著者
沈 国威
出版者
松蔭女子学院大学学術研究会
雑誌
文林 = Bunrin (ISSN:02886170)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.53-85, 1993-03-20
著者
平 弥悠紀 Miyuki Hira
出版者
同志社大学日本語・日本文化教育センター
雑誌
同志社大学日本語・日本文化研究 = Bulletin of Center for Japanese Language and Culture (ISSN:21868816)
巻号頁・発行日
no.17, pp.19-37, 2020-03

漫画には多くのオノマトペが見られるが、本稿では、「動き」を視点として、オノマトペを取り上げ、中でも「歩く・走る」動きについて、擬音語、擬態語がどのような役割を果たしているのかについて考察した。擬音語・擬態語の辞書によると、人間の全身の「動き」の中で、「歩く」動作に関するオノマトペが最も多く見られる。一方で、「走る」に関するオノマトペは少数である。本稿で資料とした森本梢子著『研修医 なな子』(全7巻、1995-2000年、集英社)では、「歩く」動作そのものを表現する場合、「歩く」に関するオノマトペではなく、擬音語が多く用いられている。特に「走る」に関しては、擬音語を活用して、「走る」動作を表現していると考えられる。絵にオノマトペを添えて、絵では表現しきれない内容を補うばかりでなく、絵はなくても、オノマトペだけで十分「動き」を読み取ることができる場合もある。このような「動き」を表現するオノマトペは、単に「動きの効果を高めるため」の「効果音」というよりも、「動き」そのものを表現するツールになっていると考えられる。そして、「音や動きのない時間を造り出す」促音によって、動きの遅速を表現したり、リズムに変化を与えたり、オノマトペの様々な語形によって、動きの違いを表現し分ける。また、「歩く」カテゴリーのオノマトペは、歩く動作そのものよりも、身体機能に影響されたり、健康状態や心理状態を反映した歩き方を表現していた。
著者
小島 美子
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.371-384, 1993-02-26

日本音楽の起源を論じる場合に,他分野では深い関係が指摘されているツングース系諸民族についてその音楽を検討してみなければならない。しかしこれまではモンゴルの音楽についての情報は比較的多かったが,ツングース系諸民族の音楽については,情報がきわめて乏しかった。そのため私は満族文化研究会の共同研究「満族文化の基礎的資料に関する緊急調査研究―とくに民俗学と歴史学の領域において―」(トヨタ財団の研究助成による)に加わり,1990年2月に満族の音楽について調査を行った。本稿はその調査の成果に基づく研究報告である。この調査では調査地が北京に限定されていたため,満族とエヴェンキ族の音楽について多少の情報を集めることができたに過ぎず,とりあえずこの2つの民族の音楽に,参考資料として一部モンゴルの音楽の情報を加えて報告する。まず満族の音楽については,主としてビデオ資料によってシャマンの音楽を調査した。ツングースの文化にとってはシャマニズムは,きわめて重要な位置を占める。シャマンが用いる1枚皮の太鼓,ベルトなどにつけている多くの鈴などは,他のツングース系諸民族のシャマンと共通しており,また日本の少数民族であるアイヌ・ギリヤーク・オロッコのシャマンとも共通である。そしてこれは日本古代の有力なシャマンや朝鮮韓国の現在につながるシャマンとは明らかに別系である。また満族シャマンの歌は,テトラコード支配の強い民謡音階によっており,日本と共通するところが多い。エヴェンキ族の民謡について,現段階ではもっとも信頼のおける民謡集で調べたところ,エヴェンキ民謡は,モンゴル民謡と同じく拍節的タイプと無拍のタイプに分かれるが,後者は15%程度で意外に少ない。前者も2拍子系の曲と3拍子系の曲,変拍子や途中で拍子の変わるものが,それぞれ大体25%程度を占めており,韓国朝鮮の民謡のリズムに近い。また音階は民謡音階と律音階と呂音階にほぼ3等分されるが,テトラコードの支配はそれほど強くなく,むしろモンゴル民謡の方が日本民謡に近い。またメロディの装飾的な動きは,エヴェンキ族の民謡の方が日本民謡に近い。
著者
菊地 和博
出版者
東北文教大学・東北文教大学短期大学部
雑誌
東北文教大学・東北文教大学短期大学部紀要 = Bulletin of Tohoku Bunkyo College Tohoku Bunkyo Junior College
巻号頁・発行日
vol.1, pp.65-81, 2011-03-31

