著者
村上 雅裕 安田 恵 新村 健 天野 学
出版者
日本社会薬学会
雑誌
社会薬学 (ISSN:09110585)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.87-92, 2020-12-10 (Released:2020-12-30)
参考文献数
6

In awareness-raising activities for medical cost reduction, many drug-related words, including loan words, are used. The use of loan words may reduce the effectiveness of activities to raise awareness among elderly people with difficulty understanding these words. We examined the recognition of drug-related words among the elderly aged 65 or over. The word “generic drugs” had the highest recognition rate, at 94.7%, and those for “general drugs” and “leftover medications” also exceeded 70%. In contrast, the recognition rates for loan words, such as “authorized generics” and “biosimilars”, were markedly low, at 1.5%. The results suggest that the recognition of some words is poor among nonprofessionals, even if they are commonly used by professionals. In activities to raise awareness of medical cost reduction among elderly people, it may be important to use simpler words, and provide more detailed explanations, such as showing actual products.
著者
ALZATE Juliana Buritica
出版者
国際基督教大学ジェンダー研究センター
雑誌
Gender and sexuality : journal of Center for Gender Studies, ICU (ISSN:18804764)
巻号頁・発行日
no.10, pp.133-157, 2015

この論文は、フェミニスト障害学を通して、身体肯定と自己肯定の関連における相互信頼(interdependence)の問題について論じる。著者は「倫理の想像力」の概念に目を向けつつ、障害のある身体の経験に対して関心を持っており、このアプローチが、身体を恥じることから身体を肯定することへの文化的態度の変化という提案して大きく寄与することを論じる。 相互依存に対する肯定的な視点は、身体についての肯定的なイメージと自己肯定のより高い感覚を明るみに出す。相互依存の概念は次の三つのセクションで論じる。第一のセクションでは、間主観性の概念について明らかにし、身体と自己の間に生じる断裂を修復することに焦点を当てる。第二のセクションでは互恵関係とケアの概念について論じ、自立という理想に挑む。第三のセクションでは、自らの身体を肯定することおよび自尊心の観念と照らし合わせ、相互依存の概念について論じる。 相互依存は、障害者にも健常者にも影響を与えるもので、自立と自己充足の神話を解体する鍵となる語である。フェミニズムの障害学的視点からすると、我々は自由のしるしとしての自立の概念について再検討することが推奨される。相互依存は、自らの身体を肯定することと自尊心に対する一つのアプローチとして考えられる。相互依存を受け入れることは自分の弱さを受け入れることである。 身体障害者の経験から得られる重要な教訓とは、自己受容、ケア、そして他者の受容という三者の関係性や、身体は決して単独で存在しないという事実を含んでいる。つまり、相互に信頼しあうこととは、我々が関わりあう主体としての他者のことを慮るよう我々に促すものである。他者と関わりあうという行為は、団結と互恵モデルにとって決定的なものである。ゆえに、相互依存は我々を身体肯定と自己肯定に近づける。
著者
安藤 馨
出版者
神戸大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

規範的排除的法実証主義と記述的源泉準拠的包含的法実証主義を法体系の命令説モデルに基づき擁護し、更に権利概念のホーフェルド分析と法命令説を結合することによって、ある法的権利(すなわちそれらに相関的な法的責務)を定める法規範の帰結主義的道徳的正当化の条件を、法規範がそれらの名宛人に対して有する行為指導性の様態に応じて分類・同定した。
著者
大島 立子
出版者
東洋文庫
雑誌
山本英史編『中国近世法制史料読解ハンドブック』(東洋文庫、2019年)
巻号頁・発行日
pp.53-90, 2019-03

本論文には正誤表があります。下記よりご参照ください。http://id.nii.ac.jp/1629/00007241/
著者
堀江 秀樹
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.346-351, 2012-10-05

グアニル酸がグルタミン酸の味を強めることはよく知られている。何種類かの野菜(ナス,トマト,ニンジン,ダイコン,ネギ,ホウレンソウ)の蒸し処理によりグアニル酸が生成することを見いだした。ニンジンジュースへのグアニル酸の添加(蒸し野菜に含まれる濃度レベル(10mg/l))をパネルは官能的に判定できた。蒸し野菜に含まれるグアニル酸はグルタミン酸のうま味を強めることにより,味に寄与することが示唆された。トマトのオーブン加熱は呈味成分を濃縮し,グアニル酸も生成した。焼いたトマトのうま味は,濃度の増加したグルタミン酸とグアニル酸の間の相乗効果のために,生のトマトよりも非常に強いものとなる。グアニル酸含量は調理野菜の味研究における重要な指標となるものと考えられる。
著者
福井 弘教
出版者
法政大学公共政策研究科『公共政策志林』編集委員会
雑誌
公共政策志林 = Public policy and social governance (ISSN:21875790)
巻号頁・発行日
no.6, pp.89-103, 2018-03

ギャンブルは,正負両面共に強調されて,実際に何が課題となっていて,いかなる方策を必要とするか見えづらい点は否定できない。本稿では隣国,韓国との比較を通じて,ギャンブル政策の正負両面を明らかにしながら,日本のギャンブル政策理論を構築した上で,将来的に導入される可能性が高まった新規のギャンブル事業であるカジノの運営方式(マネジメント)から,依存症対策(ケア)に至るまでの政策提言までを射程として考察した。日本・韓国の公営競技におけるマネジメントに関しては一定の評価ができるものの,いずれも組織の肥大化を招いており,日本はケア対策の欠如も明らかとなった。宝くじ・スポーツ振興くじについては未だにギャンブルを自称せず,これら公営ギャンブルの負の側面を,「グレーゾーン」ともいえる私営ギャンブルのパチンコに強いてきたのが日本のギャンブル界である。他方,韓国では国(文化体育観光部)が主導して,ソウルオリンピックを契機とした跡地利用やスポーツ・文化行政との融合,適切な大小の規制を併用して,ギャンブル政策を運用してきたといえるが,逆に不法賭博を蔓延らせる要因ともなっており状況に応じた規制緩和も不可欠となろう。ギャンブル政策に正解はなく,常に模索を続ける必要がある。
著者
丸山 裕稔
出版者
日本磁気共鳴医学会
雑誌
日本磁気共鳴医学会雑誌 (ISSN:09149457)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.62-71, 2020-05-15 (Released:2020-06-15)
参考文献数
5

Optimization of scan parameter is important for acquiring high-quality image during MRI examination. This study describes the method of constructing a human-tissue-equivalent phantom useful in optimizing the scan parameter. The main ingredient of constructing phantom is gadolinium contrast agent. T1 and T2 values can be modulated by varying the concentration of gadolinium contrast agents and composing agarose. The construction of phantom is a time and effort intensive process. However, ample scan data are acquired using phantom scans. Comparing the phantom scans to that of volunteer scans will help objectively evaluate the quality of scanned images. Therefore, it is possible to set optimum scan parameter.