著者
星 雄輝 清 雄一 田原 康之 大須賀 昭彦
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2020-ICS-197, no.8, pp.1-7, 2020-02-10

昨今,PC やスマートフォン,インターネットの普及に伴い個人でもゲームを制作することが身近な存在となっている.しかし,作曲・演奏経験の乏しいゲームアプリ開発者にとって,オリジナルの BGM を用意するのはコストが必要となる場合がほとんどである.また,ゲーム音楽といっても,ゲーム音楽ならではの音楽的特徴は幅広く,ゲーム音楽そのものの理論は確立されていないのが現状である.そこで,ゲームのシーンに着目し,音楽をゲームのシーンに合った曲調に変換してくれるシステムによって,音楽理論を理解していなくてもゲームの BGM を用意できるのではないかと考えた.本研究では,CycleGAN を用いたドメイン変換に加え,テンポと音色を考慮することによって,クラシック音楽からシーン別のゲーム音楽を生成することを提案する.評価としては,分類器を用いた変換精度の客観評価とアンケート形式による生成楽曲に対するイメージ及び変換精度を答えてもらう主観評価の 2 つの評価方法を用いて評価を行った.客観評価と主観評価の総合的な評価の結果,「フィールド」と「戦闘」のシーンに変換した楽曲において高い評価が得られた.
著者
康 純
出版者
近畿大学臨床心理センター
雑誌
近畿大学臨床心理センター紀要 = Bulletin of center for clinical psychology Kinki University
巻号頁・発行日
no.5, pp.3-10, 2012-11-01

[要旨] ギリシャ神話の「変身物語」や平安時代の「とりかえばや物語」に描かれているように、異なる性別で生きることを求める人は昔から存在していたと考えられる。 19世紀中頃から、解剖学的性やその性の役割に対し違和感を表現する人々に対し、医学的な枠組みの中で報告され始めた。しかし、1950年頃までは同性愛やフェティシズム、性同一性障害などが混同されていた。ハリー・ベンジャミンは身体的性とは反対の性であると確信している人々に対して性転換症(transsexualism)という用語を用い、ジョン・マネーらは性分化疾患の性意識を研究して、ジェンダー(gender)概念を提唱した。ここから解剖学的な性とジェンダー・アイデンティティとの不一致を性同一性障害という精神病理学的状態と位置づけるようになった。一方、自分の性に対する表現は自分の生き方の問題であるとして脱病理化を表現するトランスジェンダーという言葉で自らを表現する立場もある。このような状況の中、アメリカ精神神経学会や世界保健機関も診断基準の見直しを進めており、性同一性障害の概念は変遷していく課程にあると考えられる。
著者
青木 宏 Aoki Hiroshi
出版者
宇宙開発事業団
雑誌
宇宙開発事業団技術報告 = NASDA Technical Memorandum (ISSN:13457888)
巻号頁・発行日
pp.1冊, 1995-03-31

本報告書は将来の宇宙活動の利用者の多様な要求に応え得るための宇宙輸送体系のあるべき姿の一つを提案した。将来の宇宙輸送体系では地球低軌道に到達する手段の効率の向上、低コスト化、運用の柔軟性が鍵となる。これらを実現すべく宇宙輸送系の「再使用化」を目標として今後のわが国の宇宙輸送体系の発展の一つのシナリオを提案した。打上げ機の下段は性能に関する重量増の感度が比較的低いので、「無人・自動化技術」を適用して「回収・再利用化」を図り、段階的にその範囲を拡大していくことを合理的と考えた。このシナリオに基づき既開発のH-2ロケットの構成部品を利用した再使用ブースタの概念の一例を示した。
著者
横川 昌史 高田 みちよ 長谷川 匡弘
出版者
大阪市立自然史博物館
雑誌
大阪市立自然史博物館研究報告 = Bulletin of the Osaka Museum of Natural History
巻号頁・発行日
no.74, pp.75-82, 2020-03-31

オオバナミズキンバイはアメリカ合衆国南東部から南米原産のアカバナ科の水生植物で,特定 外来生物に指定されている(角野 2014).2014年に大阪府でオオバナミズキンバイが見つかり,その後, 大阪府内各地の河川や水路,ため池で生育が確認されている.2019年9月までに,高槻市・摂津市・大 阪市・東大阪市・八尾市・柏原市・藤井寺市・堺市・羽曳野市・岸和田市でオオバナミズキンバイが 見つかっており,高槻市・淀川本流・恩智川・大和川およびその支流・大阪南部のため池と地域別に 生育状況を報告した.今後も大阪府内でオオバナミズキンバイが拡がる可能性があるため,モニタリ ングを継続するとともに何らかの対策が必要だと思われた.
著者
ロベール ジャン-ノエル
出版者
国際日本文化研究センター
巻号頁・発行日
pp.1-120, 2001-11-15

会議名: 日文研フォーラム, 開催地: 国際交流基金 京都支部, 会期: 1999年10月12日, 主催者: 国際日本文化研究センター
著者
国際日本文化研究センター 資料課資料利用係
出版者
国際日本文化研究センター
巻号頁・発行日
2018-10-01

日本には27000以上の泉源と3000を超える温泉地があります。 古来より人々は温泉を求め旅をしました。 そのため、地図・旅行案内・絵葉書が多く作られてきました。 今回は有名な3つの温泉を取り上げました。豊臣秀吉に愛された有馬温泉(兵庫)。 『古事記』において、軽太子の流刑先として日本の文献で初めて記された道後温泉(愛媛)。 家康によって幕府直轄領となり、その後も文豪や著名人に愛される熱海温泉(静岡)。 普段はなかなか目に触れない資料なのでぜひご覧ください。
著者
国際日本文化研究センター 資料課資料利用係
出版者
国際日本文化研究センター
巻号頁・発行日
2018-05-21