はじめに 菅江真澄は三河国出身でのちに羽後国秋田に住み着いた江戸時代後期の旅行家・民俗研究家である。真澄は江戸期の東北各地の豊作祈願の芸能について詳細な説明文や写生図を残している。その中には伊達藩の「胆沢郡徳岡田植踊」(現岩手県奥州市胆沢区)をはじめ、八戸藩の「八戸田植踊」・「八戸田植唄」(現青森県八戸市)、南部藩の「田名部県田殖躍唄」・「田名部田植え唄」(現青森県むつ市田名部)などが記録されている。本稿ではこの中で特に「胆沢郡徳岡田植踊」の内容をもとに、現在の東北4県の田植踊りや八戸市周辺及び岩手県北部のえんぶりとの関連や相違点の比較分析を試みた。そのことを通して、「弥十郎」「藤九郎」「えぶり(えぶりすり)」の役柄などを含め江戸期以来の東北の豊作祈願芸能の全体構成を明らかにしようとしたものである。
著者
中村修也
出版者
文教大学
雑誌
生活科学研究 = Bulletin of Living Science (ISSN:02852454)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.155-168, 2000-03-01
著者
菱沼 利彰 五十嵐 亮 寺村 俊紀 森田 直樹 井原 遊
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:21888841)
巻号頁・発行日
vol.2021-HPC-180, no.3, pp.1-11, 2021-07-13

近年,プロセッサアーキテクチャの多様化が進んでいる.数値シミュレーションを様々なアーキテクチャで行うことを考えたとき,CPU では BLAS や LAPACK を用いれば密行列に対する演算が統一された API で利用できるが,アクセラレータでは多くの場合データ通信の制御や API の変更が必要になる.疎行列に対する演算は,一部のハードウェアベンダ製ライブラリが疎行列に対する演算を備えているが,全てのアーキテクチャで動作はせず,統一された API は定義されていない.著者らは,真に有用な線形代数ライブラリは実用されているすべてのアーキテクチャで動く必要があるとの考えから,各ベンダやライブラリのデータ型,行列格納形式,データ通信 API などを扱うための統一された API を定義し,すべてのアーキテクチャで動作する可搬性の高いオープンソースライブラリ monolish を提案する.本研究ではこの第一段階として,シングルノード,シングルデバイス向けに開発した提案ライブラリの性能を評価した.行列行列積,LU 分解,共役勾配法のプログラムを 8 つの環境で実行し,提案したライブラリを用いることですべての環境でプログラムを変更せずに動作する高性能かつ可搬性の高いプログラムを実現できることを示した.
著者
趙 仲
出版者
文教大学
雑誌
言語と文化 = Language and Culture (ISSN:09147977)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.70-91, 2015-03-01

关于日语心理动词的格助词使用问题,我们知道 : “o(を)”提示对象内容,“ni(に)”提示对象或者原因。先前的研究大多止步于此,没有系统地做下去。因心理活动的格助词使用情况与其在句子中的功能和位置有关,本研究将讨论对象圈定为心理动词在陈述句中作谓语的情况。通过例句分析,本文将影响心理动词的格助词使用的因素分为句子结构和语意影响两种情况。前者指受“o(を)+表示作用接收方的ni(に)”这一句子结构制约的心理动词;后者指不受这一结构制约,单独使用“o(を)”,或单独使用“ni(に)”的心理动词。本文以后者,即格助词使用受单纯语意制约的心理动词为中心,将这类心理动词的格助词使用情况分为了“o(を)”,“o(を)”或“ni(に)”和“ni(に)”三种情况,并通过调查得出三种格助词使用情况不是互相孤立的,而是具有连续性的。具体表现为,使用格助词“o(を)”的心理动词中有一部分词的格功能开始向“ni(に)”转变,使用格助词“ni(に)”的心理动词中有一部分词的格功能开始向“o(を)”转变。由此,将格助词使用受语意制约的心理动词分成了既互相区别又相互联系的五类。此外,本文具体讨论了这种制约心理动词格助词使用的语意特征具体体现为主体性。即按照主体性由强到弱的顺序,心理动词的格助词使用情况依次为:“o(を)”、开始向“ni”发生功能转变的“o(を)”、既可用“o(を)”也可用“ni(に)”、开始向“o(を)”发生功能转变的“ni(に)”、“ni(に)”。
著者
前 協子
出版者
中央大学人文科学研究所
雑誌
人文研紀要 (ISSN:02873877)
巻号頁・発行日
vol.85, pp.101-124, 2016-09-30

