利用される傾向が強い点である.オンラインサイト・コミュニティの利用者は,オンライン上でエスニックな情報交換,親睦活動,中古商品の売買などを行っており,中でも情報交換機能を重視している.これらのサイトやコミュニティは,移住後に情報交換や人脈形成の必要性を感じた個人移住者の善意によって,非営利目的で立ち上げられたものが多く,管理者はサイト・コミュニティが大型化しても,商業化させて収益を得るよりは,一利用者として参加し続ける傾向があった.一部の企業は,インターネットを積極的に利用する移住者層をターゲットとし,同時代の韓国で販売されるような商品やコンテンツを提供することを目的にウェブサイトを立ち上げるが,通販サイトを除いては,情報提供や交流の機能がサイト維持のための原動力となっている. 3点目は,このようなオンラインサイト・コミュニティの利用様相は,かつて物理的な空間としての集住地が持っていた機能の一部が切り離され,バーチャル空間上に別途存在するようになったことを示すことである.大都市圏に散在し,集住地に頻繁に訪れることが難しい移住者にとって,場所の制約がなく,自由に多様な情報を得られるオンラインサイト・コミュニティは唯一無二なエスニック空間となる.しかし,その存在により,逆説的に,集住地に凝集する必要性は低下するため,集住地の機能分化とオンライン化が進む.
著者
鎌倉 夏来
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2020年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.280, 2020 (Released:2020-03-30)

知識や技術の創造と拡散がいかなる地理的特徴を有するのかを明らかにすることは,地理的に不均等な経済成長を理解するために重要である.これまで,イノベーションを取り巻く様々なアクターが形成する環境に注目した研究は,ナショナルイノベーションシステム(NIS)や地域イノベーションシステム(RIS)といった,地理的な領域として区切られたなかでの制度を分析するという枠組みや,個別の産業特有のシステム環境に着目したセクターイノベーションシステム(SIS)といった枠組みの中で論じられてきた.しかしながら前者においては,地理的スケールの境界や階層を先験的に設定することで,本来重要な役割を果たしているアクターを軽視する可能性がある.また,後者については,既存の産業枠組みにとらわれることによって,産業の枠を超えたイノベーションの創出を把握することができないという問題点があった.本稿では,知識や技術に着目した「技術イノベーションシステム(TIS)」という分析枠組みを導入し,より知識や技術そのものの特徴に即したイノベーションシステムの地理的特徴を解明するための試論を展開したい.分析対象は,近年国内外で多様な産業への応用が期待されているAI(人工知能)関連技術とした.まず,1980年から2019年について,AIに関連する論文を抽出した.具体的には,Web of Science Core Collectionの中でComputer Science, Artificial Intelligenceに分類された論文935,548本(2020年1月8日時点)を取得し,その中で高頻度に引用されている2,350本の論文を分析対象とした.高被引用文献は,2009年から2019年に発表されたものに限定されていたため,分析対象はこの期間となる.特許出願等の状況から2014年以降は「第三次AIブーム」とされていることから,①2009年〜2013年,②2014年〜2019年の二つの時期に分けて分析を行った.共著者数を考慮せずに論文数で重み付けし,①と②の期間を比較すると,中国の研究機関・企業の割合が二倍近くになっていることがわかった.しかしながら,これらの論文に占める国際共著論文の割合は,最も論文数の多かった中国科学院で60%以上となっているなど,国単位での分析には適していないことが確認された.そこで,著者の所属する研究機関・企業をノードとした社会ネットワーク分析を行なったところ,国単位の内部ネットワークが必ずしも強固ではないことが示唆された.
著者
内藤 俊夫
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.397-402, 2012

感冒は患者が外来を受診する理由で最も多く, その診療に要する医療資源は莫大な量である. インフルエンザは世界的な大流行を繰り返し, 多くの患者の命を奪っている. インフルエンザに対してはワクチンを用いた適切な予防が重要であるが, 本邦では必ずしも徹底されていない. 感冒・インフルエンザ患者に対する抗菌薬の乱用は, 耐性菌・副作用・医療費において大変な問題である. また, 世界規模でオセルタミビル (タミフル<sup>®</sup>) 耐性株が出現しているほか, オセルタミビルの治療効果を疑問視する発表も相次いでいる.これらのことから, 感冒・インフルエンザの治療における漢方薬の使用が注目されている. 西洋薬と違い漢方薬では, 急性期のみならず亜急性期・慢性期の症状改善にも有効であることが特徴である. 近年, 漢方薬を用いた臨床試験の報告も増えている. われわれはインフルエンザ患者に対する麻黄湯のランダム化比較試験を行ったが, これによると麻黄湯ではオセルタミビルなどの抗ウイルス薬と同等の効果が得られた. また, 漢方薬の中にはサイトカインの調節に役立つものがあり, インフルエンザ肺炎やインフルエンザ脳症の治療への活用が期待される.
著者
宮川 健郎
出版者
武蔵野大学国文学会
雑誌
武蔵野日本文学 (ISSN:09188584)
巻号頁・発行日
no.28, pp.26-28, 2019-03
著者
菅野 恵
出版者
和光大学現代人間学部
雑誌
和光大学現代人間学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Human Studies (ISSN:18827292)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.177-184, 2019-03-08

