著者
水山 元
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.215-220, 2010-04-01

予測市場とは,市場メカニズムの持つ情報集約機能を予測のためのツールとして利用する技術であり,「集合知に基づく予測」を実現し得る手段の一つとして注目されている.需要予測への応用を考えると,新製品の需要を予測したい場合や,需要パターンに構造変化が生じやすい場合など,過去の需要実績に頼った予測が難しい場合に特に有効になると考えられる.本稿では,まず,予測市場技術の概要を述べた上で,それを需要予測に応用した事例を紹介する.また,予測市場を用いた需要予測の従来法をさらに発展・洗練させていくための研究開発の現状についても触れる.
著者
五十嵐 崇訓
出版者
Japan Society of Colour Material
雑誌
色材協會誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.85, no.4, pp.156-163, 2012-04-20
被引用文献数
2 4

ファンデーションの開発では,ファンデーションを塗布した肌の色,つや,透過性を適正化するために,その光学特性の制御法が重要な技術テーマとなっている。このようなファンデーションの光学特性制御はおもに二つのアプローチにより達成されている。一つ目は,目的の光学特性を発現する粉体を合成し,この粉体をファンデーションに配合することで目的の特性を作り出すものである。二つ目は,ファンデーションを肌上に塗布した際に形成される化粧膜に,目的の光学特性を発現する構造を与えるものである。いずれの方法においても,光学特性の中でもとくに重要な反射に着目した研究が数多く報告されている。本報では,とくに消費者からの期待が高い,透明感のある美しい化粧仕上がりを目的とした先行研究をおもな事例として取り上げながら,ファンデーションの反射特性の具体的な制御法の概要を紹介する。さらに,この概要を受けて,今後の技術課題についてコメントする。
著者
大西 範和
出版者
愛知みずほ大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

平成13年度には健康な成人男子6名を対象に、70%VO_2maxの運動強度で25分間の自転車運動を、週4回の頻度で4週間行う持久的トレーニング、平成14年度には健康な男子7名、女子4名を対象に、ハンドグリップ・エルゴメータを用い、8RMの運動負荷強度で、両側の掌握運動を一日に左右各8回を3セット、週3回の頻度で4週間行う筋力トレーニングを行わせた.毎回トレーニング後に、一側の運動肢を持久的トレーニング後には5±1℃、筋力トレーニングの場合は10±1℃の冷水に20分間浸し(持久的トレーニングでは2回)、身体トレーニング後に習慣的にアイシングを施すことが、持久能や筋の発達、パフォーマンスの変化などに及ぼす影響を観察した。持久的トレーニングに伴い、一側下肢の運動負荷テストにおける運動持続時間は対照側で有意(p<0.05)に延長したが、冷却側では有意な変化は認められなかった。最高酸素摂取量の増加率は、対照側に比べ冷却側で有意(p<0.05)に低かった。筋力トレーニングに伴い、最大筋力は両側で増加(冷却側p<0.05、対照側p<0.01)した。しかし、トレーニング前の最大筋力の30%の負荷強度で疲労困憊に至るまでの掌握回数で評価した筋持久力は、対照側で統計的に有意(p<0.01)な増加率を示したのに対し冷却側では変化しなかった。いずれのトレーニングによっても、持久能の向上が冷却によって減衰し得ると推察された。運動後の筋の温度、代謝量や血流量などの差異に起因する応答やそれに伴う適応性の違いが機序として考えられ、今後解明が課題である。また、スポーツ現場などで、急性外傷の治療などの必要のない健常な筋に、アイシングを行う意義や適用条件について検討する必要性を示唆する。被験者の鍛錬度、トレーニング期間、強度、冷却の方法などの条件の違いが結果に影響する可能性もあり、さらに検討を要する。
著者
谷口 忠大
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.77-87, 2013 (Released:2013-01-05)
参考文献数
12
被引用文献数
1

In this paper, we propose a new learning model for decentralized autonomous smart grid involving adaptive trading agents which can sell and buy electric power effectively in a local electric power network. We name the electric power network i-Rene (inter intelligent renewable energy network). The trading agents manage the amount of electric power generated by solar panels or other renewable energies by trading electric power stored in a storage battery in a house. The agent learns a trading strategy by maximizing its utility. Based on the proposed system, we evaluated its price formation and effectiveness of the adaptive trading method through simulations. Additionally, we propose a new variable consumption model for decentralized autonomous smart grid involving living people consuming electric power and the adaptive trading agents. To model demand side management which can control the amount of electric power consumption, developing variable consumption model is essential. We added a variable consumption model to the i-Rene model. We evaluated its price formation and effectiveness of the decentralized autonomous smart grid to equalize fluctuating demand.
著者
富山 弘幸
出版者
日本高専学会
雑誌
高等専門学校の教育と研究 : 日本高専学会誌 (ISSN:1343456X)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.45-48, 1996-04-30