『トレインスポッティング』は『ポスト・ヘリテージ映画』で既に指摘されていたように「スコットランドの貧しく未来の無いように見える“陽気で悲惨な” 若者たち」の姿を描いた映像テクストとして,反ヘリテージ映画として機能して」おり,しかしながら,「イングランド外部のローカルな空間や社会的背景にイングリッシュネスの伝統や共同体への帰属に抵抗や逃走を試みる若者たちの活写」という表象が,英国南部の上流階級のそれとは正反対のもう一つのヘリテージ文化として商品化され,消費流通する可能性がある映像作品でもあった。 本稿では「人生を選ばないということを選んだ」という捨て台詞とともに麻薬に溺れていた主人公が,一転,「オレは変わり続ける,転がり続けるんだ」と言いながら仲間から逃走し,ドメスティックな英国社会にとどまることにも背を向けてグローバルに転回していくことを選択した姿を通して,階級の再編にどのように適応しようとしていったのかを主として考察した。
著者
中野 由章 中山 泰一 筧 捷彦 萩谷 昌己 久野 靖 角田 博保 辰己 丈夫
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.100-105, 2021-08-21

高等学校共通教科情報科は,2025 年度大学入学共通テストから出題されることが大学入試センターと文部科学省から発表されている.しかし,その検討素材としては,大学入試センターが 2020 年に示した試作問題(検討用イメージ)と 2021 年に公開したサンプル問題しかない.そこで,2022 年度から高等学校で始まる「情報Ⅰ」の授業内容の構築に資するべく,1997 年度大学入試センター試験から出題されている「情報関係基礎」の問題を分類し,高等学校共通教科情報科との対応を試みた.
著者
二瓶 恵 Nihei Megumi 茨城キリスト教大学
雑誌
茨城キリスト教大学紀要. I, 人文科学 = Journal of Ibaraki Christian University. I, Humanities (ISSN:13426362)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.37-57, 2010-01-01

Dix-sept reformes de l'orthographe franciase ont ete procedees entre 1650 et 1835. Cette renovation orthographique a purifie la langue francaise de l'epoque des debris du latin. Grace a elle, les bases du francais moderne ont ete batis par degres. A trevers des divers evenements importants, comme l'ordonnance de Villers-Cotterets, l'invention de l'impression typographique, la fondation de l'Academie francaise et l'enseignement public a titre gratuit, la langue francaise s'est repandue graduellement dans toutes les couches sociales de la France comme une seule langue commune et officielle. Notre but dans cet article est parcourir cette evolution et montrer comment l'orthographe francaise a ete modernisee.
著者
和田 勉
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2013-CE-121, no.2, pp.1-7, 2013-10-05

表記の授業に関し、その内容を紹介する.この授業については 2009 年 7 月に一度報告しているが,その後の改良を含めて,CS アンプラグドやそれ以外の工夫について紹介する.またこの授業の試験内容,受講学生の成績分布,および,授業で扱っている項目別に学生からの評価を求めたアンケートの結果を紹介する。
著者
岡田 佳之 榊 剛史 鳥海 不二夫 篠田 孝祐 風間 一洋 野田 五十樹 沼尾 正行 栗原 聡 Okada Yoshiyuki Takeshi Sakaki Fujio Toriumi Kosuke Shinoda Kazuhiro Kazama Itsuki Noda Masayuki Numao Satoshi Kurihara
雑誌
SIG-SAI = SIG-SAI
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.1-9, 2013-03-11

Twitter is a famous social networking service and has received attention recently. Twitter user have increased rapidly, and many users exchange information. When 2011 Tohoku earthquake and tsunami happened, people were able to obtain information from social networking service. Though Twitter played the important role, one of the problem of Twitter, a false rumor diffusion, was pointed out. In this research, we focus on a false rumor diffusion. We propose a information diffusion model based on SIR model, classify the way of diffusion in four categories, and reapper the real diffussion by using this new model.