著者
橋本 勝美
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.7, pp.451-456, 2014-10-01 (Released:2014-10-01)
参考文献数
9

日本人研究者による研究不正のニュースは,日本の社会に衝撃を与えた。このニュースにより,研究者,学生,編集者のみならず,一般にまで研究不正が注目されることとなった。世界中の研究者が,論文を出版しなければならないというプレッシャーから,ときに不正を犯してしまう。ジャーナル編集者は,自誌で不正が発覚した場合には,深くかかわらざるをえない。論文出版の技術発展により,オーサーシップ問題,改ざん,捏造,剽窃・盗用といった不正を行うことが容易になった。ジャーナル編集者は,不正が行われていないかどうか,また,不正を見つけた場合にはどのように対応するかを常に確認していなくてはならない。さらに,不正が起こらない環境を用意することも不可欠である。幸いなことに,COPEのような信頼できる団体が,多くの有益な情報を配信している。ジャーナルは,インパクトのある論文出版を追い求めることのみならず,公正な論文の出版をも目指さなければならない。
著者
名城 邦孝
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.240-253, 2010-09-01

本論文では18世紀前半に飛躍的な発展を遂げたフランスの王室図書館について,当時の図書館長ジャン・ポール・ビニョン(Jean Paul Bignon)という人物の活動から考察する。ビニョンの図書館長としての成果は広く知られているが,それ以前の文化機関での活動はあまり注目されてこなかった。そこで,館長就任以前の活動がどのように図書館改革に有効に生かされていったのかを検討することを通して,当時ヨーロッパ最大の図書館と言われた王室図書館がどのように改革されていったのかを総合的に理解する。
著者
木水 千里
出版者
成城大学
雑誌
Azur
巻号頁・発行日
no.9, pp.1-24, 2008
著者
山内 一史 石川 稔生
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学看護学部紀要 (ISSN:03877272)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.95-100, 1994-03

不確かな状態で被験者自身が行ったカフェインの摂取・非摂取の予想(初期判断)が,カフェインの中枢作用の自覚を反映する実験終了直後のカフェインの薬理効果の判定(最終的な自己判定)に及ぼす影響を調べた。結果は次の通りである。(1)被験者は,カフェイン無しやカフェインの効果無しなどの否定的判断を選択する傾向が強い。(2)カフェイン摂取・非摂取の自主的な予想の結果は,最終的な自己判定と一致する場合が多い。(3)実際のカフェインの摂取条件と異なる予想をした被験者の,薬理効果の自己判定にアンカー効果がみられた。
著者
堀田 進
出版者
日本ウイルス学会
雑誌
ウイルス (ISSN:00426857)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.105-107, 2001-06-01 (Released:2010-03-12)
著者
直井 雅文
出版者
埼玉県立越谷北高等学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2007

月明かりは,一般に太陽光を直接月が反射したものである。しかし,三日月より細い月を見ると,太陽光が照らしていない部分も淡く見えることがある。これは,地球で反射した太陽光が月を照らしているもので,地球照である。また月が地球の影に入る皆既月食の時にも,月は完全に暗くはならずに赤銅色にほんのり見えることが多い。これは,太陽光のなかで散乱されにくい長波長の(赤い)光が地球の大気を屈折しながら回り込み,月を照らすためである。そこで,皆既月食および地球照を通常の月明かりと比較する分光観測をして,地球大気による吸収や散乱の影響を間接的に調べることが可能になる。これらの月の光を分析するために,低分散だが小型軽量の分光器を作成して観測に望んだ。2007年は6年ぶりに皆既月食が起こったが,曇天のため観測できなかった。しかし,地球照の分光観測に成功した。その結果,地球照の成分は地球大気によるレイリー散乱と地表や雲などによる反射光で説明できることが分かった。月の軌道は地球の赤道面に対して傾いている。そのため,日本で地球照が見えるとき,月から見た地球のすがたは,太平洋が大部分を占めたり,ユーラシア大陸が大部分を占めたり,インド洋が大部分を占めたりする。リモートセンシング技術の文献等をみると,地表の物質によって反射光の分光特性が異なる。そのことを利用して,人工衛星の画像から地球環境をモニターすることが可能になっている。今回観測に成功したとき,月からは太平洋が広く見えていたため,地球照には陸域の植生や土壌の反射光はほとんど無かったようである。
著者
金山 彰宏 小曽根 恵子
出版者
日本ペストロジー学会
雑誌
ペストロジー学会誌 (ISSN:09167382)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.9-13, 1997-09-25
被引用文献数
9

Observations of the nocturnal behavior of the German cockroach, Blattella germanica, were carried out using single or mixed populations of males, gravid females, ungravid females and nymphs. In captivity adult males were very active, did not concentrate on the feeding site, and spread widely in the walking area. Gravid females, in contrast, were quite different in their moving pattern from males. The majority of them never came out to the walking area, and only a few individuals gathered around the feeding place. The behavior of the roaches was also observed in the mixed populations. In a separate field study of capturing cockroaches by setting adhesive traps on the open space in a restaurant, the proportion of adult males, ungravid females and gravid females was 64%, 32%, 4%, respectively. The result was same as the above mentioned experiments.