著者
波田野 裕一
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2020-IOT-51, no.3, pp.1-5, 2020-08-27

IT を利用したサービスやシステムの多くにおいて,正常なサービスの提供やシステムの稼動を実現するために 24 時間 365 日の体制で障害監視システムの運用・保守および障害対応業務が行なわれている.従来から監視システム製品・ツールの仕様や利用方法の情報は豊富にあり,近年は障害監視システムの設計に関する情報も増えてきたが,障害監視システムから障害対応業務にわたる障害監視全体にわたってどのように設計するべきかという情報はまだ少なく,各現場において個々人の経験に基づいて非再現的に設計および構築が行なわれているのが現状である.本稿では,障害監視全体を俯瞰し,再現性を持って障害監視システムおよび障害対応業務を設計・構築するためのモデルを提案する.
著者
水野 史暁 鈴木 謙太 小林 玲羽
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2019論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.426-429, 2019-09-13

本研究はバーテンダーのカクテルシェイク動作を遠隔地に伝えられるシステム:VRShakerを開発し,実際にバーへ赴くことなく3D空間内でアバターを介して他の人と飲用体験を共にできるコンテンツの開発を行った.メタバースにおいて,バーテンダーのカクテルシェイカーのシェイク動作をトラッキングしVRShakerが動きに追従することで,自宅にいながら,遠く離れたバーに来ているような体験を提示すると共に,他の人に作ってもらったカクテルも味わう事ができる.
著者
玉城 絵美 本山 理梨子 西村 昭治
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:21888698)
巻号頁・発行日
vol.2017-UBI-56, no.4, pp.1-4, 2017-10-25

ヒトは嗅覚疲労のため,自分自身が体臭を発していても気づかなくなってしまう.そのため,周りの人に体臭で迷惑をかけたり,恥ずかしい思いをしたりする人もいる.本来ならば,いつどのタイミングで体臭が発生するかを個々人に応じて教育しなければならない.既に体臭をチェックする装置が提案されているが,ユーザはいつどのタイミングで体臭が発生しているかわからない.そこで本研究では,ユーザが体臭を出したタイミングを知らせてくれるウェアラブルデバイスを提案する.提案デバイスは,臭いセンサと LED ディスプレイと加速度ジャイロセンサで構成される.臭いセンサで体臭を計測し,LED ディスプレイによりリアルタイムにユーザに体臭の強さを教示する.また,加速度ジャイロセンサから推定されるユーザの行動と体臭の平均値から,どのタイミングで体臭が発生しているかを推定し,PC 上からユーザにいつどのタイミングで体臭が発生しているかを教える.
著者
高木 亮治 Takaki Ryoji
出版者
航空宇宙技術研究所
雑誌
航空宇宙技術研究所報告 = Technical Report of National Aerospace Laboratory (ISSN:03894010)
巻号頁・発行日
vol.1407, pp.1冊, 2000-06

極超音速非平衡流の特徴である高温気体効果を考慮した数値解析を行った。高温気体効果として化学非平衡および熱的非平衡を考慮した。化学反応モデルとして7化学種、18反応モデルを用いた。また熱的非平衡モデルとしてParkの2温度モデルを用いた。慣性項の計算にはAUSMDVスキームを使用している。時間積分には計算効率の良いLU-SGS(Lower-Upper Symmetric Gauss-Seidel)法と局所時間刻法を用いている。またソース項にはpoint impact法を用いている。開発した解析コードを用いて半球周りの軸対称流の解析を行った。実験データと比較することで開発したコードの検証を行った。また格子依存性についても調べた。衝撃波後方の流れが強い非平衡性を持った流れであることを示している。
著者
藤野 良孝
雑誌
情報学研究 = Studies in Information Science (ISSN:24322172)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.47-52, 2017-03-31