In schools across Japan, the issue of students refusing to go to school is increasingly becoming more complex and varied. Recent trends have shown that the percentage of elementary and middle school students who refuse to go to school is at an alltime high. Thus, attention has been focused on free schools as a place that supports children who refuse to go to school. Free schools welcome students who have become unable to go to school. On the other hand, due to the higher awareness of the issue of children who refuse to go to school, there are many university students who wish to learn about this issue in university classes. However, in universities, the focus is on learning and acquiring knowledge about the issue itself; opportunities are rare for university students to interact with children who have experienced this issue.This paper reports the implementation and progress of a program through which university students who had an interest in the issue could interact with elementary school students who attend a free school. Through the program, both the university students and free school students developed deeper relationships through such activities as games and exploring the university campus. Moreover, a survey was distributed to the university students, and a qualitative analysis was conducted on changes in the state of mind of the university students before and after the program. As a result, it was suggested that before the program, the university students held anxieties about interacting with the children and had biased views of the issue of children refusing to go to school. After the program, the university students saw changes in their impressions of this issue and felt that their perspectives were widened. Furthermore, this paper discusses the significance of university students learning about the issue of children refusing to go to school through practical experience.
著者
Jinsha LIU Keiji MOCHIDA Ayumi HASEGAWA Kimiko INOUE Atsuo OGURA
出版者
THE SOCIETY FOR REPRODUCTION AND DEVELOPMENT
雑誌
Journal of Reproduction and Development (ISSN:09168818)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.117-127, 2018 (Released:2018-04-13)
参考文献数
44
被引用文献数
5

Although it is known that the susceptibility of mouse spermatozoa to freezing-thawing varies greatly with genetic background, the underlying mechanisms remain to be elucidated. In this study, to map genetic regions responsible for the susceptibility of spermatozoa to freezing-thawing, we performed in vitro fertilization using spermatozoa from recombinant inbred mice derived from the C57BL/6J and DBA/2J strains, whose spermatozoa showed distinct fertilization abilities after freezing. Genome-wide interval mapping identified two suggestive quantitative trait loci (QTL) associated with fertilization on chromosomes 1 and 11. The strongest QTL on chromosome 11 included 70 genes at 59.237260–61.324742 Mb and another QTL on chromosome 1 included 43 genes at 153.969506–158.217850 Mb. These regions included at least 15 genes involved with testicular expression and possibly with capacitation or sperm motility. Specifically, the Abl2 gene on chromosome 1, which may affect subcellular actin distribution, had polymorphisms between C57BL/6J and DBA/2J that caused at least three amino acid substitutions. A correlation analysis using recombinant inbred strains revealed that the fertilization rate was strongly correlated with the capacitation rate of frozen-thawed spermatozoa after preincubation. This result is consistent with the fact that C57BL/6J frozen-thawed spermatozoa recover their fertilization capacity following treatment with methyl-β-cyclodextrin to enhance sperm capacitation. Thus, our data provide important clues to the molecular mechanisms underlying cryodamage to mouse spermatozoa.
著者
武藤 秀太郎
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.241-262, 2002-04-30

本稿は、戦後日本のマルクス主義経済学の第一人者であった宇野弘蔵(一八九七―一九七七)の東アジア認識を、主に戦時中に彼が執筆した二つの広域経済論を手掛かりに検討する。「大東亜共栄圏」は、「広域経済を具体的に実現すべき任務を有するものと考えることが出来る」。――このように結論づけられた宇野の広域経済論に関しては、これまでいくつかの解釈が試みられてきた。だが、先行研究では、宇野が転向したか否か、あるいは、かかる発言をした社会的責任はあるかどうか、といった点に議論がいささか限定されているきらいがあり、戦後の宇野の発言等を含めた総合的な分析はなされていない。私見では、宇野の広域経済論は、戦前戦後を通じて一貫した経済学方法論に基づいて展開されており、彼の東アジア認識を問う上で非常に貴重な資料である。大東亜共栄圏樹立を目指す日本は、東アジア諸国と「密接不可分の共同関係」を築いていかねばならないという、広域経済論で打ち出されたヴィジョンは戦後も基本的に継承されている。このことを明らかにするために、広域経済論を戦後初期に宇野が発表している日本経済論との対比から考察する。