著者
鈴木彰真 野々村翔 村田嘉利
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.100-107, 2014-07-02

近年,様々な食感のグミが販売されており,それに応じて消費者の嗜好も多様化している.メーカーが提示するグミの食感は客観的な表現がされておらず,顧客の求める食感とメーカーが提示する食感が合致していない.そこで本論文では,微妙な差異の表現が必要であるグミの食感を対象に,擬音語,擬態語を表すオノマトペを用いたグミの推薦システムを構築し,その有用性について評価を行った.客観的にオノマトペ表現を用いたグミの推薦システムを構築するためには,使用するオノマトペの数と内容の吟味とグミとの関連付け方法が重要となる.本論文では,複数のアンケートから食に関するオノマトペとグミを関連付け,アンケートの結果から関連度の高い順に複数のグミを推薦した.提案サービスの評価として,選択したオノマトペによって適切にグミが推薦されるかどうか検討した.評価では,被験者にグミの種類を1つ思い浮かべてもらい,選んだオノマトペから推薦されたグミのサンプル上位4品目を試食してもらった.その後,オノマトペとグミの合致度を5段階評価してもらった.評価の結果,9割以上が合致度4以上と回答し,所望する食感のグミを推薦できていることが示された.
著者
剣持 秀紀
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.472-476, 2012-04-15

本稿では,過去の歌声合成に関する研究と筆者が開発に関わった歌声合成システVOCALOIDについて紹介しながら,歌声合成の未来について論じる.
著者
近藤 正一 早瀬 幸彦 麓 和善 若山 滋
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
no.488, pp.203-210, 1996-10-30

We surveyed Shinsenju, Shinsansui, Ginpa, and the other remained buildings of Nakamura Yukaku, in order to analyze the characteristics of city planning and modern architecture in the age of Taisho to Early Showa which germinate modern urban thought. The urban planning is modernistic although follow basic urban structure of historic Yukaku, in consideration of anti-disaster, hygiene, etc. The floor plan of almost all buildings is typed 3 patterns according to functional matters on urban planning. Shinsenju and Shinsansui which are Japanese style have adopted western style everywhere, while Ginpa which is western style have been sukiya style at the interior.
著者
安岡 孝一 ウィッテルン クリスティアン 守岡 知彦 池田 巧 山崎 直樹 二階堂 善弘 鈴木 慎吾 師 茂樹 藤田 一乘
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.355-363, 2022-02-15

Universal Dependenciesに基づいて,『孟子』『論語』『禮記』『十八史略』の依存構造(係り受け)コーパスを製作した.さらに,このコーパスを用いて,古典中国語の文切り・形態素解析・係り受け解析を統合的に行う解析システムも開発した.Universal Dependenciesは,書写言語における品詞・形態素属性・依存構造(係り受け情報)を,言語に依存せず記述する手法である.Universal Dependenciesの係り受け記述は,いわゆる動詞中心主義であり,言語横断的であると同時に,古典中国語における動賓終構造の記述にも適している.ただし,Universal Dependenciesにおけるコピュラ文の記述方法は,古典中国語のコピュラ文との間で微妙に齟齬があり,結果として,補語が節であるようなコピュラ文(約1.6%)に関しては,記述は行えるものの記法上の問題が残った.
著者
田中 良英
雑誌
宮城教育大学紀要 = BULLETIN OF MIYAGI UNIVERSITY OF EDUCATION
巻号頁・発行日
vol.56, pp.121-137, 2022-01-31

近世ヨーロッパ世界においては、国家的枠組の強化に伴い、諸勢力間の軍事衝突やその危険性が増加したことにより、軍事的な専門性をもって国家に貢献する個人・家系としての「軍事ハウスホールド」の意義が一層高まることになった。その中には、軍事上の活躍を契機に社会的上昇を果たし、官界での影響力を獲得する者も存在したため、彼らの実態を解明することは、近世国家のエリート運用や権力構造全般を理解する上でも必須の課題となる。本稿は将来的な比較史的考察の材料として、18世紀ロシアにおけるピョートル1世期の軍事ハウスホールド、特に1722年時点で陸軍将官であった48名を対象に、その内訳や傾向性の追究を試みた。17世紀以降の軍事改革を受けて、当時のロシアでは非ロシア人の将官も全体の3割強を占めていたが、中央及び地方行政への関与、新首都サンクト=ペテルブルクへの定着度などについては、ロシア人将官との間に一定の差異も見られた。ただし個人差も大きく、所領の有無、親族関係など、さらに個人情報を集積して具体的に検討していく必要がある。
著者
箭内 亙
出版者
東洋文庫
雑誌
東洋学報 = The Toyo Gakuho
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.100-104, 1911-01
著者
小安 宗徳 篠﨑 一慶 佐藤 妙 青木 良輔 有賀 玲子 渡部 智樹 犬童 拓也 大島 直樹 武川 直樹
雑誌
マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2019論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.992-999, 2019-06-26

我々は研究活動を行っている大学生の自己調整学習を,セルフモニタリングを使用して支援を行うことを目指している.自己調整学習に不慣れな大学生の特徴を明確化する為,17 名の学生を分析した.分析した学生の性格から,自己著製学習に不慣れな大学生のペルソナを 2 種類抽出し,研究活動におけるステップの仮説を構築した.構築した仮説から,学生に研究活動を促進するセルフモニタリングを促す,通知システムを構築した.通知方法は大学構内での滞在場所を基に通知を行い,セルフモニタリングさせるものである.大学生 4 名に対して 1 週間のユーザテストを行った.その結果,セルフモニタリングの回答結果から,”論文調査”などの準備段階の推定が示唆された.また,セルフモニタリングを行わせることで,研究にかかわる行動と研究を行う意識を促進することが示唆された.
著者
松村 尚子
出版者
大谷学会
雑誌
大谷学報 = THE OTANI GAKUHO (ISSN:02876027)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.41-55, 1973-08
著者
野村 恭彦
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.121-130, 2004-01-15

本論文では,新たなグループウェア設計の指針となる,ストラテジック・ナレッジ・パターン(SKP)を示す.SKPは,日米のナレッジ・マネジメント(KM)に成功している企業11社の半年にわたっての定性・定量調査を通じて構築された,企業の差別化戦略の3つのパターンである.これまでのグループウェア研究では,協業の目的を持ったグループの知識共有の支援には一定の成果をあげてきたが,KMの成功と失敗の分かれ目である,いかに組織の構成員に知識共有の動機付けを行うかという課題に関しては,十分な議論がなされてこなかった.本論文ではまず,KMに成功している企業は,部門を越えた知識共有が特別な取り組みではなく,「当たり前」の企業文化となっていること,その秘訣は,知識経営の「目的」,焦点を当てるべき重要な「知識」,各個人・組織の仕事の背景である「コンテクスト」の3つの可視化にあることを示す.続いて,本調査を通して発見された3つのSKP,ビジョン主導型KM,プロ型KM,創発型KMを示し,各SKPを実現するためのグループウェア設計指針について議論する.最後に,SKPに基づきグループウェア設計を行うことにより,グループウェアの提供価値を,ミクロなグループ活動支援から,経営戦略に基づく組織全体の知識創造活動支援へと,高めることが可能になることを示す.