著者
和田 純夫
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.393-400, 1989-06-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
17
被引用文献数
1

水素原子を波動関数で表すということと同じレベルで, 時空やその中のすべての物質を含む宇宙全体を波動関数で表そうとするのが, 量子宇宙論である. 古典的な宇宙論では, 宇宙は big bang から始まった事になっているが, ほんとうに始まりを議論しようとすれば, どうしても量子論が必要になる. ここ数年, インフレーション宇宙というものの後に big bang が生じたという模型が議論されてきたが, これを量子論で考えようとしたのが, 最近の量子宇宙論の研究の直接の動機である. ここでは宇宙論的側面と, 付随して問題になる量子力学そのものの解釈論など原理的側面を含めて, 最近の発展を解説する.
著者
田中,和夫
出版者
家屋害虫研究会
雑誌
家屋害虫
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, 2000-12-30

双翅類は所謂ハエ,カ,アブ,カガンボ(ガガンボ),ブユなどと称される昆虫で,最も進化した昆虫類の一つである.中生代初期から地球上に現れたと考えられ,歴史的には完全変態類では甲虫類より新しく,鱗翅類よりは古い.世界で10万近い種が知られ,日本では1989年のリストで5,232種が記録されている.推定実在数は世界で15〜35万といわれ,日本では1〜2万と思われる.尚,上記のハエ,アブなどの名前は,分類学上の区分に必ずしも正確に対応していないことに注意して頂きたい.
著者
田中 省作
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.351-367, 2017 (Released:2018-12-31)
参考文献数
30

膨大なテキストを機械処理し, 知識の発見や仮説の検証を行う, テキストマイニングとよばれる方法論がさまざまな分野で活用されはじめている. そのようなテキストマイニングと密接な関係にあるのが, 計算機で日本語や英語といった自然言語の処理を探究する自然言語処理である. 本稿では, 今後, テキストマイニングが社会学も含め多様な分野で展開されることを念頭に, 自然言語処理を概観し, その言語観や自然言語処理からみたテキストマイニングについて事例を交えつつ, 論じる.自然言語処理は, 情報科学, 言語学や認知科学などにまたがる学際的な分野である. 自然言語処理はテキストマイングを重要な応用として位置づけており, 汎用的な基礎解析だけではなく, 課題にそくした技術開発等も行われている. その自然言語処理は技術開発の際, 言語を大胆に捨象し, 近似することが日常的に行われる. その結果, 現在の技術水準では文脈などの大局的な言語情報は必然的に失われ, 自然言語処理を活用するテキストマイニングにも強く影響する. 得られる知識断片には, 専門家による関連知識の補完や解釈が必然的に求められることになる.
著者
桑原茂夫著
出版者
河出書房新社
巻号頁・発行日
2007

5 0 0 0 OA 大阪市史

著者
大阪市参事会 編
出版者
大阪市参事会
巻号頁・発行日
vol.第1巻, 1915
著者
小山 英則
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.227-230, 2010 (Released:2010-05-20)
参考文献数
5

終末糖化産物(advanced glycation end-products, AGEs)の主要な受容体であるreceptor for AGEs(RAGE)は免疫グロブリンスーパーファミリーに属する膜1回貫通型受容体で,AGEや炎症性リガンドとの結合により細胞内活性酸素上昇を初めとする種々の細胞内情報伝達経路を活性化し炎症反応を媒介する.AGE/RAGEは動脈硬化,血管新生反応,血管障害,炎症反応などを介して糖尿病性大血管障害に関与する.ヒト循環血中には可溶性RAGE(sRAGE)が存在し,これには細胞表面から切断されたものと,分泌型を含む.可溶性RAGEは細胞外ドメインを有するため,RAGEのデコイ受容体として作用する可能性が推測され,標的療法の可能性が期待されている.近年可溶性RAGE測定系が開発され,RAGE/sRAGE系の種々の病態における意義が明らかになりつつある.このようにAGE/RAGEは糖尿病性血管障害のバイオマーカー及び治療標的として大変期待されている.

5 0 0 0 OA 短信

出版者
国立国会図書館
雑誌
外国の立法 : 立法情報・翻訳・解説 (ISSN:13492071)
巻号頁・発行日
vol.(月刊版. 284-2), 2020-08
著者
堀越 篤史
出版者
分子シミュレーション学会
雑誌
アンサンブル (ISSN:18846750)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.42-47, 2017-01-31 (Released:2018-01-31)
参考文献数
13

南部力学とは,一般化されたハミルトン力学である.南部力学はシンプレクティック性を持たないが,ハミルトン力学系におけるシンプレクティック数値積分法に似た,相空間の体積要素を保存する数値積分法を構成できる.オイラーのコマを例に,南部力学系における体積保存数値積分法を解説する.
著者
川北 宇夫
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.223-228, 1959-04-10 (Released:2009-02-09)
参考文献数
10

Our daily task of shaving is discussed in this article. Shaving touch, which is quite a vague notion and involves many factors, is very difficult to treat quantitatively. The writer, who reported informer articles a new method to measure bevel angle of razor blades, investigates the relationship between the actual shaving touch and the physical quantities such as top edge radius, top edge angle, paper-or string-cutting value and so on. The factors which dominate shaving touch are classified into three groups: physical factors, physiological factors and pre-shaving treatments. “Pulling” effect in shaving is desired to be possibly small, which means that the top edge radius of blade should be small. “Planning” effect is also very important in actual shaving. If the top edge angle is large, the “planning” is diminished and the shaving touch to the skin is mild. But if the top edge angle is too large, the touch to the skin is slack and we can not get satisfaction in such a shave. “Stropping”effect of shaving was found by the writer in this investigation: the edge which had been deteriorated artificially by repeated paper cutting tests was found sharpened after actual shaving. The rough-hone angle is not an important factor in shaving touch. Concerning the holder of blade, the shaving angle is of much importance. Sound effect, resistant feeling to the hand, sensation of pain by “pulling” and distribution of string cutting value are also discussed in this article.