著者
Masahiro YASAKA Kazuo MINEMATSU Takenori YAMAGUCHI
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
Internal Medicine (ISSN:09182918)
巻号頁・発行日
vol.40, no.12, pp.1183-1188, 2001 (Released:2006-03-27)
参考文献数
21
被引用文献数
118 175

Objective To determine optimal intensity of international normalized ratio (INR) of warfarin therapy for the prevention of ischemic events in patients with non-valvular atrial fibrillation (NVAF), we evaluated the risk of severe recurrent stroke, systemic embolism and major hemorrhagic complications according to INR and age. Methods We carried out the National Cardiovascular Center (NCVC) NVAF Secondary Prevention Study and analyzed data with those of Japanese Nonvaluvular Atrial Fibrillation-embolism Secondary Prevention Cooperative Study to elucidate relationships of major stroke and hemorrhage with INR and age. In both studies, all patients with cardioembolic stroke were given warfarin, monitored with INR every month, and followed up for primary endpoints of stroke and embolism to other parts of the body, and for secondary endpoints of major hemorrhagic complications requiring blood transfusion or hospitalization. We regarded ischemic stroke with NIH stroke scale (NIHSS) score >10 or systemic embolism as a major ischemic event and ischemic stroke with NIHSS score <10 as a minor ischemic event. There were 203 patients enrolled in total (152 men and 51 women). We investigated the relationship of occurrence of the events with INR and age, and calculated the incidence rates of major and minor ischemic events and major hemorrhagic events. Results During the mean follow-up of 653 days, major ischemic stroke and systemic embolism occurred in only 4 patients with INR <1.6, minor ischemic stroke in 10 patients with INR 1.50-2.66, and major hemorrhage in 9 patients with INR 2.30-3.56. Patients with major ischemic or hemorrhagic events were significantly older than those without any events (75±4 years vs. 67±7 years, p<0.001 unpaired t test). Incidence rates of any events at INR ≤1.59, 1.60-1.99, 2.00-2.59 and ≥2.60 were 8.6%, 3.8%, 4.9%, and 25.7%/year, respectively. Conclusions Major ischemic or hemorrhagic events occur often in the elderly NVAF patients, in whom an INR value of between 1.6 and 2.6 seems optimal to prevent such events.(Internal Medicine 40:1183-1188, 2001)
著者
竹内 朋香
出版者
広島大学
雑誌
Memoirs of the Faculty of Integrated Arts and Sciences, Hiroshima University. IV, Science reports : studies of fundamental and environmental sciences (ISSN:13408364)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.235-239, 1997-12-28