京都東部に位置する岡崎。美術館・図書館・動物園・平安神宮など、さまざまな文化施設や観光名所があり、いつも賑わいを見せています。1895(明治28)年の第4回内国勧業博覧会以来、徐々に開発が進んで現在の形へと近づいていきます。古地図と絵はがきでその歴史をたどります。
出版者
思文閣出版
巻号頁・発行日
1997

まえがき / 山田 慶兒, 栗山 茂久 序論に代えて 日本医学事始 : 予告の書としての『医心方』 / 山田 慶兒 I 病の中の歴史 肩こり考 / 栗山 茂久 はじめに 1 痃癖 2 滞りの病理学 3 揉まれる凝り 4 身体感と時間感 疝気と江戸時代のひとびとの身体経験 / 白杉 悦雄 はじめに 1 医学理論のなかの疝気 2 経験された疝気 3 信仰と身体観 おわりに 狐憑きの心性史 / 昼田 源四郎 はじめに 1 憑依するものの時代的変遷 2 憑依の形態 3 憑依の両義性 4 憑依がはたした機能 5 狐憑きの今後 おわりに II 日本の医学へ 劉医方という誤解 : 江戸前期医学史をとらえるための一視点 / 石田 秀実 はじめに 1 富士川游による日本中世医学史の枠組 2 劉医方とは何だったのか 3 饗庭東庵学派の系譜 4 饗庭東庵学派の医学を窺う資料 結論 三帰と道三 : 曲直瀬流医学の形成 / 桜井 謙介 はじめに 1 三帰の能毒 2 三喜と三帰 3 考察 後藤艮山の医学について / 梁 嵘 1 艮山医学の枠組 2 艮山の医学の歴史的背景 3 艮山の医学革新と残した考え 目医師達の秘伝書と流派 / 奥沢 康正 1 眼科秘伝書の概略 2 1500年代の眼科秘伝書の特徴 3 手術器械図譜を記載した秘伝書・眼科書の特徴 むすび III 四海を超えて 「紅毛流外科」の誕生について / ヴォルフガング・ミヒェル はじめに 1 「魂には祈りを、身体には薬を」――西洋医学との最初の出会い 2 衰退の後 3 隔離と接近 4 カスパル・シャムベルゲルとカスパル流外科 5 シャムベルゲル以降 結び 近世前期朝鮮医薬の受容と対馬藩 : 医学書・薬種・医師について / 田代 和生 はじめに 1 医学書 2 薬種 3 医師 結び 江戸期渡来の中国医書とその和刻 / 真柳 誠 はじめに 1 渡来中国医書の検討 2 和刻中国医書の検討 3 中国医書の渡来と和刻の比較検討 4 渡来中国医書の伝承と逆伝 まとめ IV 診ることと癒すこと 初期腹診書の性格 / 廖 育群 1 初期腹診書のテキスト 2 各書の構造と特徴 3 討論 看護人の系譜 / 新村 拓 はじめに 1 小石川養生所の「看病人」 2 長崎養生所の「看病人」 3 病院の「看頭」 4 看病・看護・介抱・付添の関係図式 プラセボの日本受容 : Placeboはのりと薬だ / 津谷 喜一郎 はじめに : プラセボにたいする否定的な見方 1 Placebo=偽薬が日本で引き起こしている問題――インフォームド・コンセント取得において 2 プラセボにかんする研究略史 3 日本におけるplaceboのコンセプトと用語の導入 4 東洋の医学の歴史から見ると おわりに V 体内の風景 17、18世紀の日本人の身体観 / 酒井 シヅ はじめに 1 日本古来の身体観 2 和漢書の人体内景図 3 江戸初期の身体観 4 17世紀の西洋医学の影響 5 紅毛外科書の身体観 6 西洋解剖書の翻訳 7 山脇東洋の観蔵 8 『解体新書』の影響 結語 医学において古学とはなんであったか : 山脇東洋の解剖学と職業および学問としての医の自立 / 山田 慶兒 1 山脇東洋の医学史上の位置 2 人体解剖の動機 3 復古主義と徂徠学 4 『周礼』と医学の理念 5 周漢の遺法と張仲景 6 医学理論への批判 7 医学の実践の道 8 九藏説と観藏 9 職業および学問としての医学 人体内景図の脂曼・脂膜について / 高島 文一 はじめに 1 中国の人体解剖図 2 解剖図の中の脂曼・脂膜 3 東洋における膵臓の認識 4 近世解剖図の脾胃膵の位置 5 中国の内景図で脂曼・脂膜の記載の無いものについて むすび 江戸時代 : 解剖の事跡とその反響 / 杉立 義一 1 東洋観蔵の意義 2 江戸時代における解剖の事跡と反響 VI もうひとつの医学 日本密教医学と薬物学 / 二本柳 賢司 1 密教事相としての五宝・五薬・五香 2 五薬各種の医学的分析 3 五香の薬学的分析 4 密教医学と丹薬 5 外丹方と内丹法の関係 6 内外護摩法と内外丹方の関係 西チベット、ラダックにおける病いと治療 / 山田 孝子 はじめに 1 アムチam-chiの医学 2 村人にとっての病い 3 村人の信仰と病い 4 病者を治療者として社会化できる疾病観 おわりに ふたつの「預言者の医術」 / 三木 亘 はじめに 1 「預言者の医術」とは? 2 イスラム法というもの 3 伝承の性格 4 ふたつの「預言者の医術」 『斉民要術』のなかの家畜の病 / 小林 清市 はじめに 1 家畜の病をめぐる状況 2 『斉民要術』のなかの家畜の病むすびにかえて 執筆者紹介