最近高専は「センター試験」なしで大学に入学できることから,大学編入者が増加している.私が大学に編入した理由は1.教員免許を取得すること,2.大学院に進学し,学際領域を広げること,3.高専生であることに不満があったことである.ここでいう「不満」とは世間が「高専=専門学校」とみなしていることである.大学編入学を希望する学生に対し高専は1.進学コースを設置すること,2.編入希望者に対して編入学した学生から情報提供の機会を作ることを要望する.2について筆者は,母校の航空高専機械工学科ニュースに「長岡通信」を掲載していた.

4 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1941年03月01日, 1941-03-01
著者
小杉 徹 岡野 正豪 荒尾 知人 金森 哲夫
出版者
静岡県農業試験場
雑誌
静岡県農業試験場研究報告 = Bulletin of Shizuoka Agricultural Experiment Station (ISSN:0583094X)
巻号頁・発行日
no.50, pp.19-28, 2006-03 (Released:2011-03-05)

微生物資材等について約5週間の栽培試験を行い、キャベツの生育促進効果及び、根こぶ病の抑制効果について調査した。1.園芸培土(クレハ)と多腐植質黒ボク土を5:1に混合し、その混合土1g当たり1×10(5)の根こぶ病菌の休眠胞子を接種したものを、供試土壌とした。供試土壌に対して、牛糞たい肥2%、またはEMボカシ(米ぬか、魚かす、なたね油かすに微生物液を入れて1週間嫌気発酵させたもの)2%を混和し、それぞれ牛糞たい肥区、EMボカシ区とした。キャベツ播種後1週間では、EMボカシ区で生育が抑制されたが、5週間目の調査時には資材無施用区と同等となった。また、EMボカシ区は、根こぶ着生を抑制した。2.EMボカシと微生物液を入れないボカシを用意して、キャベツに対する栽培試験を行った。資材施用による生育に対する効果は認められたが、両資材に生育差はなかった。また両資材ともに0.25-0.5%以上で根こぶ着生はほぼ抑制された。3.米ぬか、魚かす、なたね油かすを各々0.3%施用した場合でも、根こぶの着生が抑制された。根こぶ着生を抑制しているのは、ボカシ資材を構成している米ぬか、魚かす、なたね油かすと推測した。

4 0 0 0 OA 台湾現勢要覧

著者
台湾総督府 編
出版者
台湾総督府
巻号頁・発行日
vol.昭和6年版, 1935
著者
Ghazi Mohamed Eisa Hussein Hisashi Matsuda Seikou Nakamura Makoto Hamao Toshihito Akiyama Kouhei Tamura Masayuki Yoshikawa
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Biological and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:09186158)
巻号頁・発行日
vol.34, no.12, pp.1849-1855, 2011-12-01 (Released:2011-12-01)
参考文献数
26
被引用文献数
39 52

We previously investigated the effects of an aqueous extract of maté (mate) tea, made from the leaves of Ilex paraguariensis, on the diabesity and metabolic syndrome features in a mouse model. Mate induced significant decreases in body weight (BW), body mass index, and food intake (FI). In this study, to verify the mode of action of mate on FI and consequently on BW, we examined the anorexic effects of mate on the appetite and satiety markers glucagon-like peptide 1 (GLP-1) and leptin in high-fat diet-fed ddY mice. GLP-1 is a peptide signal generated by the gastrointestinal tract, which regulates appetite and influences BW, whereas leptin is an afferent signal from the periphery to the brain in a homeostatic feedback loop that regulates adipose tissue mass, thus leading to decreased appetite and FI and increased energy expenditure. Chronic administration of mate (50, 100 mg/kg) for 3 weeks significantly reduced FI, BW, and ameliorated blood fats, liver fats, and adipose tissue. Mate induced significant increases in GLP-1 levels and leptin levels compared with the control. Acute administration of major constituents of mate showed significant increases in GLP-1 levels by dicaffeoyl quinic acids and matesaponins, and significant induction of satiety by caffeoyl quinic acids and caffeine in ddY mice. These findings suggest that mate may induce anorexic effects by direct induction of satiety and by stimulation of GLP-1 secretion and modulation of serum leptin levels.
著者
横手 慎二
出版者
現代史研究会
雑誌
現代史研究 (ISSN:03868869)
巻号頁・発行日
no.47, pp.92-98, 2001