序論 睡眠に関する自覚体験は主観的な現象であり,体験者の記憶や報告に依存する部分が大きい。したがって,研究対象とするには方法論上多くの限界がつきまとう。これらの現象についての従来の研究では,臨床現場で得た標本を用い,内容解釈に重点をおくものが多かった。しかし,睡眠中の自覚体験の出現要因や発現機序を明らかにするためには,生理的・心理的機序を検討すべく,独立変数,従属変数が明確となる実験計画に基づいて研究を行う必要がある。ヒトの睡眠は,約90分から120分のノンレム(non-rapid eye movements; NREM)-レム(rapid eye movements; REM)睡眠周期を一晩に4回から5回繰り返すというウルトラディアンリズムと,夜間から早朝にかけて1周期あたりの持続時間が長くなるというサーカディアンリズムの2つの側面を持つ。従来の自覚体験についての実験は,これら2つのリズムによる自然な周期にしたがって出現するNREM睡眠やREM睡眠の一定の時点で被験者を覚醒させ,そのときに得た自覚体験を研究対象としていた。このため,睡眠中の自覚体験が生起した可能性のある箇所が広く,自覚体験に対応する生理的データをポリグラム上で同定するのが困難であった。本研究の目的は,睡眠中の自覚体験の出現要因・発現機序を明らかにすることである。このため,睡眠周期のサーカディアンリズムとウルトラディアンリズムの両性質を利用した"中途覚醒法"を適用して睡眠周期を実験的に操作し,入眠時REM睡眠(sleep onset REM periods; SOREMP)を誘発し,そのときの自覚体験を得た。この手続きによって,夢,幻覚,睡眠麻痺といった,睡眠中の自覚体験が生起した可能性のある区間をポリグラム上で同定することが可能となり,自覚体験と,それらが生起した背景となる生理活動との関係を詳細に検討することができた。また,生起した自覚体験を分析する際,従来の研究では,被験者の口頭報告をもとに,実験者が自覚体験を評価・判定していた。そのため,報告時や評価・判定の段階で,実験者要因や被験者要因など様々な剰余変数が介入し,信頼性に欠ける面があった。さらに,質問項目自体の妥当性にも問題があった。そこで,本研究では,これらの信頼性,妥当性を備え,かつ夢の生起の背景となる生理活動を反映し得るような質問紙の作成および標準化を試みた。1.入眠時REM睡眠における特異な自覚体験 1) 睡眠麻痺と入眠時幻覚について "金縛り"として知られている睡眠麻痺(isolated sleep paralysis; ISP)は,寝入りばなに,意識は比較的はっきりしているにもかかわらず,体を動かすことができないという体験である。健常大学生の約40%が体験するという睡眠麻痺は,ナルコレプシーの症状の一つとして知られており,SOREMPで生起することが明らかになっている。健常者においても,変則的睡眠下でSOREMPがしばしば出現することが知られている。本研究では"中途覚醒法"を適用してSOREMPを実験的に誘発した。具体的には,次のとおりである。過去にISP体験のある健常被験者16名(18-21歳)を対象に,連続夜間睡眠実験を施行した。NREM睡眠が40分間経過した時点で60分間の中途覚醒を行い,その後の再入眠後に出現したSOREMPでISPが生起するか否かを検討した。また,生起した場合,そのポリグラムや内省からISPの現象像および発現要因について検討した。さらに,SOREMPの入眠時幻覚についても同様に検討した。全再入眠63回中,SOREMPは73.0%出現し,のべ6例(9.4%)のISPが出現した。ISPは,再入眠後にREM睡眠に至らなかった1例を除き,5例がSOREMPから出現し,ISPとSOREMPの密接な関連が明らかになった。ISPの発現と再入眠時の睡眠変数について検討した。その結果,極端に長い入眠潜時を示した1例を除くと,ISPが出現した場合の再入眠潜時は10分以内に集中しており,ISPはとくに短い入眠潜時の場合に出現する傾向を示した。ISP時の主観的体験の特徴として共通に認められたのは,実験室にいるという見当識を保ちながらも身体を動かすことができないという点であった。1例を除いた5例のISPで,幻触,幻聴,幻視のうちいずれかの幻覚および強い恐怖感を伴っていた。ISP時特有のポリグラムとして,α波の群発および開眼など覚醒時の特徴と,急速眼球運動,抗重力筋緊張抑制などREM睡眠の特徴が混在して認められた。このことから,ISPが覚醒とREM睡眠の移行期に出現することが示唆された。また,REM睡眠行動障害,悪夢,夜驚といった他の睡眠時随伴症や明晰夢とは,心理的,生理的に異なる現象であった。ISPとナルコレプシーの睡眠麻痺とは,共通の心理的,生理的機序を有することが推定された。しかし,同じ生理的機序を有しながらも,ナルコレプシーでは,ISPに比して麻痺時の抗重力筋緊張抑制が解除される閾値が高いと推定された。/abst
著者
林原 久恵
巻号頁・発行日
2013

筑波大学修士 (図書館情報学) 学位論文・平成25年3月25日授与 (30945号)
著者
近藤堅三 著
出版者
霊岸授産場出版部
巻号頁・発行日
1929
著者
山田 太造 古瀬 蔵 安達 文夫
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.9, pp.1-8, 2012-10-05