本研究では、醤油を入れる動作でたびたび表現される「チョロッ」、「ドバッ」、「ポタッ」、塩をふる動作でたびたび表現される「パラパラ」、「サッサッ」、「シャカシャカ」のオノマトペに着目し、それらの掛け声が実際の動作にどのような影響を与えるのかを分析・考察した。その結果、オノマトペの掛け声の種類に応じて醤油の入れる量に差異が認められたこと、塩の散り具合に変化が見られたことが分かった。このようなオノマトペの掛け声によって微妙に動きや量が変わることから、料理の効率的な作業や指示を行う際に役立つ可能性が示唆された。
著者
阿久根 優子 細江 宣裕
出版者
GRIPS Policy Research Center
雑誌
GRIPS Discussion Papers
巻号頁・発行日
vol.19-05, 2019-06

独占的競争下の製品差別化を取り入れた枠組みは、おもに製造業について適用され、農業は製品差別化のない同質財部門として単純化して描写されることが多い。一方、農業経営や農業政策に関する分析では、製品差別化を通じて高付加価値化を図る、高い起業家精神や生産性を持つ一部の生産者に注目が集まる。現実はどちらに近いのであろうか。本研究では、『農家経営統計調査』の個票データを用いて、農家の全要素生産性とその分布を導き、合わせて、Crozet and Koenig (2010)の手法を用いて、差別化財(バラエティ)間の代替の弾力性を推定する。分析の結果、施設野菜作や施設花卉作といった施設園芸関連、畑作や果樹作で、生産者間の異質性が相対的に高いことが確認された。製品差別化の程度は、畜産関連の営農類型で相対的に高い傾向にある。バラエティ間の代替の弾力性は大きくても3程度であり、製造業について得られる弾力性と大きく異なるものではないことがわかった。
著者
吉井 涼子
雑誌
二松学舎大学論集
巻号頁・発行日
no.58, pp.179-203, 2015-03
著者
斉藤 泰雄
出版者
国際基督教大学
雑誌
国際基督教大学学報. I-A 教育研究 = Educational Studies (ISSN:04523318)
巻号頁・発行日
no.59, pp.149-157, 2017-03-31

本論は,1880 年代後半期に初代文部大臣として日本の近代教育制度の基本的骨格を樹立した森有礼の思想と政策を,かれの豊富な国際経験とグローバル感覚という視角から,あらためて見直すことを目的とする。初期留学生,外交官として長い海外生活を経験していた森は,弱小国日本の国力向上,国づくりのためには,国家的な教育制度の樹立が不可欠であると確信する熱烈な教育立国論者となっていた。維新以来の教育事業を整理し,体系的な教育システムに再編することを企てる。また,きびしい国際競争のなかで日本が生残り発展するためには,脆弱な国民気質の改善そのものが不可欠であるとして,国民の士気の向上,気力の鍛錬が国民教育の中心的目的であると力説した。国民の精神的支柱となるものを模索した森は,それを日本独特の天皇制の伝統に見いだした。しかし,森の功利主義的な天皇制への接近は,国粋主義者の疑念をまねくものとなった。In 1885, Mori Arinori was appointed to the minister of education under the newly-established cabinet system led by the prime minister Ito Hirobumi. Mori was the primary architect of the national education system. He was one of the Westernized intellectuals in the early period of Meiji era and had worked mainly for in the field of diplomacy. Through his suffering negotiation with the great powers, he had come to firmly confident of the importance of education for nation building. His experience and observation in the global context had a major effect on his educational philosophy and policy. He undertook to reorganize the educational efforts in the early stage of development and integrated into an entire education system. He stated that education was not for the sake of individuals but for the sake of state. He thought that in order to Japan survive and win in the increasing competitive world, it was essential to boost the morale of the Japanese people. To strengthen the mental backbone of the nation, he dared make the most of the authority of the age-honored Japanese imperial system. However, the conservative camp suspected his utilitarian approach to the imperial tradition. He was assassinated by a fanatic who insisted on his disrespectful act in the main shrine connected with the Imperial Household.
著者
後藤 敏行
出版者
日本図書館協会
雑誌
現代の図書館 = Libraries today (ISSN:00166332)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.176-183, 2019-11-25