人間文化研究機構は,人文科学研究資源を一元的かつ網羅的に活用できる環境を目的として nihuINT を構築した.本稿では,人文科学研究資源から利用者が求める検索結果を得るための探索支援の方法について述べる.In order to construct an environment where research resources of humanities can be leveraged centrally and comprehensived, National Institutes for the Humanities (NIHU) have developed an integrated retrieval system called nihuINT. In this paper we describe a method of an exploring support which enables a user to obtain from the resources.
著者
濱田 美和
出版者
富山大学国際交流センター
雑誌
富山大学国際交流センター紀要 = Journal of Center for International Education and Research, University of Toyama" (ISSN:21891192)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.59-59, 2014-12

「日本語学習支援サイトRAICHO」(以下,「RAICHOサイト」, http://raicho.ier.u-toyama.ac.jp)は,富山大学に在籍する留学生の日本語学習を総合的に支援するための一つの手段として,国際交流センターが運営しているサイトである。本サイトのねらいは,富山大学で学ぶ留学生の学習を支援するという点にあり,ターゲットを富山大学の留学生に限定することで,サイトに掲載する情報を絞り込み,利用者が必要な情報に容易にアクセスできるようにするという点に重点をおいている(ただし,サイト自体は学内外を問わず利用できる)。本稿では,RAICHOサイトの2013年度の整備状況について報告し,今後の展望を述べる。
著者
和田 岳
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.466-473, 2005-12-25
被引用文献数
8

博物館学芸員の大半は、いくつもの仕事を抱えており、研究に時間や労力を割くことは難しい。しかし、多様な市民との接点の多い博物館の利を活かせば、市民を巻き込むことにより、研究活動を行うことが可能なのではないだろうか。さらに市民と連携した調査活動は、市民への普及教育でもあると考えることができ、調査の内容によっては資料収集活動の一環とも考えられる。本稿では、メーリングリストやウェブサイトを活用した市民を巻き込んだ調査研究の方法論と成果を、1)カラスのねぐら調査、2)ヤモリの分布調査、を実例として紹介する。

3 0 0 0 OA 二衝程機関

著者
福原達三 訳
出版者
川崎造船所
巻号頁・発行日
1920
著者
山村 慎 吉野 秀幸
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. V, 教科教育 (ISSN:03893480)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.27-43, 2005-02-21

J. L.マーセルは,音楽は感情と深い関係があると述べている。日本の教育課程における音楽科の目標が豊かな情操を養う点にあることからみても,このマーセルの考えは非常に興味深いものである。一方,マーセルはまた音楽における別の視点,つまりその社会性および道徳性についても言及している。マーセルによるこのような音楽の捉え方は, J. C.スマッツの唱えるホーリズムの考え方に相通じる面があるように思われる。なぜなら,感情とは他者および自己自身との社会的,道徳的つながりの中で育まれると言えるからである。そこで,本論文は,音楽教育が感情の教育に有益なものであることを,マーセルの論および音楽美学の考えに基づいて明らかにする。そして同時に,音楽教育が他者とのかかわりを体験する場となり得ることを,マーセルの論とホーリズムにおける「全体性」の概念を統合することによって明らかにする。
著者
酒井 貴広
出版者
日本生活学会
雑誌
生活學論叢
巻号頁・発行日
no.25, pp.63-77, 2014-09-30

In this paper, it was clarified that "Inugami (犬神)" is existing still now with the consideration of discrimination in Hata (幡多) district, Kochi Prefecture from the fieldwork. "Inugami" has changed intimately to the slander without grounds that stagnate internally individual. It is assumed that such a change had arisen with the flow in the age, and shows the necessity of continuous Tsukimono research with the attention of individuality. Moreover, articles of these topics were paid attention after the World War 2, it is clarified that information about "Inugami" having been frequently seen in Kochi Prefecture. Also, from the field data and the newspaper articles in this area, it is assumed that talking about "Inugami" decreased in about the 1960s. It is shown that marriage changed at this time from the synchronic articles. In conclusion, "sending information" for losing superstitions changed and made to inside tsukimonosuji. And it is necessary to consider another way of media and articles.